ヱヴァンゲリヲン新劇場版

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新世紀エヴァンゲリオン > ヱヴァンゲリヲン新劇場版
ヱヴァンゲリヲン新劇場版
監督 庵野秀明(総監督)
摩砂雪
前田真宏(第3作『Q』)
鶴巻和哉
脚本 庵野秀明
原作 庵野秀明
製作 カラー
出演者 緒方恵美
林原めぐみ
宮村優子(第2作『破』から)
三石琴乃
坂本真綾(第2作『破』から)
音楽 鷺巣詩郎
配給 カラー
クロックワークス(『序』『破』)
ティ・ジョイ(『Q』)
公開 序: 2007年9月1日
破: 2009年6月27日
Q: 2012年11月17日
上映時間 序: 98分
破: 108分
Q: 95分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 序: 20億円
破: 40億円
Q: 52.6億円
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(エヴァンゲリオンしんげきじょうばん)は、日本のアニメ映画シリーズであり、『新世紀エヴァンゲリオン』のリメイク作品[1]である。全4部作を予定しており、第1作『序』が2007年に、第2作『破』が2009年に、第3作『Q』が2012年にそれぞれ公開されている。

概要[編集]

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大災害「セカンドインパクト」後の世界を舞台に、人型兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった少年少女たちと、第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」との戦いを描いたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年 - 1996年放送)をリメイクしたものである。2006年に発表された仮称にあった「REBUILD」という語句は後にタイトルから消えたが、2007年の前編『序』までは新劇場版について(リメイクではなく)「リビルド(再構築)」という表現が作品紹介などの広報で多用された。

「ヱヴァンゲリヲン」という表記はタイトルでのみで、劇中に登場する機体は従来どおりの表記「エヴァンゲリオン」が使われる。総監督の庵野秀明をはじめ監督の摩砂雪鶴巻和哉、キャラクターデザインの貞本義行、音楽の鷺巣詩郎など、中心的なスタッフはTVシリーズと同じであり、声優も新キャラクター以外は同じである。全4部作が予定されている。当初は仮称の「前編、中編、後編、完結編」としていたが、2007年4月に序破急にちなむ「序、破、急、?」と発表され、さらに2009年6月に『急』が『Q』に、2012年11月に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:?』が『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』に改められた。

前編『序』はTVシリーズの第壱話から第六話までのストーリーを踏襲していたが、中編『破』は既存のストーリーを元にしつつ新たな機体やキャラクターが登場し、後編『Q』では序・破の14年後の世界を舞台とした全く新たな物語が展開される。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
主人公の碇シンジが父ゲンドウに呼ばれて第3新東京市に来てから、ヤシマ作戦(第6の使徒との戦い)までを描く。
公開後2日間の観客動員数は23万6158人、興行収入は2億8000万円。最終興行収入は20億円。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
旧北極基地でのマリと第3の使徒との戦いで始まり、アスカ来日から第10の使徒との戦いにおけるエヴァ初号機の覚醒(ニアサードインパクト)までを描く。
公開後2日間の観客動員数は35万4852人、興行収入は5億1218万円。最終興行収入は40億円。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
  • 副題(英題):EVANGELION:3.0 YOU CAN (NOT) REDO.
  • 公開日: 2012年11月17日
  • 上映時間: 95分
  • 映像: カラー、DCP、カラースコープ(シネマスコープ
  • 音声: 5.1ch
ニアサードインパクトから14年後の世界でのネルフとヴィレの戦いや、エヴァ第13号機によるフォースインパクトの発動を描く。特撮短編映画『巨神兵東京に現わる 劇場版』と同時上映。
公開後2日間の観客動員数は77万1764人、興行収入は11億3100万円。最終興行収入は52.6億円[2]
□ シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
  • 副題(英題):EVANGELION:FINAL
  • 公開日: 未定
タイトルの『:||』の部分は、『Q』本編終了後の予告において特に発音されていない。この記号が何を意味するものか先の予告公開時点では明らかにされていないが、楽譜五線譜)の記号では || は 曲の終わりを表し、 :|| はそれまでの部分をもう一度繰り返すことを表す。

経緯[編集]

