日野自動車

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日野自動車株式会社
HINO MOTORS,LTD.
本社・日野工場
種類 株式会社
市場情報
東証プライム 7205
1949年5月16日上場
名証プレミア 7205
1954年5月15日上場
略称 日野、HINO
本社所在地 日本の旗 日本
191-8660
東京都日野市日野台三丁目1番地1
設立 1942年昭和17年)5月1日
(日野重工業株式会社)
(創業:1910年(明治43年))
業種 輸送用機器
法人番号 8013401000626 ウィキデータを編集
事業内容 トラック・バスの製造販売
トヨタ自動車株式会社からの自動車受託生産
代表者 代表取締役社長 小木曽聡
資本金 727億1700万円(2021年3月31日時点)
発行済株式総数 5億7458万850株(2021年3月31日時点)
売上高 連結:1兆4597億600万円
単独:8636億4200万円
(2022年3月期)
営業利益 連結:338億1000万円
単独:△30億300万円
(2022年3月期)
純利益 連結:△847億3200万円
単独:△885億9900万円
(2022年3月期)
純資産 連結:5160億700万円
単独:3099億6800万円
(2022年3月31日現在)
総資産 連結:1兆2583億5000万円
単独:7808億5080万円
(2022年3月31日現在)
従業員数 連結:3万4405人
単独:1万2691人
(2022年3月31日時点)
決算期 3月31日
主要株主 トヨタ自動車(株):50.1%
日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口):6.7%
日本トラスティ・サービス信託銀行(株)(信託口):4.3%
(2021年3月31日現在)
主要子会社 (株)トランテックス:100%
(株)武部鉄工所:51.7%
(株)ソーシン:96.2%
日野セールスサポート(株):80%
大阪日野自動車(株):100%
MONET Technologies:10%
関係する人物 大久保正二(元社長)
蛇川忠暉(元社長)
湯浅浩(元社長)
白井芳夫(元社長)
楠兼敬(元会長)
大西利美(元会長)
市川正和(元会長)
加藤光久(元取締役)
寺師茂樹(取締役)
木部信彦(元整備士)
大西朗(大西利美の長男)
外部リンク https://www.hino.co.jp/
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日野自動車株式会社(ひのじどうしゃ、: HINO MOTORS,LTD.[1])は、日本の主にトラックバスといった商用車製造するメーカーである。通称「日野」、ローマ字表記は「HINO」。トヨタ自動車連結子会社トヨタグループ16社のうちの一つ。日本のトラック・バス製造業界の大手。日経平均株価及びJPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ。

概要

日野・プロフィア ダンプトラック
左はブルーリボンシティ、右は2代目ポンチョ

主にトラックバスなどの商用車の生産を手がけ、トヨタブランドの小型乗用車や小型、普通トラックSUVなどの受託生産も行っている。親会社のトヨタが陸上自衛隊へ納入する73式中型トラックやトヨタ向けディーゼルエンジンの生産、あるいは軍用ハイブリッドシステムも共同開発している。

2004年3月期に、連結決算で売上高が1兆円を超えた。2019年も1兆9,813億円で過去最高益を更新している。日本国内の大型・中型トラックで2021年現在、48年連続で販売台数が1位、大型トラック顧客満足度調査で11年連続で1位、小型トラックも6年連続で1位である。2007年に海外向け販売台数が国内向けを上回り、現在は総販売台数の7割以上を海外向けが占めている。世界93カ国で販売しており、台湾タイインドネシアマレーシアパキスタンペルー等では市場シェアが首位である。2013年に世界で初めてハイブリッドトラック・バスのグローバルでの累計販売台数が1万台を超えた。全世界の大型トラック製造メーカーの中でも毎年生産台数トップ10にランクしている。

