レオパルト2
ドイツ陸軍のレオパルト2A6
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| 性能諸元 | |
|---|---|
| 全長 | 10.93 m |
| 全幅 | 3.74 m |
| 全高 | 3.03 m |
| 重量 | 59.7 t |
| 懸架方式 | トーションバー方式 |
| 速度 | 72 km/h |
| 行動距離 | 500 km(整地) |
| 主砲 | 44口径120mm滑腔砲(A5) 55口径120mm滑腔砲(A6) |
| 副武装 | MG3A1 7.62mm機関銃 (同軸×1、対空×1) |
| 装甲 | 複合装甲 |
| エンジン | MTU MB 873ka-501 V型12気筒ターボディーゼル 1,500 馬力 / 2,600 rpm |
| 乗員 | 4 名 |
レオパルト2(Leopard 2)は、西ドイツが開発した第3世代主力戦車である。製造にはクラウス=マッファイ社を中心に複数の企業が携わっている。
目次 |
[編集] 名称
レオパルド2と表記される場合もある。ドイツ語での発音に忠実に日本語表記するとレオパート・ツヴォー(zwo)で、ツヴァイ"zwei"とは発音しない。これは「三」を意味するドライ"drei"との聞き間違いを避けるために、電話などで使われる発音と同様である。英語ではリオパード・トゥーであり、「レオパル"ド"」(トに濁点)と表記するのは日本式である。
[編集] 開発の経緯
レオパルト1は1965年に登場したが、そのころからソ連戦車の進歩に対応するため、120 mm 滑腔砲を採用した強化版が検討されていた。しかしこれはアメリカとのMBT-70の共同開発プロジェクトを推進するためにキャンセルされた。MBT-70は革新的な設計であったが、想定よりコストが増加し、西ドイツ(当時)は1969年にプロジェクトから撤退した。
純国産の新式戦車の開発は1970年にクラウス・マッファイ社によって始められた。1年後に本戦車のベースとして、MBT-70ではなく、1960年代後半に存在した金メッキのレオパルトプロジェクトが選択された。1971年には新戦車の名称はレオパルト2と決定され、元のレオパルト戦車はレオパルト1となった。同年17輌の試作車が発注され、16輌が製造された。最大車重は50トンとされた。
1973年にアメリカは試作7号車を購入・テストし、1974年12月11日にはアメリカと新型戦車の共同生産について覚書が交わされた。第四次中東戦争の戦訓から、傾斜角をつけた中空装甲を多用した試作車よりはるかに強力な装甲が求められた。その結果、重量は60トン級になった。
14番試作砲塔は新しい装甲の形状をテストするために改造され、ほぼ垂直のスペースド・アーマー(中空装甲)の採用と、砲塔後部の弾薬格納庫によってレオパルト1よりはるかに大型の箱型砲塔となった。このようにレオパルト2はしばしば言われるようなチョバム・アーマーではなく当初は中空装甲を採用した。
試作14号車はまたラインメタルの120 mm 滑腔砲を採用した。アメリカのM1エイブラムスもやがて同じ砲を採用することとなった。その後、2輌の試作車体と3基の試作砲塔が発注された。20番試作砲塔は105 mm 砲 L7とヒューズ社の射撃管制装置を装備し、19番試作砲塔は同じ射撃管制装置に120 mm 砲を装備した。
21番試作砲塔はヒューズ社とクルップ社の共同開発の射撃管制装置と120 mm 砲を装備していた。
1976年夏に19番試作砲塔と車体が、20番の試作車体と装甲防御をテストするための特殊車両と共にアメリカに送られた。この試作車は簡略化された射撃管制装置を装備していたため、レオパルト2AV(簡略化〈austere〉バージョン)と呼ばれた。同年9月1日からレオパルト2とXM1(M1エイブラムスの試作車)との比較テストがアバディーン性能試験場で開始され、同年12月まで続いた。アメリカ陸軍はレオパルト2とXM1は火力と機動力は同等だが、XM1の装甲はより優れていると報告した(砲は同じ105 mm L7砲を装備していたものと思われる)。今日、成型炸薬弾に対してはこの報告は事実であると判明しており、徹甲弾に対してはレオパルト2の装甲はXM1のおよそ2倍の強度を発揮した(XM1の350 mm 厚相当に対して650 mm 厚相当)。
