丸亀製麺

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松戸二十世紀が丘店

丸亀製麺(まるがめせいめん)は、株式会社トリドールが運営する讃岐うどん専門店。釜揚げうどん等を低価格にてショッピングモールフードコートや郊外型のロードサイド店舗などの店内で製造調理・商品提供する直営多店舗展開を行っている。看板ウェブサイトなどでは「讃岐釜揚げうどん 丸亀製麺」「釜揚げ讃岐うどん 丸亀製麺」「セルフ釜揚げうどん 丸亀製麺」のように特徴部分のキャッチコピーと店舗名が一緒に表記されている[1]。2013年(平成25年)4月時点の店舗数は715店となっている[2]

概要[編集]

讃岐うどん専門店の「丸亀製麺」は、焼き鳥ファミリーダイニング「とりどーる」などの運営会社であるトリドール2000年代後半以降における主力業態で[3]2000年平成12年)11月にセルフうどん業態を導入した1号店「丸亀製麺加古川店」を兵庫県加古川市に開店したことをはじめに、街道沿いの独立店舗型を中心にショッピングモール内のイートイン型店舗や都心部向けのビルイン店舗を積極的な出店展開している[4]

市場参入の動機と名称の由来は、運営会社トリドールの創業者・社長である粟田貴也の実父が香川県坂出市の出身で、幼い頃から讃岐うどん文化に慣れ親しんできた事もあり「もっと讃岐うどん文化を広めたい」との思いから、坂出市に隣接し讃岐うどんの聖地とされる地名、香川県丸亀市にちなんで「丸亀製麺」と名付け、より洗練した形にパッケージしたセルフ式讃岐うどん専門店の展開を始めた[5][6]。ただし会社と丸亀市は無関係である。他にうどん専門にこだわった理由として、客層が広い(傾向として高齢者1人の来店が多いことやファミリー顧客の来店頻度も高い)、ヘルシーで低価格、などが挙げられている[7]。2000年代後半以降にトリドールは丸亀製麺を大量出店する理由として、今までうどん・そば市場は寡占化が進まずに産業集約が遅れていたことや、うどん専門でガリバー企業を目指したチェーンストアがなく、大量出店を継続し経営基盤を拡充することで同社が圧倒的なトップリーダーになる可能性があり、強い意向で達成するためとしている[7]

2000年代後半からの出店攻勢によって2009年(平成21年)11月時点で同業者大手のはなまるうどんの店舗数(約270店)を抜いてセルフうどん市場における店舗数第1位(321店)となり[8][9]2011年(平成23年)5月9日に「丸亀製麺 沖縄美里店」を新規開店したことで、うどん店業界としては初となる全47都道府県への出店を達成した[10]2010年(平成22年)以降の出店ペースは年120店程度を予定しており、2010年代中盤には1000店を達成する体制を目指している[6]

讃岐うどんを提供する店のイメージとして、「丸亀」という讃岐香川県)の地名を使った店名であり[注釈 1]、提供するうどんは店内に備えた製麺機で作られた麺を使用し、セルフサービスを採用するなど、香川県内に存在する讃岐うどん店の一般的な条件を備えている[6]厨房はオープンキッチン形式を採用して臨場感と「できたて感・手づくり感・安心感」が意識できる状況にして[1]調理過程が目で楽しめるように工夫しており[6]、各調理工程は分業・専任担当者制として客回転の効率化を図っている[11]

2011年(平成23年)から日本国外に進出し、その準備として2009年(平成21年)7月25日に現地法人の子会社「TORIDOLL USA CORPORATION」を設立した[12]。2011年(平成23年)3月にアメリカハワイワイキキマーケットプレイス内にTORIDOLL USAが「MARUKAME UDON ワイキキ店」の店舗名で出店予定[13]であったが、予定より少し遅れた2011年(平成23年)4月1日に同所で「MARUKAME UDON Waikiki Shop」を開店した[14]。2012年12月に韓国ソウルに初進出[15]、2013年1月5日には香港に初進出[16]、同年2月1日にはロシアモスクワ市に「ノヴォクズネツカヤ」店で初進出[17]した。

日本国外における読み方は「MARUKAME」(まるめ)としており「MARUGAME」(まるめ)としなかったのは、「GAME(ゲーム)」と読まれる可能性があるためと英語圏の人にとって読みづらいという理由によるもの[注釈 2]。また、ワイキキ店では正式名称を「SEIMEN(製麺)」から「UDON」に変更しており[18]、理由として日本国外で「うどん」の単語は英語化されて馴染みがあり、その専門性であることをアピール出来るためである[19]

