麻雀飛翔伝 哭きの竜

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麻雀飛翔伝 哭きの竜』(まーじゃんひしょうでん なきのりゅう)は、能條純一漫画1985年から1990年まで『別冊近代麻雀』で連載された。

概要[編集]

鳴き麻雀を信条とする竜と、竜の強運を追い求めるヤクザたちの織り成す人間模様を、ナレーション風の状況説明「のちに述懐す‥」や、印象的なショットの連続で描かれた作品である。

通常、麻雀は“鳴く”と役(ハン数)が減り、手の内の一部を明かすなどの不利な側面があるが、竜は意外とも思える“鳴き”で手役を完成させていく、あるいは相手からの捨て牌で見事にアガるという、ドラマチックな展開が見せ場のひとつとなっている。

麻雀劇画の流れを大きく変えた作品であり、OVA化、川本淳市(当時:川本淳一)主演で実写化もされた。

2005年から竹書房の麻雀漫画雑誌「近代麻雀」誌上で、続編となる『麻雀飛翔伝 哭きの竜 外伝』が連載された(全9巻)。本作の10年後を描いたもので、死んだと思われた竜とおぼしき人物が登場し、またもやヤクザらの竜争奪戦が勃発、というストーリーである。

また、2003年から2004年にかけて『近代麻雀』にて連載された「覇王 Mahjong King Fighters」という漫画には(C)能条純一との表記がある「本物の哭きの竜」が登場し、おなじみのセリフや闘牌を繰り広げた。

なお作者は、麻雀のルールをよく知らないまま連載を開始した事を後に告白しており、『サルでも描けるまんが教室』において、その事を茶化されている。また喜国雅彦「まあじゃんまんが王」において、具体的にルールの間違いを指摘されている。

登場人物[編集]

声はOVA版の声優。

竜と関係者[編集]

竜(りゅう)

声 - 池田秀一

通称「哭きの竜」。本名も年齢も不明だが、連載第一回で川地、室田と対局した際に職業を訊かれ、「親の遺産で暮らしている無職」と話している(真実かは不明)。
当初は時折、対局中に笑顔を見せたり、雀荘のマスターと電話で話したりと人間らしい部分も見せており、「テツ」と呼ばれる弟分らしき人物も登場する。以降の印象は、彼を見た通行人曰く、「死人のような」やや青白い肌であり、無口で暗い。
鳴きと天性の強運により、素早く大きな役を作り出すのを得意とする。彼を知る者は彼の鳴き麻雀を戒めるが、意に介さず己の道を行く。なお、フリー打ちの雀荘では門前で戦うこともあり、その時はリーチもしていた。
常にうつむき加減で、対局中はタバコを吸い(銘柄は作者によれば『』をイメージしているらしい)、右手に火が着いたタバコを持ったまま牌をツモったり切ったりするシーンが多い。また、鳴いた牌を晒す際に牌が光るように見えると言われることが多い。また、台詞は少ないながらも名言が多い点も、竜の魅力の一つになっている。
物語の終盤、竜は外田が送った刺客に殺されたと思われていたが、生存している噂が広まった。本編から10年後の外伝では生きていた。
竜の女

声 - 安藤ありさ

竜と同居している女性。本名不明。川地のシマの(と思われる)賭場主が「川地からの褒美」として竜に与えた。当初はひたすら竜の帰りを待つだけの登場シーンだった。
物語が進むにつれて竜に対して当初は「あなた」から「あんた」へと心情の変化が見られる。
物語の終盤、竜から自由の身にして開放されたが、竜に会いたくなって竜と雨宮の対局していた雀荘の前にまで出向いたが、ヤクザに追い返されて入れず去る。その帰り道にタクシーに轢かれ、救急車で搬送中に竜の事を思いながら息を引き取る。
テツ
本名は不明。フリー打ち雀荘の客。竜のことを「兄貴」と呼ぶなど、弟分的な存在として親しいようだったが、甲斐に竜との対局を実現させるための人質としてナイフを向けられて以来、登場していない。対局中は竜の真似をして、鳴き麻雀をするが、アガった場面は無い。

桜道会関係者[編集]

甲斐 正三(かい しょうぞう)

