ダブルキャスト (ゲーム)

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ダブルキャスト
ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 PlayStation(PS)
PlayStation Portable(PSP)
開発元 シュガーアンドロケッツ
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
人数 1人
メディア CD-ROM - 2枚(PS)
UMD - 1枚(PSP)
発売日 1998年6月25日(PS)
2001年8月16日(PSベスト)
2005年7月28日(PSP)
2009年9月24日(PSPオンライン)
対象年齢 CERO:B(12才以上対象)(PSP)
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ダブルキャスト』(Double Cast)は、1998年6月25日ソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたPlayStation用ゲームソフト。

アニメーション制作はProduction I.G2005年7月28日PlayStation Portable版が発売され、2009年9月24日には「PSPオンライン」としてダウンロード販売された。

概要[編集]

やるドラ』シリーズの第1作目で、ゲーム中の季節は「夏」に当たる。各種ホラー映画の要素を含んだストーリー、凄惨なバッドエンドなどが特徴であり、グロテスクな表現によってトラウマを抱えたプレイヤーも多い。

仮題は「アクトレス」だったが、販売直前に現在の題名に変更された。

題名の「ダブルキャスト」とは「一人二役」という意味であり、本ゲームの赤坂志穂が二重人格者であることからきている。

あらすじ[編集]

大学の映画研究部に所属したばかりの主人公は、ある夏の夜、赤坂美月という少女と出会う。何故か自分の名前以外の記憶を全て無くしていた彼女は、それが甦るまで主人公と同居することに。やがて、映研では自主制作の映画のヒロインとして美月を誘うことになった。しかし、その映画のシナリオ『かこひめの寝屋』は、かつて映研が撮影中に死者が出たことで何年もの間封印されていたという、曰く付きのものだった。

登場人物[編集]