メニュー[編集]

釜揚げうどん

うどんは打ちたてをうたい[20]、全店舗で製麺機を導入して店内で自家製麺を行なっており[21]、うどん用の小麦粉は日本国内(北海道)産を用いている[20]。製麺機は大半の店舗が大和製作所[22]のもので、一部さぬき麺機のものを使用している店舗がある[注釈 3]。麺は茹でたてをうたっている[20]が、客を待たせないなどの理由で茹で置きを行う場合もあり、その際は鮮度を保つため20分以上経ったものは商品として出さない方針である[21]。客単価は500円以下(494円:2009年時点[7])となっている[11]

商品は看板に出ている「釜揚げうどん」をはじめ、「かけ」、「ぶっかけ」、「釜玉」などのうどんメニューと、天ぷらおにぎりなどのサイドメニューから構成されている[21]。トッピングではネギショウガ、天かす、すりごま等が入れ放題、さらにかけうどんの出汁はサーバーから自由に好きなだけ入れることが出来る(一部店舗を除く)。天ぷらも各種揃えて充実しており、一番人気の「野菜かき揚げ」は、玉ねぎ、にんじん、かぼちゃなどを専用の器具を用いて直径約8cmで高さのある形状に揚げたもので名物化しており[11][21]、他に「かしわ天(とり天)」などがある(一部店舗を除く)。

その他[編集]

つけうどん
  • 香川県内の店舗のうち、最初に進出したイオンモール高松フードコート内の店舗はかつて「亀坂製麺」として営業していた[23][24]。理由として、香川県には丸亀市内に「丸亀製麺」と同名別企業の「丸亀製麺株式会社」という製麺所が実在していることから、デベロッパー側より変更依頼が出たことであった。しかし、同じ香川県でも2012年(平成24年)1月11日に開店した「丸亀製麺栗林公園店」(高松市室新町)からは「丸亀製麺」として開業した[24]。イオンモール高松の店舗も後に名称を統一し、現在は本来の屋号である丸亀製麺で営業を行っている[25]
  • 2010年(平成22年)3月、農林水産省主催の第18回優良外食産業表彰【国産食材安定調達部門】で農林水産大臣賞を受賞[26]。小麦消費量のうち、86%(2008年度概算)を外国産小麦に頼っている日本において、主力業態であるセルフ讃岐うどん「丸亀製麺」は、厳選した100%国産小麦の使用や、トッピングのネギやかき揚げのタマネギにおいても国産に限定して使用するなど、安定的な国産食材調達への取組みが評価された[26]
  • 2010年(平成22年)4月下旬、「丸亀製麺のこだわり札」という販促キャンペーンを期間限定で実施。うどん一杯につき「こだわり札」が一枚貰え、10枚集めると「釜揚げうどん(並)」一杯と交換できるというもの。こだわり札は10種類あり「釜揚げうどん」や「かきあげ」「半熟玉子天」など、商品のこだわりが書かれており、ランダムに配布されていた販促企画であった。
  • 2011年(平成23年)7月8日、社長の粟田貴也が香川県丸亀市から「文化観光大使」に任命された[27]。任期は2年間。
  • 2013年(平成25年)4月7日、ざるうどんを食べた客から、ざるの裏側にカビが生えていると指摘され、同年5月9日、謝罪文を公式ウェブサイトに掲載した[28][29]。その後、一旦商品からざるを無くし、商品名を「つけうどん」に変更した後、同年7月にプラスチック製のざるに変更して復活させた。
  • 2013年(平成25年)5月、国内全店舗の店長をパートタイムに任せる方針を明らかにした[30]

注釈[編集]

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  1. ^ 「讃岐うどん」の名称使用で条件が伴うのは、生めん類の表示に関する公正競争規約及び公正競争規約施行規則 (PDF)社団法人全国公正取引協議会連合会)にて、「名産」、「特産」、「名物」、「本場」などを表示する場合のみ指定の品質基準を満たす必要がある。それ以外の場合は制限が無いため、条件に該当していない「丸亀製麺」は「讃岐うどん」の名称を使用したり、讃岐をイメージさせる店名を名乗ること自体全く問題ない(『讃岐うどん遍路 うどん天国 / ブランド、「偽物」で評判低下も - 四国新聞 2003年12月8日』より、讃岐うどん#定義も参照)。
  2. ^ 同じ読み方の地名が香川県に存在しており、東かがわ市に「丸亀島」(まるめじま)という無人島がある。
  3. ^ どちらも香川県のメーカーであり、讃岐うどんを製麺するのに適した機械である。

