Vassalord.
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『Vassalord.』(ヴァッサロード)は、黒乃奈々絵の漫画作品。「コミックブレイドZEBEL」創刊号(マッグガーデン刊)→月刊コミックブレイドアヴァルスにて連載中。ドラマCDがフロンティアワークスから発売されている。
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[編集] 概要
作者の好きなものを全部ぶち込んだ作品。本作の舞台やキャラクターなどの設定にはキリスト教・吸血鬼など史実や伝承からの引用も多く、台詞回しにはB級映画、旅行好きの作者の趣味を反映して複数の国を舞台に話が進んでいく。女性向けの作品。躍動的なアクションシーンなど、男性にも楽しめる要素も多くある。
ZEBEL創刊時の“表紙絵”として描かれたキャラクターが発端で、雑誌には元々全く違う系統の作品が連載されるはずだった。
本作では、ヴァンパイアは目にハイライトを入れずに描かれている(ミランダ以外)。
[編集] あらすじ
謎多き吸血鬼レイフロと、レイフロの隷属でありながらヴァンパイアハンターでもあるサイボーグの青年チャーリー。悠久の生で夜を生きる二人は、レイフロの過去の因縁と、「不死の売買」と呼ばれる人工吸血鬼を作成する陰謀に巻き込まれていく。
[編集] 作中用語
- 吸血鬼
- 三つのものを失うことと引き換えに、永遠の若さと強大な力を手に入れた者。多数の人外の力を得ることが出来るが、新たな数々の制約も架される。
- 心臓を傷つけてはならない
- 日光を浴びてはならない
- 定期的に血液を摂取しなければならない
他、銀や十字架に触れると火傷する、聖書の内容を口にすると死に瀕する等[1]。
- 真祖
- 魔術によって堕落するなどして吸血鬼となった人間の総称。日光を浴びれば灰になることは隷属と変わらないものの、核が一匹の蝙蝠に姿を変えるだけで、核が無事ならば七日七晩の後に復活する。どの姿であっても心臓を破壊されれば死ぬ。
- 隷属
- 吸血鬼によって吸血鬼と化し、その支配下に置かれた者の総称。特定の条件下で“マスター”となる側が“血を与える”。吸血鬼が血液から作り出した使い魔もそう呼ばれている(同一のものではない)。彼らも心臓を破壊されれば死ぬ。
- ヴェドゴニャ
- 土曜日に赤い羊膜に包まれて生まれた人間。吸血鬼を殲滅するための高い能力を誇る、生まれついてのヴァンパイアハンターだが、その死後は吸血鬼となる。吸血鬼を先祖に持つ者が成るケースが多い。
- ヴァッサロード(vassalord)[2]
- 製薬会社ウッズレイが開発した薬剤。表世界にはその名は知られていないものの、同社が大企業へ発展したきっかけともなった。詳しい製法や成分は不明。細胞のRNAを刺激してRNAの情報をDNAに上書き・融合させ、驚異的な治癒力や細胞の不死化を実現する[3]。
- これを注射された人間は吸血鬼となり[4]、その不死性や永遠の若さに惹かれて手を染める者が人知れず増加している。代金は高額。投与された人間の6割が適合できずに死に至り、また一般的な吸血鬼になれるとも限らない。
[編集] 登場人物
- ジョニー・レイフロ
- 声 - 藤原啓治
- 主人公。本名不明[5]。バリーには「アディー」、アルフォードには「アダム」と呼ばれる。数百年前、悪魔の力で真祖となった、ハンサムでセクシーな中年男性。堕落してからずっと人間社会に紛れて生きてきた社交的な吸血鬼。素性は騎士。聖職者を装っていたこともある。
- 大富豪でありながら、マリーの一件以後チャーリーと同居中。現在は生き血を進んで吸うことはなく、横流しされる輸血用血液で飢えを凌いでいるため、吸血鬼としての能力は衰えている。機転が利き真面目で思慮深く、一方で子供のように無邪気でユーモア溢れる性格。女性や子供に優しくすることを信条としている紳士。男性を性・恋愛対象と見るが、女性に対しても接触が苦手なだけで基本的に対応は至って好意的。剣術や空手は達人級の腕前。
- とある理由から聖書の一節を声に出して読み続けたため死に瀕するが、検体となる代わりにアルフォードに命を助けられる。
- チャールズ=J=クリスフント