1966年にトヨタ自動車の傘下に入り、2001年にトヨタが株式の過半数を取得して子会社化した。合理化のためにバス部門はいすゞ自動車と経営統合して2004年10月に日野自動車・いすゞ自動車共同出資の新会社(ジェイ・バス)に移行し、いすゞと共通の車両がジェイ・バスから供給されている。日野は観光バス、いすゞは路線バスを開発して相互供給する。いすゞは日野の母体になった会社で、2006年から2018年までトヨタ自動車との資本提携関係にあったため、日野との関係も深い。同時に、西日本車体工業(西工)へのシャシー供給を取りやめている。2006年から一部の路線車に限り、西工へのシャシー供給が再開したが、それも2010年西工の解散と共に終了した。また、2018年4月には商用バス・トラックの分野でドイツフォルクスワーゲンと包括提携することが発表されている[2]

2022年3月に発覚した日本国内向けエンジン不正問題により、2022年3月期は約847億円の赤字となった他[3]、2022年3月以降、日本国内向けの製品は発売停止となった製品が相次いでおり、2022年8月現在で日本国内で発売されている車種は3車種のみとなっている(後述)。

東京都八王子市の日野自動車21世紀センター内にトラック主体の企業博物館である日野オートプラザが設けられている。

沿革

東京瓦斯電気工業株式会社(瓦斯電:がすでん)が今日の日野自動車の母体とされている。

東京瓦斯電気工業はその名の通り、明治時代末期から大正時代にかけて、普及期にあったガス・電気器具を生産した。第一次世界大戦時には海外から薬莢の大量受注などにより業績を伸ばし、航空機用国産エンジン「神風」なども生産している。「TGE」(Tokyo Gas Electric Engineering Co. の頭字語)のブランドで、日本でも初期の自動車量産に取り組んだ。

1930年代、大型車両生産を強化する国策により、東京瓦斯電気工業株式会社の自動車部と自動車工業株式会社、および共同国産自動車株式会社とが合併し、ヂーゼル自動車工業(現・いすゞ自動車、設立当初は東京自動車工業株式会社)を設立した。その後、戦時体制下の国策により、総合車両メーカーのヂーゼル自動車工業から特殊車両製造部門の日野製造所が分離独立されて、日野自動車の元となる日野重工業が設立され、九七式中戦車などの軍需車両の製造を行わせた。

企業系譜としてはいすゞ自動車の分派ではあるが、日野製造所が星子勇ら瓦斯電系出身の技術者を主軸とした製造拠点であったことから、日野自動車では自社のルーツを瓦斯電に求めている。そのほか、瓦斯電を母体とした会社にはトキコ小松ゼノアなどがある。

終戦後の1946年には民需転換により日野産業に改称。ディーゼルエンジン技術を生かして当時としては異例の超大型トレーラートラック・バスを開発、次いで1950年以降は通常シャーシ(単車)の大型ディーゼルトラック・バスの生産も開始して、母体企業のいすゞと競合する大型車両業界の有力メーカーとなった。

1953年には、フランスルノーの技術供与を受け、小型乗用車ルノー・4CVノックダウン生産を行い、後に完全国産化を果たした。その後自社開発のリアエンジンRR駆動)小型乗用車コンテッサ」、ピックアップトラックブリスカ」、前輪駆動で4輪独立懸架ワンボックスカーコンマース」など、先進的な自動車を開発・生産していたが、1966年トヨタ自動車との提携以後は、再びトラック・バスの開発・生産に特化して現在に至る。

年表

TGE-A
日野ルノー4CV

歴代社長

氏名 就任日 退任日 備考
日野重工業
1 松井命 1942年5月1日 1945年11月
日野産業
2 大久保正二 1946年 1948年
日野ヂーゼル工業
3 大久保正二 1948年 1959年
日野自動車工業
4 大久保正二 1959年 1961年
5 松方正信 1961年5月4日
6 荒川政司 1974年5月30日
7 深澤俊勇 1983年6月[16]
8 二見富雄 1987年6月[17] 1997年
9 湯浅浩 1997年6月 1999年 社名改称
日野自動車
9 湯浅浩 1999年 2001年 トヨタの子会社化に伴い退任
10 蛇川忠暉 2001年 2004年 トヨタ出身
11 近藤詔治 2004年6月 2008年6月 トヨタ出身
12 白井芳夫 2008年6月 2013年6月 トヨタ出身
13 市橋保彦 2013年6月 2017年 トヨタ出身
14 下義生 2017年 2021年6月 プロパーだが、2016年度にトヨタで常務役員
15 小木曽聡 2021年6月 現職 トヨタ出身

生産拠点

海外拠点

  • 海外拠点26カ所(北米3、中南米6、ヨーロッパ2、中東2、オセアニア1、アジア12)

古河工場

古河工場(2018年12月撮影)

2010年12月22日、茨城県開発公社より茨城県古河市名崎4112番1外の古河名崎工業団地(旧NTT名崎無線送信所跡地、古河市立名崎小学校南側)を約59億円で取得した(2009年1月に予約していた)。2012年〜2020年にかけて、新工場を建設する。まずは海外輸出のKD工場を2012年まで移管する予定である[18]。最終的には2020年までに日野工場の全ての機能を古河新工場に移管して、日野工場を閉鎖する予定[7]

車種一覧

現行の車種・製品

トラック

バス

バスについては、トヨタ自動車いすゞ自動車からのOEM車種もあるが、ジェイ・バスから日野自動車・いすゞ自動車の両社に同一製品が供給される統合車種に移行が進んでいる。

いすゞ自動車から供給されている車種

その他

産業用ディーゼルエンジン

クレーン杭打ち機フォークリフトロードローラープレジャーボート小型船舶エンジン、コンプレッサー発電機用として国内外各社にエンジンを供給している。

型式 内径×行程(mm) 排気量 出力(PS)
W04C-T 104×113 3,839 50 - 81
W04D 104×118 4,009 35 - 63
W04D-T 104×118 4,009 50 - 85
W04D-TI 104×118 4,009 69 - 118
型式 内径×行程(mm) 排気量 出力(PS)
J08C 114×118 7,961 74 - 129
J08C-T 114×118 7,961 119 - 173
J08C-TI 114×118 7,961 118 - 177
  • K系 - 直列6気筒エンジン
型式 内径×行程(mm) 排気量 出力(PS)
K13C-T 135×150 12,882 189 - 239
K13C-TI 135×150 12,882 231 - 278
K13D 137×150 13,267 127 - 177
K13D-T 137×150 13,267 160 - 199

世界各国向け製品

北米向けについては、北米工場におけるエンジン認証の遅れにより、2021年10月から600シリーズはカミンズ製エンジンを搭載して販売を再開する他、小型トラックに関してもいすゞ自動車からのOEM供給が決定している[19][20]

  • 700シリーズ - 基本的にはプロフィアであるが、地域特性に合わせ、日本では見られないものもある。
  • 600シリーズ - 北米に特化してアメリカで生産されているボンネットトラック。
  • 500シリーズ - 基本的にはレンジャーであるが、地域特性に合わせ、日本では見られないものもある。
  • 300シリーズ - デュトロ。
いすゞ自動車から供給されている車種
海外バスシャーシ(台灣)

出荷停止中の車種・製品

〇は2022年3月から出荷停止中の車種・製品、●は2022年8月から出荷停止中の車種・製品[21]

大型トラックは日本向け、中型トラックは日本向け、オーストラリア向け、ニュージーランド向けのみ出荷停止となっている他(オーストラリア、ニュージーランド向けはA05Cエンジン搭載車のみ)、ポンチョは日本向けの他にもオーストラリア向けも出荷停止となっている。