主人公
:なし(ドラマCD版は鈴村健一
名前設定不可の「僕」。映研の新人部員。作中で名前が呼ばれることはなく、音声も入ってはいないが、アンソロジーコミックでは「柏原」という名字が付けられている。愛称は「新人くん」。
容姿や性格は至って平凡だが、女性にはやや奥手。キスシーンの撮影中に昂奮し、鼻血噴水のように噴き上げながら倒れてしまうほど[1]
映研の飲み会で酔い潰れてゴミ捨て場で寝ていたところを美月に介抱され、目を覚ます。お礼代わりにコーヒーを奢って雑談しているうちに美月の境遇を知り、彼女を居候させることになる(とはいえ、主人公自身は旅行で不在の叔父の家に下宿の身)。
赤坂 美月(あかさか みつき)
声:平松晶子
生年月日:9月30日、身長:160cm、体重:44kg、スリーサイズ:87/58/82、血液型:O型。
本作のヒロイン。一人称は「ボク」で、髪色は赤。行き倒れの主人公を介抱したことが縁で知り合い、彼の家へ転がり込むことになる。その後、『かこひめの寝屋』の主演女優に抜擢される。
食欲旺盛で、主人公との同居[2]中の家事全般もそつ無くこなせる才色兼備[3]。「赤坂美月」という名前以外の記憶が一切失せており、素性なども謎に包まれているが、普段は至って明るく振る舞っている。
赤坂 志穂(あかさか しほ)
声:平松晶子
上記の「赤坂美月」の本名であり、美月の双子の妹。本来は女性らしい性格であり、姉・美月とは仲の良い姉妹だったが、あることから虐待を受けた上に彼女の自殺現場を目の当たりにしたため、その凶暴な人格を宿す解離性同一性障害を発症。そういった経緯から、森崎による治療を受けていた。
志穂が人格の変わる条件としては、精神が不安定な時に、夕陽などの赤系統の色を見てしまうとトラウマが蘇り、姉の赤坂美月の人格が出やすくなる。森崎曰く、「志穂の中に巣食う美月は嫉妬深く凶暴で、志穂に近寄る人物に危害を加える可能性が高いから気を付けろ」と警告されるほど凶悪な人格である。
なお、本編の最初で「美月」と名乗る記憶喪失のボーイッシュな人格は、本来の志穂の人格でも姉の人格でもなく、社会生活を営むために作り上げられた、仮の赤坂美月である(つまり、志穂の中には「志穂」「美月(記憶喪失)」「美月(姉)」の3つの人格が存在しており、かつ主人格であるはずの本来の志穂は眠ったまま表に現れていなかった)。また、佐久間とは同級生であったことから、主人公よりも年上である。
赤坂 美月(本物)
故人。上記の志穂の姉としての赤坂美月を説明。抜群に可愛らしい美月とはあまり似ていない、地味な容姿である。
幼少時に両親を事故で亡くし、志穂とは2人で暮らしていたが、悪い男に捕まったことが原因で男性不信になってしまう。その結果、志穂に対し過剰な愛情を注ぐようになる一方、志穂が男性に近寄った場合は彼女に対して暴力も振るうことも厭わなくなる。実は美月は志穂を愛していた反面、内心では志穂に対して彼女が男性にモテることに嫉妬もしていた。美月も精神病院で森崎にカウンセリングを受けていたが、結局自殺してしまい、志穂に重大なトラウマを残す結果となる。
赤坂 美月(番外編)
声:平松晶子
番外編に登場する赤坂美月。交際していた男性[4]と破局し、やけ酒を飲んで深夜のファーストフード店で居眠りしていたところを主人公と出会い、意気投合する。明るく陽気に見えるが、二村と一緒に映画を撮らなければならないことに関して深く悩む面も持つなど、本編とは異なる設定となっている。
篠原 遙(しのはら はるか)
声:水谷優子
生年月日:8月4日、身長:162cm、体重:46kg、スリーサイズ:86/60/81、血液型:A型。
映研部部長。口元の小さなホクロがチャームポイントの美人。
良家の一人娘だが、お高く止まらない江戸っ子で気立ても良い。ただし、怪談は苦手。元々映画には興味があったわけでもないまま入部したところ、物語開始の前年に当時の部長がとある理由から失踪したため、人望の高さから部長の座を引き継ぐことになった。目下、主人公のことが少々気になってきている。
二村 秀樹(ふたむら ひでき)
声:森久保祥太郎
主人公と同期の新人部員。丸く黒いフレームの眼鏡が特徴。カメラを担当しているが、本当は演出を志望している。映画の知識は、「映研最高峰の人材」とも称されるほど。思いやりのある好青年で、主人公とは仲の良い友人。
実は遙のことが好きで狙っており、グッドエンドでは良い雰囲気になることもある。また、バッドエンド『かこひめの寝屋』ではかつて映研で起きた事件の真相を知っており、狂気的な一面を覗かせる[5]。番外編では、本編とは異なり美月と交際中の設定になっている場合もある。
佐久間 良樹(さくま よしき)
声:置鮎龍太郎
映研作品に出演する男優。映研部員ではないが、その容姿を買われて主演男優に抜擢される。周囲にはプレイボーイと噂されているが、実際はそうではなく女性には常に真剣で、相手の方が変な期待をして近付いてくることの方が多い。
高校生時代に赤坂志穂と交際していたが、姉の美月の横槍で破局。後に偶然志穂と再会した際、彼女が自分のことを覚えていないことが気になり、調査の末に真相を知る。
楠木 翔子(くすのき しょうこ)
声:白鳥由里
生年月日:3月29日、身長:155cm、体重:45kg、スリーサイズ:84/58/80、血液型:B型。
主人公と同期の新人部員。メイク担当。
四角く赤いフレームの眼鏡を掛けている。素顔でも美月や遥に引けを取らない美人だが、それを自覚してはいない。自分自身より、他人を美しくすることを第一に考えるタイプ。本当は海外での本格的なメイクの勉強を希望していたが、親に反対されて普通の大学へ通いながら日々勉強に励んでいる。番外編では、主人公と交際する展開になる場合もある。
奥手そうな外見とは裏腹に、恋愛経験については美月や遥より豊富という噂もある[6]。また、ジェノサイド編では美月によって滅多刺しにされた挙句、翔子の死体を目の当たりにした遥がその場で嘔吐してしまうほどの惨死[7]を迎える。
剛田 豪(ごうだ ごう)
声:立木文彦
主人公の先輩の映研部員。元はプロレス同好会に所属していたが、遥が撮ってくれたプロモビデオを気に入り、そのまま映研へ。バッドエンドになった場合、元ライバルで現相方の花園と共に登場し、一言アドバイスを送ってくれる。
花園 雅美(はなぞの まさみ)
声:松本保典
主人公の先輩の映研部員。剛田と同じく元はプロレス同好会に所属していたが、映研に入り浸るようになった彼の後を追ったところ、手先の器用さを買われて機材管理担当者となった。バッドエンドの際に行われる寸劇では、剛田に「うむ、その通り!」と合いの手を入れている。
森崎 真奈美(もりさき まなみ)
声:折笠愛
南西統合病院精神科の医師。才色兼備と称えられるに相応しい美女である上、精神科としての手腕も確か。美月の真相に迫る上で重要な人物。

