クリスピー・クリーム・ドーナツ

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クリスピー・クリーム・ドーナツ・インク
Krispy Kreme Doughnuts, Inc.
クリスピー・クリームの店舗(ニューヨーク市)
種類 公開会社
市場情報
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
27103
ノースカロライナ州ウィンストン・セーラム市ノールウッド(Knollwood)通り370
北緯36度5分27.73秒 西経80度17分14.91秒 / 北緯36.0910361度 西経80.2874750度 / 36.0910361; -80.2874750
設立 1937年
業種 外食産業
事業内容 直営およびフランチャイズシステムによる飲食店の運営、ドーナツおよび関連商品の製造・販売
売上高 3億6200万ドル(2010年2月1日 - 2011年1月30日)
営業利益 1526万ドル(2010年2月1日 - 2011年1月30日)
純利益 760万ドル(2010年2月1日 - 2011年1月30日)
従業員数 3,700人(2011年1月30日)
決算期 1月末日
関係する人物 ヴァーノン・ルドルフ(創業者)
外部リンク http://www.krispykreme.com
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クリスピー・クリーム・ドーナツ英語::Krispy Kreme Doughnuts)とは、アメリカ合衆国1937年に創業したドーナツチェーン

2010年1月末現在、アメリカ合衆国の37オーストラリアバーレーンドミニカ共和国カナダ中華人民共和国上海)、インドネシア日本クウェートレバノンマレーシアメキシコフィリピンプエルトリコカタール韓国タイサウジアラビアトルコアラブ首長国連邦イギリスで646の店舗を展開している(アメリカ国内の85店は直営、アメリカ国内の144店とアメリカ国外の全店舗417店はフランチャイズ)。また、タイに貿易用の子会社を有する。

概要

アメリカでの展開

アメリカ・ワシントンD.C.にある店内のショーケースに陳列されたドーナツ

アメリカのKrispy Kremeはクリスピー・クリームの創業者ヴァーノン・ルドルフとその伯父がケンタッキー州パデューカのブロード・ストリートにあるジョセフ・ルブーフのドーナツ店を、1933年にニューヨーク州バッファローのビジネスマンから受け継いだ秘伝のレシピと共に買収したことから始まった。ルドルフはパデューカでドーナツの販売を始め、自転車で配達もしていた。テネシー州ナッシュビルに移転し、家族の他の者も接客に加わった。1937年、ナッシュビルの店舗を売り払い、ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムにドーナツ店を開業してスーパーマーケットに卸していたが、後に個人客に対しても販売するようになった。最初の店舗はウィンストン・セーラムのサウス・メイン・ストリートにある現在オールド・セーラムと呼ばれる地域の賃貸ビルに開業。クリスピー・クリームのロゴは地元のアーティスト、ベニー・ディンキンスによってデザインされた。

1950年代、事業は拡大され、ジョージア州サバンナなど南部を中心に展開された。1960年代には南東部にさらなる拡大を開始。1976年、クリスピー・クリーム・ドーナツ・コーポレーションはイリノイ州シカゴベアトリス・フーズ子会社となった。ただし本社はウィンストン・セーラムのままとされた。

1982年、フランチャイジー(加盟店)のグループによりベアトリス・フーズから買い戻された。2000年4月に株式公開 (IPO) を行ないNASDAQに上場、2001年5月にニューヨーク証券取引所 (NYSE) に上場替えした。上場後、急速にフランチャイズ店の展開を進めたが、2003年以降は売り上げが伸び悩み、2004年から5年間で240店を閉店、莫大な損失(3億ドルの減損・リース負債計上など)を出した。2004年には会計上の問題により証券取引委員会 (SEC) の調査を受けている[1]2000年代後半以降は、アメリカ国外でのフランチャイズ展開に活路を探っている。

アメリカなどでは、末尾にDoughnutsをつけない「Krispy Kreme」の名称で親しまれている。ドーナツは、クリスピー・クリーム店舗以外のスーパーマーケット、コンビニエンスストアガソリンスタンドなどでも販売されている。

日本での展開

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社
Krispy Kreme Doughnut Japan Co.,Ltd.
新宿サザンテラス店(日本1号店)
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
150-0002
東京都渋谷区渋谷三丁目10-13 渋谷Rサンケイビル8F
設立 2006年6月26日
業種 小売業
事業内容 ドーナツの製造・販売
代表者 岡本光太郎(代表取締役社長
資本金 2億5000万円(2011年3月31日時点)
純利益 3億4041万3000円(2011年3月期)
純資産 14億4856万2000円
(2011年3月31日時点)
総資産 37億1438万8000円
(2011年3月31日時点)
決算期 3月末日
主要株主 ロッテリヴァンプ
関係する人物 上田谷真一
外部リンク http://krispykreme.jp/
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2006年6月26日ロッテが70%、リヴァンプが30%を共同で出資しクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社(本社:東京都渋谷区)を設立した。資本金2億5千万円。社長には、日本マクドナルド出身の香坂伸治が就任。アメリカのクリスピー・クリーム・ドーナツ社(Krispy Kreme Doughnuts, Inc.)と日本でのフランチャイズ契約を結び、ドーナツチェーン事業を展開する。設立後の5年間に30-50店舗の出店を予定していた。

アメリカでは12個入り1箱(クーポンがある場合は2箱)を7ドル前後で販売する大衆化・日常化したドーナツチェーンであるが、日本では目新しさと稀少性を演出したブランディングにより高めの価格設定になっている。

