ラジコン模型自動車

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ラジコン模型自動車によるレース
タミヤサーキットのオンロードコース(静岡市駿河区

ラジコン模型自動車(ラジコンもけいじどうしゃ)またはRCカー(アールシーカー)とは、RC装置(ラジコン)によって遠隔操作する模型自動車である。

概要[編集]

ラジコン模型自動車は、玩具として販売されるトイ用とホビー用の2段階に分けられる。トイ用は玩具店などで販売され、主に子供を対象としたものである。組立や部品交換が不要で、購入後すぐに走行が可能である。一方、ホビー用は大人の趣味用であり、組立や分解整備が必要となる。世界各国でレース競技が行われ、世界選手権も開催されている。

トイ・グレードRC車[編集]

「トイ」または「トイ・グレードのRC車とは、完成車で、量販店や家電店に並んでいるものである。俗に「トイラジ」と呼ばれる。一般的には子供用玩具である。

トイRC車の利点[編集]

安価であることが最大の利点で、ホビー級の入門車に比べて5,000円から10,000円程度で、廉価である。操縦は容易である。速度は30km/h以下で、多くは15 - 25km/hである。走らせるまでの段取りも、ホビー級のうちで最も簡単なRTR車より容易である。また専用充電池を使用しない為に、必要なものは乾電池や充電用の家庭用電源のみという事が多い。

トイ級の車の多くは実車のスケールモデルである為、ホビー級のスピードレース専用車両には付いていない細かい付属装置、たとえば速度競技に不要なヘッドライト警笛ドアフッド内装などが実車のように装備され、作動する。中にはラジオスピーカーのような音響システムを搭載するものもある。トイRC車の車種は限りなく拡大され、普通車やトラックはもちろん、戦車ブルドーザーモーターサイクルなどの形式・設計の車に及んでいる。ラジドリの流行やトラックモデルのように、ホビー級の車に実車と同じ付属装備を装着し楽しむ愛好家も多い。

トイRC車の欠点[編集]

トイRC車の欠点は、コストダウンの為に設計や構造が簡素で、性能はホビー級より悪く、スペア部品があまり無い点である。サスペンションは全く付いていないか、付いていてもきわめて初歩的な形式である。

RCシステムについても同様で、ステアリング操作はプロポーショナルではなく、「右いっぱい、中立、左いっぱい」の3つの舵角しか取れない、スロットルも、「停止」、「全速力」の2つだけなどの単純なものが多い。また走行性能も低い。

大部分の車が、非力な小型モーターを安価なアルカリ電池ニッカド電池で駆動しているため、最高速度は15 - 25km/h程度で、短時間で電池交換を必要としていたが、小型・軽量・強力なリチウムイオンポリマー二次電池が使われるようになると、バッテリーの状態の表示灯も付き、性能は向上した。

通常、トイRC車の走行は、オンロードに限られている。オフロード的な外見であっても、実際には満足に走れない。トイRC車の寿命は、壊れるまでで、修理は難しく、補修部品はほとんど売っていない。車に付属している取替え部品は、電池と充電器ぐらいで、主要取替え部品を揃えたメーカーは極めて少なく、納期も長い。トイRC車の操縦装置は、ホビー級のように標準化されていない。

ホビー・グレードRC車[編集]

基本的にホビー・グレードRC車は、キット車と呼ばれる組み立てキットの状態で販売されている。これらには未組み立てのシャーシキットのみのシャーシキットと呼ばれるものと、それに対応するボディー・モーターが1つ付いた状態で1商品となる組み立てキットと呼ばれるものに細分される。RC装置、スピードコントローラーは付属していないため、初めて購入する場合はこれらを別途用意する必要がある。販売店によっては組み立てキットにこれらをセットとして販売する場合もある。またメーカーによって走行に必要な装備を全てセットにしたRTR (ready-to-run) と呼ばれる商品も発売されている。

