ワーナー・マイカル・シネマズ

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ワーナー・マイカルのロゴ

ワーナー・マイカル・シネマズWARNER MYCAL CINEMAS)は、かつて存在したシネマコンプレックスの屋号である。

イオングループの株式会社ワーナー・マイカル(現・イオンエンターテイメント株式会社)が運営していた。2013年7月1日イオンシネマズ株式会社が運営していた映画館との統合により、イオンシネマに改称された(改称後の映画館については「イオンエンターテイメント」の項を参照)。

歴史[編集]

神奈川県海老名市にオープンした第1号劇場『ワーナー・マイカル・シネマズ(WMC)海老名』(2008年11月23日撮影)

1993年に日本初のマルチプレックスシネマ[注 1]とされる『ワーナー・マイカル・シネマズ海老名』(神奈川県海老名市)を開業した。商業劇場では国内初となるTHX認定を1スクリーンで取得。当時はあまり普及していなかったdtsなどのデジタル音響システムや、傾斜角の大きいスタジアムシートを導入するなど、音響の良さ、見やすさを謳っていた。また、6つ以上のスクリーンを持ちながら、入口・ロビー・映写室等を共有し、商業施設と併設するシネマコンプレックスの日本におけるオーソドックスなデザインを確立した。また、映画の本編が始まる前のCM枠で流れる劇場マナームービーや館内のグッズなどでは、ワーナー・ブラザースが製作しているバッグス・バニーを始めとするルーニー・テューンズのキャラクターとコラボレーションされており、他のシネコンとの差別化を図っていた。

創業以降、サティ(現:イオン)やビブレ等マイカルの店舗に併設されるケースがほとんどであった。しかし、マイカルの経営破綻によりイオングループに入り、イオンモールなどイオングループが運営するショッピングセンターに併設されることも増えた。一方で、多摩センターやノースポートモール(港北ニュータウン・マルイ系の運営会社)などイオングループ外のショッピングセンターに設置された例、また弘前・北上のように現在はマイカルの傘下から離れた店舗をキーテナントとするショッピングセンターに引き続き併設されている例もある。ただし、イオンが資本参画しているダイエーを核店舗とするショッピングセンターには進出していない。

2001年9月にマイカルが経営破綻した影響により、浦和[注 2]、川崎[注 3]、一関を初めとする複数の出店計画が中止となった。このため、移転を除くと2001年1月26日に開業した加古川から2004年11月12日開業のりんくう泉南まで3年以上の間、新規出店が行われなかった。また後に、当時の親会社であるワーナー・ブラザース・インターナショナル・シネマズが日本国内に直営劇場の展開を計画したが、2007年11月に取りやめを決定し、その余波でelumiこうのす埼玉県鴻巣市)への『ワーナー・マイカル・シネマズ鴻巣』の出店が急遽中止になるなどの影響が出た。

なお、ワーナー・マイカル・シネマズとして営業していた後述の改称以前の段階では、席数が最も多いのは東京都板橋区にある『ワーナー・マイカル・シネマズ板橋』(2326席)で、最も少ないのは山形県米沢市にある『ワーナー・マイカル・シネマズ米沢』(948席)であった。

イオンリテールとの吸収合併により2011年2月28日を以てマイカルは消滅しているものの、それに伴う改称は行われず、引き続き「マイカル」の名称が使用されていた。しかし、2013年2月28日にタイム・ワーナーグループが資本を撤退し、ワーナー・マイカルがイオンの完全子会社となり、同年7月1日にはワーナー・マイカルを存続会社としてイオンシネマズと統合。社名は「イオンエンターテイメント」に改称した。これによりスクリーン数は609となり、TOHOシネマズを抜いて日本国内最多のスクリーン数を運営する映画興行会社となった。劇場名は同年6月から年内にかけて「ワーナー・マイカル・シネマズ」から改称し「イオンシネマ」に統一するとしていたが[1][2]、公式サイトにおける劇場名称[3]や劇場の公称としては会社の統合と同日付けでイオンシネマに統一され[4]、25年に渡り使用されてきたマイカルの名称も消滅した。なお、看板などは同年内を目処に全劇場の変更を完了した[5]

