きたぐに (列車)

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きたぐに
 新潟駅に停車中の「きたぐに」
 新潟駅に停車中の「きたぐに」
運行鉄道事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
列車種別 急行列車
(新津駅→新潟駅間は快速列車
運転区間 大阪駅 - 新潟駅
経由線区 東海道本線北陸本線信越本線
使用車両
(所属区所)
583系電車京都総合運転所
運転開始日 1961年10月1日
備考 2010年3月現在のデータ
きたぐに号ヘッドマーク

きたぐには、西日本旅客鉄道(JR西日本)が大阪駅 - 新潟駅間を東海道本線北陸本線信越本線経由で運転する夜行急行列車である。

目次

[編集] 概要

1947年に大阪駅 - 青森駅間で運転を再開した急行507・508列車がルーツで、この急行は1950年11月8日に「日本海」の列車名が与えられた。その後、1961年10月1日金沢駅 - 新潟駅間を運転する「きたぐに」として運転を開始した際は、現在の特急北越」と同じ運行区間であった。1963年に大阪駅まで運行区間を延長したが、1968年10月1日から運転を開始した大阪駅 - 青森駅間の寝台特急(ブルートレイン)に「日本海」の名称を譲り、大阪駅 - 青森駅間の急行列車の愛称が「日本海」から「きたぐに」に改称された。

1982年に上越新幹線が開業したことに伴い、昼行列車としての側面が大きかった新潟駅以北を特急「いなほ」として分離し、現在の大阪駅 - 新潟駅間の夜行急行列車となった。

しかし、利用者の減少および車両老朽化を理由として、2012年3月17日のダイヤ改正定期列車としての運転を終了し、4月以降は繁忙期に臨時列車として運転される予定である[1][2]。湖西線経由に変更される。下りの新津-新潟間は大阪からそのまま急行として運転され、亀田には停車しなくなる。車両がB寝台とグリーン車指定席のみの583系7両編成になる予定。また、直江津駅 - 新潟駅間では下り「きたぐに」のダイヤをほぼ踏襲した快速「おはよう信越」が運転される。同列車も亀田駅には停車しない。

愛称の「きたぐに」は北陸地方を指す北国(ほっこく)の訓読みとされている。583系電車ヘッドマークでは列車名と「佐渡おけさを踊る人と北陸地方の地図」が表示されている。

[編集] 運行概要

大阪発新潟行の下り列車では、新津駅 - 新潟駅間で快速列車となり、普通車自由席乗車券回数券定期券のみで乗車できる。東日本旅客鉄道(JR東日本)管内(直江津駅 - 新潟駅〔下りは新津駅〕間)では急行券北海道&東日本パスの組み合わせでも乗車可能。なお自由席は夜間も減光されない。

2010年3月現在、大阪・京都方面と北陸本線の特急料金または急行料金を必要とする列車では、唯一米原駅経由で運転されている。山科駅 - 近江塩津駅間が経路特定区間であるため、運賃・料金は湖西線経由で計算される(湖西線#乗車制度の特例を参照)。2012年3月のダイヤ改正以降については上り、下りともに湖西線を経由する場合は米原駅には停車しない。

冬季は日本海沿岸を走る一部区間において強風や雪害の被害に遭いやすく、運休や大幅な遅延が発生する場合がある。

車掌は、全区間をJR西日本の大阪車掌区が担当している。

[編集] 停車駅

大阪駅 - 新大阪駅 - 京都駅 - 大津駅 - 彦根駅 - 米原駅 - 長浜駅 - 敦賀駅 - 武生駅 - 福井駅 - 小松駅 - 金沢駅 - 高岡駅 - 富山駅 - (滑川駅) - 魚津駅 - (黒部駅) - (入善駅) - (泊駅) - 糸魚川駅 - 直江津駅 - 柿崎駅 - 柏崎駅 - 来迎寺駅 - 長岡駅 - 見附駅 - 東三条駅 - 加茂駅 - 新津駅 - (亀田駅) - 新潟駅

