新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に

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新世紀エヴァンゲリオン劇場版
Air / まごころを、君に
The End of Evangelion
監督 庵野秀明
鶴巻和哉
脚本 庵野秀明
製作 角川歴彦
池田頌夫
山賀博之
倉益琢眞
出演者 緒方恵美
三石琴乃
林原めぐみ
音楽 鷺巣詩郎
撮影 白井久男
編集 三木幸子
製作会社 EVA製作委員会
配給 日本の旗 東映
アメリカ合衆国の旗 マンガ・エンターテイメント
公開 日本の旗 1997年7月19日
上映時間 87分
『Air』約46分
『まごころを、君に』約40分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 14.5億円(配給収入
24.7億円(興行収入
前作 DEATH & REBIRTH シト新生
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』(しんせいきエヴァンゲリオンげきじょうばん エア/まごころをきみに、英題:The End of Evangelion)は、1997年7月19日に全国東映東急系で公開された庵野秀明によるアニメ映画である。略称は「夏エヴァ[1]、「EOE[2]ヱヴァンゲリヲン新劇場版発表から、「旧劇」「旧劇場版」とも呼ばれる。

目次

概要 [編集]

1995年秋から1996年春まで放送された同テレビアニメシリーズ、『新世紀エヴァンゲリオン』の第弐拾伍話と最終話をリメイクし、完全新作として上映されたものである(テレビシリーズとは区別するために話数はアラビア数字表記にされ、アイキャッチ画面ではそれぞれepisode 25'、ONE MORE FINALと表示された)。本作をもって『新世紀エヴァンゲリオン』は完結を迎えた。

当初は1997年春の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』で完結する予定だったが、『REBIRTH』編の制作が間に合わなかったために途中までの公開となり、同年夏に本作が公開されることとなった(詳しい経緯は『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』を参照のこと)。なお『REBIRTH』で公開されていた部分についてはアフレコSEBGMの録り直しや、画面上での若干の修正、追加が行われている[3]

第25話『Air』(エア)は、劇中BGMに使われているヨハン・ゼバスティアン・バッハ作の『管弦楽組曲第3番第2曲』の「G線上のアリア」(Air) から。また第26話『まごころを、君に』は、 ダニエル・キイスの著作『アルジャーノンに花束を』が映画化された時の邦題「まごころを君に」から。

前売り券はオリジナルポスターが付いたものが発売された[4]。また『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の前売り券も、未使用のものに限り使用可能な措置がとられている。公開2日前の7月17日には、よみうりホールにてテレビ東京系列試写会が開催された[4]

1997年日本アカデミー賞話題賞を受賞。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ [編集]

最後の使徒渚カヲルは倒された。しかし、自分に好意を寄せてくれたカヲルを自分の手で殺した現実に対処できないシンジは、固く心を閉ざしてしまう。

そして、約束の時が訪れる。ゲンドウらと完全に決裂したゼーレは自らの手による人類の補完を目指し、戦略自衛隊による攻撃をNERV本部に仕掛けてくる。戦闘のプロの前に、抗う術もなく血の海に倒れていくNERV職員達。そんな中、自分を取り戻したアスカは、弐号機で反撃に出る。それに対してゼーレは、量産型エヴァンゲリオン9体を投入し、活動限界の迫る弐号機との血みどろの死闘が展開される。一方シンジは、ミサトの犠牲により初号機の元にたどり着くが、初号機とともにジオフロントに浮上したシンジが目撃したのは、量産型エヴァンゲリオンによって無残に破壊された弐号機の姿であった。我を失い、絶叫するシンジを乗せた初号機を依代として、サードインパクト(ゼーレの目論む人類補完計画)を引き起こすための儀式が始まる。

同じ頃、NERV本部のターミナルドグマでは、独自の補完を目論むゲンドウとレイにより、アダムとリリスの禁じられた融合が行われようとしていた。しかし、レイはゲンドウの掌のアダムのみを奪い去り、呆然とするゲンドウを残して、リリスに還ってしまう。

絶望的な状況下で、世界の命運を委ねられたシンジは何を望むのか。そして人類補完計画の結末とは。

解説 [編集]

劇場版では、テレビシリーズの最終話では語られることのなかった、もう1つのエンディングを映像化している。使徒ではなくヒトの手によるサードインパクトの発現(無への回帰による贖罪と完全な単体生命への進化)を目指すゼーレと、それを阻止しようとするミサト達の戦い、アダムとリリスの融合によりゼーレとは異なる人類の補完を目指すゲンドウなどが描かれ、戦略自衛隊のNERV本部強襲、エヴァンゲリオン量産型の投入などが、過激な死の描写とともに描かれていく。その一方でテレビ版弐拾伍話と最終話同様にシンジの精神世界が描かれる。

