国鉄タキ50形貨車

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国鉄タキ50形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
所有者 ライジングサン石油他
製造所 日本車輌製造新潟鐵工所帝國車輛工業
製造年 1929年(昭和4年) - 1947年(昭和22年)
製造数 37両
消滅 1981年(昭和56年)
常備駅 浜川崎駅石油埠頭駅東室蘭駅
主要諸元
車体色
専用種別 揮発油(ガソリン
化成品分類番号 32
軌間 1,067 mm
全長 12,070 mm
全幅 2,600 mm
全高 3,885 mm
タンク材質 普通鋼一般構造用圧延鋼材
荷重 30 t
実容積 38.2 m3
自重 20.7 t
換算両数 積車 5.5
換算両数 空車 2.4
台車 TR20
車輪径 860 mm
軸距 1,750 mm
台車中心間距離 7,970 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ50形貨車(こくてつタキ50がたかしゃ)は、かつて鉄道省日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式より改造され別形式となったタキ600形についても本項目で解説する。

タキ50形[編集]

タキ50形は、揮発油(ガソリン)類専用の30t 積タンク車として1929年(昭和4年)12月11日から1947年(昭和22年)2月にかけて37両(タキ50 - タキ76、タキ88 - タキ97)が日本車輌製造新潟鐵工所帝國車輛工業の3社にて製作された。この際何故かタキ77 - タキ87は空番であった。

タキ50形の内20両(タキ50 - タキ69)が1942年(昭和17年)10月23日に専用種別変更(揮発油(ガソリン)→アルコール)が行われ、形式は新形式であるタキ600形(後述)とされた。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号32」(燃焼性の物質、引火性液体、危険性度合1(大))が標記された。

車体色は黒色、寸法関係は全長は12,070mm、全幅は2,600mm、全高は3,885mm、台車中心間距離は7,970mm、実容積は38.2m3、自重は20.7t、換算両数は積車5.5、空車2.4であり、台車はアーチバー式のTR20である。

1981年(昭和56年)3月25日に最後まで在籍した1両(タキ90)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

タキ600形[編集]

タキ600形は、前述のように1942年(昭和17年)10月23日にタキ50形より改造され、20両(タキ600 - タキ619)がアルコール専用の30t 積タンク車として落成した。

落成時の所有者はアルコール輸送(現在の内外輸送)でありその常備駅は高鍋駅出水駅の2箇所に分散配置された。戦後の一時期は連合軍専用貨車に指定され、その軍番号は9016-9035であった。

戦後再度専用種別変更(アルコール→ガソリン)が行われたが、形式名は戻ることなく運用された。

車体色は黒色、寸法関係は全長は14,950mm、台車中心間距離は9,700mm、実容積は38.2m3 - 42.0m3、自重は20.9t-25.2t、換算両数は積車5.5、空車2.4であり、台車はアーチバー式のTR20である。

1977年(昭和52年)頃最後まで在籍した1両(タキ603)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

参考文献[編集]

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]