冷媒

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冷媒(れいばい、英語:refrigerant)とは、冷凍サイクルにおいて温度の低い所から高い場所へ移動させるために使用される熱媒体である。

当初アンモニアが用いられていたが、後にフロン類のCFC冷媒(R12)、HCFC(R22)などが使われていた。CFC,HCFCはオゾン層を破壊することがわかったため、オゾン破壊係数0である、HFC(R410A・R407C)が使われるようになった。しかし、HCFCよりHFCの方が地球温暖化係数が高いことがわかり、アンモニアへの回帰やイソブタン二酸化炭素が使用されるようになってきた。

冷媒に求められる性質[編集]

冷媒に求められる性質としては次のようなものがある。

  1. 冷凍サイクルの温度で安定であること。
  2. 冷凍サイクルの効率が良いこと。
  3. 蒸気圧縮冷凍サイクルの場合、冷凍機油となじみがよいこと。
  4. 人体に有害でないこと。
  5. 爆発性の無いこと。
  6. 地球温暖化係数の小さいこと。
  7. オゾン破壊係数の小さいこと。

オゾン破壊係数の小さいことは、大気中での分解性が要求されるため、爆発性が無いことや安定性との両立は困難である。

蒸気圧縮冷凍サイクルの効率の面からはアンモニアが一番よいが、人体に有害で燃焼性があるため、除害装置が必要である。炭化水素系冷媒は、爆発性があるため最小限の充填量とする・過熱部分を無くす・火花が発生しないようにする・漏洩を検知するなどの対策をして小型冷凍・冷蔵庫に使用されている。二酸化炭素は安定で天然に存在する物質であるが、一般空調・冷凍領域では効率がよくない。

地球温暖化係数を考える場合、冷凍サイクルの効率のよいことすなわち動作時の二酸化炭素排出量の少ないことと、万が一の漏洩時の温暖化の両面を考慮しなければならない。回収・破壊はもちろん必須である。

冷媒番号[編集]

冷媒番号は、ISO817で定められた、冷媒の種類を表すRで始まる番号である。

R 千 百 十 一 付加記号

百 で物質の概略を示す。

炭素数4以下で単一成分のフロン類・ハロゲン化炭化水素[編集]

  • 千 : 炭素間の二重結合の数、環状化合物の場合大文字 C
  • 百 : 炭素原子数-1
  • 十 : 水素の原子数+1
  • 一 : フッ素の原子数
  • 付加記号 : 異性体記号 (アルファベット小文字)、大文字 B の後に臭素の原子数

なお、千 百 ともに 0 の場合は省略する。

Rの代わりに含まれる元素の頭文字を列挙した表記も行われている。

  • CFC-12 : CCl2F2
  • HCFC-124 : CHClF-CF3
  • HFC-134a : CH2F-CF3

非共沸混合冷媒[編集]

十 一 : 認定番号 付加記号 : 組成比記号 (アルファベット大文字)

共沸混合冷媒[編集]

十 一 : 認定番号 付加記号 : 組成比記号 (アルファベット大文字)

その他の単一成分の有機化合物[編集]

十 一 : 分子量の概略

例外

その他の単一成分の無機化合物・元素[編集]

十 一 : 分子量の概略

関連項目[編集]