ホンダ・クロスロード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クロスロードCrossroad)は、本田技研工業がかつて生産、販売していたSUVである。

概要[編集]

初代は英国ローバーグループ(現:ランドローバー)からOEMとしてランドローバー・ディスカバリーの供給を受け、1993年に販売を開始し、1998年までベルノ店で販売されていた。2代目は自社開発車両で、SUVとミニバンとの性格を併せ持ったクロスオーバーSUVである。

初代 LJ/LJJ型(1993-1998年)[編集]

ホンダ・クロスロード(初代)
LJ/LJJ型
フロント
概要
別名 ランドローバー・ディスカバリー(初代)
※OEM供給元
製造国 イギリスの旗 イギリス
販売期間 1993年11月 - 1998年12月
ボディ
乗車定員 5-7名
ボディタイプ 3/5ドアSUV
駆動方式 四輪駆動
パワートレイン
エンジン EF1型:3.9L V型8気筒 OHV
最高出力 180ps/4,750rpm
変速機 4速AT
前:車軸式
後:車軸式
前:車軸式
後:車軸式
車両寸法
ホイールベース 2,540mm
全長 4,465-4,535mm
全幅 1,800mm
全高 1,950mm
車両重量 1,970kg
その他
製造事業者 ランドローバー
新車登録台数の累計 484台[1]
テンプレートを表示

1993年11月、RVブームの中、販売ラインナップにRVを設定するため、それまで販売していたクライスラージープ・チェロキーに替わり、提携関係(ブリティッシュ・レイランド時代から)にあったローバーグループより、ディスカバリーのOEM供給を受けて販売を開始した。同時期にいすゞ自動車よりOEM供給を受けた、ホンダ・ジャズホンダ・ホライゾン北米ではホンダ・パスポートの販売も開始した。

ボディは5人乗りの3ドアと7人乗りの5ドアが設定されていた。エンジンはローバー製V型8気筒エンジンのEF1型が搭載されている。トランスミッションは4速ATが組み合わされていた。名前はホンダ車であっても実際には英国車(しかも本格的な四輪駆動)であったため、一部のベルノ店では整備ができなかった。自社開発したCR-V登場までのつなぎ役的な存在であった。

1995年1月[2]、生産終了。在庫対応分のみの販売となる。

1998年12月[3]、流通在庫分がすべて完売し販売終了。

2代目 RT1/2/3/4型(2007-2010年)[編集]

ホンダ・クロスロード(2代目)
RT1/2/3/4型
フロント
リア
室内
概要
製造国 日本の旗 日本
販売期間 2007年2月2010年8月[4]
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
駆動方式 前輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
エンジン R20A型:2.0L 直列4気筒 SOHC i-VTEC
R18A型:1.8L 直列4気筒 SOHC i-VTEC
最高出力 2.0L 150ps
1.8L 140ps
変速機 5速AT
前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,700mm
全長 4,285-4,290mm
全幅 1,755mm
全高 1,670mm
車両重量 1,410-1,530kg
その他
販売期間中の新車登録台数の累計 3万2732台[4]
テンプレートを表示

2007年2月22日、2006年にモデルチェンジした3代目CR-VがプレミアムSUVクラスへ上級移行したため、初代・2代目CR-Vユーザーの受け皿になる車種として登場した。目標月間販売台数は3,000台と発表されている。2代目ストリームをベースに、3ナンバーサイズで3列7人乗りのクロスオーバーSUVとして登場した。エンジンはストリーム同様のR18A型とR20A型が設定されているが、トランスミッションはFF、4WDとも5速ATに統一されており、パドルシフトの設定もない。排気量でギア比が異なり、1.8Lは経済性重視の設定で、2.0Lはアクティブなユーザーに向け動力性能重視の設定となっている。

ボディサイズは全長4,285mm×全幅1,755mm×全高1,670mmであり、全長はコンパクトカークラスであるが、幅広い使い方を意識し高い車高と四角い形により幅方向に広い居住性が確保され、3列7人乗りを実現している。

1.8Lの一部グレードは、バンパー・フェンダーが無塗装でアクティブなイメージを醸し出し、最下級グレード「18L」は、キーレスエントリーが非装着(パワードアロックは搭載)でホイールキャップなしの銀色のスチールホイールという、現在のミドルクラス乗用車ではあまり見かけられない仕様である。このようなグレードは、価格帯を低く見せるための戦略価格車(量販車種ではない)で、過去にもCR-Vやステップワゴン / S-MXなどで見られ、他社でもトヨタ・アクア Lトヨタ・ヴィッツ FMパッケージなどで現在も見られる。

4WD車には、VSAの機能を拡張し、坂道発進をアシストするヒルスタートアシスト機能(車両挙動を安定させるVSAの機能を使い、坂道発進の際にクルマが後退するのを防ぐ)が採用された[5]

  • 2007年
  • 2010年
    • 8月末 - 販売不振のため生産・販売を終了した[6]。3年8か月と短い販売期間であった。

グレード[編集]

搭載エンジン[編集]

車名の由来[編集]

  • Crossroad:英語で交差点十字路の意味。人々の趣味、想い、夢、可能性が果てしなく広がる未来への旅立ち・出会いの出発点という意味で名付けられた。キャッチコピーの『クロスロードしよう』もこの名前からできたと思われる。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第87号17ページより。
  2. ^ クロスロード(1993年11月~1995年1月)”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月22日). 2020年1月22日閲覧。
  3. ^ クロスロード(ホンダ)1993年10月~1998年12月生産モデルのカタログ” (2020年1月22日). 2020年1月22日閲覧。
  4. ^ a b デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第62号13ページより。
  5. ^ [1]
  6. ^ “出るのが早かったのか失敗作か!? 販売台数が低迷した車5選”. くるまのニュース. (2019年9月7日). https://kuruma-news.jp/post/175096 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]