ホビー・グレードRC車には多くのオプションパーツが製造メーカー及びサードパーティーから用意されており、その種類・値段も多岐に渡っている。多くの場合は、RC車そのものの性能向上やカスタマイズ能力の追加が目的となっている。アニメの車を再現したりデコレーションを追加するために用意されているパーツも存在する。

近年、ホビー・グレードではあるが、手間をかけずにすぐに走らせることが出来る「RTR(レディー・ツー・ラン)」RC車が、タミヤ等の有力メーカーから発売になっている。これは、ボディ塗装・RC装置組み込みを必要とする半完成品の「ARTR(オールモストRTR)」車でも手間を惜しむファンに受けている。RTR車は、バッテリーを購入して(バッテリー・充電器がセットされた商品も多い)装着する以外の手間が全く無いかほとんど必要ない状態となっており、多くの場合、車体は塗装済みで、トリムも設定済みとなっている。

現在、様々な乗用車や競技用トラックがRTR車として販売されており、多くはローエンドキット車のシャーシを組み立てて販売されている。RTR車の購買層の拡大に伴い、メーカーはそのファンを上級版のキット車に取り込む努力をしている。

動力[編集]

動力は、電動内燃機関に大別される。電動車は、小型で強力な、ブラシ型またはブラシレス型モーターで駆動され、電源充電式のニッケル・カドミウム電池ニッケル水素電池リチウムイオンポリマー二次電池である。大部分の小型内燃機関搭載車は、メタノールを主体とした、ニトロメタンオイル(ひまし油、鉱物油および合成油)の混合燃料を使い、「ニトロ車」と呼ばれる。超大型車は、芝刈り機等と同じ混合ガソリン燃料の小型汎用ガソリンエンジンを使う。ニトロ車とガソリン車を「燃料車」と総称する。電動車・燃料車ともに最高水準のものは高度の技術と、高額な費用を必要とする。

電動車[編集]

電動車の場合、動力となるモーターの回転をコントロールするスピードコントローラーは、機械式(接点式)と電子式の2つに大別される。直流式モーターの場合、モーターに供給する電力を調整することで速度を調整され、送信器のトリガーまたは操縦桿の位置に比例し、トリガーまたは操縦桿の移動量を中立位置から大きくするほどモーターの回転数が高くなる。

機械式のスピードコントローラーは、抵抗器端子を組み合わせたスイッチをサーボで切り替えることで、モーターにつながる抵抗の抵抗値を変化させて電流を増減しモーターの回転数を調整する(抵抗制御)。この方式は反応が遅く、抵抗の発熱によって効率が低下する傾向がある。また、汚れやすく、作動が間接的で、微妙なブレーキ操作がやり難い。この方式では非常にコストを抑えられるというメリットがあり、また古くは実質的にこの方法しかなかったため、旧型ホビー・グレード車や入門向けモデルに採用されることが多かったが、電子式スピードコントローラーの低価格化により、採用される例は殆ど見られなくなった。機械式スピードコントローラーが採用されていた旧来の製品が再発売される時も、電子式スピードコントローラーの使用が指定される場合が多い。

電子式の場合、MOS-FETを利用した電子回路によってPWM制御(チョッパ制御)をすることで、時間当たりのにモーターに供給する電流を調整してスピードコントロールを行う。電子式の場合は機械式と比べると、速度が段階的ではなく連続的にコントロールが出来ることに加え、さらに多くのスピードコントローラーではモーターを電磁ブレーキ化できるので、スムーズに速度コントロールをすることができる。

従来、電動車は直流式ブラシ型モーター(永久磁石界磁形整流子電動機)を搭載していたが、技術進化でRCカー用に転用可能となったブラシレス型モーターのほうが高出力でメインテナンスも簡単である。モーターは回転数あるいは「Kv」で格付けられている。Kv数値は「1ボルトあたりの回転数」を示す。駆動システムの出力性能は、使用バッテリーの性能に依存する。ブラシレス型モーターは強力であるので、超大型トラックや1/8縮尺バギーなどを電動車に改造するときにも利用される。

燃料車[編集]

