ウルトラQ dark fantasy

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ウルトラQ dark fantasy
ジャンル 特撮
企画 圓谷昌弘
脚本 上原正三
小中千昭
太田愛 ほか
監督 八木毅
服部光則
金子修介
北浦嗣巳
原田昌樹
鶴田法男
清水厚
実相寺昭雄 ほか
出演者 袴田吉彦
遠藤久美子
草刈正雄
ナレーター 佐野史郎
オープニング 「『ウルトラQ』メインテーマ」作曲:宮内國郎
エンディング 「夕方に咲く花」kayoko
「つぼみ」ブレス
製作
エグゼクティブ・
プロデューサー
長澤隆之
プロデューサー 表有希子
今井朝幸
鈴木祐治
制作 円谷プロダクション
円谷エンターテインメント(制作協力)
製作 エイベックス
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
IMAGICAエンタテインメント
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2004年4月6日 - 9月28日
放送時間火曜 25:00 - 25:30
放送分30分
回数26
ウルトラQ dark fantasy
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ウルトラQ dark fantasy』(ウルトラキュー ダークファンタジー)は、円谷プロダクションが制作した、特撮テレビドラマ。1966年に放送された『ウルトラQ』のリメイク作品である。

概要

2004年4月6日から同年9月28日までテレビ東京をキー局に放映された。その他、各地の地方局(主にテレビ朝日系列局)や専門チャンネルアニマックスでも放映された[注釈 1]ウルトラシリーズ初の深夜放送であり、『ウルトラQ』では初の全編カラー&16:9レターボックス制作となる。

『Q』の新作製作は円谷映像(現円谷エンターテインメント)社長の円谷粲の発案によるもので、円谷粲が円谷映像で製作した『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』以来の悲願であった[1]。企画は円谷プロダクション、テレビ東京、エイベックスなどからなる製作委員会方式で進められた[2][注釈 2]。当初は『ウルトラQ The Midnight』というタイトルで、深夜放送を意識したホラーテイストの強い内容であった[2][3]

1話と16話を除き各話の繋がりがほとんどなく、原則として1話ごとに独立したオムニバスSFドラマとなっている[3]。また、シリーズコンセプトとしては『Q』が怪獣モノとなる以前(『UNBALANCE』)に当初企画していた怪奇SFとしての面をクローズアップしており[4]、全編を通してもいわゆる巨大怪獣はあまり登場せず(第1話と第16話のガラゴン、第8話のサビコング、最終話のレキューム人くらい)、等身大の怪人や怪物、あるいは幽霊や妖怪のようなものといったオカルトチックな存在が引き起こす超常現象を描いた話が主で、事件がほとんど解決せず謎のまま終わるラストが多い[3]

本作品以降のウルトラシリーズにレギュラー出演することとなる宍戸開内山眞人桐島優介堀内正美らがそれぞれゲスト出演している。

監督には『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』の実相寺昭雄や『ザ・ムービー』の初期段階で参加予定であった金子修介などが参加している[4][3]。シリーズ構成は『Q』を手掛けた上原正三が務めた[4][3]

円谷プロダクションから委託された円谷映像が制作をしていたが、後に円谷映像の企画料未払いなどの問題が起こっている(円谷エンターテインメント#訴訟参照のこと)。

登場人物

坂本 剛一さかもと ごういち
30歳。大衆誌・MINDの記者。いい加減な性格だが、天才的な閃きとジャーナリスト気質の持ち主で、編集長からも一目置かれている。大学時代は渡来教授のゼミに所属し、教授の弟子であった。好物はハンバーガー。冗談と考えられるが、当人曰く、これ(バーガー)がないと手が震えると答えている(18話より)。何かの事件に首を突っ込む際は、楠木同様、「渡来の助手」と言って無理やり関わることがある(26話)。
楠木 涼くすのき りょう
25歳。フリーカメラマン。好奇心旺盛で、天真爛漫な性格。坂本がいない中で人類の存亡にかかわる大事件に巻き込まれることも少なくない(20、21話)。デジタルカメラよりも銀板フィルムのカメラに拘りを持つ。
渡来が修理したガラQを自宅に飼っており、携帯の待ち受け画像にしている。
渡来 角之進わたらい かくのしん
54歳。帝都大学理工学部教授。つかみどころの無い独特な性格の人物。世界を滅ぼしかねない方程式を平然と授業で教えていることがある(23話より)。