アニメ雑誌『ニュータイプ』の2006年10月号で、『エヴァンゲリオン新劇場版 REBUILD OF EVANGELION(仮題)』[3][注 1]の制作が発表された。前編・中編・後編・完結編の全4部作の物語で、前編は2007年初夏、中編は2008年陽春、後編と完結編は同時上映で2008年初夏に公開される予定であった(前編・中編・後編・完結編のタイトルは、最終的にそれぞれ『序』・『破』・『Q』・『シン・エヴァンゲリオン:||』となっている)。庵野秀明が総監督、摩砂雪鶴巻和哉が監督を務め、新たに興された庵野の個人アニメスタジオ「カラー」が制作する。脚本は前編を庵野、新作画部分の絵コンテは前編を樋口真嗣京田知己、中編を佐藤順一がそれぞれ担当する。前編の総作画監督は鈴木俊二、作画監督は松原秀典が担当する。

今回の新劇場版は、前回のTVシリーズ及び劇場版を「旧世紀版」と呼称したいという庵野の意向により製作され、前作では明かされなかった「新たな真実」が描かれる。プロデューサーの大月俊倫によれば、時間軸はTVシリーズと同一だが、前編から後編までは旧作のフィルム映像は一切使用せず、現存する原画から新たに撮り直し、それに新画像を大幅に付け加えた作品になる。また新設定や新キャラクターも登場する[3]。完結編は完全新作となり、その終わりは企画段階の構想に近い、大団円となるエンターテイメント志向の作品になるという。また、タイトルから「新世紀」の文字が消えたのは、すでに21世紀(つまり「新世紀」)になってしまったからという理由である。

2007年2月17日、全国の主要な映画劇場において、総監督の庵野による「所信表明」を書き記したポスターの掲示とともに特報映像(文字情報のみ)が上映開始。前編である『序』は2007年9月1日に公開するほか、この時点では中編(『破』)の公開時期を2008年陽春から2008年、後編(『急』)+完結編(『?』)は2008年初夏から公開日未定と改められた。その後、中編の公開時期については再度延期され、後編と完結編については同時上映でなくなっているが、中編である『破』は2009年6月27日、後編である(『急』改め)『Q』は2012年11月17日にそれぞれ公開されている。なお、発表された庵野による所信表明文のタイトル「我々は再び、何を作ろうとしているのか?」は1995年7月にTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』が放送される前に庵野自身が発表した所信表明文「我々は何を作ろうとしているのか?」(貞本義行による漫画版第1巻に収録)に対するものである。

  • 2006年
    • 9月9日 - 『エヴァンゲリオン新劇場版 REBUILD OF EVANGELION(仮題)』の制作発表が掲載された『ニュータイプ』2006年10月号が発売
  • 2007年
  • 2008年
    • 4月25日 - 『序』(1.01) 特装版DVDが発売
    • 5月21日 - 『序』(1.01) 通常版DVDが発売
  • 2009年
  • 2010年
    • 5月26日 - 『破』(2.22) BD・DVDが発売
  • 2011年
    • 8月26日 - 金曜ロードショーにて『破 TV版』(2.02') が放映
  • 2012年
    • 11月9日 - 金曜ロードSHOW!にて『序 TV版』(1.01'') が放映
    • 11月16日 - 金曜ロードSHOW!にて『破 TV版』(2.02'')および『Q 冒頭6分38秒 TV版』が放映
    • 11月17日 - 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(3.0) が公開
  • 2013年
    • 4月24日 - 『Q』(3.33) BD・DVDが発売
  • 2014年
    • 8月22日 - 金曜ロードSHOW!にて『序 TV版』が放映予定
    • 8月29日 - 金曜ロードSHOW!にて『破 TV版』が放映予定
    • 9月5日 - 金曜ロードSHOW!にて『Q TV版』が放映予定

受賞歴[編集]

製作体制[編集]

テレビ版の原作・アニメーション制作であったGAINAX、製作のテレビ東京はこの新劇場版には関わっていない[注 2]

近年のアニメ製作では常態化している製作委員会方式もとられておらず、興行形態としては自主製作、いわゆるインディーズ映画となる。庵野秀明自身が原作・総監督・脚本・音響監督の他に出資も行う事で、原作者が権利も保持する側面を強め、自身がTV版で普及の要因を担った製作委員会方式とは異なる方式に立ち返る意図も示している[9]

