フォーミュラカー

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ルノーF1(2002年仕様)

フォーミュラカー (Formula car) は、「車輪とドライバーが剥き出しになっている」というフォーミュラ(規格)に沿って設計された競技用自動車レーシングカー)である。日本以外では「オープンホイールカー (open-wheel car)」とも呼ばれ、またイギリスではしばしば「シングルシーターカー (single-seater car)」と表記される。

この項ではフォーミュラレースについても記載する。

目次

[編集] 特徴

1993 Lola Indy Car
1994 Penske Indy Car

フォーミュラ(Formula)とは「規格」の意味である。フォーミュラカーは一般の市販車(いわゆる箱車)と対を成す存在であり、安全性を確保しながらも最低限の装備のみで速さを競う設計がされている。フォーミュラカーは概ね以下の特徴をもつ。

以上の特徴からプロトタイプカーと比べると加速や旋回性に秀でているが、タイヤが剥き出しの構造から空気抵抗が大きく最高速度は劣る。

フォーミュラカーの外観において最も特徴的といえるのが、タイヤが剥き出しとなった構造である。世間一般に多い誤解として『空気抵抗を追求していった結果、あのような形になった。だから空気抵抗は少ない。』というものがある[要出典]が、非常に空気抵抗が大きく抗力係数を示すCd値は約1である(例:日産・GT-Rの4倍以上の空気抵抗を受ける)。と説明するテキストがあるが、抗力係数とはあくまでも「係数」であって、単位面積あたりの空気抵抗を示す無次元数である。したがって、空気抵抗を比較する場合には抵抗面積(代表面積と抗力係数の積。自動車では前面投影面積を代表面積として用いるのが一般的である)を用いることに留意する必要があり、代表面積を無視して抗力係数のみを比較するべきではない。「大きな空気抵抗を受けるのになぜむき出しになっているのか」という議論がたびたびなされているが、タイヤが剥き出しの構造こそがフォーミュラカーの定義である。

高速巡行時にはむき出しのタイヤの回りに空気の流れが形成される。その空気の流れの力のベクトルは車体を地面に押さえつける方に向くため、車体の安定性を向上させる効果がある。[要出典]その力はダウンフォースと呼ばれており、車体に取り付けられた様々なエアロパーツも単に空気抵抗を小さくするのではなくダウンフォースを発生させるように作られている。フォーミュラカーは膨大なダウンフォースを発生させており、F1カーの史上最大ダウンフォースは、2008年のレギュレーションにおいて約2000kgfのダウンフォースであると言われている。ダウンフォースが車体の重さ(600kg)よりも大きくなり、理論的には天井を走行することも可能である。

乗用車ラリーカーなどと違ってフォーミュラカーは発進時よりも中間加速に優れている。例えばホンダフォーミュラ1カーは、0-100km/hの加速にかかる時間は約3.7秒だが、100km/h以上では大きなダウンフォースが掛かるために駆動輪が大きな摩擦力を発生し、許容駆動力が向上する。そのために加速が良くなり、100-200km/h加速は0-100加速よりも速い1.5秒しかかからない[1]。 同時にこのダウンフォースによってカーブ(コーナー)を曲がっているときでも車体が外側に投げ出されない。F1の場合は最大で外側に約4.5Gの加速度がかかっている。

快適装備や保安部品が搭載されていないのは、これらの部品による重量増加がレースにおいてタイム低下等の悪影響につながるからであり、エンジン位置や車高についてはレース中の車の運動性能・挙動等を極限まで追求した結果によるものである。

フォーミュラカーの場合、運転席は「コックピット」と呼ばれ、ドライバーの体を囲むだけの必要最低限の空間において運転作業が行われる。フォーミュラカーの運転に関しては、軽量なボディ・高度な空力パーツなどの要因から車の動きは極めて鋭敏で、必要とされる運転技術は市販車のそれとは大きく異なり、ドライバーには非常に高い運転スキルが要求される。

なお、日本国内においては、フォーミュラカーは基本的にレース開催時を除き一般車に混じって公道を走行することはできない。これは「保安部品がない」点などが道路交通法に則していないからである[2]

[編集] フォーミュラレーシング

フォーミュラカーを用いたレースは数多く存在する。国際自動車連盟 (FIA) が定める最高級クラスがフォーミュラ1 (F1) クラス。その下にGP2フォーミュラ2 (F2)・フォーミュラ3000 (F3000)など、そしてさらにその下にフォーミュラ3 (F3) がある。

またそれ以外の有名なフォーミュラカーによるシリーズとして、北米大陸のインディ・レーシング・リーグ (IRL) やその下位カテゴリーのインディ・ライツ、旧チャンプカーを母体とするアトランティック・チャンピオンシップスペインを中心とするワールドシリーズ・バイ・ルノー、日本を舞台にしたフォーミュラ・ニッポンなどがある。特に北米をメインに行われるカテゴリーでは「オープンホイールカー (open-wheel car)」という呼称が用いられる。

[編集] フォーミュラ1(F1)

F1は世界選手権として、世界を回るFIA管轄のシリーズとして開催されている。エンジンは2.4リッターのV8NA(約700馬力)、シャーシはカーボンファイバー製である。1台の製作にかかる費用は数百万ドルとされており、チームの運営費も少ないところで数十億円、トップチームになると500億円に達するほどである。それゆえF1ではプライベートチームを中心に、経営維持のために多額の持参金(スポンサー費用)を持ち込むドライバー(いわゆるペイ・ドライバー)が存在する。なお参戦するドライバーはFIAが発給するスーパーライセンスを保持している必要がある。