燃料車は、スロットルにサーボを接続し加・減速を操作する。サーボをある方向に回すと、キャブレターの中のスロットルが開き、混合気の吸入量を増やす。サーボを逆に回すと、スロットルが閉じられブレーキシューが押し付けられて摩擦を起こし、ブレーキがかかる。一般的な構成では、エンジンからの1次減速軸に作用するため、2輪駆動は2輪に、4輪駆動車は4輪が制動される。ニトロ燃料車のエンジンの排気量は0.12 - 0.35立方インチ(2.5 - 5.8立方センチメートル)のものが多い。もっと大きな規格外エンジンも生産されているが、用途は公式競技以外であり、規則に関わり無く使用されている。エンジンの大きさは競技クラスによって決められる。1/10縮尺の競争車は、オンロード、オフロードともに0.12 - 0.18エンジンを使う。1/8縮尺では0.21 - 0.32エンジンである。ガソリン燃料車のエンジンは、小型汎用ガソリンエンジンを流用し、世界選手権が0.023リットルで行われているため、0.025リットル前後のものが多い。

ニトロ燃料車[編集]

ニトロ燃料車は、標準の状態でも電動車よりも速い場合が多い。最大出力は、エンジンの回転数が中速と最高速の間で発揮される。スロットルの反応は、電動車より鈍い。電動車は瞬間的にトルクを発揮するが、燃料車は遠心クラッチを採用していることが多いため、実車のクラッチ接続時のようにもたつく。ニトロ車など燃料車は、数秒の給油によって直ちにレースに復帰できるが、電動車はボディーを外してバッテリーの着脱を行なわなければならない。燃料車は完全な空冷式になっていて、冷却するための中断をせずに連続走行できるが、長時間の連続走行では冷却が追いつかずオーバーヒートを起こしやすい。ニトロ車は、平均的には電動車より大きい。電動車が高性能を発揮する大きさは1/10縮尺以下である。但し、両車種に同縮尺のものもある。2013年現在リチウムイオンポリマー二次電池ブラシレスモータの普及により、1/8縮尺においてもニトロ燃料車と電動車の差は無くなり、条件によっては電動車のほうが高出力となる事も多い。

ニトロ車の主流は2サイクル・エンジンであり、エンジン音が実車に似ていることは、電動車にはないニトロ車の魅力である。但し、排気中の油が車体に付着し電動車よりも汚れやすく、変成アルコールなどの溶剤コンプレッサーで吹き付けて、たびたび清掃を行なう必要がある。ニトロ車はエンジンが直立し、大きな放熱器が高い位置についているため重心が高くなり、ロールが大きくなるという問題を抱えている。この問題を解決しようとエンジンを横に倒した商品が発売されたが、放熱の問題を解決することができず、一般化することは無かった。

ニトロ車は、RTR車の様な初歩的なものでも、エンジンを調子よく回し続け、燃費を抑え、エンジンの磨耗や過熱を防止するために、燃料と空気の比率を調整することを習得しなければならない。

基本性能が高く、長時間の走行を行なうために、ニトロ車の機械的な損耗は電動車よりも大きい。加えて、高速で重量が大きいために衝突のときのダメージは大きい。従って、強度面に配慮されている。ニトロ車は、大きな出力に起因する応力に対抗するために、丈夫に作られている。

ガソリン燃料車[編集]

ガソリン燃料車は、「燃料車」、「ガソリン車」などと呼ばれ、ガソリンとオイルの混合燃料を使用する。主流が1/5縮尺と大きいため、ニトロ車・電動車に比べて高価である。大型であるので、走行場所も広大になる。ニトロ車や電動車と比べて最高速度は特に高くは無く、強力ではあるが燃料はさほど消費しない。

また、ニトロ車のアルコール燃料は、模型エンジン用の専用品を用いるため高価であり、30000rpm以上の高回転で多用されるため、ニトロエンジンの寿命は短い。それに対し、ガソリンエンジン車の燃料費用は自動車用のガソリンを流用するためにそれほど高くない。エンジンの最高回転数も10000rpmにも満たないため、ニトロ車に比べ寿命は長い。2000年代以降は、ヨーロッパで大縮尺のスケール車に人気がある。中にはミニチュアのV12エンジンを使用する猛者も存在する。