Q
原作・脚本・
総監督
庵野秀明
監督 摩砂雪
鶴巻和哉
摩砂雪
前田真宏
鶴巻和哉
主キャラクター
デザイン
貞本義行
主メカニック
デザイン
山下いくと
画コンテ 樋口真嗣(新作)
京田知己(新作)
鶴巻和哉
庵野秀明
鶴巻和哉
樋口真嗣
橘正紀
佐藤順一
山本沙代
増井壮一
錦織敦史
合田浩章
小松田大全
中山勝一
摩砂雪
庵野秀明
鶴巻和哉
樋口真嗣
摩砂雪
前田真宏
小松田大全
轟木一騎
庵野秀明
作画監督 鈴木俊二(総作画監督)
松原秀典
黄瀬和哉
奥田淳
もりやまゆうじ
貞本義行
本田雄(メカニック作画監督)
鈴木俊二
本田雄
松原秀典
奥田淳
本田雄(総作画監督)
林明美
井上俊之
特技監督 増尾昭一
副監督 - 中山勝一
小松田大全
演出 原口浩 鈴木清崇(デジタル演出) 鈴木清崇(総演出)
色彩設定 菊地和子
美術監督 加藤浩
串田達也
加藤浩
CGI監督 鬼塚大輔
小林浩康
撮影監督 福士享
編集 奥田浩史 李英美
テーマソング 宇多田ヒカル
Beautiful World Beautiful World
-PLANiTb Acoustica Mix-
桜流し
音楽 鷺巣詩郎
アニメーション
制作
スタジオカラー
配給 クロックワークス
カラー
ティ・ジョイ
カラー
製作 株式会社カラー
エグゼクティブ
プロデューサー
大月俊倫 大月俊倫
庵野秀明

作品設定[編集]

登場人物[編集]

名前 登場作 声の出演 備考
Q
碇シンジ 緒方恵美 本作の主人公。エヴァのパイロット、第3の少年。
綾波レイ 林原めぐみ エヴァのパイロット、第1の少女。
アヤナミレイ(仮称) 林原めぐみ エヴァのパイロット。アヤナミシリーズの初期ロット。
式波・アスカ・ラングレー 宮村優子 エヴァのパイロット、第2の少女。
真希波・マリ・イラストリアス 坂本真綾 エヴァのパイロット。新劇場版での新キャラクター。
渚カヲル 石田彰 エヴァのパイロット、ゼーレの少年。第1の使徒、アダムスの生き残り。
葛城ミサト 三石琴乃 ネルフ戦術作戦部作戦局第一課長。のちヴィレのAAAヴンダー艦長。
赤木リツコ 山口由里子 ネルフ技術開発部所属、E計画担当。のちヴィレのAAAヴンダー副長。
加持リョウジ 山寺宏一 ネルフ主席監察官。
碇ゲンドウ 立木文彦 ネルフ最高司令官。シンジの父。
冬月コウゾウ 清川元夢 ネルフ副司令。
日向マコト 優希比呂 ネルフ本部のオペレーター。のちヴィレのAAAヴンダーのオペレーター。
伊吹マヤ 長沢美樹 ネルフ本部のオペレーター。のちヴィレのAAAヴンダーの整備長。
青葉シゲル 子安武人 ネルフ本部のオペレーター。のちヴィレのAAAヴンダーのオペレーター。
鈴原トウジ 関智一 シンジらのクラスメイト。
相田ケンスケ 岩永哲哉 シンジらのクラスメイト。
洞木ヒカリ 岩男潤子 シンジらのクラスメイト。
鈴原サクラ 沢城みゆき AAAヴンダーに搭乗するシンジの管理担当医官。鈴原トウジの妹。新劇場版での新キャラクター。
高雄コウジ 大塚明夫 AAAヴンダーのオペレータ。新劇場版での新キャラクター。
長良スミレ 大原さやか AAAヴンダーのオペレータ。新劇場版での新キャラクター。
多摩ヒデキ 勝杏里 AAAヴンダーのオペレータ。新劇場版での新キャラクター。
北上ミドリ 伊瀬茉莉也 AAAヴンダーのオペレータ。新劇場版での新キャラクター。
ペンペン 林原めぐみ ミサトのペットの温泉ペンギン。

エヴァンゲリオン[編集]

使徒」に対抗すべく建造された巨大な人型兵器。パイロットは円筒形のコックピット「エントリープラグ」に乗り、主に神経接続によって機体を操縦する。使徒と同じくA.T.フィールドを持ち、使徒のそれを中和・侵食・破壊することができる。

