K2 (戦車)

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K2
K2 black panther3.jpg
K2ブラックパンサー
性能諸元
全長 10 m
車体長 7.50 m
全幅 3.60 m
全高 2.50 m
重量 55.0 t
懸架方式 油気圧
速度 70 km/h(整地
48 km/h(不整地
行動距離 430 km
主砲 55口径120mm滑腔砲
副武装 7.62mm機関銃
(主砲同軸)
12.7mm重機関銃K6
(砲塔上面)
装甲 複合装甲
(砲塔前面 及び 車体前面)
エンジン 斗山インフラコア社製
4サイクルV型12気筒水冷ターボチャージドディーゼル
および
補助ガスタービン
1500 hp
乗員 3名
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K2(ケーツー、韓国語: 차기전차 K2 '흑표')は、大韓民国K1の後継として開発中の次期第3・5世代主力戦車である。愛称は「黒豹」(くろひょう、흑표黑豹、フックピョ、Heukpyo)、ブラックパンサー (Black Panther))。

当初は2011年に配備する予定であったが、国産開発するエンジンとトランスミッションに欠陥が発覚したため、戦力化が遅延している。2012年12月17日に、2014年3月に最初に戦力化する100両には、ドイツMTU社製のエンジンとドイツRenk社製のトランスミッションを組み合わせたユーロパワーパックを採用する事と、引き続き国産エンジンの開発完了を目指す事を決定した[1]

概要[編集]

K1はその出現当時、仮想敵である北朝鮮が配備しているT-55及びT-62を相手にするには必要十分な性能であったが、北朝鮮が継続的にT-62の改良を行い近代化している(天馬号戦車)ことを受け、120mm滑腔砲に換装したK1A1に移行した。K1の比較的小柄な車体に大口径の主砲を搭載したK1A1は、砲威力は十分であったものの、重量配分や砲弾数など運用上の問題点を抱えた戦車となった。

1990年代に入り、K1以前の戦車であるM48約900輌の老朽化が著しく、その更新が急務となった。また、北朝鮮がT-72に相当する125mm砲搭載戦車を開発することも考えられた。関係各機関の検討の結果、新型戦車は120mm砲搭載戦車として一から設計開発することになった。

本車はこの結果、K1の後継車種を検討する計画(KT-X計画)として、1995年から11年の期間と2億3,000万ドルの開発費を投じ、開発されたものである。

韓国陸軍では、2011年を目処に量産初号機の配備を計画し、生産は現代ロテム社において行われる予定であった。調達輌数は当初は600輌を予定していたが、後に200輌に縮小された[2]。価格は1輌あたり約850万ドル(約83億ウォン)。

コンポーネントの国内生産率は試作車では77%、量産型では90%以上を目標としている。しかし、韓国産のパワーパックに欠陥が多発しており、国産の開発日程の遅延や予算執行に影響が懸念されている[3][4]。2011年時点では2013年6月の完成を目標としている[5]。また、初期生産の100輌分については、国産を断念し、ドイツ製パワーパックの輸入が検討されたが[6]、国内メーカー寄りの議員から「輸入の法的手続きがされていない」、「輸入パワーパックでもテストが必要だから、戦力化を早めることにはならない」などと、輸入推進派を牽制する発言が出ていた。これに関しては2012年12月に、最初に戦力化する100両分はドイツ製パワーパックを輸入する事を最終決定した[1]。現在、完成して走行可能なのはテスト用の一両のみである。

2013年6月18日、韓国防衛事業庁は国防委員会の業務報告において、 パワーパックの問題で中断されているK-2戦車について、同年11月から翌年2月までに初期量産ロット13台の性能試験を行い、結果を2014年9月の国会に報告して戦力化するかどうかを決定すると発表した[7]

2014年6月から年末にかけて初の量産分となる15台が軍に引き渡される事になった。これによりK-2戦車は当初予定の2009年より5年遅れて戦力化が図られることになる[8]

開発経緯[編集]

