ウルトラマン・ウルトラセブン モーレツ大怪獣戦

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ウルトラマン・ウルトラセブン モーレツ大怪獣戦』(ウルトラマン ウルトラセブン モーレツだいかいじゅうせん)とは、かつて後楽園ゆうえんちに存在した大宇宙怪獣館で上映されたサークロラマ映画[1][2]。上映時間15分。公開時期は1969年3月21日 - 同年5月31日[1][3]

概要[編集]

大宇宙怪獣館内に特設されたサークロラマ劇場用に作成された映画。サークロラマとは「サークル+シネラマ」を語源とする造語であり[注釈 1]、シネラマを発展させた11台同時撮影が可能な特製カメラで撮影した映像を1本のカラー映画として、全周スクリーンの360度映画に映写するというものである[1][3]

新撮のブースカとチャメゴンが40匹あまりの怪獣たちに遭遇するというストーリーで、『ウルトラマン』『ウルトラセブン』からの流用部分とロケーションによる新撮部分から構成される[1][2]

流用部分には『ウルトラセブン』第12話のスペル星人がアイスラッガーで切断されるシーンも使用されているが、『快獣ブースカ』のDVD-BOXではこのシーンはカットされている。

新撮部分は草原でのウルトラセブンバルタンの戦いなどであり、後の『ウルトラファイト』の先駆けとされる[3][注釈 2]。ブースカ、チャメゴン、バルタン星人プロテ星人ペガッサ星人ブラコ星人シャプレー星人ギガスウーシーボーズドラコが登場するが、台本ではバルタン星人、メトロン星人ペギラ、ウー、シーボーズ、ドラコ、ギガス、ダリー、その他と記載されている[3]

脚本ではブースカが巨大化してカラスの群れに頭を突っ込む場面があったが撮影されず、チャメゴンともども司会に徹していた。

映像ソフト化[編集]

大宇宙怪獣館が取り壊されて以降は当時のままの形で見ることはできなくなったが[1][注釈 3]、その後に発売された『ウルトラマン』の単品LDのVol.3 - Vol.7や『ウルトラファイト』のLD-BOXには、特典映像として収録されている。ただし、10画面分が1画面にまとめられているため、個々の画面は小さくなっている。

また、『快獣ブースカ』のDVD-BOXにも収録されているが、こちらは1画面分をフル収録している。

声の出演[編集]

スタッフ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 書籍『円谷プロ画報』では大伴昌司の命名と推測している[3]
  2. ^ 当該シーンは、ビデオ作品『ウルトラビッグファイトスペシャル3 ウルトラ兄弟VSバルタン星人』の紹介でも引用されている。
  3. ^ 原盤も散逸したとされる[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 円谷英二特撮世界 2001, p. 150, 「その他の円谷プロダクション作品」
  2. ^ a b HISTORICA 2022, p. 30, 「劇場映画」
  3. ^ a b c d e 円谷プロ画報 2013.

参考文献[編集]

  • 円谷プロ監修『ファンタスティック・コレクション・スペシャル 不滅のヒーローウルトラマン白書』朝日ソノラマ、1982年。
  • 『円谷英二特撮世界』勁文社、2001年8月10日。ISBN 4-7669-3848-8 
  • 『円谷プロ画報』 第1巻、竹書房、2013年、53頁。ISBN 978-4-8124-9491-2 
  • 『ULTRAMAN HISTORICA ウルトラQからシン・ウルトラマンまで』講談社〈講談社MOOK〉、2022年6月28日。ISBN 978-4-06-528129-1