  • ( )は下り・新潟行のみ停車。

[編集] 使用車両・編成

2010年3月13日現在の編成図
きたぐに
← 大阪
新潟 →
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
Rauchen Verboten.svg Rauchen Verboten.svg Rauchen Verboten.svg Rauchen Verboten.svg   Rauchen Verboten.svg Rauchen Verboten.svg   Rauchen Verboten.svg Rauchen Verboten.svg
B G A B B B
凡例
A=A寝台開放式2段)
B=B寝台(開放式3段)
G=グリーン車座席指定席
自=普通車自由席
Rauchen Verboten.svg=禁煙車

京都総合運転所所属の583系電車が使用されており、2011年12月現在、583系電車が定期列車として運用に充当される唯一の列車である。列車は普通車自由席グリーン車指定席と、A寝台車およびB寝台車の構成により10両編成で運転されているが、多客期にはB寝台車が2両増結されて12両編成で運転されている。A寝台は開放式2段、B寝台は開放式3段である。サロンとテーブルが設置されているグリーン車は、2010年までに廃車され、現存しない。

1973年10月1日から、大阪駅 - 青森駅間の普通座席車12系客車を使用するようになった。しかし12系客車にはグリーン車がないことから、一般形客車であるスロフ62形を主に連結した。また、大阪駅 - 新潟駅間に連結した寝台車10系寝台車のままで、新潟駅で増解結が行われていた。

1978年に一般形客車のグリーン車の連結を終了し、1982年14系客車化して座席車と寝台車の混結を実施、1985年3月14日から583系電車に変更されている。 なお、2012年3月のダイヤ改正以降の編成については自由席が連結されなくなり、B寝台とグリーン車のみの編成となる。

[編集] 臨時列車

立山黒部アルペンルート長野県方面への登山トレッキングへのアクセスとして、京阪神地区と長野県を結ぶ臨時急行列車が運転されていた。

1971年10月1日から1972年夏まで、大阪駅 - 富山駅 - 直江津駅 - 長野駅 - 松本駅 - 名古屋駅 - 大阪駅間で「アルペン」が運行を開始した。「アルペン」は、直江津駅を境に夜行列車として運行され、北陸本線を先に経由する列車を1号とし、中央本線を先に経由する列車を2号として1往復が運転されていた。

1997年夏には、富山地方鉄道本線立山線に直通する「リゾ-ト立山」が大阪駅→立山駅間で485系を使用して運転された。2001年の夏には大阪駅 - 信濃大町駅間で、往路は夜行の「リゾート白馬アルプス」として、復路は昼行の「リゾート白馬アルプス」として1往復運転されている。2002年の夏には夜行列車として「信州トレッキング号」が大阪駅→妙高高原駅間で運転されていた。

また、1997年度の冬には長野オリンピックが開催されたことから、このアクセスとして「白馬・栂池」が姫路駅 - 白馬駅間(北陸本線経由)でキハ181系7両編成で1往復運転されていた。

[編集] 競合交通機関と利用状況

京阪神と新潟県間の移動は、高速バスでは阪急バス新潟交通共同運行する「おけさ号」のほか、南海バス越後交通堺・なんば・京都 - 柏崎・長岡線を共同運行している。直通する交通手段が航空・高速バス以外に乏しく、これを補完する時間帯で運行されていることから長距離を通して利用する客や、休日前後や連休期間中には旅行者や帰省者などの利用が多くなる。乗車券のほかには割安な急行券のみで長距離を利用できるため、時には自由席が非常に混みあって繁忙期には全区間着席できない場合もある。繁忙期には寝台券グリーン券の売り切れも生じる。また、米原駅以北では名古屋岐阜方面からの利用者も少数ではあるが存在する。途中の停車駅が多く、全区間にわたって運行時間帯の利便性も高いことから、始発・終着地付近での地域輸送・区間輸送も担っている。日本国有鉄道(国鉄)時代の長距離夜行急行列車のような多目的性を21世紀に至っても維持している珍しい列車と言える。