当初は140mm砲搭載戦車として計画され、ラインメタル社製140mm砲の検討を行なったが、同じラインメタル製120mm滑腔砲L55の方が試験結果は良好であり[要出典]、また陸軍の将来脅威の見積もり上、140mm砲は不必要と判断された。この新戦車開発は現代ロテム社を中心に国防科学研究所 (ADD)、WIA社などその他の国内軍需企業と協力して進められた。

エンジン、アクティブ防御システムはドイツロシアの企業からの技術提供を受け開発されている。

火砲[編集]

K2に搭載される火器は、韓国WIA社でライセンス生産したラインメタル社製55口径120mm滑腔砲1門[9][10]、7.62mm同軸機銃1門、砲塔上には車長が操作するK-6 12.7mm機銃1門である。

主砲への砲弾装填は自動化されており、砲塔後部の仕切られた区画に諸外国の自動装填装置を参考に開発されたベルト式の自動装填装置がある[11]。そのため装填手は搭乗しない。主砲弾は自動装填装置内の弾倉に16発、残り24発が車内の計40発を、砲塔上の12.7mm重機関銃の弾薬は計3,200発、また主砲同軸7.62mm機関銃の弾薬は計12,000発搭載しているという。

砲塔は電気モーターで稼働する。

また、ドイツディール社との共同で主砲発射型の誘導砲弾を開発中であり、戦車の上部面及び隠掩蔽された目標に対しトップアタックにより撃破することが可能となるとされている[12]

装甲[編集]

K2の車体前面及び砲塔前面には、モジュール化した非SiC系複合装甲が使われている。また一部には爆発反応装甲を採用している。爆発反応装甲についてはロシアより技術協力を受けている。

砲塔前面はルクレールに類似した縦横に絞り込まれた形状をしており、その左右端にアクティブ防御装置と煙幕展張などに用いる多目的弾発射機が搭載されている。2007年に公開された試作車では砲塔側面は雑具箱が取り付けられており、中空装甲の一部としての役割を果たすものと見られる。また、ADDが公開した砲塔部の装甲要領によれば雑具箱外側面の一部及び上面の一部には爆発反応装甲が設置されることになっており、砲塔上面やハッチ上の爆発反応装甲は試作車の映像からも確認できる。なお、試作車の映像からは、車体前部上面、ドライバーズハッチ横にも爆発反応装甲らしきものが確認できる。

試作車公開後、韓国のニュース番組で砲塔主装甲に対し近距離からの耐弾試験の映像が紹介された。1発の被弾に対し間を置いて2回の閃光が発生し、最初の閃光後に大量の煙が発生しているのが確認できる。報道では装甲は砲弾に抗堪しているとされる。

動力[編集]

K2開発に際し、韓国国産のパワーパック(エンジンとトランスミッションを組み合わせた動力伝達機構)が新開発され、国産の4サイクルV型12気筒水冷ディーゼルの1,500馬力エンジン(K1シリーズの1,200馬力から向上している)を搭載する。試作車のXK2はドイツMTU社のMT883(UAE向け輸出仕様のルクレールは、駆動系をユーロパワーパックに換装しており、これと同一のライセンス生産との情報もあり)を搭載していたが[13]、量産型のK2は斗山インフラコア社とADDが共同開発したコモンレール方式[要出典]の1,500馬力エンジンを搭載する予定であった[14]。0-32km/h加速は7秒以内、平面路上において最高70km/h、不整地においては最高48km/hを目標としている。

新型の小型エンジンによって、同程度の馬力を発する他形式のエンジンに比べ省スペースとなり、余剰スペースにサムスンテックウィンの設計による100馬力の小型ガスタービン補助エンジンを搭載する。この補助動力装置はメインエンジン停止時に発電を行い、燃料を節約し、車体が発する熱と音響の減少効果が期待される。

試作車にはレンク社製自動トランスミッションが搭載されたが、量産型にはS&T大宇社と国防科学研究所が共同開発した電子制御式トランスミッションが搭載される。国防科学研究所の関係者によれば、前進6段、後進3段の自動変速を可能にすることによって変速時の衝撃を減少させ、かつ完全デジタル制御、自己診断機能により運用性が向上するという。 なお、本来は前進5段で必要十分なものを、外寸が制限されているにもかかわらず無理して6段にしたのは、国産のエンジンがMTU製と同等の出力を出せずに、対症療法的に段数を増やしたのではないかとの見方もある。