レオパルト2の多燃料対応型ディーゼルエンジンは騒音は大きかったが発熱量は少なく、より信頼性が高く、燃費も良かった。20番の試作車体は砲塔の代わりにダミーウェイトを取り付けられて試験された。比較テストを終了した車体は全てドイツに送り返されたが、19番の試作砲塔のみ残されて7番の試作車体と組み合わされると共に、ラインメタル120 mm 砲に換装された。3月までのテストでこの砲はM1エイブラムスの初期型が搭載していた105 mm L7砲よりはるかに優れていると判明し、引き続いて行われたNATO軍の戦車射撃競技会でも同じ結果が確認された。
1977年1月にドイツは3輌の車体と2基の砲塔からなる量産試作車を発注したが、これらは車体前面により強化された装甲を装備していた。続いて1977年9月に1,800輌のレオパルト2が発注され、5つの量産バッチに分けて製造された。最初のバッチは1979年10月25日に納入された。
[編集] 改修による強化
1980年代後半、KWS(Kampfwertsteigerung = 戦闘能力強化)という改良計画が立案された。
計画は三段階あり、
- KWS Iは既存の44口径120 mm 滑腔砲を55口径120 mm 滑腔砲に換装し攻撃力の強化を目的とする。
- KWS IIは隔壁装甲(Schottpanzerung)あるいは楔装甲 (Keilpanzerung) と呼ばれる楔形の空間装甲板を砲塔前面の左右と砲塔側面前部の左右の計4箇所に取り付け(砲塔側面前部の左右に取り付けられた隔壁装甲は、外側に90度以上可動させる事ができる。これは側面の出っ張りがエンジンを着脱する際に障害になる為である)、更に全周旋回可能な車長用熱線暗視サイトを砲塔上に増設し防御力と索敵能力の向上を目的とする。
- KWS IIIは主砲に140 mm 滑腔砲を採用するかを決める試験的なものである。
開発の末、先行して実用化されたKWS II改良を行った車両はレオパルト2A5となり、レオパルト2A5にKWS I改良を行った車両がレオパルト2A6となった。KWS IIIだが実際にレオパルト2のプロトタイプ車両にラインメタル社製140 mm 滑腔砲(NPzK-140)を搭載した試験車両が作られ実験が行われたが採用されなかった。(スイス陸軍でも国産140 mm 滑腔砲をPz 87 Leo(レオパルト2A4)に搭載し実射試験などを行ったという)。
A4までの車両の砲塔正面装甲が垂直面で構成されていたため避弾経始上の欠陥と揶揄されたが、特殊砲弾技術が発展した今日において主に使用されている戦車砲弾のAPFSDSは、装甲を傾斜させても跳弾しないため避弾経始は過去のものとなったと言える。ちなみにA4までと同様垂直面を多用した外観を持つ複合装甲の車両には陸上自衛隊の90式戦車がある。
A5以降の改良型で隔壁装甲あるいは楔装甲と呼ばれる楔形の空間装甲板が取り付けられたが、APFSDSは装甲を傾斜させても跳弾しないため隔壁装甲の形状はAPFSDSに対する避弾経始の効果を狙ったものではないと考えられている。以前、APFSDSを主装甲(複合装甲)中央部の最も丈夫な部分へ誘引させる効果があるのではという説があったが、現在はその説を唱えていた人物が公表された実験結果などから誤りであったと自ら否定している。現在の説では成形炸薬弾の貫通力を低下させたり、小口径弾から主装甲(複合装甲)を保護する等の効果を狙ったものと考えられ、隔壁装甲自体にAPFSDSに対する防御力は殆どないとみられている。
A5とA6の違いは44口径120 mm 滑腔砲から55口径120 mm 滑腔砲に換装した事による砲身長の延長である。約1.3メートル長くなった事で砲弾の初速が向上し、有効射程が向上した。また同時に薬室も強化[要出典]されてより強力な弾薬の使用が可能になっているが、命中精度と砲身寿命は若干低下したとも伝えられている。ドイツ陸軍のA5は全てA6に改良する予定であるという。A6及びA6の改良型はオランダ、ギリシャ、スペインも導入している。
A5及びA6への改良により戦闘能力が強化された事は間違いないと考えられるが、重量増加に伴い機動性や航続距離が低下した。また55口径120 mm 滑腔砲に換装したA6では、長い砲身が森林や市街地での取り回しが良くない事から乗員の評判はあまり芳しくない模様である。
