長野県松本深志高等学校

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長野県松本深志高等学校
深志高校普通教室管理棟
地図
過去の名称 第十七番中學變則學校
第十八番變則中學校
公立松本中學校
東筑摩中學校
長野縣中學松本支校
長野縣尋常中學校
長野縣立松本中學校
長野縣松本中學校
国公私立の別 公立学校
設置者 長野県の旗 長野県
学区 第4学区
校訓 自治自律・自学自習
一.克く学業に勉励せよ
一.身体を強健にせよ
一.世の悪風に染むことなかれ
設立年月日 1876年7月10日
共学・別学 男女共学
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科
高校コード 20175J
所在地 390-8603
長野県松本市蟻ケ崎三丁目8番1号
地図
北緯36度14分51.9秒 東経137度57分57.7秒 / 北緯36.247750度 東経137.966028度 / 36.247750; 137.966028座標: 北緯36度14分51.9秒 東経137度57分57.7秒 / 北緯36.247750度 東経137.966028度 / 36.247750; 137.966028
外部リンク 公式ウェブサイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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長野県松本深志高等学校の位置(長野県内)
長野県松本深志高等学校

長野県松本深志高等学校(ながのけん まつもとふかしこうとうがっこう)は、長野県松本市蟻ケ崎三丁目にある県立高等学校

概要

長野県内で最も古い歴史を持つ高等学校であり、校則を一切持たないこと、制服がないことを特徴とする。

校名の「深志」とは松本市の古称「深志郷」に由来し、「扇状地の伏流水がわき出る場所」を意味する。

本校管理棟普通教室棟(第一棟)と講堂は、共に2003年4月8日から、国の登録有形文化財となっている。

  • 第一棟(1933年竣工) - 初期のコンクリート造学校建築で、尖った柱の形や尖頭状の正面玄関のアーチ等、ゴシック風意匠に特徴がある。
  • 講堂(1934年竣工) - 体育館を兼ねる。壁体は鉄筋コンクリート造、屋根は桟瓦葺の切妻屋根である。5連の尖頭アーチが特徴のアーケード風の正面玄関、玄関のスクラッチタイルなどは第一棟に呼応した意匠である。

授業

授業は1日55分×6時限(木曜日 55分×6時限+LHR50分)を展開する。土曜授業は2013年度から新学習指導要領が完全実施されるのに伴い、生徒の学習時間の確保と平日放課後の自主活動の時間確保のため開始された。ただし、毎週は実施されない。2002年度から2003年度までの夏期は70分授業を実施していたが、従来(1957年~)の65分5時間授業、土曜午前65分3時間授業に戻した。 2020年度より55分6時間授業になり、土曜授業が廃止された[要出典]

沿革

  • 1876年(明治9年) - 第十七番中學變則學校(第二大学区[1])として創立。
  • 1877年(明治10年) - 第十八番變則中學校(第六大学区[1])に校名変更。
  • 1880年(明治13年) - 公立松本中學校となる。
  • 1883年(明治16年) - 東筑摩中學校となる。
  • 1884年(明治17年) - 長野縣中學校設立にともない松本支校(本校:長野 支校:松本、上田、飯田)となる。(創立70周年までの創立起算年)
  • 1885年(明治18年) - 新校舎が松本城内二の丸に落成。(初めての旧制中學としての専用校舎をもつ)
  • 1886年(明治19年) - 第一次中学校令発令[注釈 1]により、県内4つの本支校を統合[注釈 2]長野縣尋常中學校となる。
  • 1893年(明治26年) - 長野、上田、飯田に支校を復活[注釈 3]設置。
  • 1898年(明治31年) - 校章(蜻蛉印)を制定。
  • 1899年(明治32年) - 長野縣立松本中學校となる。長野支校が上田支校をともない独立。
  • 1900年(明治33年) - 飯田支校、上田支校が独立。
  • 1901年(明治34年) - 大町分校を設置。
  • 1904年(明治37年) - 大町分校が独立。
  • 1919年(大正8年) - 校歌「蒼溟遠き」を制定。
  • 1920年(大正9年) - 長野県令38号により、長野縣松本中學校に改称。
  • 1935年(昭和7年) - 蟻ケ崎の現校舎に移転。
  • 1947年(昭和22年) - 第29回全国中等学校優勝野球大会に出場。
  • 1948年(昭和23年) - 学制改革により長野県松本深志高等学校となる。
西穂高岳遭難慰霊碑

