紅の豚

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紅の豚
監督 宮崎駿
脚本 宮崎駿
原作 宮崎駿
製作 鈴木敏夫
出演者 森山周一郎
加藤登紀子
桂三枝(現:桂文枝)
上條恒彦
岡村明美
大塚明夫
音楽 久石譲
撮影 奥井敦
編集 瀬山武司
制作会社 スタジオジブリ
製作会社 徳間書店
日本航空
日本テレビ放送網
配給 東宝
公開 日本の旗 1992年7月18日
上映時間 93分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 日本の旗 9,200,000
興行収入 日本の旗 34,100,000
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紅の豚』(くれないのぶた)は、スタジオジブリ制作の日本の長編アニメーション作品。アニメーション映画として1992年7月18日から東宝系で公開された。

監督は宮崎駿。前作の『魔女の宅急便』に続いて劇場用アニメ映画の興行成績日本記録を更新した。

この作品以降、スタジオジブリ映画における宮崎駿監督作品は全て東宝系での公開となった。

本作はスタジオジブリ史上初めてヒロイン役を演じた役者が主題歌を歌った作品である。

作品概要[編集]

世界大恐慌時のイタリアアドリア海を舞台に、飛行艇を乗り回す海賊ならぬ空賊(空中海賊)と、それを相手に賞金稼ぎで生きるブタの姿をした退役軍人操縦士の物語。

日本航空での機内上映用として製作が開始されたが、長編化したため、劇場公開されることとなった。このため、劇場公開より先に日本航空国際便機内で先行上映され、劇場公開後も機内上映は続けられた。2007年9月には、日本航空国際線機内で「紅の豚」の再上映が行われた[1][2]

原案は、月刊誌『モデルグラフィックス』の連載漫画記事宮崎駿の雑想ノート「飛行艇時代」である[3]。生家が航空機産業に関係していたため、幼い頃から空を飛ぶことに憧れていた宮崎が、自分の夢として描いた作品である。宮崎自身がその演出覚書において、「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」にしたいと記している。本編制作中にプロデューサー鈴木敏夫の製作した宣伝用予告映像は、過激な空戦シーンを中心に繋いだ戦争映画さながらのものだった。まるで本編と方向性の異なるイメージで作られたそれに対し、宮崎は猛烈に怒ったという。

加藤登紀子主題歌エンディング曲を歌うと共に、声優としても出演している。

作品世界は、宮崎自身の趣味を反映し、それまでの「子供向け」ではなく同年代に向けた作品となっている。一貫してアニメを児童のために作ることを自らに課してきた宮崎にとっては、製作後も是非を悩み続ける作品となった。一方で「イタリア人すら忘れてしまった航空機を復活させたり、存在しない空軍を出せたりしたことは道楽としては楽しかった」とも語っている[4]。また、借りぐらしのアリエッティ製作時のインタビューで「紅の豚の続編をやりたい」、「題名は「ポルコ・ロッソ 最後の出撃」」と語っており、宮崎の思い入れが非常に強いことが伺える。

他のジブリ作品同様に『金曜ロードSHOW!』で繰り返し放送されており、宮崎が長編アニメ製作からの引退会見を行った2013年9月6日には当初の放送予定を変更して急遽オンエアされている。

時代背景[編集]

第一次世界大戦で戦勝国だったイタリア王国だが、国民から栄光無き勝利と呼ばれるまでに経済が不安定になっていた。

本編は1929年頃の物語[5](大恐慌のヨーロッパへの本格的な波及は1931年以降)で、既にイタリアは1922年ローマ進軍以来ムッソリーニファシスト党独裁下であった。作品のあちこちから当時の政情が伺える構成になっている。

また、この当時一世を風靡したアニメーションベティ・ブープに似た映画が登場する。カーチスが『ローン・レンジャー』(ラジオドラマ版の放送開始が1933年)の名台詞「ハイヨー、シルバー!」と言うシーンがある。作品名の「紅」とは主人公が飛行艇の機体色だが、国家対抗の色合いが強かった当時のカーレースにおけるイタリア人レーサー搭乗車のボディーカラーは「ロッソ・コルサ」(イタリア語で「レーシングの赤」)、「イタリアン・カラー」と呼ばれていた(イギリス:緑、フランス:青、ドイツ:黒)。