トラック

  • 大型プロフィア(海外名:700シリーズ) - 〇
  • 中型レンジャー(海外名:500シリーズ)- HC-SCR車は〇、尿素SCR車は●

バス

過去の生産車種・製品

トラック

  • トレーラートラックT10型・T20型
  • 大型トラックTH型(4X2)
  • 大型トラックTE型(4X2)
  • 大型トラックWD型(前1軸・後1軸 4X4)
  • 大型トラックZC型(前1軸・後2軸 6X6)
  • 大型トラックTC型(前2軸・後1軸 6X2)
  • 大型トラックZM型(前1軸・後2軸 6X4)
  • 大型トラックKF型(前1軸・後2軸 6X2)
  • 大型トラックKS型(前2軸・後2軸 8X4)
  • 大型トラックKB型(4X2)
  • 大型トラクタHE型(4X2)
  • 大型トラクタHH型(前1軸・後2軸 6X4)
  • 構内専用ダンプWP型(前1軸・後2軸 6X4)
  • 重ダンプZG型(前1軸・後1軸 4X2)
  • レンジャー2
  • スーパードルフィン
  • スーパードルフィン プロフィア
  • 輸出仕様車では1995年まで「エコノディーゼル(ECONO DIESEL)」シリーズとして販売していた。

バス

廃止された型式および車名を示す。

乗用車

商用車

オート三輪

オート三輪三井精機工業製で1960年代初頭まで日野で販売された。

  • オリエント
  • ハンビー
  • ハスラー

産業用ディーゼルエンジン

  • P系 - P09-TD・P09C-TD
  • EP系 - EP100-T

その他

販売会社

  • 北海道日野自動車(札幌・札幌北・旭川・室蘭・苫小牧・千歳・空知・小樽・岩見沢)
  • 函館日野自動車(函館)- 函館トヨペットグループ
  • 東北海道日野自動車(釧路・帯広・北見・網走・中標津・紋別)
  • 青森日野自動車(青森・八戸・弘前・十和田・むつ)
  • 岩手日野自動車(盛岡・花北・水沢・一関・宮古・大船渡)
  • 宮城日野自動車(仙台・石巻・古川・大河原)
  • 西東北日野自動車(秋田・山形・庄内・横手・大館・能代・米沢・新庄)
  • 福島日野自動車(福島・いわき・郡山・会津・相双・白河)
  • 茨城日野自動車(土浦・つくば・茨城・ひたちなか・守谷・古河・岩瀬・鹿島)
  • 栃木日野自動車(宇都宮・那須・足利・小山・真岡)
  • 群馬日野自動車(前橋・高崎・太田・上武・吉岡)
  • 南関東日野自動車(大宮・熊谷・川越・足立・八王子・江戸川・瑞穂・六郷・板橋・新狭山・朝霞・松伏・川口・千葉・習志野・成田・柏・市原・木更津・長沼・銚子・横浜・川崎・湘南・相模原・瀬谷・厚木・港北)
  • 山梨日野自動車(甲府・田富・笛吹)
  • 新潟日野自動車(新潟・新発田・長岡・上越・糸魚川・六日町)- 新潟トヨタグループ
  • 富山日野自動車(富山・高岡・入善・砺波)
  • 石川日野自動車(金沢・七尾・小松)
  • 長野日野自動車(長野・松本・小諸・飯田)
  • 福井日野自動車(福井・敦賀)
  • 岐阜日野自動車(岐阜・各務原・本巣・大垣・多治見・美濃加茂・高山) - セイノーホールディングスグループで、以前は株式上場(名証二部)していた。
  • 静岡日野自動車(静岡・沼津・富士・藤枝・袋井・浜松・清水・御殿場)
  • 愛知日野自動車(名古屋・港・半田・豊橋・岡崎・豊田・小牧・一宮)
  • 三重日野自動車(四日市・津・伊勢・上野・尾鷲・桑名)
  • 滋賀日野自動車(栗東・彦根・長浜)- セイノーホールディングスグループ
  • 京都日野自動車(京都・舞鶴)
  • 大阪日野自動車(中央・北摂・東大阪・南大阪・住之江・臨海)
  • 神戸日野自動車(神戸・姫路・尼崎・明石・小野・淡路・但馬)
  • 奈良日野自動車(奈良)
  • 和歌山日野自動車(和歌山・田辺・新宮)
  • 島根日野自動車(松江・米子・鳥取・出雲・石見・益田)
  • 岡山日野自動車(岡山・岡山西・岡山東・倉敷・津山)
  • 広島日野自動車(坂・西条・福山西・福山東・呉・三次・西風新都・廿日市・本郷)
  • 山口日野自動車(山口・下関・岩国・宇部・周南・萩出)
  • 徳島日野自動車(徳島)
  • 香川日野自動車(高松・丸亀)
  • 愛媛日野自動車(松山) - 伊予鉄グループ
  • 高知日野自動車(高知・中村)
  • 九州日野自動車(福岡・古賀・糸島・北九州・久留米・筑豊・佐賀・長崎・佐世保・大分・中津)
  • 熊本日野自動車(熊本・大津・八代)
  • 南九州日野自動車(宮崎・鹿児島・鹿児島南・川内・鹿屋・都城・日向)- 鹿児島トヨタ自動車グループ
  • 沖縄日野自動車(豊見城・中部・北部)