声 - 仁内建之

桜道会甲斐組初代組長。桜道会若頭。竜に惹かれるものを感じ、その「強運」を手に入れるべく、竜に勝負を挑む。桜道会と敵対する美好一家により狙撃され、車椅子生活となる。その後も、竜を追い続けるが、竜、甲斐、丸子、桜田道造の4人で麻雀をしたあと、目の前で桜道会会長である桜田が銃撃される事件が発生する。組をあげて美好一家への復讐を行うが、そのさなかに死亡する。
石川 喬(いしかわ たかし)

声 - 内海賢二

桜道会甲斐組二代目組長であり、桜道会初代幹事長。甲斐の跡をついで甲斐組組長に就任する。甲斐と同様、竜の「強運」を手に入れるべく麻雀勝負を挑む。同じ甲斐の門下生であった本宮春樹の死がきっかけで本宮の弟の配下に襲撃され収容先の病院で死亡する。背中に夜叉刺青を持つ。
桜田 道造(さくらだ みちぞう)

声 - 細井重之

広域暴力団桜道会初代会長。竜との麻雀勝負の後、敵対する美好一家組員による銃撃を受け、入院。石川に親子の盃を与え、その後、再び竜との麻雀勝負を願いつつ息を引き取る。
川地 幸一(かわち こういち)

声 - 安田隆

桜道会川地組組長。反甲斐組勢力の代表格。ヒゲとメガネがトレードマーク。桜田道造の死後、反甲斐派勢力を率いて桜道会を脱退、幸友会を結成するが、石川の指示により殺害される。最初に竜を発見した極道。
室田 栄(むろた さかえ)

声 - 荒瀬筈見純(飛竜之章)

桜道会室田組組長で川地の腹心。川地同様、甲斐組の手にかかり死亡する。
本宮 春樹(もとみや はるき)

声 - 江原正士

桜道会系本宮組組長。本宮秋生の兄。石川とは「同じ釜の飯を食った仲」だったが、二代目甲斐組組長の座を取られたという感情から、海東武に唆され石川暗殺を謀る。自ら鉄砲玉となり出向くが石川に諭され侠としてけじめを付けるべく、竜と対局中の海東を襲撃し命と引き換えにその左目を奪う。
本宮 秋生(もとみや あきお)
本宮春樹の弟。兄:春樹を侠と慕い男を磨くが兄との確執を避ける為に甲斐正三の誘いを受け東京新宿に一家を構える。兄の死に関わった者たちに復讐する為に配下を使い石川を襲撃。竜と命をかけた対局中、和議の申し入れに現れた外田の「勝った者が全ての我が儘を通す」との提案に乗り一局勝負をするも、竜の見逃しにより外田が勝者となる。外田の希望は配下の三上信也を譲り受ける事であった。のちに替え玉の真相を知るものとして口封じに暗殺される。
三上 信也(みかみ しんや)
本宮秋生の配下。石川暗殺後に外田裕二によって石川喬の替え玉に祭り上げられる。当初は外田の策に乗っているが、密かに甲斐組系組織を抱きこみ石川喬より改名し、三上信也の名で桜道会二代目を襲名する。続編である『麻雀飛翔伝 哭きの竜 外伝』にも登場している。
外田 裕二(そとだ ゆうじ)

声 - 石森達幸

二代目甲斐組若頭。石川の死後、桜道会内外に対抗する為に三上を利用する。多くの極道が死んだのは、竜の持つ「魔性」のせいだとして、竜を倒すべく麻雀勝負を仕掛ける。対局に破れたのち、桜道会二代目を襲名した三上に(直接かは不明)暗殺される。竜との対局は最多の四回。
草野 光(くさの ひかる)
二代目甲斐組若頭補佐。外田が三上を手に入れた麻雀勝負の際、本宮秋生の配下である三上に、外田が頭を下げる場面を目撃する。その謎を解く為、竜から事情を聞き出そうと外田組が仕切る雀荘で麻雀勝負をするが、居合わせた三上に「海東と繋がっている裏切り者」との名目で射殺される。
桜田 和子(さくらだ かずこ)

声 - 巴菁子

桜田道造の妻。生前の甲斐に石川の後事を頼まれ、夫に石川へ盃を与える事を勧める。夫の死後は「本宮春樹の命を助けてほしい」と石川に訴えたり、本宮秋生と竜との対局中に「石川暗殺」の訃報を聞いたりと、本宮兄弟に絡んで登場する。麻雀の腕を「まさに哭きの竜」と夫に云わしめるほど、登場する度にアガっている。
田村 光一(たむら こういち)