キャッチコピー[編集]

  • 「カッコイイとは、こういうことさ。」(糸井重里の考案) - メインのキャッチコピーとしてCMやポスターなどに使用されていた。
  • 「飛ばねえ豚はただの豚だ」 - 作中のポルコのセリフで、劇場予告に印象的に使用されている。サウンドトラックの副題にもなっている。

あらすじ[編集]

深紅の飛行艇を駆る豚のポルコは、かつてイタリア空軍のエースだったが、今はアドリア海の小島に隠棲し賞金稼ぎとして生業を立てている。ポルコが請け負うのは空中海賊(空賊)退治だ。マンマユート団たち空賊連合はいつも商売の邪魔をするポルコを目の敵にしている。ある晩、昔馴染みのジーナが営むホテル・アドリアーノに出かけたポルコは、米国製の飛行艇を操るアメリカ人カーチスに出会う。カーチスは空賊連合が雇った用心棒だった。

しばらく後、愛艇のエンジン整備のためミラノに向かって飛んでいたポルコは、カーチスと遭遇し撃墜されてしまう。ポルコが大破した愛艇をミラノの工房ピッコロ社に持ち込むと、待っていたのはピッコロの孫で17歳の少女フィオだった。ポルコは驚くがフィオの熱意に絆されて設計を任せる。

一方、ファシスト政権に非協力的なポルコはミラノでも秘密警察や空軍に狙われていることが分かる。警告に来たかつての戦友は空軍への復帰を薦めるが、ポルコにそのつもりはない。ホテル・アドリアーノでは一目ぼれしたカーチスがジーナに求婚するが、ジーナはポルコを待ち続けている。

フィオの才能と献身によって復活した愛艇を駆り、ファシストの追手も振り切ってポルコがアドリア海に帰還すると、空賊連合が待ち受けている。フィオの提案で、ポルコとカーチスの決闘が組まれ、ポルコはフィオを、カーチスはポルコの修理代金を賭けて戦うことになる。決闘当日は、イタリア中の飛行艇乗りやならず者が見物に集まる。一方でジーナは空軍の大編隊がポルコと空賊を襲撃しようしていることを察知する。ポルコとカーチスのドッグファイトは決着がつかず、決闘は殴り合いにもつれ込む。危機を知らせにジーナが駆けつけると、二人ともノックアウトされているが、ポルコが辛うじて立ち上がり勝者となる。

その後、フィオはピッコロ社を継ぎ、ジーナと親交を温める。カーチスはアメリカに帰国後、ハリウッドスターになる。そして、ホテル・アドリアーノの上空を紅い飛行艇が飛んでゆく。ポルコが人間に戻ったのか、ジーナと結ばれたのかは明かされないまま、物語は幕となる。

登場人物[編集]