子会社・関連会社

子会社

関連会社

モータースポーツ

ダカール・ラリー用マシン(2018年)
2019年から投入されているボンネット型
ノーズにHINOのロゴが入ったチーム・ペンスキーのマシン(2008年)

1960年代の乗用車を開発していた頃は、「日野プロト」「日野GTP」などと呼ばれるクローズドタイプのプロトタイプレーシングカーを開発して日本グランプリに参戦していた。1967年にはシェルビー・デイトナをデザインしたピート・ブロックが日野エンジンを用いたマシンで、「ヒノ・サムライ」というチーム名に加えて三船敏郎を監督に据えて話題となったが、車両規定違反により出走が認められなかった。

また併催のフォーミュラカーレースにも、日野のエンジンを用いるチームがいた。

1990年以降日本国内の大型車メーカーでは唯一、ダカール・ラリーに「日野・レンジャー」で参戦している。オペレーションはダカール出場のギネス記録を保持する菅原義正とその息子菅原照仁のチームである「チームスガワラ」で、ワークス支援のなかった1993~1995年、1998年~2005年もプライベーターとして日野のマシンで参戦し続けるほど関わりが深い。1997年のダカール・ラリーではトラック部門総合では史上初となる1・2・3位を独占という歴史的な記録を収めている。その後設定された排気量10リッター未満クラスにおいては、2022年大会までで12連覇・31回連続完走を達成している[22]。2019年には、専任のチーフエンジニアや車両開発の最先端にいる技術者を結集させた「新生チームダカール」を社内にも発足させ、さらなる活動の強化が執られている。また、2020年にはAT(オートマチックトランスミッション)、2022年にはレーシングハイブリッドシステム(蓄電池はキャパシタ)を採用するなど、新技術の開発にも活かしている。

なお1999~2002年のダカールでは、ラリーの最後尾を走り選手の安全を確保するスイパートラックとしてプロフィアが採用されていた[23]

2000年代にインディカー・シリーズの強豪チームであったチーム・ペンスキースポンサーシップ契約を締結していたこともある[24]

宣伝・広告

1980年代前半の「風のレンジャー」と称されたレンジャーCM桂歌丸佳那晃子ジャンボ鶴田の3人を起用した。続く1986年発売のレンジャー+5 のCMには「日野」つながりで日野皓正の曲をBGMに使用した。1989年のレンジャーフルモデルチェンジの際には、トラックのイメージ一新を狙い、ダイアン・レインを起用した。また1990年代前半にはスーパードルフィンのCMにケニー・Gの曲にイルカのCGイラストが流れるもの、1992年のモデルチェンジ時には役所広司出演のCMも流れた。1990年代後半のデュトロ発売当時はともさかりえがCMに出演していた。2004年以降はポパイが同CMに起用されており、「日野ダイナミックスコープ→日野ミッドナイトグラフィティ 走れ!歌謡曲」の影響があってか文化放送で比較的多く(1日中)流れていた。近年はTBSラジオニッポン放送でもCMを流す。かつて放送されていたABCラジオ近鉄バファローズアワーでは試合中継の際にスポンサーとなっていた。これは大阪近鉄バファローズの親会社であった近畿日本鉄道近鉄バス)との関係が深いためである。

