シュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Eon〜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Éon〜(シュヴァリエ ル・シュヴァリエ・デオン)は、冲方丁の原作を元にした、アニメ・漫画・小説で展開されている作品のことである。実在の外交官であるシュヴァリエ・デオンを主人公に、綿密な時代考証に基づく18世紀欧州の国際情勢といった歴史的事実と錬金術など体系的なオカルトが交錯する虚実ない交ぜとなった世界観を持つ。アニメ版はProduction I.G制作で2006年8月19日〜2007年2月24日までWOWOWにて放送した(全24回)。海外ではアニマックスアジア各局で放送されている。漫画版は作画を夢路キリコが担当して月刊マガジンZで連載中。文芸アシスタントとの連名で小説版を刊行。なお、アニメ版、漫画版、小説版はそれぞれ別のストーリーとなっている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] アニメ版
[編集] キャスト
[編集] 主要人物
- デオン・ド・ボーモン:泰勇気(晩年は野島昭生)
- 本編主人公。騎士道を重んじる青年。意識を失った時に、リアの魂がその体を使ったのをきっかけに、リアの魂が現世に降りる器となる。リアが乗り移っている間は、その体と意識はリアが支配し、剣の腕が上がるだけでなく、声や仕草もリアに変わる。
- 愛用のスモールソードはハンドガードやカップガードではなく、ツーハンドソードの鍔のような独特の形状の鍔を装着されている。
- 優秀な外交官として実在した人物。美しい女装を武器として成功した外交や女装の騎士の伝説を残しており、後に異性装癖(服飾倒錯)を意味する心理学用語「エオ二ズム」の語源となった。本人も男女二つの姿を使い分けていた節もあるため性同一性障害だったとする説や実は女性だったとする説もある。[要出典]
- リア・ド・ボーモン:水野理紗
- デオンの姉。殺害された後もその魂は彷徨い続け、デオンを魂の器として現世に再び現れる。剣の達人であり、同時に強力な詩人でもある。詩篇を無効化する力を行使できる。
- デュラン:成田剣
- リアを知る青年。軽薄に見えて切れ者。懐中時計と彼の体の一部には"nqm"が刻まれている。登場人物の中では珍しく、スモールソードの他にマンゴーシュを使用する(左手にマンゴーシュを持つ剣術は16世紀から17世紀に全盛であった)。実在した外交官で、史実でも優秀な外交官であった。
- ロビン:松元恵
- マリーに拾われた少年。若いながらも才覚がある。武器は銃。
- テラゴリー:佐藤晴男
- ボーモン姉弟の剣の師匠。ルイ14世の時代から、フランスに仕えている。
- 史実でもデオンの剣の師匠で、当時のパリ最強の騎士であった。
- アンナ:喜多村英梨
- デオンの許婚にしてオーギュストの侍女。彼の事を心配している。
- ルイ15世:稲田徹
- 現フランスの国王。国民からは「最愛王」と呼ばれる。
- ちなみに、ルイ15世直属の情報機関「王の機密局(Secret du Roi)」も実在していた。
- メアリー・シャロット:涼風真世
- 英国国王ジョージ3世の正妻。リアと親交があった女性。
- ブロリー:石住昭彦
- 機密局員の最高責任者でルイ15世の忠臣。「御意」が口癖。
- マリー:甲斐田ゆき
- ルイ15世の正妻。常に涼しく、神秘的な雰囲気がある女性。実在した人物。
- ベル:福圓美里
- 髑髏である謎の少女。マリーに、いつも本当の母親の事を尋ねている。
- オーギュスト:鈴木真仁
- 後のルイ16世。マリーとルイ15世の孫。アンナに懐いている。
[編集] 革命教団関連