教育目標

  • 広い分野で、確かな基礎学力を養う。
  • 生徒の個性や能力に応じ、その可能な限りの伸長発展を図る。
  • 生徒の自主性を尊重して、自治の精神を育てる。また、豊かな情操を養い、知情意のバランスのとれた、ゆとりある学校生活ができるようにする。

遺訓

旧制松本中学校初代校長小林有也が残した遺訓が現在も伝えられている。

一、諸子はあくまでも精神的に勉強せよ
一、而して大に身體の強健を計れ
一、決して現代の惡風潮に染み堕落するが如き事のあるべからず

特色

  • 郷友会 - 出身中学校を共にする生徒がそれぞれ運営する団体。夜行軍・蜻蛉祭の灯篭作り・試胆会などの年中行事を行う。ただ近年は夜行軍や試胆会は行われていない。
  • 深志清陵交歓会 - 1956年(昭和31年)より続く行事である。隣接通学区の諏訪清陵高校との交流の場であり、毎年6月に行われていたが、近年は行われていない。

クラブ活動

特別活動としてのクラブ活動は、「運動協議会」(運動部)と「学芸協議会」(文化部)とによって構成される「合同協議会」によって総括される。クラブ活動の団体には、予算や生徒会の支援の違う、愛好会・同好会・部活動の3段階が設けられている。

  • 運動協議会
  • 学芸協議会

部活動の主な実績

  • 弓道部
第28回全国高等学校弓道選抜大会 女子団体出場[県選抜予選優勝 県代表](2010年3月)
第8回東日本高等学校弓道大会 女子団体3人編成3位(2008年12月)[県新人戦優勝 県代表](2008年10月)
第7回東日本高等学校弓道大会 男子団体5人編成3位(2007年12月)[県新人戦優勝 県代表](2007年10月)
第24回全国高等学校弓道選抜大会 男子団体ベスト8[県選抜予選優勝 県代表](2006年3月)
第23回全国高等学校弓道選抜大会 男子団体ベスト8[県選抜予選優勝 県代表](2005年3月)
第4回東日本高等学校弓道大会 女子団体5人編成3位(2004年12月)
  • 男子硬式テニス部
第44回全国高等学校総合体育大会出場(インターハイ)[長野県大会準優勝 県代表](2004年)
第45回全国高等学校総合体育大会出場(インターハイ)[長野県大会準優勝 県代表](2005年)
第27回全国選抜高校テニス大会 全国大会出場[北信越大会準優勝 北信越代表](2005年)
  • サッカー部
全国高等学校総合体育大会出場(インターハイ)[長野県大会優勝 県代表](1988年)
全国高校サッカー選手権大会出場(1988年)
全日本ユース大会出場[平成7年長野県総体準優勝/北信越高校総体優勝 北信越代表](1995年)

 

  • 放送委員会制作班

  第61回NHK杯全国高校放送コンテスト テレビドキュメント部門 「舞  装」 全国第3位(2014年)

  第62回NHK杯全国高校放送コンテスト テレビドキュメント部門 「折 衝 会」 全国準優勝(2015年)

  第64回NHK杯全国高校放送コンテスト テレビドキュメント部門 「鼎談深志」 全国優 勝(2017年)


  • Quiz研究会
ライオンスペシャル 第38回全国高等学校クイズ選手権本戦出場、全国7位(2018年)
エコノミクス甲子園全国大会出場(複数回)
AQL信州リーグ 2017・2018・2019全国大会出場
ニュース・博識甲子園 全国4位(2018)全国3位(2019)

尚学塾

学校5日制(完全週休2日制)に移行した平成14年4月設立。松本深志同窓会、松本深志高校PTA、(財)深志尚学会を共催団体とする。ただし、2013年度からの土曜授業実施に伴い、特別講義のみ残る形となった。現在では土曜授業は廃止されているが、特別講義は残っている。