2010年代は「トントントントン日野の二トン」という軽快なキャッチフレーズと対照的な、堤真一リリー・フランキーの繰り広げるシュールギャグのCMが人気を集めている。

トラックだけでなく、バスのCMも流す事もあった。モデルチェンジ時に制作され、セレガ(初代)のCMはバブル期の1990年ということもあり、大々的な宣伝活動を行っていた。

テレビCMは、フジテレビの「ご存知 女ねずみ小僧」・「新・座頭市」・「大空港」・「裸の街」・「欽ちゃんの9時テレビ」・「江戸の用心棒」・「超潜入!リアルスコープハイパー」・「ボクらの時代」・「おじゃマップ」・「VS嵐」・「フジテレビ水10ドラマ」・「FNSの日」、関西テレビの「にじいろジーン」、TBSの「ドラマチック22」・「ブロードキャスター」・「さんまのSUPERからくりTV」、日本テレビ火曜8時枠時代劇24時間テレビ 「愛は地球を救う」のスポンサーも務めていたが、「踊る!さんま御殿!!」の番組途中で降板するも、2011年10月にテレビ東京系列の「乃木坂って、どこ?」(テレビ愛知制作)、ミニ番組「ひるパパ」で久々にテレビ番組のスポンサーになった(提供コメントでは「日野・デュトロ」と読み上げている。沖縄での日本テレビ火曜20時枠でのCMは沖縄テレビで放送された)。また、2013年4月にTBSの「水曜プレミアシネマ」に1992年以来のスポンサーとして提供するようになった。

JFN系列土曜もしくは日曜5:00 - 13:00の時報CMにも起用されている。

書籍・雑誌ではバスラマ・インターナショナルに書籍広告を出している。バブル期には漫画ゴラクに広告を出していた。

1995年1月17日兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)発生時は近畿地方のテレビ・ラジオのCMを自粛する処理で対応し、それ以外のエリアでは通常通りCMを流していたが、2011年3月11日東北地方太平洋沖地震東日本大震災)では、未曾有の災害と東京電力福島第一原子力発電所での事故などの被害を受けて3月15日 - 4月21日まで全てのラジオCMを自粛した。4月22日にラジオCMを再開するも当面は企業CMや緊急災害時のトラック運転に対する心構え、燃料の節約に関するお願いなど「日野自動車が今、何かできること」を宣伝していた。7月1日より主力トラックのデュトロの新CMを制作、放送すると同時にイメージタレントに佐々木蔵之介柳沢慎吾新山千春を起用したテレビCMスポットとラジオCMを流している。この3人には実家が自営業であるという共通点があり、特に佐々木の実家佐々木酒造は実際にデュトロハイブリッドのユーザーでもある。また、ブランドCMとして、ダカールラリーへの挑戦「明日を止めないために」を放送している。

2022年4月から4年間、羽村市動物公園[注釈 2]ネーミングライツを取得し、『ヒノトントンZOO』の名称で営業する[25]

キャッチフレーズ

  • ディーゼル車は日野(1970年代〜1980年代)
  • 新しい時代はいつも日野から始まる(1980年〜1986年頃)
  • 夢はいつでも地球サイズ(1990年代前半、CI採用前まで使用)
  • 性能は、環境のために(1994年〜2006年頃)