- マクシミリアン・ロベスピエール:櫻井孝宏
- 革命教団に属している強力な詩人。元はデュランと同じくルイ15世に仕えていた。史実ではルイ16世と似たような世代である。
- オルレアン公:千々和竜策
- ルイ14世の弟。フィリップ・ド・オルレアンという名前から、フィリップ2世がモデルと思われる。EDの生没年はルイ・ド・ブルボンとルイ・フィリップ1世の親子のものを基にしている。
- サン・ジェルマン:松本保典
- 実在する、伝説的な錬金術師。カロンの上司。多くの人物に取り入っている。
- カロン:梅津秀行
- サン・ジェルマンに仕える詩人。サン・ジェルマンから詩篇を与えられることで怪力やガーゴイルを操る力を発揮する。
- ポンパドール夫人:柳沢真由美
- ルイ15世の愛人。フランスの政治を取り仕切っている。かなりの野心家。実在の人物。
- カリオストロ:小伏伸之
- 様々な身分を騙る詐欺師。詩に対する知識はある。実在の人物。
- ロレンツィア:名塚佳織
- カリオストロと共に行動をしている女性。基本的に口数が少なく、無表情。強力な詩人である。実在の人物で、歴史上ではカリオストロの妻。実在のロレンツィアは時折娼婦に身をやつしていたため、この物語でも艶な描写が多く観られる。
- フランシス・ダッシュウッド:土師孝也
- 革命教団の首魁。「地獄の火クラブ」という秘密結社を主宰していた実在の人物。
- サンドウィッチ伯爵:梅津秀行
- イギリス政府高官。史実のサンドウィッチも「地獄の火クラブ」のメンバーだった。
[編集] その他
- エリザヴェータ:田中敦子
- ロシアの女帝。リアとは面識があり、国の方針等は彼女の提案である。
- エカチェリーナ:高口幸子
- ピョートル3世の妻。エリザベータの意志を継いで、ロシアの女王となる。
- ピョートル:飯田征利
- エリザベータの甥。ロシアの玉座につこうと革命教団が提案した策略に踊らされる。
[編集] 用語
- 詩(PSALMS)
- 旧約聖書の詩篇の文章を指す。
- 詩人
- この物語において、魔術師や陰陽師に相当する存在。特定の詩を呪文のように詠唱することで様々な効果を具現化する。サン・ジェルマン伯爵が詩人であることから、この物語では錬金術師の側面が魔術師と考えられる。
- H∴O
- 「HOMME∴OPTARE」人ゆえに願い⇒人の願いの意。詩人が詩を詠唱することで人に授けることのできるバックドア的なのろいで、皮膚に「H∴O」と刻印される。アナグラムにより「METAMORPHOSE(変身)」と読めることより、詩人はこの刻印が刻まれている者をガーゴイルへ変身させたり、操ることが出来る。
- ガーゴイル
- 詩人達にH∴Oの刻印を刻まれて怪物化した人や動物達の総称。理性を失い、強力な腕力を持ち、特定のターゲットを攻撃する。
- 錬金術によって、体液が水銀に入れ替えられている。(そのため刺されると傷口から水銀がこぼれる)
- NQM
- ヘブライ語。「ナーカーム」と発音。「新しい秩序をもたらすための報復」を意味する語。機密局員であることを示す記号としてロザリオ等に刻まれる。
- 王家の詩
- 書物の姿をしており、選ばれた者しか開くことができず、手に持つことさえできない。
- 革命教団
- 多数の詩人たちを抱える秘密結社。欧州各国の中枢に息のかかった人物が存在し、広大なネットワークを持つ。
- モデルは地獄の火クラブならびにフリーメーソンと思われる。
[編集] スタッフ
- 原作:冲方丁/Production I.G
- 監督:古橋一浩
- シリーズ構成:冲方丁
- チーフライター:むとうやすゆき
- キャラクターデザイン:尾崎智美
- プロップデザイン:toi8
- 色彩設定:広瀬いづみ
- 美術監督:大野広司
- 3D監督:遠藤誠
- 特殊効果:村上正博
