トヨタ・コロナEXiV
コロナEXiV(CORONA EXiV - エクシヴ)は、トヨタ自動車が生産・販売していた乗用車。
歴史
初代[1] T18#型(1989年 - 1993年)
トヨタ・コロナEXiV(初代) ST18#型 | |
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後期型 1.8FE(フロント) | |
後期型 2.0FE(リア) | |
概要 | |
販売期間 | 1989年9月 - 1993年10月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
4ドアハードトップ (4ドアクーペ) |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
3S-GE型 2.0L 直4 3S-FE型 2.0L 直4 4S-Fi型 1.8L 直4 |
最高出力 |
2.0L 165ps/6,800rpm 2.0L 125ps/5,600rpm 1.8L 105ps/5,600rpm |
変速機 | 4速AT / 5速MT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,525mm |
全長 | 4,500mm |
全幅 | 1,690mm |
全高 | 1,320mm |
車両重量 | 1,110 - 1,270kg |
その他 | |
姉妹車 | トヨタ・カリーナED(2代目) |
販売終了前月までの新車登録台数の累計 | 16万3881台[2] |
系譜 | |
先代 | トヨタ・コロナクーペ(事実上) |
元モデルはセリカをベースにしたコロナクーペであり、姉妹車には、同じくセリカのプラットフォームベースの初代カリーナEDが存在したが、カリーナEDのヒットによりコロナのフルモデルチェンジ後クーペは消滅、コロナEXiVとしてスタイリッシュな4ドアピラーレスハードトップになり登場する。
セリカ/カリーナEDと共通のプラットフォームで、背の低いボディーのためセダン(厳密には4ドアクーペ扱い)としての居住性(ラグジュアリー性能)と実用性に関してはあまり高くない。カリーナED同様、流麗なスタイリングは熟年層向けなイメージであったコロナセダン・カリーナセダンとは違い、若年層に大いに受け入れられた。
駆動方式は前輪駆動で、排気量は1,800cc、2,000ccの2種類のエンジンをラインナップしており、四輪操縦と二輪操縦の切替可能な世界初デュアルモード4WSを搭載した。なお、同時期のセリカに搭載されていたアクティブサスペンション、4WDターボモデルは設定されていなかった。
- 1989年9月6日 - 初代登場。
- 1990年8月 - 一部変更。ハイメカツインカム車は全車EFI化され出力向上が図られた。
- 1991年8月 - マイナーチェンジが実施された。フロントグリルのエンブレムは、コロナの「太陽冠」から「Exiv」に変更され、リヤのトランクリッドにはトヨタのCIマークが取り付けられた。シャーシ面でも2WS車のリアトレッドが拡大され、1,800cc車もフロントブレーキの拡大に伴い14インチ5穴ホイール化された。
- 1993年9月[3] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
- 1993年10月 - 2代目と入れ替わる形で販売終了。
2代目[4] T20#型(1993年 - 1998年)
トヨタ・コロナEXiV(2代目) ST20#型 | |
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前期型 1.8TR | |
後期型 180E | |
概要 | |
販売期間 | 1993年10月 - 1998年12月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
4ドアハードトップ (4ドアクーペ) |
駆動方式 | FF/4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
3S-GE型 2.0L 直4 3S-FE型 2.0L 直4 4S-FE型 1.8L 直4 |
最高出力 |
2.0L 180ps(AT170ps)/7,000rpm 2.0L 140ps/6,000rpm 1.8L 125ps/6,000rpm |
変速機 | 4速AT / 5速MT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,580mm |
全長 | 4,500mm |
全幅 | 1,740mm |
全高 | 1,325mm |
車両重量 | 1,120 - 1,220kg |
その他 | |
後継 | コロナプレミオ(後期型)に統合 |
生産台数 | 不明(コロナシリーズと合算のため)[5] |