声 - 田辺宏章

二代目甲斐組若頭補佐。一回目の川地暗殺を石川に命じられ、鉄砲玉による待ち伏せを決行するが、逆に川地組の襲撃に遭い未遂に終わる。翌日、飛行機マニラへ高飛びしようと空港へ向かうが、川地組の報復により車ごと炎上、死亡する。
北島(きたじま)

声 - 佐藤正治

石川が竜との麻雀勝負の為、竜を迎えに送った殺し屋。外田と共に対局に参加する。「石川に創られた殺し屋である為、石川に逆らう事はしない」との意味合いのセリフを竜にも語っているが、対局終了時に外田の配下による竜殺害を食い止める為、石川に銃口を向ける。石川に「天下を取るには竜が必要」と諭し、自らの頭部を銃で打ち抜く。
丸子(まるこ)

声 - 石森達幸

甲斐正三の義父。竜と甲斐との最後の対局に参加する。甲斐に竜と同じ「鳴き麻雀」戦法を助言する。

関西共武会関係者[編集]

海東 武(かいとう たけし)

声 - 加藤清三

関西共武会初代会長。一代で関西を又にかける巨大組織を創った巨魁。石川の桜道会二代目会長立候補の後見人を依頼されたが、以前よりあった「関東を手に入れる」という野望の為、本宮春樹を手玉に取って石川の暗殺を目論む。石川の度量を計る為(後に「雑魚を呼ぶエサ」とも話す)と称し、竜を拉致し麻雀勝負するが、最中に本宮春樹の襲撃により左目を失う。後に竜の事を「自分が唯一、殺せなかった男」と語り、竜の死を信じなかった。
美濃部 茂男(みのべ しげお)
関西共武会幹事長。海東の指示により、銃撃された石川の生存を確認する為、石川の入院先へ「見舞い」と称して現れる。その車中、側近と石川の生存を賭けるも(生きていたら、美濃部が百万円と女を2,3人払う)、三上が扮した石川の姿をベッドで確認した後、無言のまま京都へ帰っていった。側近への負け分を支払ったのかは不明。

その他[編集]

雨宮 賢(あまみや けん)
生前の本宮秋生の元で、代打ちをしていた雀士。竜を倒すべく外田に対局を依頼されるが、「自分の存在を外田がなぜ知ったのか?」を疑い、石川に扮した三上の存在に気付く。竜と対局するも最終局で竜に牌を鳴かれ、嶺上開花をされた瞬間に三上に射殺される。
竜とは対照的に「麻雀は門前で打つべき」との信条を持っており、鳴きを邪道と見ており鳴きをする者に対して厳しい台詞を言う竜のライバル的存在となっている。
続編である『麻雀飛翔伝 哭きの竜 外伝』に弟が登場している。

関連作品[編集]

実写[編集]

1995年に公開された実写映画およびビデオシリーズ。

麻雀飛翔伝 哭きの竜(1995)[編集]

キャスト[編集]
スタッフ[編集]

麻雀飛翔伝 哭きの竜2~3(1996)[編集]

キャスト[編集]
スタッフ[編集]

OVA[編集]

バンダイ版と東芝版の2作品が存在する。

バンダイ版[編集]

『麻雀飛翔伝 哭きの竜』は1988年から1990年の間に発売されたOVA作品。全3話。 

  • 麻雀飛翔伝 哭きの竜 1988年5月25日
  • 麻雀飛翔伝 哭きの竜 翔竜編 1989年4月25日
  • 麻雀飛翔伝 哭きの竜 竜狼編 1990年7月27日
スタッフ[編集]

東芝版[編集]

『哭きの竜 飛竜之章』は1991年に発売されたOVA作品。原作冒頭から甲斐組と川地組の抗争直前までを描く。

ゲーム[編集]

主人公は雨宮賢。竜との再戦を求めて作中の登場人物と二人麻雀で対戦していく。結末はゲームオリジナル。
ほぼ原作準拠。このゲームにおける竜には鳴ける牌が来やすい、カンをしたときにカンドラが乗りやすい、テンパイ時のカンで嶺上開花が決まりやすいなど原作を髣髴とさせるシステムがある。

関連ページ[編集]