グリーン車や寝台車は高速バスにはない快適性を求める長距離客の利用が中心である一方、自由席においては大阪発新潟行では彦根駅・米原駅・長浜駅方面への最終列車として、通勤需要にも利用されている。新潟県内では、直江津駅で北越急行ほくほく線の始発列車となる快速越後湯沢行に接続しており、また、長岡駅で上越新幹線に接続し北陸方面から上越新幹線上り東京行き列車に連絡するため、新潟県内での上越新幹線への乗り換えには信越本線経由とほくほく線経由の2通りのルートが利用できる。 富山駅では、富山地方鉄道の立山方面の始発列車に乗り継いで立山黒部アルペンルートに向かう利用客や、夏場には富山駅から折立登山口への直行バスに乗車するために利用する登山客なども多くみられる。冬場には、少数であるが南小谷、白馬方面や、妙高高原方面へのスキー客にも利用されている。

新潟県内では朝ラッシュ時間帯に新潟駅に到着するため、長岡駅から通勤需要が活性化しビジネス客などで増え始め、快速列車となる新津駅からは通勤・通学客の利用が多い[3]。また用務客にとっても便利な上に、自動車利用では新潟市街地の渋滞遅延が発生しやすい時間帯に新潟駅に到着するために直江津駅や柏崎駅からの乗車客も多い[3]。なお、新津駅と亀田駅から乗車できるのは普通車自由席の4両のみで、グリーン車・寝台車には乗車できない。

新潟発大阪行は長岡駅で東京発新潟行の最終「Maxとき」353号から接続し、北陸方面への最終列車となっている。また上越新幹線の利用客だけでなく新潟市から長岡市柏崎市などへ帰宅する用務客の利用も多い。さらに新潟方面以外でも、京都駅・大阪駅へ早朝に到着できるため、北陸地方からの関西国際空港利用客にも早出の便として利用されている。京都駅では同一ホームにて草津関西空港行特急「はるか」と接続する。

これらの要因により、上下列車とも自由席は深夜の金沢駅で比較的まとまった数の乗降客があることも珍しくなかった。

しかし、ほかの夜行列車・寝台列車と同様に利用客が航空や高速バスへの移行が進んだことや、宿泊料金を低減したホテルが増えたことも影響し、JR西日本によると乗客数はJR発足時の1987年と比較して2010年代では約半分に減少しており、2010年度の平均乗車人数(1本当たり)は約120人であった[2]

[編集] 沿革

[編集] 創始

[編集] 夜行列車化以降

10系寝台車+12系座席車の急行「きたぐに」(1982年 直江津駅)
14系寝台車+14系座席車の急行「きたぐに」(1985年 大阪駅)
  • 1968年(昭和43年)10月1日:ヨンサントオのダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
    1. 「きたぐに」を「越後」(えちご)に変更。
    2. 大阪駅 - 青森駅間の急行「日本海」を「きたぐに」に変更。
    3. 大阪駅 - 青森駅間の寝台特急「日本海」が運転開始。
  • 1971年(昭和46年)
    • 10月1日:大阪駅 - 富山駅 - 直江津駅 - 長野駅 - 松本駅 - 名古屋駅 - 大阪駅間で臨時急行「アルペン」を1972年夏まで運転。
  • 1972年(昭和47年)
  • 1973年(昭和48年)10月1日:「きたぐに」の大阪駅 - 青森駅間運行の普通座席車が12系客車化される。
  • 1975年(昭和50年)7月:「立山」の増発列車として「アルペン」が大阪駅 - 富山駅間で設定される。なお、このときは大阪駅発は夜行列車として運行された。
    583系の急行「立山」
  • 1978年(昭和53年):「きたぐに」の一般形客車のグリーン車の連結を終了。
  • 1982年(昭和57年)11月15日:上越新幹線開通に伴うダイヤ改正のより、以下のように変更する。
    1. 「きたぐに」の新潟駅 - 青森駅間をL特急「いなほ」に系統分離して、運転区間を大阪駅 - 新潟駅駅間に変更。14系客車化され、同系車両の座席車と寝台車の混結を実施。
    2. 季節列車化した「立山」に583系を充当。
  • 1983年(昭和58年):名古屋駅 - 新潟駅間に臨時急行「にいがた」が運行開始。
  • 1984年(昭和59年):臨時急行「にいがた」が運行終了。