キャスト

レギュラー・準レギュラー

ゲスト

※役名はクレジット表記およびDVDの解説による。

声の出演

スーツアクター

  • ガラゴン:横尾和則
  • 福田佳弘
  • サビコング:横尾和則
  • 柄澤功
  • カネゴンヌ:高津房代
  • レキューム人:相馬絢也

その他

  • リリー吹替:坂本友子(14)
  • 小町吹替:太田智美(17)
  • しおり吹替:新井いづみ(18)

スタッフ

主題歌

エンディングテーマ
「夕方に咲く花」(1 - 13話)
作詞:kayoko / 作曲:kayoko & 神郡健 / 編曲:建部聡志 / 歌:kayoko
「つぼみ」(14話 - 26話)
作詞:金築卓也前田知巳 / 作曲:菊池一仁 / 編曲:菊池一仁、中野雄太 / 歌:ブレス

放映リスト

※登場怪獣についてはウルトラQ dark fantasyの登場怪獣を参照。

話数 放送日 サブタイトル 登場怪獣・宇宙人・その他 脚本 監督 視聴率[6]
第1話 2004年
4月6日
踊るガラゴン ガラQ
隕石怪獣ガラゴン
上原正三 八木毅 2.0%
第2話 4月13日 らくがき 落書き宇宙人ジラフ星人 武井彩 服部光則 1.8%
第3話 4月20日 あなた誰ですか? リビングブレイン 林民夫 金子修介 2.0%
第4話 4月27日 パズルの女 パズルの女 広田光毅 北浦嗣巳 1.9%
第5話 5月4日 ヒエロニムスの下僕(しもべ) ヒエロニムスマシン
偽装刑事D1&D2
高橋洋 八木毅 1.5%
第6話 5月11日 楽園行き ネズミ捕り
東京地空間清掃ロボット
TGS-55楽園の配達人
村井さだゆき 服部光則 1.2%
第7話 5月18日 綺亞羅 綺亞羅異人 小中千昭 金子修介 1.6%
第8話 5月25日 ウニトローダの恩返し スシ大好き遊星人ウニトローダ
宇宙怪獣サビコング
上原正三 北浦嗣巳 1.3%
第9話 6月1日 午前2時の誘惑 コスモネット星人ヤマダ 篠原高志 原田昌樹 2.1%
第10話 6月8日 送り火 送り火
赤目
太田愛 1.3%
第11話 6月15日 トーテムの眼 三つ目のトーテムポール 清水信宜
右田昌万
北浦嗣巳 2.0%
第12話 6月22日 夢見る石 隕石
ウツギ星人
太田愛 鶴田法男 2.1%
第13話 6月29日 影の侵略者 亜乃留
入れ替わり
鏡の番人ヴァーノ
原田昌樹 2.0%
第14話 7月6日 李里依とリリー アイソレーションタンク
リリー
高木登 鶴田法男 1.2%
第15話 7月13日 光る舟 老紳士[注釈 6]
光る船
太田愛 原田昌樹 2.9%
第16話 7月13日 ガラQの大逆襲 隕石怪獣ガラゴン二号
ガラQ
遊星人セミ女
上原正三 服部光則 1.2%
第17話 7月20日 小町 小町 八木毅 2.9%
第18話 7月27日 後ろの正面 金髪少年 武井彩 服部光則 1.4%
第19話 8月3日 レンズ越しの恋 時空越えカメラ 小林雄次 2.0%
第20話 8月10日 密やかな終幕 ゲノム新人類 岡野ゆうき 高橋巖 2.1%
第21話 8月17日 夜霧よ、今夜も… 月の魔人ヘカテ
太陽系住人代表
藤川桂介 八木毅 1.8%
第22話 8月24日 カネゴンヌの光る径(みち) コイン怪獣カネゴンヌ 山田正弘 清水厚 2.7%
第23話 8月31日 右365度の世界
〜ALICE in the 365 degree world〜
OZマシン 村井さだゆき 八木毅 2.2%
第24話 9月14日 ヒトガタ 小中千昭 実相寺昭雄 1.5%
第25話 9月21日 異なもの 1.2%
第26話 9月28日 虚無の扉 電波怪人レキューム人 小林雄次 高橋巖 1.8%