ところが、2009年11月、この国産パワーパックに問題が多発していることが、複数の韓国メディア報道にてあきらかにされる。問題解決の目処は不透明な状況にあり、量産車にこの国産パワーパックを採用できるかどうかは、2014年3月現在でも不明である。第1次生産分の100輌分についてはドイツから輸入したパワーパックを使用する事が決定しており[1]、2013年10月中旬にパワーパックを搭載し起動試験を済ませ、同年11月からドイツ製パワーパック搭載車の本格的な量産体制に入る[15]

渡渉、機動能力[編集]

K1シリーズでは、深度最高2.2mの川を潜水渡河することができるだけであったが、K2はシュノーケルを使用することにより深度4.1mの河川を潜水渡河することができ、浮上すると速やかに戦闘態勢に移行できる予定である。60%の急斜面と高さ1.3mの垂直障害を乗り越えることができる予定である。

懸架装置[編集]

S&T大宇社製油気圧サスペンションを採用している。車体を前後左右に傾斜させる姿勢制御機能と半自動地形判断機能を有している。この姿勢制御機能により、主砲の俯角だけに頼ることなく車体を傾けることにより射界を確保できる。さらに、他の同世代戦車の主砲では見られないほどの高俯角と油圧懸架機能を結合することにより対ヘリコプター戦にも対応できるという。

ベトロニクス[編集]

車長用にKCPS(韓国型車長パノラマサイト)の発展型が搭載されている。このパノラマサイトは3倍/10倍での切り替えが可能で、レーザー測距器と夜間用の高解像度赤外線センサーを装備しており、ハンター・キラー能力も有している[16]

砲手用にはKGPS(韓国型砲手照準サイト)にロックオンした目標を自動で追尾するシステムなどの機能が追加されたものが搭載されている[17]。 操縦手用にはハイビジョン電子光学視察システムが搭載されている[18]

C4Iデータリンク装置も搭載されており、韓国型戦術データ・リンク (TDL-K)と接続可能。GPS(全地球測位システム)とINS(慣性航法装置)を連動させた位置情報システム・敵味方識別装置・車両間情報システム (IVIS) を備えている[19] 。 これらのシステムにより、近接している部隊間の迅速な調整・圧迫した状況下におけるによる自己及び部隊情報の把握・冗長な目標集束の防止・優先目標への照準等を可能にしている。

またデジタル訓練システムも採用されており、戦車兵の効率的な訓練と費用の削減を実現している[20]

車両防護[編集]

K2に搭載されている戦闘車両防護システムは、砲塔部にある発射装置から様々な弾種の弾体を発射し車両を防御するというものである(アクティブ防御システム)。

このシステムは国防科学研究所を中心に三星タレス社などが開発したもので、ロシアのKBM社(旧SKB)の技術援助を受けた。

砲塔上面前部の左右に少しずつ角度を変えて埋め込まれている発射装置には、VIRSS擲弾を装填できる。使用できる弾種は発煙弾(空中で破裂し赤外線遮断効果のある土色の煙幕を張る)、近接防御弾(空中で爆発し車両の周囲に迫った歩兵を撃退する擲弾)、赤外線フレア(赤外線誘導ミサイルを欺瞞する為の囮弾)がある。自動消火装置、NBC防護装置を備えている。

アルタイ戦車[編集]

トルコ陸軍は、次期戦車を外国の既存戦車をベースにして国内開発する事を決定し、パートナーとなる企業を選考、最終選考の結果ロテム社がドイツのクラウス=マッファイ・ヴェクマン社を破り、パートナー企業に選出された。新戦車はアルタイと名付けられた。

2007年6月に両国間でのライセンス契約が締結され、ロテム社はトルコのオトカ社を中心とした開発グループに開発支援と技術移転を行い、2010年を目処に4輌の試作車の生産(ドイツ・MTU製エンジン搭載型など)、2012年に量産開始の予定で、生産台数は250輌になる見込みである。調達総額は約5億4,000万ドルから最大で10億ドルの予定である。