- 撮影監督:谷内潤
- 音響監督:郷田ほづみ
- 音楽:大島ミチル
- 制作:Production I.G
- 製作:「シュヴァリエ」製作委員会
[編集] 主題歌
[編集] サブタイトル
- フランス編
- 第1話「デオン∴リア」
- 第2話「四銃士」
- 第3話「悲憤の剣」
- 第4話「革命の信徒」
- 第5話「パレ・ロワイヤル」
- 第6話「王の騎士」
- ロシア編
- 第7話「ガーゴイル」
- 第8話「女帝謁見」
- 第9話「愛人たち」
- 第10話「王家の詩」
- 第11話「聖都の雨」
- 第12話「祖国に眠れ」
- イギリス編
- 第13話「兆し」
- 第14話「ロバート・ウッドの鞄」
- 第15話「最後の密命」
- 第16話「魂の行方」
- 第17話「メドメナムの地」
- 第18話「新世界」
- 第19話「紅に染むるまで」
- 第20話「殉ずるものと」
- フランス編II
- 第21話「名誉の代償」
- 第22話「NQM」
- 第23話「最愛なる――ゆえに」
- 第24話「言葉ありき」
[編集] 小説版・漫画版
2005年から連載が開始。設定・キャラクターの性格から、アニメ版とは大きく異なる。以下の説明については、漫画版の設定を紹介する。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- デオン・ド・ボーモン
- 本編主人公。普段はとぼけているが実際は切れ者。剣術に長けている反面、射撃の腕が凶悪なまでに無いためロビンから「射撃の腕が人並みなら竜騎兵になれたのに」と言われている(作中では200発の銃弾を使っても、的にかすらない)。普段のとぼけからサルバドールに罰則が与えられるが、全てこなしている。機密局のコードネームは「山羊」。マスペロとの戦いを経て、詩人になる事を決意した。アニメ版ではロングヘアだが、漫画版はショートヘア。
- リア・ド・ボーモン
- デオンの実姉。何者かに殺されたが記憶が無い。肩書きは「機密局の暗号解析官」,「宮廷の朗読係」,「秘密外交官」であり、詩の才女であった。デオンを魂の器とし「スフィンクス」を名乗って詩人に復讐する。影法師曰く「サラマンドラの花嫁」。最初は第4の位階であったが、戦いを経て位階が上がっている。なお彼女は実在しておらず実際は、1755年にデオンが女装してロシアにスパイとして派遣されたときに名乗っていた名前である。また「デオンの妹」として名乗っていた。
- ルイ15世
- 現国王。性格は非常に気まぐれで、デオンを悩ます。こちらでは、若々しい容姿で長髪である。コードネームは「白馬」である(因みに「まぐさ」は情報)。デオンには、龍騎兵にする約束をしているらしい。
- ロビン
- コマドリを意味するコードネームの少年。本名は「フランソワ・ドゥ・ロベスピエール」だが本人は嫌がる。武器は銃で、リアをサポートする。有能だが、非常に毒舌な所があるデオンの従士にしてリアの理解者。アニメ版ではマクシミリアン・ロベスピエールの名を受け継いだとなっているが、本作では彼の本名がマクシミリアン・ロベスピエールとなっている。
- ジャン・ル・ロン・ダランベール
- 史実では百科全書の編集者であるが、こちらでは機密局の解析官。異名は『ノストラダムス3世』である。本人曰く「科学こそ新しい信仰」。ヘビメタのような容姿が特徴。石化したガーゴイルから作った『終止符の弾丸』の製作者。
- ソフィア
- ルイ15世の愛娘。何者かに言葉を奪われ、"PALMS"しか言えなくなった(なので、ブロックを使って言いたい事を伝えている)。デオンによく懐いている。ルイは「小鹿」と称している。
- ダグラス・マッケンジー
- ロシアから帰ってきた機密局員。ロシアと結託したイギリス・オーストリア大使らにシベリア送りにされそうになったが、平気な顔で帰ってきた強固な人物。スコットランド出身。