日野工業高等学園

日野工業高等学園は、日野自動車株式会社が職業能力開発促進法に基づき運営する認定職業訓練による職業能力開発校で、東京都日野市にある。もとは1951年4月に、労働基準法に基づき、中学校卒業後入社した社員を対象とした3カ年教育の技能者養成所で、事業内職業訓練施設として認定される。これを1959年6月に「日野自動車工業高等学園」と改称。1962年11月から、学校教育法に基づき文部大臣の指定を受けて指定技能教育施設となり、東京都立八王子工業高等学校との連携を開始。1964年4月には、科学技術学園高等学校と連携を開始した。1970年代後半から1980年代にはしばらく休止していたが、1991年3月に「日野工業高等学園」として機械科と板金科の2科で再開、また、4月には専修コースを設置した。その後自動車整備科、電気制御回路組立科を追加した。2003年に専修コースの募集は休止したが、2022年現在は、機械加工科、塑性加工科、製造設備科、自動車製造科の4科で運営されている。

脚注

注釈

  1. ^ 四屯自動貨車は、大阪砲兵工廠及び東京砲兵工廠が試作を重ねた後、生産型がこの年制式制定された。TGE-A型は、瓦斯電が輸入、架装、販売を取り扱っていた米国のリパブリック社(en:Republic Motor Truck Company)のトラックを参考に独自開発した。
  2. ^ 羽村工場が立地する東京都羽村市が所有。

出典

  1. ^ 日野自動車株式会社 定款 第1章第1条
  2. ^ トヨタ離れ?ライバルVWと手を組む日野の道理 モータージャーナリスト 御堀直嗣 2018年4月19日 07時55分
  3. ^ 日野自動車 過去最大の赤字決算 3月に不正が発覚テレ朝News 2022年4月28日
  4. ^ a b 日本の自動車技術240選 - TGE-A型 軍用保護自動貨車
  5. ^ 日野自・古河工場が操業 茨城新聞
  6. ^ “電動トラックで日野とVW提携 供給・開発を検討”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 11. (2018年9月19日) 
  7. ^ a b 「象徴」閉鎖に衝撃 日野自動車工場移転へ 朝日新聞 2011年1月21日
  8. ^ BYDと日野、商用EV開発を中心とする戦略的パートナーシップ契約を締結”. 日野自動車 (2020年4月23日). 2020年6月7日閲覧。
  9. ^ 日野自動車、排ガスデータ改ざん 最大11万台基準満たず - 日本経済新聞 2022年3月4日
  10. ^ 日野自エンジン不正、国内出荷3割影響 型式取り消しへ - 日本経済新聞 2022年3月25日
  11. ^ 日野自動車エンジン型式取り消し 国交省、排ガス不正で - 日本経済新聞 2022年3月29日
  12. ^ 自動車製作者に対する行政処分を行いました国土交通省 2022年3月29日
  13. ^ 特別調査委員会による調査結果および今後の対応について 日野自動車 2022年8月2日
  14. ^ エンジン認証に関する追加の判明事項について 日野自動車 2022年8月22日
  15. ^ CJPT、認証試験不正を踏まえ日野を除名 グローバルニュースルーム|トヨタ自動車 2022年8月24日
  16. ^ 人事興信所 1995, ふ10頁.
  17. ^ 人事興信所 1995, ふ148頁.
  18. ^ 日野自動車の成長に向けての取り組み日野自動車
  19. ^ いすゞ自動車からの北米向け車両OEM受給について日野自動車 2021年7月29日
  20. ^ いすゞ、日野自動車と北米市場向け小型ディーゼルトラックのOEM供給を合意いすゞ自動車 2021年7月29日
  21. ^ 特別調査委員会による調査結果および今後の対応について日野自動車 2022年8月2日
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  23. ^ TEAM SUGAWARAの軌跡
  24. ^ 日野自動車、ペンスキーレーシング社とインディ・カー・レースのスポンサー契約締結
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参考文献

関連項目

外部リンク

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  2. ^ 日野自動車とVolkswagen Truck & Bus、戦略的協力関係の構築に向け合意”. (プレスリリース)日野自動車 (2018年4月12日). 2020年6月24日閲覧。
  3. ^ いすゞ・ボルボ、日野・VW…商用車、生き残りへ合従連衡”. SankeiBiz (2020年2月18日). 2020年6月24日閲覧。