1990年代に入り従来のMTU MB 873に替わり、新型のMTU MT 883を搭載したユーロパワーパックが開発された[要出典]。これは新規生産車両だけでなく、改修により既存のレオパルト2への換装も可能となっている。
スイスではPz 87 Leo WE、ドイツではレオパルト2PSOという、低強度紛争(LIC) などにおける市街戦等に対応する為の最新改良型が開発されている事からも、本車がまだまだマイナーチェンジに耐えうるゆとりを残している事が伺える。既に配備開始から30年近く経っているドイツでも次期主力戦車についての発表が無い事から、ドイツ連邦軍は当分レオパルト2を主力戦車として運用するものと考えられている。
[編集] 輸出
1980年代までにはあまり輸出は成功しなかったが、1990年代に入ると冷戦終結に伴う軍縮によりドイツ軍が余剰となったレオパルト2を安価に提供したことから輸出が活発化した。今日では欧州向け輸出に広く成功したことから、事実上の欧州標準戦車と呼ばれるまでになっている。主な理由は、堅実かつ発展性のある設計により使用国独自の発展改修に対応させる余裕があり、その要望に応じた仕様変更に対応するサポート態勢にある。新車のレオパルト2A5やレオパルト2A6の輸出も行われているが、ドイツ連邦軍が配備する車両とは細部の仕様が異なる。
オランダはM1エイブラムスについて、コストが高いことと120 mm 砲の装着を拒否されたことから不採用を決定して、1979年3月2日に445輌のレオパルト2を発注した。ドイツ本国に次ぐ保有国であり、やはり軍縮によりドイツ同様に余剰車輌の輸出国となっている。
スウェーデン陸軍がStridsvagn 103 C (Strv 103 C) の後継として購入したStridsvagn 122 (Strv 122) は、当初の計画ではA5そのものだったが、購入ののちスウェーデンでの運用思想に合わせて独自改良(A5では見送られた車体前面と砲塔上面に装甲を追加)を行った結果、より重装甲になり重量も62.5トンに達した。これはドイツ連邦軍の装備している通常型のA5やA6よりも優れた防御力を有している。現在では同様の装甲防御を施したA5以降のレオパルト2をギリシャ陸軍、スペイン陸軍、デンマーク陸軍(車体前面のみ)も装備している。最近ではレオパルト2A6Mと同様の地雷防御改良を施したStrv 122Bという車両が発表されている。
スイスは1983年8月24日に35輌を発注し、1987年12月には345輌の追加ライセンス生産を始めた。Panzer 87 Leopard (Pz 87 Leo) として配備されており、車体後部に大型のマフラーが取り付けられているのが特徴的である。現在はPz 87 Leo(レオパルト2A4)を基にPanzer 87 Leopard Werterhaltung (Pz 87 Leo WE) と呼ばれる改良型を独自に開発した。隔壁装甲(ショト装甲)とは異なりAPFSDSに対する防御力を持った強固な垂直の増加装甲を砲塔前面及び側面に装着しており、砲塔部の防御力はA5やA6よりも優れている。車体底面にはレオパルト2A6Mと同様の物と考えられる地雷防御改良が施されている。装填手用ハッチ後方には全周旋回可能な遠隔操作式銃架を設置し、12.7 mm 重機関銃を据え付けている。
2006年3月にはチリ陸軍もレオパルト2A4の導入を決定した。
[編集] 評価
レオパルト2はKFORとしてコソボに派遣されたものの実戦投入の機会がなく、他の実戦投入の機会がない戦車と同じく真の実力は未知数とされるが、改良型のレオパルト2A6の能力は、同世代の戦車の中でも高い水準にあるとされる。
[編集] バリエーション
- レオパルト2AV
- 原型車両。
- レオパルト2A0
- 第1バッチ生産車両。
- レオパルト2A1
- 第2~3バッチ生産車両。
- レオパルト2A2
- 第3バッチに改良した第1~2バッチ生産車両。
- レオパルト2A3
- 第4バッチ生産車両。
- レオパルト2A4
- 第5~8バッチ生産車両。A4以前の車両も改良が行われ全てA4扱いとなっている。
- レオパルト2A5
- A4にKWS IIという改良を行った車両。隔壁装甲または楔装甲と呼ばれる空間装甲板を砲塔前面及び側面に付加。重量は59.7トンに増加。
- 射撃統制装置を改良し、車長用ハッチ後方に全周旋回可能な車長用サイトを増設した事によりハンターキラー能力を獲得した。
- レオパルト2A6
- A5にKWS Iという改良を行った車両。重量は62.56トンに増加。
- 主砲をA5までに搭載されていた44口径120 mm 滑腔砲から55口径120 mm 滑腔砲に換装し、専用のAPFSDSであるDM53(LKE II)を使用する事により有効射程が向上した。ただし、長くなった砲身がアンバランスで、取り回しづらいという意見もある。
- レオパルト2A6M
- A6の地雷防御強化型。
- 車体底面に対地雷用の装甲プレートを装着。
- レオパルト2A6EX
- A6の装甲防御強化型。
- 車体前面及び砲塔上面に装甲を追加する事で防御力を強化し、空調システムも改善させた。
- レオパルト2A7
- レオパルト2A7+
- レオパルト2PSO
- 国際平和活動における市街戦を想定して設計された型。PSOはPeace Support Operationsの略。2006年6月に初公開された。
- 主砲は市街地での運用を考慮してか、44口径120 mm 滑腔砲を装備。砲塔側面後半部及びサイドスカート前半部にRPG-7対策用の増加装甲を装着。車体底面には対地雷用の装甲プレートを装着。
- 装填手用ハッチ後方に設置された全周旋回可能な遠隔操作式銃架には、40 mm 自動擲弾発射器、又は12.7 mm 重機関銃、又は7.62 mm 機関銃を据え付け可能。非殺傷兵器を搭載。
- 小型カメラ経由の情報による近接観測能力の向上。主砲同軸にサーチライトを設置。偵察能力を改善。車体前面にドーザーブレードを装着。車両全体への都市迷彩。以上が主な改良点であるという。
| 各型 | レオパルト 2A4 | レオパルト 2A5 | レオパルト 2A6/A6M | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 乗員 | 4 名 | ||||||||
| 全長 | 9.67 m | 10.97 m | |||||||
| 全幅 | 3.74 m | ||||||||
| 全高 | 2.99 m | 3.03 m | |||||||
| 潜水深度 (シュノーケル装備時) |
1.2 m (4.0 m) |
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| 重量 | 55.15 t | 59.5 t | A6 61.7 t, A6M 62.5 t |
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| 最高速度 | 68 km/h(後進時は31 km/h) | ||||||||
| 燃料積載量 | 1,160リットル(非戦闘時においては、900リットルに制限) | ||||||||
| 主砲 | 44口径120 mm 滑空砲 | 55口径120 mm 滑空砲 | |||||||
[編集] 派生型
- ベルゲパンツァー3ビュッフェル
- Bergepanzer 3 BÜFFEL(BPz 3)
- レオパルト2の車体を流用した装甲回収車。
- パンツァーシュネルブリュッケ2
- Panzerschnellbrücke 2(PSB 2)
- レオパルト2の車体を流用した架橋戦車。
- コディアック装甲工作車
- レオパルト2の車体を流用した装甲工作車。
- この他にも操縦手訓練車などの派生型が存在する。
[編集] 採用国及び配備モデル
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Krauss-Maffei Wegmann(英語)
- Rheinmetall AG(英語)
- Rheinmetall-DeTec AG(英語)
- Deutsches Heer: Kampfpanzer Leopard 2(ドイツ語)
- www.fprado.com - Kampfpanzer Leopard 2(英語)
- www.panzerbaer.de - Kampfpanzer Leopard 2 (BW)(英語)
- レオパルト2(日本語)
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