統合前の最後の3日間(6月28日〜30日)には「ワーナー・マイカル・シネマズからのありがとうの3日間」[4]と称して、ルーニー・テューンズのサンクスカード(映画チケットの購入時)やオリジナルグッズ(ドリンクポップコーンの購入時)を先着で貰えるプレゼントイベントが全館(61サイト)にて開催された。

サービス[編集]

以下はワーナー・マイカル・シネマズに存在したサービスである(※イオンシネマへの統一後も存続しているものもある)。

情報紙[編集]

Cinema Lifeという映画情報が掲載されたフリーペーパーを配布している。過去には、やはりフリーペーパーの「Comming Soon!」を配布していた時期(1997年 - 1998年頃)や、有償の「近日くらぶ」と言う雑誌を販売していた時期(1999年 - 2001年頃)もあり、上映作品の宣伝戦略は何度か変わっている。

デジタル3-D上映[編集]

2008年後半よりRealD方式の設備を各劇場に順次導入し、対応劇場では『ワーナー・マイカル デジタル3-Dシネマ』として3-D映画作品の上映を行っている。日本国内ではXpanDを導入するチェーン系劇場・シネマコンプレックスチェーンが多いが、それと対比して「メガネが軽い」等の長所をインフォマーシャル等で取り上げている。3D鑑賞料金は基本料金+400円だが、初回鑑賞時に渡された3Dメガネを持ち帰り次回鑑賞時に持参すれば3D鑑賞料金は300円に値引きされる。

一部の劇場では日本ビクター製のRealD方式の投影に対応した業務用3Dテレビと3Dメガネを設置し、3-D上映作品の予告編の再生を行っている。

コンセッション[編集]

ポップコーンハーゲンダッツなどの食品や、ペプシコーラをはじめとしたサントリーフーズ製品のドリンクを販売している。1996年頃まではコカコーラを販売していた。ビールはサントリーではなく、アサヒスーパードライを販売している所もある。なお、コンセッションで購入していない持ち込み品の館内での飲食は禁止されている。

ポイントカード[編集]

チケットラリー
開業当初から1999年頃まで夏と冬の年2回、チケットラリーというサービスが行われていた。期間内に鑑賞したチケットを3枚、所定の台紙に貼り付け応募すると、抽選で賞品が当選するイベントであった。賞品に年間パスポートなどがあったが、後に行われるポイントカードと異なり応募者全員に何らかの還元があるわけではない。
ポイントカード(磁気カード式)
2004年頃にバッグス・バニーが描かれたスケルトンデザインの磁気プラスチックカードによるポイントカードを発行開始。半年以内に6回分有料鑑賞をすると1回分が無料となる「シックスワンダフリー」サービスを行っていた。Tカードへの移行により2006年に取り止めとなった。
Tポイント・Tカード
2005年11月の多摩センター開業時からティーポイントサービスに加盟し、チケット・コンセッション・シネマストアの購入代金に応じてTポイントの積算がされるサービスを開始。2006年には全館に対象を拡大し、従来のシックスワンダフリーが「Tポイント・シックスワンダフリー」として、Tカードの番号に紐付けする形で回数情報が登録される様になり、館内でTカードの申込・発行も行われた。2009年6月27日にTポイントと提携解消によりサービスが終了した。
ポイントカード(スタンプ押印式)
Tポイント提携解消に伴い2009年6月より運用されているポイントサービスで、1回鑑賞する毎に日付スタンプを押印し、5個押印されると無料鑑賞券として次回利用することができる。有効期限はカード購入日の半年後の月末までで、参加費として1枚100円必要である。チケット売場で直接購入するか、その付近に設けられたガチャガチャ状の自動販売機に100円玉を投入してポイントカードが納まれた厚紙を引き出す形となる。なお、無記名持参人式のため複数人で使い回して押印させる事は可能だが、複数人同時に鑑賞する場合は人数分の押印をすることは出来ず、1人1枚必要となる。
2011年9月1日より、ポイントカードの価格改正100円→200円
2012年3月1日より、ポイントカードのスタンプ押印式5回で1回無料→スタンプ押印式6回で1回無料