マルコ・パゴット(Marco Pagot)
本作の主人公で、通称ポルコ・ロッソ(Porco Rosso)。黒眼鏡、口ひげをたくわえている豚人間。1892年 - 1893年生まれの36歳。全体を赤塗りした飛行艇サボイアS.21試作戦闘飛行艇(モデルはマッキ M.33)に乗って空中海賊を相手にする賞金稼ぎ。かつてはイタリア空軍大尉エース・パイロットだったが、退役している。豚の姿に身をやつしている理由は作中では明らかにされないが、戦争で友を失った悲しみや国家への幻滅が示唆されている。賞金稼ぎとして幾多の空賊を撃退してはいるが、戦争ではないから殺しはしない。
普段は無人島でワインを飲みながらラジオで音楽を聴き、ジタンをくゆらせる気ままな日々を送っている。エースとしては嵐の海に落ちた敵パイロットを助けるなどの逸話が伝わっていて、今でも人気の飛行艇乗りで女性にもモテる。ジーナに惚れていて、かつてただ純粋に飛行艇を操縦していたころ、彼女を乗せて遊覧飛行をしたこともあった。街に出る時は白い背広に赤いネクタイを着用し、上からカーキ色トレンチコート姿、ボルサリーノソフト帽をかぶる。ただし、顔を洗っていた際に、一瞬だが素顔が鏡に映るシーンがある。
終盤には人間に戻った様子であるが[6]、宮崎監督曰く「人間に戻ってもまたすぐに豚に戻り、十日くらい経つと飯を食いにジーナの前に現れる」[7]
得意とする戦闘マニューバ(機動)は捻り込み。彼はこの技で第一次大戦中にアドリア海のエースとなった。名前の由来は日伊合作アニメ『名探偵ホームズ』の伊側プロデューサー、マルコ・パゴットから。また服装(トレンチコート+帽子+サングラス)は、『刑事コジャック』のテリー・サバラス演じるテオ・コジャック警部補の容姿そのままである。通称名はイタリア語で「紅い豚」の意味。
マダム・ジーナ(Gina)
ポルコの昔馴染みで、ホテル・アドリアーノを経営する美女。空賊達を含めた飛行艇乗りのマドンナであり、「アドリア海の飛行艇乗りは、みんなジーナに(一度は)恋をする」と言われている。これまでに三度、飛行艇乗りと結婚したものの、全員と死別している。空軍内部をはじめ幅広い情報網を持っているようである。ポルコを本名で呼ぶ数少ない人物であり、密かに彼を愛していた様子。後にフィオと親しくなる。
フィオ・ピッコロ(Fio Piccolo)
1912年 - 1913年生まれの17歳。“ピッコロのおやじ”の孫娘で飛行機設計技師アメリカでの修行経験がある。ポルコが高く評価するほどの腕前。秘密警察に追われ復活したサボイアの飛行テストもままならずにミラノを去ろうとするポルコに「自分の仕事に最後まで責任を持ちたい」という理由で同行し、自身を掛け札にしてカーチスと再選させる。彼女の父親はポルコと同じ部隊に所属していた。後にジーナと親しくなり、ピッコロ社を継ぐ。
ピッコロのおやじ(Master Piccolo)
イタリア ミラノの飛行艇製造会社「ピッコロ社」(Piccolo S.P.A.)の経営者で、フィオの祖父。ポルコの昔馴染み。金払いにはシビアだが、面倒見の良い性格。3人の息子がいて、普段はその息子たちが設計を担当するのだが、不況の折の出稼ぎで3人とも不在で男手が足りないことから、仕事が入ると多くの親戚(全員女性)を従業員として工場を運営する。サボイアの改修に関しては機体全般はフィオに任せ、自らは最も得意とするエンジンチューニングに専念する。
マンマユート・ボス(Mamma Aiuto Boss)