機体名 正式名 登場作 機体色 パイロット
Q
零号機 汎用ヒト型決戦兵器
人造人間エヴァンゲリオン
試作零号機
(※ 『破』では零号機(改)
山吹色 綾波レイ
初号機 汎用ヒト型決戦兵器
人造人間エヴァンゲリオン
試験初号機
紫色 碇シンジ
2号機 汎用ヒト型決戦兵器
人造人間エヴァンゲリオン
正規実用型2号機(先行量産機)
(※ 『Q』では改2号機
赤色 式波・アスカ・ラングレー
真希波・マリ・イラストリアス
3号機 汎用ヒト型決戦兵器
人造人間エヴァンゲリオン
正規実用型3号機
黒色 式波・アスカ・ラングレー
4号機 汎用ヒト型決戦兵器
人造人間エヴァンゲリオン
次世代試験4号機
不明 不明
Mark.04 Evangelion Mark.04 黒色 不明
仮設5号機 封印監視特化型限定兵器
人造人間エヴァンゲリオン
局地仕様仮設5号機
暗緑色 真希波・マリ・イラストリアス
Mark.06 Evangelion Mark.06 青色 渚カヲル
8号機 汎用ヒト型決戦兵器
人造人間エヴァンゲリオン
正規実用型(ヴィレカスタム)8号機
ピンク 真希波・マリ・イラストリアス
Mark.09 Evangelion Mark.09 山吹色 アヤナミレイ(仮称)
第13号機 エヴァンゲリオン
第13号機
紫色 碇シンジと渚カヲル(複座式)

使徒[編集]

第3新東京市」に来襲する謎の敵。形状や能力はそれぞれ異なるが、「コア」と呼ばれる部位があり(通常は赤色の球体)、それを破壊されると活動を停止。新劇場版では、その際に全身が血のような液体に変化する(形象崩壊)。A.T.フィールドを持ち、エヴァンゲリオン以外の通常兵器はほとんど意味をなさない。なお、新劇場版における「第11の使徒」については、『Q』までの劇中で存在が明らかとなっていない。

名前 登場作 備考
Q
第1の使徒 渚カヲル。そのほか「アダムスの生き残り」「アダムスの器」といった語句がある。
第2の使徒「リリス」 TV版・旧劇場版の第2使徒「リリス」。
第3の使徒
第4の使徒 TV版の第3使徒「サキエル」。
第5の使徒 TV版の第4使徒「シャムシエル」。
第6の使徒 TV版の第5使徒「ラミエル」。
第7の使徒
第8の使徒 TV版の第10使徒「サハクィエル」。
第9の使徒 TV版の第13使徒「バルディエル」。
第10の使徒 TV版の第14使徒「ゼルエル」。
第12の使徒 マリによると「最後の使徒」。
第13の使徒 第1使徒である渚カヲルが、碇ゲンドウの策略により13番目に「堕とされた」もの。

客演[編集]

ゲーム[編集]

スーパーロボット大戦シリーズ
ロボット作品のクロスオーバーゲーム。
スーパーロボット大戦L
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」名義で登場。
スーパーロボット大戦モバイル
クレジットが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』・『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』と、別々に表記されて登場。
スーパーロボット大戦Card Chronicle
『序』・『破』が登場。
第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇
『序』・『破』が登場。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 発表当時のタイトル表記は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』ではなく、『エヴァンゲリオン新劇場版』であった。
  2. ^ 地上波放映などの宣伝協力としては日本テレビが関わっている。

出典[編集]

  1. ^ 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 全記録全集』、434頁。
  2. ^ 「ヱヴァQ」上映終了、最終興行収入52.6億円に(映画.com 2013年4月29日)
  3. ^ a b 『ニュータイプ』 2006年10月号より
  4. ^ 第31回日本アカデミー賞優秀作品(日本アカデミー賞公式サイト)
  5. ^ 第33回日本アカデミー賞優秀作品(日本アカデミー賞公式サイト)
  6. ^ 第36回日本アカデミー賞優秀作品(日本アカデミー賞公式サイト)
  7. ^ 財団法人デジタルコンテンツ協会
  8. ^ a b 東京アニメアワード(東京国際アニメフェア)
  9. ^ CONTINUE Vol.46 (大田出版)カラー責任編集『EVA-EXTRA』公式番外編『EVA-EXTRA-EXTRA』より

外部リンク[編集]