メインスタッフ[編集]

関連商品[編集]

  • door - エンディングテーマシングルCD。SMEビジュアルワークスより発売。
  • 「ダブルキャスト」 オリジナル・サウンドトラック - 全BGMを収録したアルバムCD。SMEビジュアルワークスより発売。
  • 「ダブルキャスト」 ザ・ドラマCD - ラジオドラマをCD化したドラマCD。SMEビジュアルワークスより発売。
  • ダブルキャスト コレクターズディスク - Windows95/98対応のWindowsアクセサリー集。Production I.Gより発売。
  • ダブルキャスト アンソロジーコミック - アンソロジーコミック。ソフトバンクパブリッシングより発売。
  • 「やるドラ」攻略シリーズ ダブルキャスト公式ガイド - 攻略本。ソフトバンクパブリッシングより発売。
  • ダブルキャスト オフィシャルガイドブック - 攻略本。アスペクトより発売。フローチャートやストーリーラインの他に、赤坂志穂(美月)の精神分析や行動原理についての考察が掲載されている。
  • やるドラシリーズ 公式ディレクターズガイド ダブルキャスト&季節を抱きしめて - 攻略本。集英社より発売。
  • オフィシャル やるドラ ファンブック ダブルキャストCD-ROMスペシャルデータ集 - 攻略本+CD-ROM。ソニー・コンピュータエンタテインメントより発売。
  • ダブルキャスト 本線用台本 - 台本。予約特典として配布された。
  • やるドラ公式設定BOX - 設定資料集。マンガパックより発売。やるドラシリーズ4作品(本作、『季節を抱きしめて』、『サンパギータ』、『雪割りの花』)の原画やキャラクター設定、美術設定などが掲載されている。

備考[編集]

  • 本作以降に同じくPlayStationで発売されたやるドラシリーズ3作品(『季節を抱きしめて』、『サンパギータ』、『雪割りの花』)には本作の予告編が収録されているほか、番外編にてそれぞれの作品のヒロイン(麻由、マリア、花織)がゲスト出演するエンディングがある。
  • 後藤圭二監督を務めたテレビアニメうた∽かた』の第8話に登場する白坂美月・志穂姉妹(志穂の声優は平松晶子)は、本作の赤坂美月と赤坂志穂が元ネタ。後藤によるセルフパロディである。

脚注[編集]

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  1. ^ あくまでもコミカル演出に基く描写。
  2. ^ ゲーム発売の後年に後藤圭二が同人誌で描き下ろした短編漫画によれば、グッドエンド後は同居が同棲へ変わった上、夜は「ちゃんとくっつく」関係となった模様。
  3. ^ 色気に関しては本人の自覚以上にあるため、主人公を度々嬉しがらせつつも困らせることになる。パンチラなどのセクシーシーンも多い。
  4. ^ 実は二村。
  5. ^ そのエンドで語られる過去の事件の真相が本当の出来事なのか(正規ルートでも、語られていないだけで二村は事件の真相を知っているのか)どうかは不明だが、ここでのみ出てくる「二村の実家は定食屋を経営している」という設定は、オフィシャルガイドブックによると正史である模様。
  6. ^ ドラマCDでは悪女ぶりを披露する。
  7. ^ オフィシャルガイドブックによると「あるはずのものがなかった」と書かれており、その凄惨さを示している。

外部リンク[編集]