大きな鼻にゴーグルが特徴の、空中海賊マンマユート団の親分。マンマユート団は、直訳すると「ママ助けて団」であるが、原作『飛行艇時代』によると「ママ怖いよ団」。空賊連合とは一定の距離を置いて一匹狼を気取っていたが、マンマユート団単機ではポルコに抗しきれず、不本意ながら連合と仕事を共にする。直情的ではあるが人情に厚く部下にも慕われる。ポルコの過去を知る人間の一人。金品の強奪は行うが、子供には優しい。メインキャラクターの一人だが正式な名前は設定されておらず、エンディングテロップにおいても「Mamma Aiuto Boss」とクレジットされている。
ドナルド・カーチス(Donald Curtis)[8]
アメリカ人(アリゾナの生まれで、祖母はイタリア人のクォーターらしい。1850年代南イタリアからアメリカへの移民が多かった時代背景がある)。愛機はカーチス R3C-0非公然水上戦闘機カーチス R3C-2がモデル)。空賊連合が雇った用心棒で、ポルコのライバル。惚れっぽい性格で、ジーナやフィオを次々口説くも玉砕する。後日、アメリカに帰国し西部劇の主演俳優となる。空賊の用心棒や映画俳優は、あくまでも人生の最終目標への布石である。なお、カーチス主演のポスターは、ロナルド・レーガン大統領の主演映画のデザインを採用している。
フェラーリン(Ferrarin)
ポルコの元戦友で、現在はイタリア空軍少佐。ポルコの身を心配し、空軍復帰を勧めている。彼がポルコやジーナの味方であるため、空軍は二人に手を出せないでいる。ピッコロ社から飛び立ったポルコに抜け道を教えたり、無線で空軍の動きをジーナに伝えたりと、密かに協力している。ポルコを本名で呼ぶ数少ない人物。モデルは、アルトゥーロ・フェラーリン
空賊連合(Band of air pirates)
アドリア海を仕事場とする空中海賊団で構成されたギルド。大きな獲物を狙う場合など、時に協力して「仕事」を行う。持ち回り制で組合会長もいるが実際は単なる空賊団同士の寄り合いの向きが強い。
作中ではマンマユート団を除く7団体が加盟する(マンマユート団は加盟していないことは、原作「飛行艇時代」43ページに記載がある。ただし、マンマユート団と空賊連合が少なくとも対立していないことは、劇中でのボス達の密談での会話で判明する)。それぞれの空賊団の構成員は、そのボスと瓜二つである。彼らの共通のマドンナはマダム・ジーナであり、屈強な彼らも彼女の前では子供扱い。また彼女の店の半径50km以内では仕事はしないらしい。同様に彼ら共通の敵は賞金稼ぎポルコ・ロッソである。
ボスはAがフランス人で左目に眼帯をした男。Bがスイス人。Cがシシリー人でモヒカン刈りをしている男。Dがノルマンの末裔で背が高い男。Eがプロヴァンス人。Fがオーストリア=ハンガリー帝国の元貴族で、眉間に三日月状の傷痕があり老眼鏡を掛けている。Gがクロアチア人。(以上、映画パンフレットによる)
劇中では、Aが空賊連合会長。ポルコとカーチスのボクシングのレフェリーを務めたのがC。
イメージボードには、一番大きい飛行艇を使っているのがF、一番零細企業がGと表記がある。(文芸春秋文春ジブリ文庫「ジブリの教科書7 紅の豚」による)
ラストシーンでも年老いた彼らが登場しており、アドリアーノに集う様子が描かれている。ポルコ・ロッソの本を読んでいるのがA。Aの左隣でサングラスを掛け葉巻を指に挟んでいるのがD。チェス盤を置いているテーブルを囲んでいるのがB、C、E、F。サングラスを掛け、頬杖をつきながらコーヒーカップを持っているのがB。後頭部が描かれているのがC。パイプを銜えているのがE。立っているのがFである。(文芸春秋文春ジブリ文庫「シネマコミック7 紅の豚」による)