2006年12月15日に、東京都渋谷区代々木新宿サザンテラスにクリスピー・クリーム・ドーナツ1号店が開業。オープンデッキからドーナツ製造工程を見学できるのが特徴である。その後アメリカ創業法人の経営上の問題により日本での2号店開業は遅れた。日本2号店は2007年10月12日に有楽町駅前の有楽町イトシアにおいて開店した。その後は川口立川船橋渋谷越谷川崎横浜などにも出店している。

2010年には名古屋大阪京都関東地方以外への出店を開始した。2011年2月には博多駅の駅ビル新装に伴い、同ターミナルビル複合商業施設内にも出店した。

2013年4月12日にオープンの大型商業施設MARK IS 静岡内のテナントとして静岡へ初出店した。

2016年に日本進出10周年を迎えるのに合わせて事業計画の見直しを行い、経営資源を三大都市圏に集中させる[2]。これに伴い、閉店する店舗が増えてきている。2016年1月31日で「アミュプラザ博多店」、「天神地下街店」、「マリノアシティ福岡店」の3店が、同3月21日で北九州市内の2店が同時に閉店し、これにより福岡県から全ての店舗が撤退となった。また、同2月21日で「広島アルパーク店」、「ゆめタウン廿日市店」が閉店し広島県内から[2]、2月28日で「四条烏丸店」が閉店し京都府内から撤退となった。

社名の綴り

社名の「クリーム」が "Cream" ではなく "Kreme" となっている理由については、アメリカ本社にも知る者はいない。創業者のルドルフがフランス人シェフからレシピを伝授された時に既にこの名前が付いていたため、これをずっと使い続けていることによる。ドイツ語のKreme(クリーム)が語源という説もある。

ドーナツ

『 HOT NOW 』できたて「オリジナル・グレーズド」の販売を告知するホットライト(日本)

オリジナル・グレーズド

クリスピー・クリームを代表するドーナツとして、1937年の創業時から提供されている、ふんわりとしたイーストドーナツの表面を砂糖でコーティングした「オリジナル・グレーズド」がある。1個当たりの公表熱量は795 kJ(190 kcal[3]。その他にドーナツのメニューは14種類が用意されている。

問題点

揚げ工程に植物性ショートニングを使用している[4]ため、トランス脂肪酸の摂取につながることが危惧される。香港消費者委員会と香港食物安全センターが2007年に香港で買い集めた計90種の食品サンプルを分析した際、オリジナル・グレーズド1個には、1日の摂取上限に相当する2.2 gのトランス脂肪酸が含まれていた[5]

法的規制のあるアメリカ合衆国のクリスピー・クリームではトランス脂肪酸を多く含む油脂は使用されておらず、公式ホームページやパッケージに「0 grams TRANS FAT!」の表記がされている。

沿革

アメリカ

日本

心斎橋店

店舗

2011年1月30日現在では直営85店、フランチャイズ561店、総計646店が営業している[6]

アメリカ合衆国の店舗

2011年1月末現在、直営85店、フランチャイズ144店、計229店舗が営業している。出店店舗の一覧・詳細情報は公式サイト「Locations(英語)を参照。

カナダの店舗

2012年11月時点では、ブリティッシュコロンビア州1店舗、オンタリオ州3店舗、ケベック州2店舗が営業している。出店店舗の一覧・詳細情報は公式サイト「Locations(英語)を参照。

日本の店舗

営業中の店舗

2016年3月31日時点では、埼玉県4店舗、千葉県2店舗、東京都12店舗、神奈川県7店舗、静岡県2店舗、愛知県5店舗、岐阜県2店舗、三重県1店舗、滋賀県1店舗、大阪府7店舗、兵庫県1店舗、岡山県1店舗、大分県1店舗、鹿児島県1店舗、計49店舗(非常設店舗のJR川崎駅構内店・新大阪駅店を含む)が営業している。出店店舗の一覧・詳細情報は公式サイト「店舗情報」を参照。

閉鎖した店舗

その他の国・地域の店舗

  • オーストラリア - 2004年に進出、29店が営業中
  • バーレーン - 2009年に進出、9店が営業中
  • カナダ - 2002年に進出、6店が営業中
  • 中国(上海) - 2011年に進出、1店が営業中(香港8店舗は閉店)
  • ドミニカ共和国 - 2011年に進出、1店が営業中
  • インドネシア - 2007年に進出、9店が営業中
  • クウェート - 2007年に進出、28店が営業中
  • レバノン - 2009年に進出、11店が営業中
  • マレーシア - 2010年に進出、5店が営業中
  • メキシコ - 2004年に進出、58店が営業中
  • フィリピン - 2007年に進出、21店が営業中
  • プエルトリコ - 2009年に進出、4店が営業中
  • カタール - 2008年に進出、6店が営業中
  • サウジアラビア - 2008年に進出、83店が営業中
  • 韓国 - 2005年に進出、41店が営業中
  • タイ - 2011年に進出、2店が営業中
  • トルコ - 2010年に進出、13店が営業中
  • アラブ首長国連邦 - 2008年に進出、24店が営業中
  • イギリス - 2004年に進出、46店が営業中

脚注

  1. ^ SEC probes Krispy Kreme
  2. ^ a b 広島県内の「クリスピー・クリーム・ドーナツ」2店舗が閉店 中国地方は岡山県のみに”. 広島経済新聞 (2016年2月12日). 2016年2月14日閲覧。
  3. ^ Nutritional Information
  4. ^ 日本発売の当初は、日本の公式サイトに「大きくふくらんだドーナツは、植物性ショートニングの プールに飛び込みます。」との説明があったが、のちに見当たらなくなった。しかし、植物性ショートニングを使用していないとの記述もない。
  5. ^ 香港消費者委員會編、『選擇月刊』第379期、2008年5月
  6. ^ 2011 Annual Report Krispy Kreme Doughnuts, Inc.

参考文献

関連項目

外部リンク