出典[編集]

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  1. ^ a b 丸亀製麺 - トリドール公式サイト
  2. ^ 店舗検索 トリドール公式サイト”. 2013年4月26日閲覧。 →「丸亀製麺」を検索
  3. ^ 個人投資家の皆さまへ - トリドール公式サイト
  4. ^ 業績の報告 - トリドール公式サイト
  5. ^ トリドール#会社概要 より。
  6. ^ a b c d ユニーク商業人列伝:第291回(株)トリドール 代表取締役社長 粟田貴也氏 - 商業施設新聞(産業タイムズ) 2010年10月5日
  7. ^ a b c トリドール社長:低価格専門店が時代を制す、うどんで1000店確立へ - ブルームバーグ 2009年11月4日
  8. ^ トリドール、400店舗突破、セルフ式うどん店急増 - 日経MJ 2010年1月8日
  9. ^ 外食・中食、首位交代相次ぐ すき家の売上高、吉野家を抜く - NIKKEI NET・日本経済新聞朝刊 2009年12月4日
  10. ^ うどん業界初!「丸亀製麺」全国47都道府県出店達成!! (PDF) - トリドール 2011年5月9日
  11. ^ a b c 2010年10月13日放送『news every.特集 - 讃岐うどん&回転すし 大盛況!人気チェーン店の秘密
  12. ^ トリドールが海外進出、ハワイに全額出資の現法。 - 日経MJ 2010年9月27日
  13. ^ セルフうどん「丸亀製麺」を世界へ! 海外1号店をハワイに出店!! (PDF) - トリドール 2010年10月27日
  14. ^ 讃岐うどんの「丸亀製麺」が海外へ、ハワイで日本と同様の低価格実現。 - Narinari.com 2011年3月31日
  15. ^ ソウルの丸亀製麺には限定メニュー「ビビンうどん」がある - エキサイトニュース 2013年2月4日
  16. ^ 香港初の「丸亀製麺」が1月5日オープン!! (PDF) - トリドール 2013年1月7日
  17. ^ トリドール、讃岐うどん専門店「丸亀製麺」のロシア1号店をオープン - 日経プレスリリース 2013年2月4日
  18. ^ 丸亀製麺 海外1号店 「MARUKAME UDON Waikiki Shop」4/1 ハワイ・ワイキキにてグランドオープン!! (PDF) - トリドール 2011年3月30日
  19. ^ テレビ朝日系『雑学王』2011年6月13日放送分より。
  20. ^ a b c 事業内容・業態のご紹介 - トリドール公式サイト
  21. ^ a b c d 2011年6月5日放送『シルシルミシルさんデー』(テレビ朝日系)テーマ1 / 丸亀製麺
  22. ^ 麺に特化した、マシン工場と一体型のシェア日本一の製麺工場、そしてうどん、ラーメンの学校まで - バリュープレス・大和製作所 2013年1月25日
  23. ^ 亀坂製麺イオンモール高松”. トリドール. 2012年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月17日閲覧。
  24. ^ a b 県外チェーン最大手「丸亀製麺」が本格進出”. 四国新聞 (2012年1月8日). 2013年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月17日閲覧。
  25. ^ 丸亀製麺・店舗検索「丸亀製麺イオンモール高松」 - トリドール公式サイト
  26. ^ a b 第18回優良外食産業表彰【国産食材安定調達部門】で農林水産大臣賞を受賞!! (PDF) - トリドール 2010年3月24日
  27. ^ 丸亀市の文化観光PR/初代大使10人に委嘱状 - 四国新聞、2011年7月9日
  28. ^ 「ざるうどん」の「ざる」裏にカビが発生していた事案についてご報告いたします (PDF) - トリドール公式サイト、2013年5月9日
  29. ^ トリドール、丸亀製麺で使用しているざるのカビ問題で公式に謝罪 - マイナビニュース、2013年5月9日
  30. ^ 丸亀製麺、全店長パート化で物議 「時給を2割近く上げる」と説明するが… - J-CAST、2013年5月21日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]