登場する水上機、武器[編集]

水上機[編集]

物語に登場する水上機はオリジナルのものと実在した機体をモデルにしているものが混在している。

サボイアS.21試作戦闘飛行艇
ポルコの愛機である飛行艇。商品展開上の区別のため、ピッコロ社での改修後の形状を「サボイアS.21F」「F後期型」と称する場合がある(Fは設計主任フィオ・ピッコロのイニシャル)。
改修前のサボイアS.21試作戦闘飛行艇は、たった一機だけが製作された試作機である。「過激なセッティング」の為、離着水性に難があり、軍用機として制式採用されることなく「倉庫で埃をかぶっていた」ところをポルコがローンで購入した。ポルコ曰く、「スピードに乗れば、粘りのある翼」。
不調だったエンジン修理の為にミラノへ回送飛行中にカーチスと空戦になり、エンジントラブルが原因で被撃墜、半壊したことがF後期型へと改修された理由である。なおこの被撃墜は前述のローンを完済した直後である。機体ダメージはエンジンおよび主翼の全てを喪失するほどの全損と言っても差し支えないものであり、ピッコロ親父にも「新造した方が早い」と言われるほどである。しかし、ポルコの本機に寄せる強い思いによって再生への道を辿ることとなる。この時、フィオは木の性質を熟知した計算書を見て設計者の職人技に感心していた。
ピッコロ社でポルコがピッコロ親父に見せられた新エンジンには「GHIBLI」(ジブリ、イタリア語ではギブリ)の刻印がされており、ポルコはこれをフォルゴーレと呼ぶ。これは出版物などではフィアット製のフィアットAS.2エンジンだとされているが、フィアットAS.2は下で紹介されているマッキM.39が搭載していたものである[9]。なお、原作漫画の中ではフィアットAS.2ではなくロールス・ロイス ケストレルを新搭載エンジンとして採用していた。
実在した同名の飛行艇サヴォイア S.21複葉機であり物語の機体とはまったく異なる。これは宮崎が昔一度だけ見て印象に残ったものの、資料がないこともありそれが何だったか分からずにいた機体を再現したためである。後の対談でモデルとなったのは「マッキ M.33」であると判明した。
ラストでフィオがその後の話を語っている最中、ジーナの店の上を飛ぶシーンがあるが、よく見ると裏庭に続く道にこの飛行艇のように見える機体が止まっているのが分かる。
時代が現代になったエピローグにおいて、ターボプロップエンジン2重反転プロペラマッキMC.200のような半解放式風防を付けた本機がジェット旅客機を追い越していくシーンが作られたが、残念ながら本編ではカットされてしまった[10]
カーチスR3C-0非公然水上戦闘機
全長:6.29 m 翼幅:8.1 m 全高:3.15 m 最高速力:348 km/h[11]
ポルコの対抗馬であるカーチスの水上機。完全なオリジナルであったポルコの乗機とは異なり、実在のシュナイダー・トロフィー・レース優勝機カーチスR3C-2の(非公然)改造機という設定。
ブローニング製のプロペラ同調式機関銃を2丁装備したほか、レーサー時の翼面冷却をやめて機首下面に外付けラジエーターを付け、最高速度の低下と引き替えに整備性と信頼性をアップさせた。実はこのラジエーターは日本の川崎88式偵察機から流用したジャンクパーツという設定である[12]
ポルコの真紅のサボイアと対照的な濃青色は、第二次大戦期のアメリカ海軍機色を彷彿とさせ、カーチスがアメリカ人であるというイメージ付けにも一役買っている。垂直尾翼上に描かれたマークは「幸運のガラガラヘビ」。ポルコとの最終決戦時には胴体の白帯に矢が刺さったハートマークが描き加えられていた[13]
マッキM.39(M.52)
主人公の元同僚、フェラーリンがポルコを先導したときの機体。M.39は1926年度のシュナイダー・トロフィー優勝機であり、アメリカの3連覇を阻止した機体でもある。M.52は次回のシュナイダー・トロフィー用の機体でM.39の発展型であり、外形に大きな差はない。映画に登場したものは M.39/M.52 両者の特徴が混在しており、宮崎は「形式不明ってことにしておいてください」と説明している[14]
サボイア・マルケッティSM.55
ポルコとカーチスの対決を阻止しようと出動したイタリア軍編隊にその姿が見える。双胴飛行艇で、1933年に編隊大西洋往復を成し遂げた。映画のロケハン時に偶然これを記念する碑文を見つけ、満面の笑みでその前に立つ宮崎の写真が残っている[15]
マッキM.5(Macchi M.5
回想シーンにてポルコがまだ人間だった頃乗っていたイタリア軍機。本機は敵のオーストリア・ハンガリーの飛行艇ローナー L鹵獲してコピーしたマッキL.1から独自に発展させた物。メーカーであるニューポール・マッキ社でライセンス生産していたフランスニューポール戦闘機の一葉半形式の主翼を組み合わせ、本家よりも良い飛行艇になった。
ハンザ・ブランデンブルクCC
回想シーンにてポルコと戦っていたオーストリア・ハンガリー海軍の飛行艇。設計はエルンスト・ハインケル。最初から水上戦闘機として設計・運用された世界初の戦闘機。

武器[編集]

拳銃[編集]

短機関銃[編集]

小銃[編集]

機関銃[編集]

手榴弾[編集]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

さくらんぼの実る頃
作詞 - J. B. Clément / 作曲 - A. Renard / 唄 - 加藤登紀子
エンディング・テーマ - 「時には昔の話を
作詞・作曲・唄 - 加藤登紀子 / 編曲 - 菅野よう子 / ピアノ・アレンジ - 大口純一郎

声の出演[編集]