特別講義

各分野で活躍する同窓生が、専門分野の話、体験談、後輩に送るメッセージなどを講義する。

  • 平成14年度から平成16年度は、主に卒後50年の同窓生が担当。
  • 平成17年度(2005年)以降は、主に卒後50年と卒後30年の同窓生が担当。

その他

クロ

1960年(昭和35年)から1972年(昭和47年)まで、「クロ」という犬が住み着いていた。クロは、職員会議に出席し、授業の見回りをし、そして、夜間の警備の巡回についてまわっていた。当時の職員名簿に名前ものっていた。

この事実に一部フィクションを織り交ぜて作成された映画が、「さよなら、クロ」(配給:シネカノン 監督:松岡錠司 主演:妻夫木聡)である。この映画には、当時在籍していた生徒や教職員がエキストラで出演もしている。

  • 参考及び映画の原作:『職員会議に出た犬・クロ』 作:藤岡改造(元松本深志高等学校国語科教諭) 郷土出版社 ISBN 4876633886

ドラマロケ地

登録有形文化財の管理普通教室棟(1933年建築、2003年3月18日指定[2])は、2017年のNHK連続テレビ小説『ひよっこ』のロケ地となった[3]

出身者

政治

学者

経済・法曹

文化人・スポーツ選手

その他

  • 松本深志高等学校卒

著名教職員

校章

  • 高の字にトンボがとまる。校章
  • 文化祭は「とんぼ祭」と称し、その名称は校章に由来する。

校歌

交通・アクセス

鉄道
バス
  • 松本電鉄バス北市内線が当校周辺の道路を走っている。平日1時間に1~2本運行、松本駅お城口から7分。
    • 深志高校裏 - 北市内線西回り 松本駅お城口行き

進学先地域

同校の発表に基づき、2019年令和元年)度の卒業生の大学大学校および専門学校への進学者数(新卒に限る)をそれらの所在地域別に分類し、一部を抜粋すると次の通りであった[7]

2019年度の進学者数[7]
進学先の所在地域[注釈 4] 人数
関東地方 150
長野県 48
近畿地方 34
北陸地方 19
東海地方 16
新潟県 8
山梨県 5
静岡市 4

関連項目

脚注

注釈
  1. ^ 一府県一中学が原則になったため。同様に県庁所在地から離れて単一の中学校が置かれたケースは青森県福島県にもある。
  2. ^ 代償措置として長野町(当時)には長野県尋常師範学校が松本より移転した。
  3. ^ 1891年に設置条件が緩和されたことによる。
  4. ^ なお、本表での「関東地方」とは東京都神奈川県埼玉県千葉県茨城県栃木県群馬県の1都6県を指し、また「近畿地方」とは大阪府京都府兵庫県奈良県滋賀県和歌山県の2府4県を、「北陸地方」とは石川県富山県福井県の3県を、「東海地方」とは愛知県岐阜県三重県静岡県西部(遠江国)の3県1地域を便宜上指すものとする。必ずしも他者による分類とは一致しない。
出典
  1. ^ a b 長野県教育史 第9巻史料編3
  2. ^ 長野県松本深志高等学校管理普通教室棟‐松本のたから - 松本市教育委員会
  3. ^ 深志高の撮影場所、話題に NHK連続テレビ小説「ひよっこ」”. 信濃毎日新聞  (2017年4月5日). 2017年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月4日閲覧。
  4. ^ 創立者 上條秀介”. 昭和大学. 2018年3月7日閲覧。
  5. ^ 加藤節教授年譜及び著作目録 - 成蹊大学学術情報リポジトリ
  6. ^ 小口正行「松本中学校時代の野口源三郎」『日本体育学会大会号』37A、日本体育学会、1986年、74頁、NAID 110007677904 
  7. ^ a b “[https://www.nagano-c.ed.jp/fukasi/ https://www.nagano-c.ed.jp/fukasi/sinro/shinro_2019.pdf 2019年度末 進路状況]”. 長野県松本深志高等学校. 2020年12月23日閲覧。
  8. ^ 「ニュース見て、考え作って」 池上さん講演 2014年9月16日「読売松本セミナー」[リンク切れ]

外部リンク