模造刀

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模造刀(もぞうとう)とは、金属で作られ、かつ、に著しく類似する形態を有するもの[1]を指す。 狭義では、内閣府令[2]で定める模造刀剣類のうち、前文の要件を具備するものをいう。 広義では、日本刀を造るための伝統的技法や材料が使われていないもの、及び、儀礼刀などの刃が付けられていないものが含まれることもある。

目次

[編集] 法的定義

銃砲刀剣類所持等取締法(以下、銃刀法という)第二条に刀剣類[3]は定義されている。 模造刀剣類は定義されていないが、同法 第二十二条に明記[4]されていることから、実質的にこれが模造刀剣類の定義となる。 銃刀法や、本来これを補完すべき内閣府令に、刀剣類や模造刀剣類の材質、機能など具体的な規定を欠くのが現状であり、これが誤解を生じる原因となっている。

[編集] 判例などによる刀剣類の要件

裁判例[5]では、銃刀法の規定内容が甚だしく漠然としているとはいえず、以下の三要件を満たすものが刀剣類の要件と解されている。(裁判所ウェブサイト 裁判例情報より 以下同じ )

[編集] 鋼質性

鋼質性の材料をもって製作されたもの。
必ずしも鋼鉄であることを要せず、ステンレス鋼の様な合金や、強固な刃の特性を持つものは鋼質性とされている。
ステンレスのなかには磁性を持たないものもあることから、磁性の有無による刀剣類の判定は合理性に欠けるといえる。近年では刃物材として、セラミックチタンも用いられることから注意が必要である。

[編集] 人畜殺傷機能

人畜を殺傷する用具としての機能を有するもの。
現に刃が付けられていないものでも、電気グラインダーやヤスリでの容易な加工などにより、殺傷機能を有するに至るものを含むとされていることから、刃の有無による刀剣類の判定も合理性に欠ける。

[編集] 刀剣類相応の形態

刀剣類と呼ぶにふさわしい形態を有するもの。
通常の判断能力を有する一般人が、通常容易に刀剣類と判断することができるもので、本来は包丁として製作されたものや調理用のナイフでも例外とされていない。

[編集] 判例による模造刀剣類の要件

模造刀剣類に関する判例は極めて少ないが、古い判例[6]に、鋼質性でないものは刀剣類ではないとされている。 従って現時点では、鋼質性の材料を除く金属で製作され、かつ、内閣府令で規定された形態を有するものを模造刀と解するのが合理的である。

[編集] その他

日本刀を模した鋼質性のもの、大日本帝国陸軍大日本帝国海軍軍刀の一部(工業的量産刀身、鋼質性の指揮刀、儀礼刀など)は真性の刀剣類とされる。判例[7]によれば、たとえ刃が付けられていないものであっても、鋼質性であり容易な加工で本来の用途に使用できるものは真性の刀剣類と解されている。 これらは従来、軍刀、昭和スプリング、指揮刀、儀仗刀、儀礼刀などと呼称されてきたが、近年は観念的に模造刀、模倣刀と呼ばれることもある。基本的に美術品などとして教育委員会の登録証交付対象とはならないが、軍刀の場合は戦後間もない頃に遺品として例外的に登録証を交付されたものも存在する。また、一定の条件を満たせば公安委員会の所持許可の対象となる場合もある。 ちなみに、居合い抜刀術剣道空手などの武道、装飾や観賞の用に供する模造刀は、近年は模擬刀と呼ばれることもある。

[編集] 脚注

  1. ^ 銃砲刀剣類所持等取締法 第二十二条の四 (模造刀剣類の携帯の禁止) 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣類(金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。)を携帯してはならない。
  2. ^ 銃砲刀剣類所持等取締法施行規則 第十七条の四 (模造刀剣類) 法第二十二条の四 の模造刀剣類について内閣府令で定めるものは、刀、剣、やり、なぎなた若しくはあいくちに著しく類似する形態を有するもの又は飛出しナイフに著しく類似する形態及び構造を有するものとする。
  3. ^ この法律において「刀剣類」とは、刃渡十五センチメートル以上の刀、剣、やり及びなぎなた並びにあいくち及び四十五度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ(刃渡り五・五センチメートル以下の飛出しナイフで、開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず、刃先が直線であつてみねの先端部が丸みを帯び、かつ、みねの上における切先から直線で一センチメートルの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して六十度以上の角度で交わるものを除く。)をいう。
  4. ^ 模造刀剣類(金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。)
  5. ^ 平成5年6月4日 東京高等裁判所 第九刑事部 平成4う577 銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
  6. ^ 昭和36年3月7日 最高裁判所第三小法廷 昭和32(あ)2599 銃砲刀剣類等所持取締令違反被告事件 指揮刀で切先が鋭利で容易に人を殺傷しうる危険性のあるものであっても、刀剣類としての実質、即ち鋼質性の材料をもって制作されていないものは刀剣類にあたらない。
  7. ^ 昭和42年4月13日 最高裁判所第一小法廷 昭和41(あ)2952 儀礼刀が刀剣類にあたるとされた事例

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク