ワンダーフェスティバル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ワンダーフェスティバル(Wonder Festival)は、造形メーカー海洋堂の主催する、世界最大のガレージキットイベント。略称は「ワンフェス」「WF」。

東京都立産業貿易センター(現在の浜松町館)、東京国際展示場(東京ビッグサイト)を経て、現在は幕張メッセを会場に年に2回(主に2月・8月)行われている。マスコットキャラクターは水玉螢之丞デザインの「ワンダちゃん」と「リセットちゃん」(2001年夏〜)及び「メッセくん」(2009年夏〜)。

概要・歴史[編集]

ワンダーフェスティバルはガイナックスの前身であるゼネラルプロダクツによって、1984年12月にゼネラルプロダクツ大阪2号店で行なったプレイベントに始まる。以降1992年冬までをゼネラルプロダクツが主催した。1992年夏からは海洋堂が主催を引き継いでいる。

プロ・アマチュアを問わない原型製作者の手に由るガレージキット、模型、造形物の展示・販売を主目的とするがフリーマーケットコスプレイヤーコスプレ等も行われる。近年では企業とタイアップイベントを行なう等、商業的色彩も強くなった。

アマチュアによるガレージキットの展示販売の分野では最大のイベントであるほか、コスプレイヤーにとっても重要なイベントと認知されている。運営者の方針で、他のイベントでは危険その他の理由で禁止される事の多い長物や模造刀やモデルガンの携帯が許されている等、規制が比較的緩いためである。中にはガレージキットのイベントではなくコスプレのイベントだと思い込んでいる人が、「どうしてガレージキットなんて売っているのか」と不思議がるという逆転現象さえ見られる。これについて模型ファンの側からは批判も多い[誰によって?]

また近年PVCコールドキャスト等による塗装済み完成品フィギュアが大量に発売されており、発売元がワンダーフェスティバルに参加し「ワンフェス限定版」等と銘打った完成品フィギュアを発売する例が多くなっている。このことが「完成品フィギュアは購入するがガレージキット購入・製作には興味のない層」の参加増を招いており、ガレージキットの地盤沈下が懸念されている。ガレージキットとして販売されたフィギュアが後に完成品として販売される例も増えており、このことが地盤沈下に拍車をかけているとの見方もある[誰によって?]

後述するエスカレータの事故に際して、NHKの報道では「手作り模型の展示販売会」となっていたがTBSの報道では「秋葉系同人誌イベント」として紹介されており、マスコミの中でもその認識がさまざまである。また、フジテレビは、翌日の「情報プレゼンター とくダネ!」で、「フィギュアの展示販売」と報道したものの、「(開催期間が)二日間」「著作権フリー」という誤ったコメントも放送された。

当日版権システムの発明[編集]

当日版権システムは、このワンダーフェスティバルによって編み出された。以前は『機動戦士ガンダム』関係の当日版権も許諾されていたが、1992年にバンダイ出版課とホビージャパン社によるジャパン・ファンタステック・コンベンション(通称:JAF-CON)が始まるとガンダムの版権は次第に許諾されにくくなり、現在ワンダーフェスティバルにおいてはほとんど許諾されていない。ガンダム関係のガレージキットの当日版権が許諾されるのは、ほぼキャラホビ C3×HOBBYのみに限られている。 ただしバンダイが版権管理していない2次創作的な作品等においては一部許諾されている例もある。「ガンダム・センチネルの版権問題でのトラブル」によるというのは俗説であり、「モデルグラフィックス」などを通じて和解が成立している。

2度の休止[編集]

リセット宣言[編集]

2000年夏の開催終了時のアナウンスにおいて、開催形態の変更あるいは開催終了を示唆する発表が行われ、同年9月の「モデルグラフィックス」誌上において、海洋堂が参加ディーラーへの問題提起として開催を取りやめる「リセット宣言」を発表[1]し、2001年冬の開催が休止となった。しかしその次の開催(2001年夏)から再開された。

なお、マスコットキャラクターの「リセットちゃん」はこのリセット宣言に由来する。

エスカレーター事故[編集]

2008年8月3日に開催された「ワンダーフェスティバル2008[夏]」の入場開始時、東京ビッグサイト西ホールの1階と4階をつなぐ上りエスカレーター日本オーチス・エレベータ製)に定員以上の人が乗車したことにより、突如下降し10人が怪我をする事故が発生したが、イベント自体はそのまま続行し、閉幕を迎えた。ちなみに、事故の一部始終の映像が視聴者によって撮られ、2012年12月30日TBSの「報道の日2012」第2部で放送された。

エスカレーターは法令上エレベーターと違い定員は表示義務がないが、建築基準法施行令第129条の12第3項により積載荷重下限が定められている。ニュースでは1ステップに平均3人前後乗っていたと主張されている[2]が、事故発生時エスカレーターに乗っていた岡田斗司夫は自身のブログの中で「エスカレーターに殺到しておらず、皆整然と静かに乗っており、1ステップに3人も乗っていない」と証言をしており[3][4]、意見の食い違いがみられる。