- 声 - 置鮎龍太郎 / 幼少期 - 小野涼子
- もう1人の主人公。145歳以上。通称チャーリー(渾名はチェリー)。ぱっつん前髪が特徴の美男子。全身をサイボーグ化したサイバー・ヴァンパイアハンター。相棒のロボット犬(サクラ)を従えている。生真面目で誠実、時には嫉妬深く女に対する免疫が薄い。幼い頃、戦災孤児であったところをレイフロに拾われクリスと名づけられる。聖職者志望。
- レイフロの隷属でありながら、陽光や聖典に拒まれることがない。吸血鬼としての能力は殆ど扱えないものの、全身に装備した多彩な最新兵器でヴァンパイアを浄化する。唯一の克服不可能な弱点は吸血衝動で、レイフロの血以外は輸血用であっても頑として口にしない[6]。マリーの一件以来一線を退いているものの、悪魔退治に携わるヴァチカンの枢機卿からは、その信仰心と吸血鬼に対する憎悪を高く評価されている。
- 後にアルフォードに強要され、クリストファー=J=ゴスとして華やかな芸能界デビューを飾る。
- ミネア
- 声 - 佐藤利奈
- レイフロの身辺の世話をしている女性。金髪に猫目の涼しげな美人で、外見通りにクールな性格。ツンデレ。
- 実は白猫の姿から人型に自由に変化できる化け猫。かつて人間に見世物扱いされ虐待を受けていたが、レイフロに助けられた。以後レイフロが根負けするほど押しかけ続けた結果、専属メイドを任された。レイフロへ盲従しているが、チャーリーへの評価は時折手厳しい[7]。
- レイフェル・フォード
- 声 - 田中敦子
- レイフロと瓜二つの容貌の、グラマラスな女ヴァンパイア。レズビアン寄りの両刀。チェリルの「マスター」。浮気癖があるため、チェリルをしばしば怒らせる。レイフロとは反りが合わず、口論はかなり下品。バリーを気に入っている様子。
- レイフロを堕落させた悪魔が、レイフロに屈辱を与え精神的にも堕落させるために、彼の肋骨から創り出した女性体クローン。忌み嫌われる非処女(エヴァ)としての特性を与えられ、他者を誘惑し自分も誘惑に弱い。チェリルに執着しながらも浮気癖を自己制御出来ない性質を、穢れとして忌み嫌っている。
- チェリル・シェーン・ケイツ[8]
- 声 - 小野涼子
- 大きな丸眼鏡をかけ、ぱっつん前髪が特徴の、聡明な少女。幼い頃のチャーリーと瓜二つ。普段は修道女の服装でいる。ヴァンパイア・ハンターとして活動している。
- 実はアーノルド・パオレの子孫=ヴェドゴニャ(曾祖母がパオレの親族)で、自身の身の丈を越える大鎌を軽々と振るう他、大規模な対魔血界なども操れる。レイフェルと愛し合う仲で、死後吸血鬼と化したら彼女の隷属になると決めている。基本的に礼儀正しく清楚だが、レイフェルに関することになると少々過激になる。
- クレイグ・バーンシュタイン
- 声 - 石塚運昇
- 体格のいい黒人の中年男性で、右目の上に傷のある腕利き刑事。推理力と洞察眼に長けている。発言はシビアで下品。無愛想なヘビースモーカーで、携帯電話禁止・禁煙車両で堂々とそれを破り、さらに死体の話をすると腹が減る変人。子供には優しい。ホットドッグが好物。
- 3年前に自動車事故で妻を、その直後に吸血鬼事件で一人娘を亡くし[9]、娘が殺された場に居合わせたハルとのつながりを足がかりに、執拗にウッズレイの裏側を探ろうとしていた。その捜査活動を署長に差し止められ、職を辞して独自に事件を追おうと行動を開始。メイラー牧師負傷事件で知り合ったチャーリーを巻き込み、86を伴っての調査に打って出る。
- ハロルド・ウェイン
- 声 - 佐藤利奈
- 右目に黒い眼帯をつけ車椅子に乗った無邪気な少年。髪の色以外は、幼少期のレイフロに酷似している。クレイグに懐いている。新薬の名目で「ヴァッサロード」の取引を仲介している。「吸血鬼ではないが類似した何かの気配を纏っている」(レイフロ談)。愛称ハル。
- 正体は、新薬開発で業績を上げているウッズレイ製薬会社社長(アルフォード・ウェイン)本人。チャーリーより年上。非常に頭脳明晰で計算高く、クレイグさえも騙し通せるほど嘘をつくのが上手い。車椅子の代わりに義足を装着している。あらゆる年代・あらゆる場所に残されていたレイフロの毛髪などの断片を集めて、レイフロのクローンや彼らに適合する薬品などを研究してきた、自称「ジョニー・レイフロの体の専門家」。瀕死の重傷を負ったレイフロを助け、その代償にチャーリーを従わせレイフロを検体として監禁する。