しかし2011年1月、トルコは開発の遅れを理由として韓国国防庁に対して契約内容の一部解消を要求した。

2012年5月、トルコの日刊紙「サバ」とサウジアラビアの現地メディアは、サウジアラビアの総参謀長がトルコを訪れ、トルコのアブドゥラー・ギュル大統領に会って20億ドル相当のトルコ戦車を購入することを決めたと報じた。

アルタイ戦車 諸元[編集]

  • エンジン:MTU製 1500 馬力ディーゼル
    • 当初、第3ロット以降のエンジンとして斗山インフラコア製1800馬力ディーゼルを予定していた。開発の遅滞によりこの機関の取得が現実的でなくなったため、日本の三菱重工との間で、トルコ国内企業との合弁会社を設立し、1500馬力のディーゼルエンジンを開発する交渉が開始された[21]。実質的には三菱製エンジンの輸入という形であったが、第三国にこのエンジンを積んだ車両を輸出することに関して、技術流出を警戒する日本側と話が折り合わず、2014年2月末にこの件は一旦棚上げとされた[22]
  • 重量:65 t
  • 最大速度:70 km/h(後期型は、当初94km/hを予定していた)
  • 航続距離:500 km
  • 乗員:4 名
  • 主砲:55 口径 120 mm滑腔砲
  • 自動装填装置無し
  • 副武装:12.7 mm機関銃
  • 単価:5.4 億円(1ドル=100円で計算)

脚注[編集]

  1. ^ a b c 戦車初度量産分にドイツのパワーパックを適用最終決定、中央日報 2012年12月17日
  2. ^ K-2戦車、完全国産化に赤信号 中途半端な名品に転落する危機」中央日報/中央日報日本語版 2011年3月22日
  3. ^ [1]
  4. ^ 次世代戦車「黒豹」試験中に重大欠陥』中央日報(韓国語)
  5. ^ [2]
  6. ^ [3]
  7. ^ 軍、来年の防衛力改善費11兆9000億ウォン要求』聯合ニュース(韓国語)
  8. ^ 『K-2 흑표전차 양산 돌입…6월 군에 첫 인도』 (2014年4月14日 hankooki.com)
  9. ^ The Black Panther is armed with a 120-mm Rheinmetall smoothbore gun, completed with an autoloader. (Military Today)
  10. ^ Rheinmetall 120 mm gun
  11. ^ 国防科学研究所は韓国日報によるインタビューの中で自動装填装置の開発においては外国戦車の装填装置の映像を参考に開発した、と語っている。
  12. ^ The 120-mm gun can fire variety of munitions, notably the KSTAM (Korean Smart Top-Attack Munition) rounds. (Military Today)
  13. ^ The K2 is powered by the license-built MTU MB-883 Ka500 engine, developing 1 500 horsepower. (Military Today)
  14. ^ 시제엔진은 성능시연에서 분당 엔진회전수(rpm) 2천700, 엔진 최대출력 1천500마력의 성능이 입증됐으며 2010년 이후 차기 전차에 장착될 예정이다.
  15. ^ 東亜日報 ‘외국産 심장’단 흑표 11월 본격 양산 2013年9月30日
  16. ^ http://www6.atwiki.jp/namacha/pages/23.html
  17. ^ http://www6.atwiki.jp/namacha/pages/23.html
  18. ^ http://www6.atwiki.jp/namacha/pages/23.html
  19. ^ http://www6.atwiki.jp/namacha/pages/23.html
  20. ^ http://www6.atwiki.jp/namacha/pages/23.html
  21. ^ トルコと戦車エンジン共同開発=三菱重、合弁会社設置へ」時事ドットコム
  22. ^ トルコが日本との戦車エンジン開発協議を停止、条件合わず」 MSN産経ニュース

参考文献[編集]

  • 「世界のハイパワー戦車&新技術」『軍事研究』2007年12月号別冊、ジャパンミリタリーレヴュー社。
  • 「トピック 韓国陸軍の次期MBT K2」『PANZER』2006年2月号、アルゴノート社。
  • 「韓国陸軍 K1戦車の開発と発展」『PANZER』2006年4月号、アルゴノート社。

外部リンク[編集]