また、東京ビッグサイト側は主催者側に対して「乗客が殺到する危険性」について説明と指示を行ったとしているが、主催者側は「そういった説明はなかった」と回答[5]、この点でも当事者間の意見の食い違いがおきている。

この事故の影響で、東京ビッグサイトのエスカレーターの一部が事故原因調査や点検等のため使用不可となり、特にコミックマーケット74においては事故機を含む大型エスカレーターが安全上の理由から閉鎖され、他のエスカレーターでも乗員制限を厳密に行うなど、事故後に東京ビッグサイトで開催された各種イベントに影響を及ぼした。また、大型エスカレーターはコミックマーケット75以降も使用を停止している。

また、次回に開催予定だった「ワンダーフェスティバル2009[冬]」が事故原因調査の関係上、当初は開催延期とされていたが、当日版権申請の締め切り設定などスケジュール上困難となる要素が発生していることから、2008年10月10日に開催の中止が正式に発表された。このため、2009年2月22日幕張メッセで開催された「トレジャーフェスタ」が「2009[冬]」の事実上の代替イベントとなった。

幕張メッセでの開催[編集]

主催者側は公式ホームページにおいて、「2009[冬]」は中止としつつも、イベント自体については早期再開への意志を示していたが、エスカレーター事故の原因調査が終わらない中、「今回の事故を反省し、秩序あるイベントの開催」を目指す主催者側と「参加者の無秩序ぶりを改善するのは難しい」と懸念する東京ビッグサイト側との調整も難航したため、「2009[夏]」は幕張メッセに会場を移して2009年7月26日に開催されることが決定[6]。その後予定通りに開催された。幕張メッセに移したことに伴い、成人向けサークルは隔離され、19歳以上[7]のみ入場できる構造になっている[8]

近年では、入場と同時に目的のブースへダッシュする参加者や、入場時に既に会場内にいるというディーラー参加者の特権を悪用し、誰よりも早く企業ブースの限定販売品を手に入れようとする「ディーラーダッシュ」を抑制する目的で、開場から10分間はフロア間の移動をある程度制限するなど、マナー向上を目指したさまざまな試みを行っている[9]。また、徹夜組を禁止し、入場の際には始発電車で来た入場者との優劣を付けない形で入場するようにしてきたが、このことが「始発列の先頭が徹夜組の最後尾より有利になる」という誤解が生じ、徹夜組が始発到着組と装うために、始発電車が到着する時間帯に海浜幕張駅の改札周辺に人が殺到し、安全性の確保と混雑緩和が必要となった。このため、2011[夏]より優先入場できる特別整理券「ダイレクトパス」の発売を行っている[10]

2011[夏]は、3月に発生した東日本大震災の影響を大きく受け、版権元・ディーラー双方の連絡が取りづらくなった状況を鑑みて、海洋堂による当日版権受付を中止することが3月22日に発表された[11]。この措置を受けて、版権元が自ら当日版権の許諾申請受付を行っている、または特例としてこの回のみ版権フリーにする措置をとっている[12]

2013[冬]以降のディーラー参加申請はオンライン化が進められており、ワンダーフェスティバル公式サイトにてIDを取得後に「当日版権取得の手引き」を読みながら版権申請を行うようになった。これによって前回許可された版権のコードがすぐに探せるようになり、参加申込みがしやすいシステムとなった。

関連項目[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ あさのまさひこ インタビュー・文「「ワンフェスリセット宣言」の全真相」 大日本絵画『モデルグラフィックス』2000年11月号 No.192 p46~p52
  2. ^ 【エスカレーター事故】乗りすぎが原因か 1ステップに3人(MSN産経ニュース, 2008年8月4日)
  3. ^ 証言;ビッグサイトのエスカレーター事故について(レコーディング・ダイエットのススメ, 2008年8月3日)
  4. ^ エスカレーター事故「3人乗ってた」に岡田斗司夫反論(アメーバニュース, 2008年8月5日)
  5. ^ エスカレーター事故 主催者、制限せず「施設の説明なし」(MSN産経ニュース, 2008年8月8日)
  6. ^ 次のワンフェスは幕張メッセで 7月に開催決定(ITmedia News, 2009年2月19日)
  7. ^ 18歳が入場できないのは高校生が含まれるため
  8. ^ これは社会的情勢といった理由だけではなく、幕張メッセにおける同人誌即売会での事例(コミックマーケットなど)や、それによる会場側の要請なども関係している。
  9. ^ ワンダーフェスティバル2011[冬]のガイドブックより。
  10. ^ ワンフェスに「ダイレクトパス」登場!!
  11. ^ 夏のワンフェス、当日版権受け付けを中止 震災の影響で,ITmedia,2011年3月24日
  12. ^ ワンダーフェスティバル2011夏 当日版権受付企業リスト,グッドスマイルカンパニー,2011年4月7日

外部サイト[編集]