ハーゲンダッツ

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ハーゲンダッツHäagen-Dazs)は、アメリカのアイスクリームブランドである。

概要[編集]

全世界規模で営業展開されている高級アイスクリームブランドである。

現在アメリカ合衆国カナダでは、ネスレ社グループのドライヤーズ社(本社、米国オークランド)が製造、販売している。

日本では、サントリーの関連会社(タカナシ乳業も一部出資している)であるハーゲンダッツジャパン株式会社が販売する。

語源[編集]

“ハーゲンダッツ(Häagen-Dazs)”という言葉自体に深い意味はない。創始者ルーベン・マッタスが、アイスクリームはデンマーク産というイメージがある(デンマークは酪農が盛んな国であり、デンマーク産の乳製品は欧米で広く知られているため)からと、コペンハーゲンの「ハーゲン」と、その余韻がマッチする「ダッツ」を組み合わせて作り出した造語である。

米国の消費者にヨーロッパ風だという先入観を持たせ、ヨーロッパの伝統と職人技を連想させるためにこのような名前になった。さらに印象を強くするために創始者のマッタスは、デンマークの国土の一部の形を会社のロゴに取り入れた。

創業者のマッタス自身によると、デンマークは第二次世界大戦ユダヤ人を救済した唯一の国家であることから、デンマーク風の名前をつけることにしたという[1]

ちなみに米国では /ˈhɑːgənˌdɑːs/(「ハーゲンダース」、あるいは「ハーグンダース」に近い)または"zs"が濁って /ˈhɑːgənˌdɑːz/(ハーゲンダーズ)と発音される。この言葉はヨーロッパで話されている言語とは関係ないので、ウムラウトや"zs"は発音を考慮されていない(デンマーク語の正書法では ä は使用されない。また、ドイツ語ä日本語の「エ」に近い発音である)。

歴史[編集]

1920年代ポーランドからのアシュケナジム・ユダヤ人移民ルーベン・マッタスReuben Mattus)とその妻ローズ・マッタスが、アメリカ合衆国のニューヨークブロンクス区で、アイスクリームの行商を荷馬車で始めたのが起源である。

1961年には、レシピ卵黄を加え、乳脂肪分を17%まで上げて社名を「ハーゲンダッツ」とした。1983年ピルズベリー社(Pillsbury)が買収し、経営権を取得した。

日本における販売戦略[編集]

東京青山の店舗

日本では1984年に日本法人が設立され、同年東京都港区青山に第1号店がオープンした。日本第1号店が開店した際には、長い行列ができたことが話題となった。
以降、大都市圏を中心に店舗が増加、ピーク時の1994年には全国で95店舗を展開していた。しかし、1999年以降は減少傾向となり、2013年4月25日に千葉県浦安市の新浦安店(ショッパーズプラザ新浦安内)が閉店したことにより、全ての店舗の営業が終了した。

現在ではコンビニエンスストアやスーパーなどで販売するパッケージ商品が主力となっている。

高級感あるCM
当時日本ではアイスクリームは子供の食べ物という概念があり、ハーゲンダッツは大人の高級アイスクリームというイメージを打ち出すため、テレビCMを作成。大人の消費者の獲得に成功した。また、先行していたレディーボーデンがパイントしかないなか、1食分をコーヒー1杯程度の価格で販売するミニカップを主力に据え、手軽に購入できるようにしたことも拡販に一役買っている。
セクシーな外国人男女が絡み合い、最後に「Shall we Häagen-Dazs?」というセリフで締めるテレビCMは、当初は日本のみのオンエアであったが、日本での評判を受けて世界各国で同様のCMがオンエアされるようになった。
なお近年はCMの方針を変え、真矢みき柴咲コウが出演するCMが放送されている。2013年現在はカップ商品の広告に柴咲が、クリスピーサンドとクレープグラッセのCMに水原希子が起用されている。
高価格の維持
高級アイスクリームとしてのブランド力を維持するために大幅な値引き等は行われない。1997年には公正取引委員会より、正当な理由がないのにも関わらず取引先の小売業者に対して希望小売価格の維持を強要しさらに並行輸入品の取り扱いを妨害するなど独占禁止法第19条に違反しているとして勧告を受け、その後スーパーなどの小売店では時々1~3割程度の割引販売が行われるようになった。