キャラクター 日本語版 英語版 フランス語版
ポルコ・ロッソ (Porco Rosso) 森山周一郎 マイケル・キートン ジャン・レノ
マダム・ジーナ (Madame Gina) 加藤登紀子 スーザン・イーガン ソフィー・デショーム
ピッコロおやじ (Mr. Piccolo) 桂三枝(現:桂文枝) デヴィッド・オグデン・スティアーズ ジェラルド・ヘルネンデス
マンマユート・ボス (Mamma Aiuto Boss) 上條恒彦 ブラッド・ギャレット ジャン=ピエール・カロッソ
フィオ・ピッコロ (Fio Piccolo) 岡村明美 キンバリー・ウィリアムズ=ペイズリー アデル・カラッソ
ドナルド・カーチス (Donald Curtis) 大塚明夫 ケイリー・エルウィス ジャン=リュック・レイシュマン
バアちゃん 関弘子 ?
フェラーリン少佐 (Maj. Ferrarin) 稲垣雅之  ? エリック・デュファイ
マルコ・パゴット (青年時代のポルコ・ロッソ) 古本新之輔 ?
空賊連合ボス 仁内建之
野本礼三
阪脩
島香裕
藤本譲
田中信夫
新井一典
フランク・ウェルカー
ケビン・マイケル・リチャードソン
ビル・ファッガーバッケ
ジュリアン・クラメール
パイロット ? ジャック・エンジェル ?
写真屋 辻村真人 ?
老人 矢田稔 ?
役不明 松尾銀三
大森章督
沢海陽子
喜田あゆみ
遠藤勝代
中津川浩子
中沢敦子
森山祐嗣
松岡章夫
佐藤広純
種田文子
井上大輔
佐藤ユリ
佐藤麻衣子
森田梨絵
高橋若菜
劇団若草
コーリー・バートン
ロブ・ポールセン
ジェフ・ベネット
トレス・マクニール
ディー・ブラッドリー・ベイカー
トム・ケニー
フィル・プルクター
マイケル・ベル、他

賞歴[編集]

売上記録[編集]

(日本国内)

内容 記録 補足
興行収入 約54億円[16] 推測
配給収入 27.13億円[16]
動員 304万9806人[16]
『イメージアルバム』 0.5万本出荷(1992年発売のCA)[17]
3万枚出荷(1992年発売のCD)[17]
0.5万枚出荷(1997年発売の再発CD)[17]
『サントラ音楽集』 0.5万本出荷(1992年発売のCA)[17]
8万枚出荷(1992年発売のCD)[17]
3万枚出荷(1997年発売の再発CD)[17]
『ドラマ編』 0.5万本出荷(1992年発売のCA)[17]
1.5万枚出荷(1992年発売のCD)[17]
『BOX-CD』 1.5万枚出荷(1992年発売のCD)[17]
VHS(徳間版) 15万本出荷[18] 1995年9月時点
VHS(ブエナビスタ版) 40万本出荷[18] 2003年6月時点
DVD(ブエナビスタ版、2枚組・特典付) 25万枚出荷[18] 2003年6月時点

テレビ放送の視聴率[編集]

回数 放送日 視聴率
1 1993年10月15日 20.9%
2 1995年09月29日 14.5%
3 1998年07月17日 17.8%
4 2000年06月16日 14.3%
5 2003年04月04日 18.7%
6 2005年04月22日 14.1%
7 2007年05月25日 15.0%
8 2010年07月02日 14.4%
9 2012年04月06日 11.2%
10 2013年09月06日 16.0%

関連商品[編集]

作品本編に関するもの[編集]