放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送曜日および放送時間 放送系列
関東広域圏 テレビ東京 2004年4月6日 - 9月28日 火曜 25:00 - 25:30 テレビ東京系列
大阪府 テレビ大阪 2004年4月10日[4] - 土曜 26:40 - 27:10
愛知県 テレビ愛知 2004年4月7日[4] - 水曜 26:28 - 26:58
北海道 テレビ北海道 2004年8月19日 - 2005年2月10日 木曜 25:00 - 25:30
青森県 青森朝日放送 木曜 25:46 - 26:16 テレビ朝日系列
宮城県 東日本放送 月曜 26:16 - 26:46
福島県 福島放送 水曜 25:55 - 26:25
静岡県 静岡第一テレビ 月曜 25:40 - 26:10 日本テレビ系列
徳島県 四国放送 火曜 24:40 - 25:10
山口県 山口朝日放送 日曜 26:02 - 26:32 テレビ朝日系列
大分県 大分朝日放送 火曜 26:10 - 26:40
全国放送 アニマックス 2004年4月17日[4] - 土曜 24:30 - 25:00 スカイパーフェクTV!
スカイパーフェクTV!110
ケーブルテレビなど

メディア展開

  • 漫画版(作:大森倖三
    • 特撮エースNo.003より連載。坂本が登場せず、代わりに独自の設定として渡来の孫が登場。また、渡来の容姿が『ウルトラQ』の一の谷博士を思わせるような容姿に描かれている。
    • 「踊るガラゴン」「ウニトローダの恩返し」「楽園行き」「ヒトガタ」「虚無の扉」「カネゴンヌの光る径」「トーテムの眼」「送り火」を漫画化したが、単行本の刊行が1巻でストップしたために「虚無の扉」以降の作品は単行本未収録である。
  • 小説版(作:梅津裕一/岩佐まもる長谷敏司/相坂きいろ)
    • 角川ホラー文庫刊。「らくがき」「ウニトローダの恩返し」「楽園行き」「送り火」の四編を別々の作家により小説化。

映像ソフト化

  • 2話収録、全13巻で発売された。また、第1話と第22話はモノクロバージョンも販売された。

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 逆にTXN系列局でも放映されなかった局もあった。
  2. ^ 企画開始時期は『ウルトラマン全史』では2002年[2]、『ウルトラマンが泣いている』では2003年と記載している[1]
  3. ^ 松田一章と誤記。
  4. ^ 滝本ゆと誤記。
  5. ^ 実製作とされる[5]
  6. ^ DVD第8巻の解説では謎の老紳士と表記している。

出典

  1. ^ a b 円谷英明 2013, pp. 164–165.
  2. ^ a b c ウルトラマン全史 2013, p. 83.
  3. ^ a b c d e UPM vol.06 2020, p. 26, 「ULTRA Q The After」
  4. ^ a b c d e f 「ウルトラQ dark fantasy」『宇宙船』Vol.112(2004年5月号)、朝日ソノラマ、2004年5月1日、pp.48-49、雑誌コード:01843-05。 
  5. ^ 円谷英明 2013, pp. 67、164.
  6. ^ ビデオリサーチ調べ(関東地区)*月刊ニュータイプ

参考文献

  • 円谷英明『ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗』講談社〈講談社現代新書〉、2013年。ISBN 978-4-06-288215-6 
  • 講談社 編 編『円谷ヒーロー ウルトラマン全史』講談社〈講談社MOOK〉、2013年。ISBN 978-4-06-389762-3 
  • 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.06《ウルトラQ》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2020年9月26日。ISBN 978-4-06-521105-2 

外部リンク

テレビ東京 火曜25:00枠
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