優待サービス[編集]

イオンカード
イオンクレジットサービスが発行するクレジットカード「イオンカード」では、2004年頃からチケット売場提示で一般料金から大人300円(一部施設では200円)割引される。ときめきポイントクラブの加盟店。
ポケットカード
マイカルカード株式会社(現:ポケットカード株式会社)がワーナー・マイカルと共にマイカルの資本傘下であったため、同社発行の主要カード(マイカルカード→P-oneカード、ポケットカード等)でイオンカード同等の割引サービスが提供されていた。マイカルカードが2001年4月に三洋信販に売却され、2004年にマイカルとの提携が終了した後もこのサービスは続けられたが、2010年8月31日に終了した。この提携終了に伴い、イオン傘下入りした旧マイカルグループ各社とポケットカード間の提携は全て解消された。但し、ポケットカードの加盟店契約は継続されている。

運営会社[編集]

ワーナー・マイカル・シネマズの運営を行っていたのは、イオンの完全子会社で現在はイオンエンターテイメントに改称されている株式会社ワーナー・マイカル(英称:WARNER MYCAL CORP.)。設立当初はニチイタイム・ワーナーグループの合弁会社であった。

沿革[編集]

  • 1991年10月8日 - ワーナー・ブラザース・インターナショナル・シネマズ(本社アメリカ)とニチイ(後のマイカル)との合弁会社として会社設立(出資比率:タイム・ワーナーグループ 50%/株式会社マイカル 50%)。
  • 1993年4月24日 - 1号劇場で日本初のマルチプレックスシネマとされるワーナー・マイカル・シネマズ海老名をオープン。
  • 1999年9月10日 - 9大都市ロードショー地域に初の出店となるワーナー・マイカル・シネマズみなとみらいをオープン。
  • 2001年9月14日 - 親会社のマイカルが民事再生法を申請。
  • 2001年11月22日 - 親会社のマイカルがイオンをスポンサーとし会社更生法の適用を申請。
  • 2002年8月31日 - マイカル破綻整理の影響を受けワーナー・マイカル・シネマズ鈴鹿が閉館。後にイオンモール鈴鹿ベルシティへ移転。
  • 2006年9月29日 - 運営している劇場の中で、50番目の劇場となるワーナー・マイカル・シネマズ大日をオープン。
  • 2011年3月1日 - 親会社のマイカルがイオンリテール株式会社に合併されたことにより、株主構成変更(出資比率:タイム・ワーナーグループ 50%/イオンリテール株式会社 50%)。
  • 2012年12月19日 - 親会社のイオンが2013年2月か3月に米ワーナー・ブラザーズ・エンターテインメントから全株を取得し完全子会社化することを発表[6]
  • 2013年2月28日 - イオンの完全子会社になる。これにより日本市場から外資系資本が参画する映画興行会社は姿を消した(出資比率:イオン株式会社 100%[7])。
  • 2013年3月5日 - ワーナー・マイカル・シネマズ春日部開館。ワーナー・マイカル・シネマズのブランド名としては最後の新規開業施設となった。
  • 2013年7月1日 - ワーナー・マイカルを存続会社としイオンシネマズを吸収合併。社名はイオンエンターテイメントに変更した。屋号はイオンシネマに統一している[1]

劇場[編集]

以下に記すのは2013年6月まで株式会社ワーナー・マイカルが運営していた、もしくはそれ以前に撤退した映画館である。イオンシネマに名称統一後の映画館については、イオンエンターテイメントの劇場一覧を参照。

北海道[編集]

  • ワーナー・マイカル・シネマズ小樽 (北海道小樽市ウイングベイ小樽内) <7スクリーン、1517席、1999年3月11日開館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ江別 (北海道江別市イオン江別店内) <8スクリーン、1755席、1997年11月1日開館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ北見 (北海道北見市、イオン北見店内) <7スクリーン、1300席、2000年9月23日開館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ釧路 (北海道釧路郡釧路町イオン釧路店内) <8スクリーン、1707席、2000年11月30日開館>

東北[編集]

