ホンダ・ZC型エンジン

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ホンダ・ZC型エンジン
生産拠点 本田技研工業
製造期間 1984年9月 - 2001年4月
タイプ 直列4気筒DOHC16バルブ
直列4気筒SOHC16バルブ
排気量 1.6L
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ZC型エンジン(ZCがたエンジン)は、本田技研工業で製造されていた1.6Lの直列4気筒ガソリンエンジンである。

機構[編集]

DOHC[編集]

ホンダ・S800の生産終了から14年ぶりに復活したDOHC 16バルブ クロスフロー エンジンである。動弁系以外の基本構造はEV型及びEW型を踏襲しており、回転方向は従来と同じ時計回り[1]である。ボアストローク比はDOHCエンジンとしては異例のロングストローク型で[2]、軽量コンパクトで中・低速域[3]のトルクも高いことから、このエンジンを搭載したシビックなどが、モータースポーツ(JTCN1耐久 等)で活躍した。

吸・排気バルブはそれぞれ2個ずつで、タイミングベルトで駆動されるカムシャフトにより、内側支点のスイングアームを介し開閉される。点火プラグ燃焼室の天井中央部に取付けられている。シリンダーブロックは、軽量のアルミ製である。

燃料供給装置は、基本的にPGM-FI仕様であるが、一部車種にシングルキャブレター仕様も存在する。PGM-FI仕様はインテークマニホールドの各気筒のポートにインジェクターが取付けられたマルチポイント式で、インテークマニホールドに可変吸気装置が装備されているものもある。ES型と同様にCVCCが採用されておらず、排気ガス浄化のために三元触媒が使用され、キャブレター仕様では排気2次エアー供給システムも装備されている。

SOHC[編集]

基本的にD16A型と同一構造の、SOHC 16バルブ エンジンであり、吸・排気バルブはそれぞれ2個ずつで、アルミ製ロッカーアームで開閉される。点火プラグが燃焼室の天井中央部に取付けられているが、カムシャフトを避けるために上側を吸気バルブ側に傾けている。

燃料供給装置は、PGM-FI仕様とCVデュアルキャブ仕様とがある。キャブレターには空燃比をより精密に制御するための2次エアが導入されている(PGM-CARB.:電子制御キャブレター)。

SOHC VTEC[編集]

B型エンジン等のDOHC VTECとは異なり、高出力と実用性を両立するために、可変バルブタイミング・リフト機構が装備されている。吸気側カムシャフトにのみハイ/ロー2種類のカム駒を設け、そこに接するロッカーアームを切り替え、吸排気バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)とリフト量を変化させていた。

歴史[編集]

存在したバリエーション[編集]

DOHC[編集]

PGM-FI仕様[編集]

  • 弁機構:DOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:1,590cc
  • 内径×行程:75.0mm×90.0mm
  • 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
  • 参考スペック(EG5 シビック)
    • 最高出力:96kW(130PS)/6,800rpm
    • 最大トルク:144N·m(14.7kgf·m)/5,700rpm

シングルキャブレター仕様[編集]

  • 弁機構:DOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:1,590cc
  • 内径×行程:75.0mm×90.0mm
  • 燃料供給装置形式:キャブレター
  • 参考スペック(AV クイントインテグラ)
    • 最高出力:74kW(100PS)/6,500rpm
    • 最大トルク:126N·m(12.8kgf·m)/4,000rpm

SOHC[編集]

PGM-FI仕様[編集]

  • 弁機構:SOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:1,590cc
  • 内径×行程:75.0mm×90.0mm
  • 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
  • 参考スペック(MA6 ドマーニ)
    • 最高出力:88kW(120PS)/6,300rpm
    • 最大トルク:142N·m(14.5kgf·m)/3,000rpm

デュアルキャブレター仕様[編集]

  • 弁機構:SOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:1,590cc
  • 内径×行程:75.0mm×90.0mm
  • 燃料供給装置形式:キャブレター(CVデュアルキャブレター)
  • 参考スペック(MA2 コンチェルト)
    • 最高出力:77kW(105PS)/6,300rpm
    • 最大トルク:135N·m(13.8kgf·m)/4,500rpm

SOHC VTEC[編集]

  • 弁機構:SOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:1,590cc
  • 内径×行程:75.0mm×90.0mm
  • 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
  • 参考スペック(MA4ドマーニ)
    • 最高出力:96kW(130PS)/6,600rpm
    • 最大トルク:145N·m(14.8kgf·m)/5,200rpm

搭載されていた車種[編集]

DOHC[編集]

PGM-FI仕様[編集]

シングルキャブ仕様[編集]

  • クイントインテグラ(AV/DA1)

SOHC[編集]

PGM-FI仕様[編集]

  • シビックフェリオ(EG9/EH1)
  • シビックシャトル(EF3/5)
  • シビックセダン(EF3/5)
  • インテグラ(DA5/7/DC1/DB6/9)
  • コンチェルト(MA2/3)
  • ドマーニ(MA4/6)

デュアルキャブ仕様[編集]

  • シビックシャトル(EF5)
  • インテグラ(DA7/DC1/DB6)
  • コンチェルト(MA2/3)

1983 Honda prelude AB

SOHC VTEC[編集]

  • ドマーニ(MA4)
  • シビックフェリオ(EJ3)

脚注[編集]

  1. ^ 出力取出軸端より見た時の回転方向。JIS B 8001による。
  2. ^ ピストンスピードは、販売当時のF1用エンジンと同様の、約20m/secであった。
  3. ^ エンジン回転数の正式名称はエンジン回転速度。 JIS B 0108-1による。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]