映像ソフト
出版
  • 『紅の豚』原作 飛行艇時代(大日本絵画、1992年7月)ISBN 4-499-20595-6
  • 紅の豚(ジス・イズ・アニメーション)(小学館、1992年8月20日)ISBN 4-09-101536-0
  • 時には昔の話を 宮崎駿・加藤登紀子対談(徳間書店、1992年8月31日)ISBN 4-19-554946-9
  • 紅の豚―フィルムコミック(1)(徳間書店、1992年9月20日)ISBN 4-19-772090-4
  • 紅の豚―フィルムコミック(2)(同上、1992年9月20日)ISBN 4-19-772091-2
  • 紅の豚―フィルムコミック(3)(同上、1992年10月25日)ISBN 4-19-772100-5
  • 紅の豚―フィルムコミック(4)(同上、1992年10月25日)ISBN 4-19-772101-3
  • ジ・アート・オブ 紅の豚(徳間書店、1992年10月30日、新装版1997年5月)ISBN 4-19-812100-1
  • ロマンアルバム 紅の豚(徳間書店、1992年11月1日、新装版2001年5月)ISBN 4-19-720160-5
  • スタジオジブリ作品関連資料集Ⅳ(スタジオジブリ、1996年12月31日)ISBN 4-19-860628-5
  • 宮崎駿の雑想ノート(増補改訂版)(大日本絵画、1997年8月4日)ISBN 4-499-22677-5。初版・1992年12月
  • 紅の豚(スタジオジブリ絵コンテ全集7)(徳間書店、2001年9月30日)ISBN 4-19-861424-5
  • 映画『紅の豚』原作 飛行艇時代 (増補改訂版:大日本絵画、2004年11月21日)ISBN 4-499-22864-6
  • ジブリの教科書7 紅の豚(スタジオジブリ編、文藝春秋文春ジブリ文庫〉、2014年9月10日)ISBN 978-4-16-812006-0
  • シネマ・コミック7 紅の豚(文藝春秋〈文春ジブリ文庫〉、2014年9月10日)ISBN 978-4-16-812106-7  
音楽
  • 紅の豚 イメージアルバム かっこいいとは、こういうことさ 徳間ジャパンコミュニケーションズ((再発版CD/1997年5月21日)TKCA-71155(オリジナル盤/1992年5月25日))
  • 紅の豚 サウンドトラック 飛ばねえ豚はただの豚だ! 徳間ジャパンコミュニケーションズ((再発版CD/1997年5月21日)TKCA-71156(オリジナル盤/1992年7月22日))
  • 紅の豚 ドラマ編 どうやったらあなたにかけられた 魔法がとけるのかしらね 徳間ジャパンコミュニケーションズ(1992年9月25日)TKCA-30663
  • スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX [Box set, Limited Edition] (CD) 徳間ジャパンコミュニケーションズ(2014年7月16日)

脚注[編集]

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  1. ^ JAL プレスリリース
  2. ^ [1]
  3. ^ 原案との大きな違いは、ポルコの過去のエピソードとそれに関わる人物(ジーナとフェラーリン)、ポルコが指名手配されファシスト政権に狙われるシーンなどシリアスな要素の追加である。また、原作ではピッコロ一族の男性が何名か登場するほか、マジョーレ湖で十分にテストをしてから出発するなどの相違点もある。
  4. ^ 『CUT』誌 2009年11月19日号
  5. ^ 作中主人公ポルコの読む雑誌「フィルム」が1929年
  6. ^ 顔は意図的に写されていない
  7. ^ 『風の帰る場所』の宮崎の発言より(2001年11月、pp.329)
  8. ^ 原作では自ら「ドナルド・チャック」と名乗っており、「カーチス」は愛機に因んだ渾名である。
  9. ^ 劇中でピッコロ親父が「1927年のシュナイダーカップでこのエンジンを載せたイタリア艇はカーチスに負けた」と発言しているが、1927年のシュナイダーカップでイタリア艇を破って優勝したのはイギリスのスーパーマリンS.5であり、その年度はカーチスどころかアメリカチームそのものが準備不足のため出場していない。DVDの英語版音声では史実としてカーチスが優勝した「1925年」と変更されているが、1925年出場のイタリア機マッキ M.33が搭載していたのはアメリカ製カーチスD12Aエンジンで、被撃墜前のイゾッタ・フラスキニよりも馬力が劣る。
  10. ^ 大日本絵画『飛行艇時代 増補改訂版』p64
  11. ^ 大日本絵画『宮崎駿の雑想ノート 増補改訂版』p92
  12. ^ 大日本絵画『飛行艇時代 増補改訂版』p34
  13. ^ 徳間書店『THE ART OF PORCO ROSSO 』p96
  14. ^ 大日本絵画『飛行艇時代 増補改訂版』p54
  15. ^ 徳間書店『ロマンアルバム 映画 紅の豚 ガイドブック』p106
  16. ^ a b c 叶精二『宮崎駿全書』173頁。
  17. ^ a b c d e f g h i 叶精二『宮崎駿全書』169頁。
  18. ^ a b c 叶精二『宮崎駿全書』171頁。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]