追加部品[編集]

RC模型自動車を走行させるために、一般に追加部品を必要とする。

電動車では、走行動力用としてのバッテリーが必要。車載電子装置の電源は走行用のバッテリーと共用されることが多い。

ニトロ車では、アルコールを主成分とした燃料。車載の電子装置の電源として、単3型の乾電池または6ボルトのバッテリーパック。エンジンを始動するための、プル・スタート装置、スターター・ボックス、バッテリー駆動のロトスタートなどエンジン始動用具。グロープラグと、それを赤熱させるための電源が必要。

ガソリン車ならば燃料用ガソリン。混合潤滑用オイルスパークプラグ。車載電子装置用の電源(SubCサイズの充電式電池が主流)が必要。

RTR車は、走行に必要な装備品が全て含まれ、最低限の調整済みの状態で出荷されるから、そのままで走行を楽しむことができる。しかしながら、部品の緩みの検査は必要で、取扱説明書にもそのように記されている。さらに、レースでの良好な性能を発揮しようとするならば、性能向上の為の部品に交換が必要になり、調整出来る範囲も少ないために、キット車を購入した方が労力が少ない。

キット車、半完成車の場合、組み立てと調整は所有者が自分で行なう必要があり、RC装置やエンジンも自分で買うことになる。

ホビー級のRC車では、送信器の電源として単3型乾電池を使うことが多いが、上級機種では充電式のバッテリーパックが一般的。

ホビー級RC車が登場すると、それを追って製造メーカー、サードパーティーから改良版の部品が発売される。改良の幅は、寿命の延長から全体的な性能向上、性能に関係の無い外観を変更するための部品まで多岐にわたる。

作動の原理[編集]

全てのRC車は、共通する操作・作動システムを利用している。まず、操縦者の手に送信器が必要である。操作形式としては、2本の操縦桿を使いそれぞれの操縦桿で速度と方向を操作するスティック式と、ピストル式トリガーで速度を操作し、丸いハンドルを回して方向を操作するホイラー式の2つがある。次に、車載された受信機が必要である。受信機は送信された信号を受けて、適当な電気信号に変換し、それを操作装置に送り出す。

RC装置は、送・受信機間の伝達にAM方式を利用している。進歩した装置では、より信頼性のあるFM方式やPCM方式を使っている。これらの方式は水晶振動子を交換することにより周波数を変更することを可能とし、同時に複数台の走行を可能とした。スペクトラム拡散方式を用い、水晶振動子の交換を不要とした装置により、ホビー級に於いてはスペクトラム拡散方式が主流となっている。

受信機は送信機からの情報を受けて、接続されているサーボ、あるいは電子式スピードコントロール装置に電気信号のパルスの幅を変えた信号を送出し、速度調整や操舵を行なう。パルスの継続時間によって、電子式スピードコントロール装置が動力モーターに送る電流を増減し、サーボの角度を操作・決定する。車種によっては前進・後退も切り替えられる。

ステアリング機構に接続されているサーボは、回転しタイヤの向きを機械的に変更する。サーボと車輪の間は、ターンバックルによって接続され、長さが調整できるようになっている。また、この接続にはサーボ・セーバーと呼ばれるフレキシブルな部分があり、車輪などにかかる衝撃を吸収して、サーボの歯車を保護している。

日本ではproportionaisystem以外の送信機もプロポと呼ぶ。

歴史[編集]

模型自動車競走の始まり[編集]

小型のニトロメタン燃料のエンジン(グロー・エンジン)が市販されるようになったのは、1940年代である。模型自動車を操縦する能力が芽生えたのも同様と言える。

初期の商品[編集]