- レイモンド
- ウッズレイに造られた、レイフロのクローンの内の1人。ヴァッサロードの販売員で、ウーディーンにヴァッサロードを売ろうとして失敗し、監禁されて凄惨な拷問を受けていた。
- 自殺用の薬物を渡してきたアルフォードよりも、監禁場所から連れ出そうとしてくれたチャーリーと、回復のために血を分けてくれたレイフロを助けようと決めてアルフォードの元に戻った際、チャーリーの秘書に任命された。短髪に眼鏡の装いに改め、本来の主(アルフォード)以上の忠誠をチャーリーに示し、その礼としてチャーリーから「レイモンド」の名を与えられた[10]。
- バリー
- 声 - 岸尾だいすけ
- 夢魔。基本的には長い髪を一つに編んで垂らした中性的な美青年だが、見る者に応じて性別と外見年齢が変化する。レイフロと契約した悪魔に作られた者で、不定期にレイフロを監視・干渉・陵辱する。悪魔から力を供給されている為、首や心臓を失くすだけでは死なない。
- チャーリーによって悪魔の力の供給を断たれ、老いた姿で倒れていたところをレイフェルとチェリルに拾われる。生きながらえるための活力をレイフェルから分けてもらう代わりに、彼女達の命令に従ってレイフロの行方を捜す。
- メイラー・ハウゼン
- 声 - 中多和宏
- ネオ・ユニオン教会の牧師。内外から客を招いた聖餐会の折、十字架に押しつぶされ瀕死となるが、ヴァッサロードにより吸血鬼化する。蘇生後は不死の存在を名乗り、自らのような存在の人権をヴァチカンに認めさせようと暗躍する。
- 瀕死のレイフロの身柄を確保しに来たアルフォードと共に現われ、彼の手先という立場を明確にした。レイフロへの興味から彼の誘惑を受け入れ、アルフォードに内緒で時折彼の血を吸う。
- 劉夭頂(リウ・ウーディン / ウーディーン・リウ)
- イタリアンマフィア・ヌッラの首領。中国人。妻はベアータ。蒼白な凶相をしている男。ビンロウを好む。
- 非常に残虐で狡猾。冷静沈着な性格の中に狂気を潜ませ、人間離れした度胸と胆力を誇る。ヴァッサロードの売り込みを受けたが、販売員の態度や言い回し、吸血鬼になることで制限される3つの事項が自分の好みにもニーズにも合わなかったことでヴァッサロードを拒絶、販売員を凄惨な拷問にかける。
- 86(エイティシックス)
- 通称エイティ。麻薬中毒者でマゾヒスト。ウーディーンの懐刀として活躍していたが、ヌッラを離脱して逃亡、クレイグに捕縛され、彼の自宅に監禁されていた。ウーディーンのことは当時の“ワン”の名で呼び、嫌いな訳ではないらしい。
- 腕は非常に立つが殺人を好まない。エキセントリックな言動が目立ち、「天使様」と呼ばれる不可視の存在が見えているらしく、そのお告げによって、未来の先読みや知り得る筈のないことを知っていたりする。
- クレイグにより、ウーディーンに監禁されていたヴァッサロードの販売員と交換されそうになったが、ウーディーンの部下がクレイグの自宅に乗り込んだ際には姿を消していた。隠しておいたブラックカードを手にクレイグと合流、バリーやサクラと組んでレイフロの行方を捜し、その合間に報酬としてバリーに痛めつけてもらっている。
[編集] 各話ゲスト
- マリー
- 声 - 門脇舞以
- 『幽宮のヘリオガバルス』ゲストキャラクター。
- レイフロの隷属にして、彼に固執する可憐な美少女。かつてはプリンセス・マリーと呼ばれ、レイフロの主人だった。多くの男を攫い、その生き血を啜る内に狂気に蝕まれた所を、憐れんだレイフロによってヴァチカン関連の施設に500年以上封印されていた。チャーリーを嫌っている。
- ファミーユ
- 声 - 小林美佐
- 『幽宮のヘリオガバルス』ゲストキャラクター。
- ヴァチカンのシスターで幽鬼物関係の専門家。研究材料としてレイフロを手に入れるため、ヴァチカンに無断でマリーの封印を解き、チャーリーに司祭就任の条件としてレイフロとマリーの交換を要求した。
- サミュエル・カザン
- 声 - 秋元羊介
- 『ヒエロクルスの迷夢』ゲストキャラクター。