[編集] インディカー(INDYCAR)

2011年まで使用されたインディカー・シャシー

F1と肩を並べるハイレベルなシリーズ。かつてはアメリカを中心として世界を転戦するCARTが存在したが、オーバルコースを中心とするインディカー(IRL)と、世界を転戦しロード・ストリートコースを中心とするチャンプカーの2つの団体に分裂。しかし2008年には経営の傾きからチャンプカーはインディカー・シリーズ(IRL)に吸収合併され、再び一つの団体として活動、2011年からは組織名もINDYCARに改められた。エンジンはエタノールがメインの混合燃料を使用する、3.5リッターのV8NA(約650馬力)である。なお参戦するドライバーはグレードA(国際A級)ライセンスが必要。

[編集] フォーミュラ・ニッポン(FN)

かつてはF3000クラスだったが2009年から独立カテゴリ化した、日本独自のシリーズ。上記の2カテゴリに比べてレース数や集客は少ないが、それでもなお独立レースとしては2大カテゴリに次ぐ繁栄度を誇っている。しかし、運営母体である日本レースプロモーション(JRP)による宣伝が上手く行っておらず未だにステップアップカテゴリのイメージが払拭されていないことに加え、景気停滞や自動車メーカー側がSUPER GTに主眼を置いていることなどから有力ドライバーの離脱が相次いでいることでレベルの低下が懸念されており、再興への策が求められている。エンジンは現在は3.4リッターのV8NA(600馬力+α)であるが、2014年からの変更が検討されている。なお参戦するドライバーは参戦数を確保するためかグレードB(国際B級)以上のライセンスが必要となっている。

[編集] F3000(またはそれと同等クラス)

2000年型F3000マシン(フェルナンド・アロンソ仕様)

F3000クラスに該当するカテゴリーとしては、ヨーロッパ各国を転戦するGP2(旧国際F3000)やワールドシリーズ・バイ・ルノー、2009年より復活したF2などが開催されている。本来はF1へのステップアップカテゴリーであるはずだが、近年F3からの飛び級組に押されドライバーのF1へのステップアップが困難になっていることから、ヨーロッパを中心にカテゴリー自体のリニューアルが相次いでいるほか、日本でもフォーミュラ・ニッポンが独立カテゴリ化を図った。エンジン出力は500~600馬力程度で、いずれもワンメイクマシンによるイコールコンディションが売り物となっている。

アメリカには、インディカー・シリーズ(IRL)の下位カテゴリーであるインディ・ライツ(450馬力)、コスワースエンジン(300馬力)を使うアトランティック・チャンピオンシップがある。特に後者は馬力こそ低いが激戦区であり、アメリカでは注目度も高く、ここで上位に入ることでIRLやチャンプカーへのステップアップが可能である。

[編集] F3(またはそれと同等クラス)

2006年型F3マシン(ブルーノ・セナ仕様)

F3クラスに相当するカテゴリーは、モータースポーツが盛んな国において多数存在し、代表的なものとしてはアイルトン・セナミカ・ハッキネン佐藤琢磨らが参戦したイギリスF32001年金石年弘が王者を獲得したドイツF3、2001年福田良が王者を獲得したフランスF3をベースに誕生したユーロF3イタリアF3、全日本F3などがある。

これ以外にアジアF3、南米F3などのカテゴリーもあるが、イギリス・イタリア・ユーロ・全日本・スペインの5つのF3シリーズはFIAのライセンス規定上別格として扱われ、シリーズチャンピオンには無条件でF1参戦に必要なスーパーライセンスが発給される。これら世界中のF3選手権の成績上位者を集めて行われるF3世界一決定戦が、マールボロマスターズマカオGPなどである。エンジン出力は220馬力程度。また前記のアトランティック・チャンピオンシップも、エンジン出力がF3とほぼ同等なためF3と同格として分類する場合もある。

[編集] その他

[編集] ワンメイク

この他、特定の自動車会社が作ったフォーミュラカーでの選手権などもあり、その場合は「フォーミュラ○○」という名前で行われている。その多くはF3よりも格下のジュニア・フォーミュラに分類されるが、中にはワールドシリーズ・バイ・ニッサンのようにF3000と同格に位置づけられるものも存在する。

[編集] FL

フォーミュラカーの中でも、FIAや開催国の自動車レース統括団体(ASN)において、公認車両規則が定められていないものを特にフォーミュラ・リブレ(Formula Libre = FL)と呼ぶ。日本においては日本自動車連盟(JAF)の規定上、かつてのフォーミュラ・トヨタフォーミュラ・ドリームなどがフォーミュラ・リブレに該当する。

[編集] 脚注

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  1. ^ http://www.honda.co.jp/F1/spcontents2006/f1catalogue/03/
  2. ^ 過去には、全日本F3000用に製造されたフォーミュラカーにウインカー・バックミラー等の保安部品を追加し、実際にナンバープレートを取得した例もあるが、申請には型式認定の取得などのため膨大な書類が必要となることから、現実的には非常に難しい。

[編集] 関連項目

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