淘汰されずに生き残り、後世の成長の元になった初期のRC車は、1960年代中頃に出現した、イタリアのRoggio EmiliaのEl-Gi (Electronica-Giocattoli) 社のものである。最初は1/12縮尺のフェラーリ250LM車で、イギリスでは1966年12月にロンドンで、「Motor Books and Accessories」輸入のものが、1967年初めにはスワンシーのAtkin's 模型店経由のものが購入できた。El-Gi社は、1967年初頭のミラノ・トイ・フェアに、1/10縮尺のフェラーリP4車を出品している。

1968年後半には、イギリス・レスターのMardave社が、RC車の商業生産に成功している。グロー・エンジン車で、1970年には一部地域で販売された。

1970年代には、アメリカの小企業がRC車に参入した。これらは、元はスロット・レーシング車のメーカーで、それが衰退したのでRC車の分野に鞍替えしたものである。このグループには、Associated Electrics,Thorp,Dynamic,Taurus,Delta,Scorpionの各社がある。このグループの初期のキットは、1/8縮尺のニトロ燃料車(当時は「ガス」と呼ばれた)で、アルミ・パン構造であった。エンジンは0.21立方インチ以下で、K&B、Veco、McCoyが多かった。ボディーはポリカーボネート製で、Lexan社の製品が多かった。この種のRC車の競走を初めて組織・裁定した団体は、Remotely Operated Auto Racers (ROAR) である。

1973年 - 1974年にかけて、ワシントン州のJerobee社がCox049エンジンを使った1/12縮尺のニトロ燃料車を製造した。この車のために、後発メーカーがLexanの透明ボディー、ヒートシンク、大容量の燃料タンクなどの付属部品を製造・供給した。1976年 - 1977年になると、Associated Electrics社がRC12Eを発売し、1/12縮尺車の電動レースを始めた。Jerobee社もJomac社になり、独自の電動車キットを製造した。

電動車の発展[編集]

1970年代末になると、1/12縮尺の電動車レースの人気が、1/8縮尺燃料車同様に高くなった。当時は競技クラスが1つだけであったので、冬の競技シーズンを通して異質な両車が混走せざるを得なかった。そのために「ウインター・ナショナル・シリーズ」が発足成長し、自作車が多数登場した。

1976年にはタミヤが、精密な外観を持つプラモデルをベースとした1/12サイズのポルシェ・934のキットでRCカーに参入した。そのシリーズは高度に細かく模型化されていたが、機構的にはシンプルなオンロード車であった。RC用として販売されたシャーシキットは、高価ではあったが、発売後1年間で10万台以上の売上を記録し爆発的に売れた。また、走行させるために必要なRC装置も同様に売れた。タミヤは、続いてもっと機能的なRCカーを作り始め、本格的なサスペンションの付いた最初の電動オフロード車「コンバットバギー」を販売した。RCカーの新分野であるオフロードへの進出の始まりで、RCカーは舗装路面でなくても走れるようになり、ファンの人口を急増させることになった。タミヤ最初の本格的オフロード車は1979年発売の、バギーチャンプワーゲンオフローダーで、レーシングデューンバギーの形を正確に再現している。タミヤは、実車のように機能するサスペンション、強力なモーター、トレッドパターンの付いたオフロードタイヤなどを装備した、デューンバギー系の各種のオフロード車ラインナップを増やしていった。さらに、実物通りの3速ギヤ、リーフ・スプリング・サスペンションを装備した、トヨタ・ハイラックスも生産した。これらの車は、実物感、耐久性、簡単な組み立て、改造や修理が容易などの特徴があり、1980年代前半に広く普及してブームを作り、現在のRCカー市場の基礎となった。

大量に売れたタミヤ車の中には、デューンバギー系のグラスホッパーホーネット、巨大トラックのブラックフットやクラッドバスターがある。タミヤの初期のRC車は、クラシックRC車の収集家の間では高い人気があり、未組立状態の美品は30万円以上の高価格で取引されることも珍しくない。このような人気に応えて、タミヤは2005年以降に多少の変更点のある復刻版を出している。