尚、ハーゲンダッツのアイスクリーム工場は2010年現在で世界に3箇所あり、そのうちの一つが日本の群馬県にある(生産はタカナシ乳業が受託しており、ハーゲンダッツのみを生産する専用工場を設立している)。

商品構成[編集]

通常商品[編集]

ハーゲンダッツの店舗のみならず、スーパーマーケットコンビニエンスストア、専用自動販売機などにおいても、ハーゲンダッツブランドの商品を扱っている。

ミニカップ
フレーバーは15種前後だが、毎年の限定商品(数種類)とともに定番も売れ筋に応じて絶えず変化する。ミニカップの容量は120ml(ハーゲンダッツ・ドルチェは110ml)。ちなみにマルチパックのミニカップの容量は75ml。
2010年春の新製品は、ハニーミルク、クッキー&グリーンティー、クリームチーズラズベリーがある。
コンビニエンスストア限定商品として「桃ミルク」「苺ミルク」の2商品が販売されている。価格は通常のミニカップより安価で、サイズも一回り小さくなっている(100ml)。
2014年秋の期間限定限定商品として、「キャラメルクラッシュ」、「レモンジンジャーフロート」、「珈琲バニラ」、「ショコラミント」、「和栗」、「パンプキン」、「ラムレーズン」、「和みあずき」の8商品が販売されている。
ドルチェ
2007年から発売を開始したミニカップの上級版。発売時にティラミスが大ヒット。2010年春の新製品はフレジェ。
パイント
フレーバーは4種類。容量は473ml(スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも売られている)。ハーゲンダッツショップでは店頭にある好きなフレーバーを詰めてもらえる。
クリスピーサンド
アイスクリームをキャラメル練乳黒蜜などでコーティングした後ウエハースでサンドしたもの。2001年に日本で開発され世界に広まった逆輸出商品である。
クレープグラッセ
アイスクリームをクレープで包んだもの。2011年から日本で展開。
バー
アイスクリームバー(棒タイプのもの)フレーバーは2~3種。
パルフェ
アイスクリームとソースを層にしたカップ入りのデザート。

ハーゲンダッツショップ限定商品[編集]

下記については、ハーゲンダッツショップでのみ販売されている(一部については、WEBショップでも販売)。

クォート
パイントよりさらに大きいサイズ。容量は946ml。ハーゲンダッツショップでのみ販売。好きなフレーバーをつめてもらえる。
クッキーサンド
アイスクリームをクッキーにはさんだ商品(ハーゲンダッツショップ、ウェブショップのみ販売)。
シェイク
ハーゲンダッツショップ限定。好きなフレーバーで作ってもらえる。
ソフトアイス
ハーゲンダッツショップ限定。バニラ味。
パーティパック
ハーゲンダッツショップ限定。コーン(別売)もセットで購入することができる。

参考文献[編集]

  • Jean Anderson. American Century Cookbook. Potter, New York, 1997.

関連項目[編集]

  • サントリー - 日本法人の出資企業。
  • 高梨乳業 - タカナシ乳業。国内での製造を受託・日本法人の出資企業。
  • レディーボーデン - ハーゲンダッツと同種の高級アイスクリームブランド。日本では1980年代までトップブランドの地位にあったが契約面で混乱があり、1990年代以降はハーゲンダッツの後塵を拝している。
  • ドライヤーズ - 米国とカナダでの販売元。現在はネスレ社の一部。かつて日本進出していたが、撤退した模様。
  • ジェネラルミルズ - ハーゲンダッツ・ブランドを所有する米国の食品企業。

脚注[編集]

  1. ^ Joan Nathan (2012年8月2日). “Ice Cream’s Jewish Innovators”. Tablet Magazine. 2014年5月5日閲覧。

外部リンク[編集]