国鉄タキ13700形貨車

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国鉄タキ13700形貨車
国鉄タキ13700形、タキ13700 1992年5月2日、新崎駅
国鉄タキ13700形、タキ13700
1992年5月2日、新崎駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 内外輸送
製造所 富士重工業
製造年 1969年(昭和44年) - 1974年(昭和49年)
製造数 30両
消滅 2007年(平成19年)
常備駅 中条駅南四日市駅新興駅
主要諸元
車体色 ステンレス地色→銀色
専用種別 アルコール
化成品分類番号 31
軌間 1,067 mm
全長 12,010 mm
全幅 2,720 mm
全高 3,860 mm
タンク材質 ステンレス鋼
荷重 35 t
実容積 44.8 m3
自重 15.5 t
換算両数 積車 5.0
換算両数 空車 1.6
台車 TR41C、TR41E-12
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 8,210 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ13700形貨車(こくてつタキ13700がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式と同一の専用種別も存在したタキ13800形についても本項目で解説する。

タキ13700形[編集]

タキ13700形は、アルコール専用の35t 積タンク車として1969年(昭和44年)1月31日から1974年(昭和49年)2月19日にかけて5ロット30両(タキ13700 - タキ13729)が富士重工業1社のみにて製作された。

本形式の他にアルコールを専用種別とする形式にはタ2000形タム8100形タサ3000形タサ3200形タサ3500形タサ5000形タキ500形タキ600形タキ3500形タキ7200形タキ7250形タキ13800形(後記)の12形式が存在した。

所有者は、内外輸送1社のみであった。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号31」(燃焼性の物質、引火性液体、危険性度合2(中))が標記された。

35系に属するタンク体は、ステンレス鋼(SUS304)製であり、積込みはマンホールからの上入れ式、荷降ろしは吐出管を用いた下出し式である。

車体色はステンレス地色であったが晩年は銀色に塗装された。寸法関係は全長は12,010mm、全幅は2,720mm、全高は3,860mm、台車中心間距離は8,210mm、実容積は44.8m3、自重は15.5t、換算両数は積車5.0、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41C、TR41E-12である。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車(30両)の車籍がJR貨物に継承されたが、2007年(平成19年)10月に最後まで在籍した24両が廃車となり同時に形式消滅となった。

年度別製造数[編集]

各年度による製造会社と両数は次のとおりである。

  • 昭和43年度 - 3両
    • 富士重工業 3両 内外輸送(タキ13700 - タキ13702)
  • 昭和44年度 - 3両
    • 富士重工業 3両 内外輸送(タキ13703 - タキ13705)
  • 昭和45年度 - 4両
    • 富士重工業 4両 内外輸送(タキ13706 - タキ13709)
  • 昭和46年度 - 10両
    • 富士重工業 10両 内外輸送(タキ13710 - タキ13719)
  • 昭和48年度 - 10両
    • 富士重工業 10両 内外輸送(タキ13720 - タキ13729)

タキ13800形[編集]

国鉄タキ13800形貨車
国鉄タキ13800形、コタキ13824 1995年7月2日、新興駅
国鉄タキ13800形、タキ13824
1995年7月2日、新興駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 内外輸送
製造所 富士重工業
製造年 1969年(昭和44年)
製造数 25両
消滅 2007年(平成19年)
常備駅 新興駅、防府駅
主要諸元
車体色 ステンレス地色→銀色
専用種別 酒類→アルコール
化成品分類番号 無し→31
軌間 1,067 mm
全長 11,300 mm
全幅 2,600 mm
全高 3,600 mm
タンク材質 ステンレス鋼
荷重 35 t → 28 t
実容積 35.0 m3
自重 14.8 t
換算両数 積車 5.0
換算両数 空車 1.4
台車 TR41C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 7,500 mm
最高速度 75 km/h
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タキ13800形は、酒類[1]専用の35t 積タンク車として1969年(昭和44年)4月18日から同年7月11日にかけて2ロット25両(タキ13800 - タキ13824)が富士重工業1社のみにて製作された。

記号番号表記は、特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

本形式の他に酒類を専用種別とする形式には、他に例がなく唯一の存在であったが1988年(昭和63年)7月6日に14両(タキ13800 - タキ13804、タキ13807 - タキ13809、タキ13812 - タキ13817、タキ13819)がアルコールへ専用種別変更された。アルコールの比重は酒類より軽いため、専用種別変更された車輛は積載荷重が28t に減トンされ、化成品分類番号「31」(燃焼性の物質、引火性液体、危険性度合2(中))が標記された。

所有者は、内外輸送1社のみであった。

35系に属するタンク体は、ステンレス鋼(SUS304)製であり、積込みはマンホールからの上入れ式、荷降ろしは吐出管を用いた下出し式である。

車体色はステンレス地色であったが晩年は銀色に塗装された。寸法関係は全長は11,300mm、全幅は2,600mm、全高は3,660mm、台車中心間距離は7,500mm、実容積は35.0m3、自重は14.8t、換算両数は積車5.0、空車1.4であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車(25両)の車籍がJR貨物に継承されたが、2007年(平成19年)8月に最後まで在籍した7両が廃車となり同時に形式消滅となった。

脚注[編集]

  1. ^ ここで言う酒類とは醸造酒の事を指し、蒸留酒はアルコール専用車で輸送されていた。

参考文献[編集]

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]