大月俊倫は「あまり言うとネタバレになっちゃうんですが(笑)12年前の『エヴァ』では、あの頃の社会状況や庵野さんの内面の問題があったりして、 特に劇場版は世界が破滅して、シンジとアスカだけ生き残るという破滅的な形で終わりましたから、あの続きはありえないんですよ」とシンジとアスカのみが生存との製作側の認識を示している[5]。同様に劇場版主題歌「魂のルフラン」の歌詞についての及川眠子へのインタビューでも、「みんな死んじゃうから、というので輪廻をテーマにしたんです」、「魂のルフランはこれで終わりという歌ですから、新しい詞は書きようがないんですね。輪廻を出してしまったら次はないですよ。今度の映画ではみんな死んじゃったんでしょ」、「打ち合わせの時にみんな死んじゃうんですかって(庵野に)聞いたら、次が出来ないように殺しちゃうんです。もう疲れましたからって(笑)」としている。

また、大槻ケンヂとの対談でどういう話(テーマ)なのかと聞かれた際、庵野は「最終的には、いいじゃん、他人がいても、ということですね」と述べている。

その他 [編集]

  • 第25話ではEVAのもとへ送り出されたシンジが、「やっぱり来るんじゃなかった……」とぼやくシーンが入る予定であったが、シンジ役の緒方恵美が「ミサトもアスカも皆も一生懸命に戦っていたのに、それはないでしょう」と庵野に話し、結果「エヴァに乗れないんだ。どうしようもないんだ」とのセリフへ変更された[6]
  • 第26話の実写映像は、新宿ミラノ座(現・新宿ミラノ1)で撮影された。同じく商店街の実写映像があるが、こちらは千歳烏山駅前で撮られたもの。
  • 第26話のファンレターやネットの投稿、GAINAX SHOPへの落書きなどは、実際にGAINAXに送られた手紙やメール、ネットの書き込みを元にスタッフが作成したものである[7]
  • ラストシーンは元々台本では「あんたなんかに殺されるのはまっぴらよ」となっていたが、のちに「気持ち悪い」へと変更された[8]。このシーンには挿入歌「Everything you've ever dreamed」が使われる予定だったがこの変更でボツになった。(後に「NEON GENESIS EVANGELION S2 WORKS」に収録) 。
  • シンジの声優緒方恵美は、ラストシーンの首絞めは庵野の知り合いの女性の体験談がモデルであると発言している[9]
  • 本映画は公開3週目から一部の映画館では『角川アニメフェスティバル'97』(同時上映:『スレイヤーズぐれえと』、『天地無用!真夏のイヴ』)として上映された。
  • TVシリーズで副監督を務めていた摩砂雪は、今回「ビジュアルウォーターアーティスト」なる変わった役職が充てられている。「新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集」3巻・4巻巻末に収録されたインタビューのプロフィールにその経緯が触れられているが、真偽は不明(内容は摩砂雪がDEATH編制作終了後の残務処理をサボり、海で遊び呆けていたため、それに激怒した庵野によって格下げされたというもの)。
  • 2003年に発売されたテレビアニメ版リニューアルDVDの7巻と8巻には映像特典としてそれぞれ『Air』と『まごころを、君に』のテレビ版次回予告を模した映像が収録されている。

劇中音楽 [編集]

リリース [編集]

  • VHS・LD
    • 新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:13 - 1998年8月12日
    • 新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:14 - 1998年9月9日
    • 新世紀エヴァンゲリオン劇場版BOX - 1998年12月23日
  • DVD
    • 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 - 1999年9月22日
    • NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX - 2003年6月25日
    • 劇場版 NEON GENESIS EVANGELION-DEATH (TRUE)2:Air/まごころを君に - 2003年11月27日
    • 劇場版 DTS COLLECTORS Edition - 2004年11月3日
    • NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX<復刻版> - 2007年4月23日
    • NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX '07 EDITION<廉価版> - 2007年8月1日
    • 日テレ限定 新世紀エヴァンゲリオンDVDボックス
  • UMD®Video 新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ-another cases-10周年記念メモリアルBOX
    • (新世紀エヴァンゲリオン DEATH(TRUE)2・Air/まごころを、君に)
  • CD
  • 書籍
    • 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 フィルムブック「Air」 - 1997年10月
    • 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 フィルムブック「まごころを、君に」 - 1997年11月20日
    • 新世紀エヴァンゲリオン フィルムブック リミックス3 - 2000年11月
    • Groundworks of Evangelion The Movie(全2巻) - 2001年10月26日~2002年1月18日

脚注 [編集]

  1. ^ アニメ様の七転八倒第61回,小黒祐一郎,WEBアニメスタイル_COLUMN
  2. ^ 『CUT』2009年8月号 貞本インタビュー
  3. ^ 『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』のパンフレットより
  4. ^ a b テレビ東京『新世紀エヴァンゲリオン』公式サイト,internet archive
  5. ^ サイゾー2006年11月号
  6. ^ 「エヴァンゲリオンフォーエバー」より
  7. ^ 劇場版リニューアルDVD内付属ブックレット、解説より
  8. ^ 2005年3月28日放送 BSアニメ夜話
  9. ^ 井手功二のエヴァンゲリオンフォーエヴァー』(アミューズブックス

受賞歴 [編集]

外部リンク [編集]