- ネオ・ユニオン教会設立者で、元ユニテリアン・ユニヴァーサリスト。おおらかな主義のプロテスタント。2年前より体調を崩し、同時期に女性失踪事件の渦中に見舞われる。
- ミランダ・シーガル
- 声 - 弓場沙織
- 『アーノルド・パオレと死の影』ゲストキャラクター。
- 映画『ラブ・イン・ザ・シン』で一躍トップスターになった女優。ヴァッサロードによって吸血鬼化していた。とあるコンテナの運び屋を担った際、乗っていた飛行機ごと爆殺されそうになったところを、居合わせたレイフロとチャーリーに助けられた。レイフロに好意を抱いたが……。
- シュルツ
- 声 - 中村悠一
- ACT1ゲストキャラ。メイラー牧師の「奇跡の生還」を施術したと豪語する医師。
- トーマス
- 声 - 下野紘
- ACT2ゲストキャラ。ホームレスの少年で、祖母のように接していたホームレスの老婆(マーサ)が殺された事件を独自に追っていた。タフな少年。
- ルーシー・オブライアン
- 声 - 小林優子
- ACT3ゲストキャラ。自称・オカルト研究家。ボルゴ村でのヴァンパイア事件を調査しているが、言動に不自然な点が目立つ。
- プルート
- 声 - 吉野裕行
- ACT4ゲストキャラ。ミネアと同族で、黒猫の姿へ変身できる少年。バーンズに懐いているものの、自分の正体は伏せている。
- ゲイリー・バーンズ
- 声 - 大川透
- ACT4ゲストキャラ。自分を襲う心霊現象に耐えかねて、チャーリーに除霊を依頼しに訪れた。非常に慌て者。最近妻に逃げられた。
- ガイド
- 声 - 遊佐浩二
- コミック3初回限定特典のゲストキャラ。
- アスムンド
- 声 - 近藤隆
- コミック4初回限定特典のゲストキャラ。
- ロレッタ
- 声 - 神田朱未
- コミック5初回限定特典のゲストキャラ。
[編集] ドラマCD
- 幽宮のヘリオガバルス
- Rademption
- Ferris Wheel
- Rainy Day
- ヒエロクルスの迷夢
- 去りし黒きアッバ
- Forelock
- King Game
- Dinner
- アーノルド・パオレと死の影
- Baby Crisis
- Cooking
- Dutiful Sun
- アディーの幽愁
- セツの試み
- Date at night
- Small trouble
[編集] オリジナルストーリー
- Act. 1 白亜のコキュートス
- Act. 2
- Act. 3
- Act. 4
- コミック3 初回限定版特典
- コミック4 初回限定版特典
- コミック5 初回限定版特典
- コミック4&アディーの幽愁 アニメイトキャンペーン Full Moon
[編集] ウェブラジオ
ウェブラジオ『「Vassalord.」Radio Station』が、2009年1月8日から2009年6月25日まで、アニメイトTVにて隔週木曜日に配信された(全12回)。パーソナリティは藤原啓治と置鮎龍太郎。ラジオ冒頭には毎回、レイフロとチャーリー、時にはゲストを交えてのショートドラマがある。ゲストは田中敦子(第四回)、小野涼子(第七回)。CDには抜粋編集で収録。 ライブイベント「Holy Communion」にて限定復活。
- 収録CD
- DJCD Vol.1
- DJCD Summer Vacation
- DJCD Holy Communion
[編集] 脚注
- ^ チャーリーは、両手首から先、聴覚、声帯を人工物に替えているから平気
- ^ 由来は、「隷属が主と融合する」=「vassal(隷属)がlord(主)と融合する」ところから
- ^ 「かつてRNAが細胞の主であった」説により、RNAには秘められた力があるから
- ^ RNAは紫外線、高温、一部の金属イオンに弱く、その性質もDNAに上書きされるため
- ^ バリーとレイフェルは本名を知っているが、チャーリーは知らない
- ^ 1~数週間は保つ
- ^ 二人からはその実直な性格を信頼されている
- ^ ミドルネームが単行本では「シェーン」、CD表記では「ジェーン」
- ^ 彼の娘は、当時同じパーカを着ていたために間違われ、ヴァッサロードを投与されたことでハルを憎んでいた男に殺された
- ^ レイフロのクローン達は識別番号しかなく、個人名がない