[編集] 「きたぐに」583系化以降

  • 1985年(昭和60年)
    • 3月14日:「きたぐに」が583系(12両編成)を使用して電車化。「立山」廃止。
    • 7月:「立山」の代替として大阪駅 - 富山駅間を運行する臨時急行列車として「アルペン」運行開始。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:「きたぐに」が10両編成となる。
  • 1988年(昭和63年)3月:「きたぐに」の新潟行の新津駅 - 新潟駅間が快速列車化。
  • 1992年平成4年)2月:「アルペン」運行を終了する。
急行「きたぐに」(1994年、大阪駅)
  • 1994年(平成6年)12月3日:寝台特急「つるぎ」が臨時列車に格下げ。
    • なお、この時期同一区間を走っていた寝台特急「つるぎ」と急行「きたぐに」は、時刻表上、比較的似通った時間帯の運転だったが、特急列車であった「つるぎ」が新潟県内と京阪神を結ぶ意味合いもあって、深夜帯に通過する北陸三県(富山県石川県福井県)の駅には停車しなかったのに対して、本列車は上記のように、沿線の主要駅にこまめに停車していった。
  • 1996年(平成8年)12月:臨時寝台特急「つるぎ」廃止。「きたぐに」は、京阪神地区と北陸・新潟県を結ぶ唯一の夜行列車となる。
  • 2000年(平成12年):「きたぐに」使用の583系編成を一時的に変更。具体的にはサロネ581形車両を485系の電動車ユニットに組み替えた。なお、この際には同車両搭載のパンタグラフも使用された[5]
  • 2004年(平成16年)10月23日 - 11月28日新潟県中越地震の影響により運休。
  • 2007年(平成19年)
  • 2009年(平成21年)6月1日:座席車を全面禁煙化。
  • 2012年(平成24年)3月17日:ダイヤ改正で4月以降は臨時列車としてB寝台・グリーン車のみの583系7両編成で、湖西線経由で運転予定。

[編集] 列車名の由来

五十音順
  • 「アルペン」…アルプス山脈ドイツ語読み"Alpen"から。
  • 「奥能登」…能登半島能登国の奥という意味。
  • 「きたぐに」…前記したとおり、北陸地方を意味する「北国」(ほっこく)の訓読みから。
  • 「金星」…天体の金星から。なお、「寝台列車は天体名から」という慣習があったことによる。
  • 「立山」…富山県の立山連峰から。
  • 「つるぎ」…富山県の立山連峰にある剱岳(つるぎだけ)から。ヘッドマークでは列車名と「そびえ立つ剱岳」が描かれた。
  • 「にいがた」…始発・終着地である新潟県(新潟市)から。

[編集] 脚注

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  1. ^ 2012年3月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道プレスリリース 2011年12月16日
  2. ^ a b 「きたぐに」「日本海」引退へ ダイヤ改正で3月 - 富山新聞 2011年12月17日
  3. ^ a b 「アーカイブス・583系寝台電車」急行「きたぐに」の旅 大阪 - 新潟〔3〕 - 日経BP セカンドステージ 2009年3月5日
  4. ^ この事故をきっかけに、地下鉄や長大トンネルを走行する車両の不燃化が進む。
  5. ^ JR西日本の「シュプール号」として運転されたときは485系と併結運転された。この列車は北陸トンネルを通過するため、583系の貫通扉も活用された。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


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