スイス軍

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スイス軍(スイスぐん、ドイツ語:Schweizer Armee、フランス語:Armée suisse、イタリア語:Esercito svizzero、ロマンシュ語:Armada svizra)は、スイスの国軍。最高指揮官は大統領であるが、実質的な権限は首相が有する。スイス軍の管理・運営は連邦参事会が行う。常備軍を構成するのは約4000名の職業軍人であるが、徴兵制度により21万名の予備役を確保している。

歴史[編集]

傭兵の歴史を持つスイスでは、国民皆兵を国是としており、徴兵制度を採用している。また、外国がスイス国内に基地等の軍事施設を設置することも認めていない。

第二次世界大戦の開戦前、スイスはフランスおよびドイツから戦闘機を大量に購入、またはライセンス生産して航空戦力を整えた。第二次世界大戦の開戦と同時に、スイスは国際社会に対して「武装中立」を宣言し、侵略者に対しては焦土作戦で臨むことを表明。アンリ・ギザンを軍の最高司令官に選出した。スイス国民に対しては、侵略者への降伏を禁ずる動員令を布告し、一時期は850,000人を軍に動員した。スイス軍は、1907年のハーグ条約で定められた国際法上の「中立義務」を果たすため、領空を侵犯する航空機があれば、連合国側・枢軸国側を問わず迎撃した。第二次世界大戦中、スイス空軍は約7000回のスクランブル発進を行い、高射砲部隊も火力を有効に発揮して航空隊を支援した。結果として、スイス軍は領空侵犯をした約250機の領空侵犯機を撃墜したが、その代償として航空隊は約200機を喪失し、終戦時には壊滅状態だった。

当時のスイスでは、仮に外国の軍隊がスイスを侵略した場合は、外国の軍隊がスイスのインフラストラクチャーを強奪する寸前のところで放火や爆破等の焦土作戦を実施し、侵略者に一切の戦利品を与えないように計画していた。その一方で、当時のスイス政府は柔軟な姿勢で外交と通商を展開した。第二次世界大戦においては、「資源を持たないスイスが、資源を持つ国と通商することは生存権の行使であって、国際法で定められている中立義務に違反するものではない」との主張を貫き、国民の生活を守るために必要な資源を枢軸国や連合国から輸入したり、枢軸国から輸入した資源を加工して連合国に高値で転売することに成功し、したたかに国益を確保した。

近年では、国際テロリズムへの対処と、国連加盟国として国際貢献を行うために必要となる軍のプロフェッショナル化を図るため、徴兵制を廃止して志願制に切り替える法案が3回、国民投票にかけられたが、いずれも否決されている。

機構[編集]

二軍[編集]

スイス軍は、陸軍、空軍の二軍種から成る。陸軍は、国際河川であるライン川および国境地帯の湖を警備するための巡視船艇を有し、隷下に「船舶部隊」を編成している。装備する主力戦車はドイツ製の「レオパルト2A4」。空軍は、アメリカ製戦闘攻撃機「F/A-18Cホーネット」を約30機保有している。これに加えて、近い将来にはスウェーデンの「サーブ 39 グリペンNG型」を約20機導入する予定である。冷戦の終結後は、戦闘機を平日の日中のみ運用し、夜間と休日の運用は控えている。平時のスクランブル発進は、平日のみ実施している。

統制機関[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • 公式サイト(ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語)