イギリスのSchumacher Racing社は1980年に初めて、多くの路面状況に対応できるLSD効果のある調整式のボール式差動装置を開発した。当時は、大部分のオンロード車の駆動軸は差動装置が付かない固定式であり、オフロード車はLSD効果の無い歯車式の差動装置を使っていた。Associated Electrics社は、1984年にRC10レーシングバギーに追随し採用した。(後記)

1991年タミヤがオフロードバギーを基に、実車に近い縦横比のボディ・リアルなゴムタイヤ・4輪独立サスペンションを装備したオンロード車「ニッサン スカイラインGT-Rニスモ (TA01)」を発売した。当時のオンロード車は競技志向が強く空気力学的に有利になるような実車とはかけ離れた形のボディ、軽量且つ効率を高めるための簡素な構造のサスペンションが主流だったなか、実車の雰囲気を良くあらわしている当製品は画期的だった。後に他社からも同様な構成の製品が多数発売され、バギーブーム以来のRCカーブームが訪れる。4輪独立サスペンションを採用し、リアルなボディ、ゴムタイヤを用いるオンロードカーは、ツーリングカーという新たなジャンルを確立し世界選手権も行われるようになった。

RC競走車の進歩[編集]

オンロード燃料車[編集]

1970年にAssociated Electrics社より発売されたRC1は高品質な航空機用アルミニウム素材、シンプルな構造により従来の車両と比較し圧倒的な高性能を誇り、以後サスペンション装備車が開発されるまでの約10年間、1/8縮尺競争車の標準規格となる。

1982年京商より発売されたファントム20EXP4DWは前後駆動軸をチェーンで連結し、旋廻時に前輪に発生する回転差をワンウェイベアリングにより解消する4輪駆動システムを装備し、現在の駆動形式の基礎となる方式を初採用した。

オフロード電動車[編集]

1984年に、カリフォルニアのAssociated Electrics社はRC10オフロード電動バギー車を販売した。この車種は、同社の従来のニトロ燃料のオンロード車とは別系統になる。当該車のシャシーは航空機級のジュラルミンで作られている。ショックアブソーバージュラルミンから機械加工された油圧式で、調整が出来る。サスペンションアームと3分割式のホイールは、耐高衝撃型ナイロンで作られている。RC10の車輪と動力伝達系には、オプション部品としてメタル・シールド式のボールベアリングが使われる。改良型のボール式作動装置は、硬化した鋼鉄リングでボールを挟み込むことで作動機構を構成し、路面状況に対して調整できる。旧来製品に対し大幅な性能向上を果たしたRC10は、電動オフロード競走種目の主流を占める存在になり、以後20年以上にわたり2輪駆動のオフロード電動バギー車は、RC10の基本構成を踏襲している。

1986年に、Schumacher Racing社がCAT(Competition All Terrain: 全路面競技)車を発売した。当時の最良の4駆オフロードバギーレーサーといえる。CAT車は、1987年のオフロード競技の世界選手権において、広坂正美による操縦で優勝を勝ち取った。当該車は、電動オフロード競走を4駆に指向させるきっかけとなった。

カリフォルニアで結成されたTeam Losi社は、バギー車JRX-2を開発し、当時も存続していたAssociated Electrics社と対抗していた。最初の全天然ゴム製のタイヤ、最初のアメリカ製4駆バギー、新規格の1/18縮尺Mini-T型オフロード電動車などを開発した。

AssociatedとLosiはアメリカの市場に大きなシェアを持つに至ったが、2駆のオフロード競走車の分野では、テキサス系のTRAXXAS社(T-MAXX規格、REVO3.3規格)ならびに日本の京商社も人気があった。他方、ヨーロッパでは依然としてSchumacher社のオフロード車に人気があった。

動力[編集]

電動・内燃エンジンの両動力は、長く並立してきた。電動モーターはブラシつきのモーターをニッカド電池で回す時代から、ブラシレス・モーターをリチウムイオンポリマー2次電池で駆動するように進んだ。他方、内燃エンジンは大型化が進み、0.32エンジンを巨大なトラックに装備するようになった。

脚注[編集]

外部リンク[編集]

国内車体メーカー(ホビー・グレードRC車)[編集]