関東[編集]

北越[編集]

  • ワーナー・マイカル・シネマズ新潟 (新潟県新潟市西区、イオン新潟西店内) <9スクリーン、2160席、2000年10月20日開館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ新潟南 (新潟県新潟市江南区イオンモール新潟南内) <9スクリーン、1702席、2007年10月26日開館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ県央 (新潟県燕市、イオン県央店内) <7スクリーン、1349席、1997年9月27日開館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ金沢 (石川県金沢市、イオン金沢店内) <8スクリーン、1758席、2000年4月21日開館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ御経塚 (石川県野々市市イオン御経塚ショッピングセンター内) <8スクリーン、1661席、1998年3月14日開館>

中部・近畿[編集]

中国・四国[編集]

九州[編集]

撤退した劇場[編集]

ワーナー・マイカル・シネマズ東岸和田
  • ワーナー・マイカル・シネマズ鈴鹿 (三重県鈴鹿市、鈴鹿サティ(現:アピタ鈴鹿店)内)<7スクリーン、1,014席、1998年10月23日開館、2002年8月31日閉館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ福岡東 (福岡県糟屋郡粕屋町、福岡東サティ(現:イオン福岡東店)内)<8スクリーン、1,786席、2000年12月8日開館、2004年3月28日閉館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ石巻 (宮城県石巻市、さくら野百貨店石巻店(現:石巻市役所)内)<7スクリーン、1,172席、1999年7月1日開館、2007年1月8日閉館>
  • ワーナー・マイカル・シネマズ東岸和田 (大阪府岸和田市、東岸和田サティ(現:イオン東岸和田店)内)<8スクリーン、1,971席、1993年4月29日開館、2008年2月3日閉館>
    • 後継の劇場がない純粋な閉館としてシネコンが閉館するのは国内初[注 4]
  • ワーナー・マイカル・シネマズ高岡 (富山県高岡市高岡サティ内)<6スクリーン、1,155席、1993年10月23日開館、2009年1月12日閉館>
    • 入居していた「高岡サティ」自体が同日をもって閉店。
  • ワーナー・マイカル・シネマズ上峰 (佐賀県三養基郡上峰町、上峰サティ(現:イオン上峰店)内) <7スクリーン、1,541席、1996年9月28日開館、2010年2月28日閉館>
    • 県内初のシネマコンプレックスだったが、商圏が競合する範囲内に4サイトが開館し入場者数が低迷したこと、設備が老朽化したことなどを理由に閉館[8]

関連劇場[編集]

旧:マイカル松竹シネマズ本牧
(写真はMOVIXになってからのもの)
  • マイカル松竹シネマズ本牧 (神奈川県横浜市中区、マイカル本牧内)<8スクリーン、1,239席、1996年6月29日開館、2004年4月25日閉館>
    • ワーナー・マイカル系列ではなく松竹とマイカルの合弁である株式会社マイカル松竹が運営する劇場としてオープンした。しかしながら、ワーナー・マイカルの共通前売券が使用できたり、人事交流があったりするなど、実質的にワーナー・マイカルと同一系列の扱いであった。マイカルの破綻後に整理対象となり、株式会社松竹ニューセレクト運営のMOVIX本牧として2004年4月30日に同一施設にて再オープン。その後、2011年1月16日に閉館した。再オープン以降の変遷については「松竹マルチプレックスシアターズ」の項を参照のこと。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ いわゆるシネマコンプレックスという単語が現在の概念で使われるようになったのは後年になってからであり、定義によってその日本初を称する劇場は複数存在する。詳細はシネマコンプレックスの項を参照のこと。
  2. ^ 現在の浦和ストリームビル(パルコ・公共施設)の核テナントとしてビブレ出店と共に計画されていた。
  3. ^ 現在の川崎ダイスの所在地に計画されていた。
  4. ^ TOHOシネマズ株式会社が運営していたTOHOシネマズ高槻がジョイプラザ株式会社に譲渡され、ジョイプラザ株式会社が運営していた高槻シネマルート170が閉館した事例など地元興行会社と出店調整を行ったと思われる閉館はこれ以前にもある。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]