- ネル
- リアの師であり友であった。詩人としては優秀で、死後も現世に留まった『導きの獣』として、リアの力になる。現在は猫の姿である。チェスが出来る聡明さを持つ。本名はエレネアーレ。
[編集] ガーゴイル
- ヴォーモッホ・トラン
- パリ大学出身の哲学者。最初はリアに腕を切断され逃走するが、後に止めを刺された。第1話。
- クロード
- 医学生。温厚な顔して、残忍な青年。第2話。
- ポール
- 詩人(ガーゴイル化)になりたくてなった訳でない不憫な青年(理由はPLAMSの文字が浮かんだパンを食べてしまった為)。叔父が営むパン屋で働いていた。基本的に優しい性格である。セシルの兄が他界しているにも拘らず兄に代わって手紙を執筆し、死ぬ間際に彼女に事実を告げた。第3〜5話。
- 影法師
- 詩人を導き、諭して行く謎の男。第4話から登場。
- アルマン
- オペラの指揮者。第3の位階『実践者(ホド)』のガーゴイル。リアが霊体である事に気づいた最初のガーゴイル。第8〜13話。
- アンジェ&エマ
- ポンパドール夫人を攫った双子の姉妹。アンジェはエマを庇って死亡。リアとの戦いで敗北した後、影法師によって連れて行かれた。第15〜21話。
- マスペロ
- 元瀉血医。第6の位階『略奪者(ゲブラー)』の詩人。鼠(彼の導きの獣)を使ってデオンたちを窮地に陥れたが、返り討ちに遭う。語尾に「チュー」と付ける癖がある。第23〜28話。
[編集] その他
- サルバドール
- パリ市警局長。石頭で、デオンの事を叱り飛ばし罰を与えている。
- アン
- クロードに殺された女性。浸礼派である。
- セシル
- 本名はグラン・グレイユール。父親が宮廷の錬金術師であった。兄は2年前に他界。字が書ける様になったポールに対して、読めない振りをして兄の手紙を差し出して試した。
- ポンパドール夫人
- ルイの愛人。人間離れした処理能力を持つ。フランス政治に大きな影響力を持っている。彼女の娘は謎の死を遂げており、その為か、ソフィアの事を大切にしている。リアを見かけるも、ロビンの弁舌により本人ではないと思っているが、疑念は晴れていない。ルイは「雌鹿」と称している。
- サン・ジェルマン
- 謎の錬金術師。だが、ポンパドール婦人誘拐疑惑で逮捕された。1000年以上生きているらしい。必要な食料は水と霊薬との事。胡散臭いと言う事で、ダグラスからは信用されていない。
[編集] キーワード
- 勝利の塔
- 『人の願い(オム・オプタレ:HOMMES∴OPTARE)』元、詩人が頂点のPALMSを目指す。
- 位階の名前は、第1の位階『熱心者(マルクト)』,第2の位階『理論者(イエソド)』,第3の位階『実践者(ホド)』,第4の位階『神智者(ネツアク)』,第5の位階『練成者(テイファレット)』,第6の位階『略奪者(ゲブラー)』,第7の位階『免債者(ケセド)』。
- しかしこれらは、神秘思想のカバラにおける生命の樹と対応している。
- オム・オプタレの綴りを並び替えると、『変身(メタモルフォーゼ:∴METAMORPHOSE)』となる。
- PALMS
- 意味は『詩』。第2巻にてアルマンは発音されない"S"の意味を説いた。
- 導きの獣(ア・バオ・ア・クゥー)
- 詩人1人に1匹づつ憑いている。
- リアにはネルという猫がついている
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 継続中の作品 | 出典を必要とする記事 | 作品の核心に至る内容を含むページ | アニメ作品 し | WOWOWアニメ | Production I.G | 月刊マガジンZ | 漫画作品 し | 女装作品 | 歴史を題材とした作品 | 2006年のテレビアニメ