2代目からは4ドアピラードハードトップ(こちらも実質的には4ドアクーペ扱い)となり、姉妹車であるセリカやカリーナEDと共にボディーの大型化と安全性で3ナンバーとなる。この代からセンターピラーが他のハードトップ車と同様に付くようになる。
全日本ツーリングカー選手権(JTCC)に参戦した事でスポーティーさをアピールしていたが、時代はハイソカーやスポーツカーからRV等の大型の車両に移ってゆくことと、サイズアップによりEXiVの取り扱い店であるトヨペット店では3ナンバーのマークIIと競合したことで人気は下火となってしまった。マイナーチェンジ時にグレード構成において「GT」等のスポーツ色の強いものが追加されつつも、その低いルーフが影響する居住性を悪化させ、販売台数は下降線をたどった。
CM出演者は本木雅弘で、後にプログレや3代目アルファードのCMにも出演する。過去ではマークIIのライバルである日産・ローレルのCMに出演していた。
前輪駆動の3S-GE型搭載モデルにおいては、前期モデルでオプションだったスーパーストラットサスペンションが後期モデルでは標準装備になる。姉妹車のEDでは、後期モデルでもオプションである。
- 1993年10月8日 - モデルチェンジし2代目となる。
- 1994年5月 - 3S-GE型エンジン搭載車にフルタイム4WD車を追加。EXiVとしては、最初で最後の4WD車である。4WDの駆動方式はMT車はセリカGT-FOURと同じビスカスカップリング式。AT車がコロナセダン4WDと同じECハイマチック式。
- 1995年9月 - マイナーチェンジを行うと同時に、運転席エアバッグが全車標準装備となった。コスト削減において前ドアのステップランプ、集中ドアロックの車速オート機能、キー穴照明が廃止され、3S-FE型搭載車以外はエアコンがマニュアル式に変更された。
- 1996年6月 - ABSと助手席エアバッグを全車標準装備とした。マルチAVステーションをオプション設定。
- 1998年3月 - オーダーストップに伴う生産終了。以後は在庫のみの対応となる。
- 1998年12月[6] - 折からのハードトップモデル縮小傾向の影響を受け、後期型コロナプレミオに統合される形で姉妹車のカリーナEDとともに販売終了。
車名の由来
- コロナ - 英語で皆既日食の時に見られる光環のこと。
- EXiV - Extra Impressive(際立って印象的な)を略した造語。キャッチコピーは「かつてない印象」。
- 「エクシブ」や「エキシブ」と誤表記(V音の表記ゆれ)される事があるが、正式なカナ表記は「エクシヴ」である。
- 車名のアルファベット表記は「EXiV」とされる事が多く実車カタログにおいても「Exiv」とともに使われているが、実車エンブレムの表記を見ると実は全て小文字の「exiv」で構成されている(eの横棒が突き出ているのは筆記書体を元にした小文字の特徴でもある)。
モータースポーツ
1994年にスタートした全日本ツーリングカー選手権(JTCC)において、1995年よりトムスとトヨタ本社のモータースポーツ部の共同開発の形でエクシヴが投入された。選ばれた理由は、94年にワンサイズ小さいカローラセレスを使用していたつちやエンジニアリングがストレートで圧倒的な優位を見せていたが、カローラは車体が大きくなく、レイアウト面の難しさからコーナリングスピードはトムスGBが製作したトヨタ・コロナよりも劣っていたことから、コーナリングスピードの速いワイドボディーの車で前面投影面積が最小だった当車が選定された
惜しくもドライバーズタイトル獲得は成らなかったが、1996年にはトムスにチームタイトルをもたらした。1997年トヨタはFR車の可能性を模索するべくチェイサーを投入するが、エクシヴも1998年のシリーズ終了まで引き続き使用され活躍した。またマカオ・ギアレースにも参戦し、1995年にチームトムスのエクシヴをドライブするケルヴィン・バートが宿敵シュニッツァーBMW勢を下し総合優勝、ジュリアン・ベイリーも総合3位を獲得した。
脚注
注釈
出典
- ^ コロナシリーズ全体としては通算9代目
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第49号9ページより。
- ^ “コロナエクシヴ(トヨタ)1989年9月~1993年9月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月12日). 2020年1月12日閲覧。
- ^ コロナシリーズ全体としては通算10代目
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第98号13ページより。
- ^ “コロナエクシヴ(トヨタ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月12日). 2020年1月12日閲覧。
関連項目
EXiVでJTCCを走ったドライバー
TOM's
CERUMO
BANDOH
外部リンク
- トヨタ コロナEXiV(初代) - トヨタ自動車公式企業サイト内のページ。
- トヨタ コロナEXiV(2代目) - 同上。