紅の豚
紅の豚 | |
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監督 | 宮崎駿 |
脚本 | 宮崎駿 |
原作 | 宮崎駿 |
製作 | 鈴木敏夫 |
製作総指揮 |
徳間康快 利光松男 佐々木芳雄 |
出演者 |
森山周一郎 加藤登紀子 岡村明美 桂三枝(現桂文枝 (6代目)) 上條恒彦 大塚明夫 |
音楽 | 久石譲 |
主題歌 |
「さくらんぼの実る頃」(OP) 「時には昔の話を」(ED) |
撮影 | 奥井敦 |
編集 | 瀬山武司 |
制作会社 | スタジオジブリ |
製作会社 |
徳間書店 日本航空 日本テレビ放送網 |
配給 | 東宝 |
公開 |
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上映時間 | 93分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
配給収入 |
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『紅の豚』(くれないのぶた)は、スタジオジブリ制作の日本の長編アニメーション作品。アニメーション映画として1992年7月18日から東宝系で公開された。原作は月刊モデルグラフィックスに連載していた漫画『宮崎駿の雑想ノート』の中の「飛行艇時代」[2]。
監督は宮崎駿。前作の『魔女の宅急便』に続いて劇場用アニメ映画の興行成績日本記録を更新した。
この作品以降、スタジオジブリ映画における宮崎駿監督作品は全て東宝系での公開となった。
スタジオジブリ作品では初めて、ヒロイン役を演じた役者本人が主題歌を歌っている。
目次
作品概要[編集]
当初は同じ原作本「宮崎駿の雑想ノート」から『突撃!アイアンポーク』アニメ化が進められたが、諸事情により中止となったため代案として企画された[3]。
世界大恐慌の時代のイタリア、アドリア海を舞台に、飛行艇を乗り回す海賊ならぬ空賊(作中では空中海賊と呼ばれる)と、それを相手に賞金稼ぎで生きるブタの姿をした退役軍人操縦士の物語。
日本航空での機内上映用として製作が開始されたが、長編化したため、劇場公開されることとなった。このため、劇場公開より先に日本航空国際便機内で先行上映され、劇場公開後も機内上映は続けられた。2007年9月には、日本航空国際線機内で「紅の豚」の再上映が行われた[4][5]。
原案は、月刊誌『モデルグラフィックス』の連載漫画記事宮崎駿の雑想ノートの「飛行艇時代」である[注 1]。生家が航空機産業に関係していたため、幼い頃から空を飛ぶことに憧れていた宮崎が、自分の夢として描いた作品である。宮崎自身がその演出覚書において、「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」にしたいと記している。本編制作中にプロデューサー鈴木敏夫の製作した宣伝用予告映像は、過激な空戦シーンを中心に繋いだ戦争映画さながらのものだった。まるで本編と方向性の異なるイメージで作られたそれに対し、宮崎は猛烈に怒ったという。
ロケハンは1990年9月に実施。メンバーは宮崎のほかプロデューサーの鈴木敏夫、アニメ監督の押井守ら6名。目的地はイタリアのテベレ川流域の山岳都市で、最後にローマを訪ねるというものだった。
加藤登紀子が主題歌とエンディング曲を歌うと共に、声優としても出演している。
作品世界は、宮崎自身の趣味を反映し、それまでの「子供向け」ではなく同年代に向けた作品となっている。一貫してアニメを児童のために作ることを自らに課してきた宮崎にとっては、製作後も是非を悩み続ける作品となった。一方で「イタリア人すら忘れてしまった航空機を復活させたり、存在しない空軍を出せたりしたことは道楽としては楽しかった」とも語っている[6]。また、下記のように続編製作を考えるなど、宮崎の思い入れが非常に強いことが伺える。
続編に関して宮崎は、作品完成後の打ち上げで「紅の豚パートIIを製作する」、「そのためにラストのストーリーも変更した」と発表しており、また、『借りぐらしのアリエッティ』製作時のインタビューでは「紅の豚の続編をやりたい」、「題名は『ポルコ・ロッソ 最後の出撃』」と語っている[注 2][7]。このことに関して、ポルコの声を務めた森山周一郎は後に「(宮崎は)引退を発表したが、パートII製作しないとストーリーが尻切れトンボのままで完結しない。何とか約束を実行して頂きたいものである。」と述べている[8]。
他のジブリ作品同様に『金曜ロードSHOW!』で繰り返し放送されており、宮崎が長編アニメ製作からの引退会見を行った2013年9月6日には当初の放送予定を変更して急遽オンエアされている。
音楽を担当した久石譲は、同時期に1920年代をテーマにしたソロアルバム『My Lost City』を制作しており、宮崎が同じ時代を舞台に本作を作っていたことに運命的なものを感じたという。宮崎は『紅の豚 イメージアルバム』と一緒に送られた『My Lost City』をとても気に入り、「あの曲が全部欲しい、全部『紅の豚』に欲しい」「イメージアルバムと取り替えて下さい」と久石に要求したという[9][10]。
時代背景[編集]
第一次世界大戦で戦勝国だったイタリア王国だが、国民から「栄光なき勝利」と呼ばれるまでに経済が不安定になっていた。本編は1929年頃の物語[注 3]で、既にイタリアは1922年のローマ進軍以来、ムッソリーニ率いるファシスト党の独裁下となっている。
1931年から本格的にヨーロッパへ波及する大恐慌の足音や、この当時一世を風靡したアニメーション、ベティ・ブープに似た映画、ライバル役のカーチスが1933年のラジオドラマ『ローン・レンジャー』の名台詞「ハイヨー、シルバー!」を口にするなど、当時の世情を伺わせる描写が散りばめられている。
作品名の「紅」とは主人公の駆る飛行艇の機体色だが、国家対抗の色合いが強かった当時の自動車レース[注 4]においてイタリアに割り当てられたナショナルカラーもまた、イタリア語で「レーシングの赤」を意味する「ロッソ・コルサ」であり、イギリスの緑の「ブリティッシュ・グリーン」、フランスの青の「フレンチ・ブルー」、ドイツの白または銀の「シルバー・アロー」[注 5]と並んで「イタリアン・レッド」とも呼ばれていた。
キャッチコピー[編集]
- 「カッコイイとは、こういうことさ。」(糸井重里の考案) - メインのキャッチコピーとしてCMやポスターなどに使用されていた。
- 「飛ばねぇ豚はただの豚だ」 - 作中のポルコのセリフで、劇場予告に印象的に使用されている。ポルコとの電話でジーナは「マルコ、今にローストポークになっちゃうから。私、イヤよ。そんなお葬式…」と言ったが、ポルコに「飛ばねぇ豚はただの豚だ」と返され、「バカ!」と電話を切っている。サウンドトラックの副題にもなっている。「飛ばねぇ」であり「飛ばない」ではない。
あらすじ[編集]
深紅の飛行艇を操る豚のポルコ・ロッソは、かつて人間だった頃イタリア空軍のエースだったが、今はアドリア海の小島に隠棲し、空中海賊(空賊)退治を請け負う賞金稼ぎとして暮らしている。ある晩、昔馴染みのジーナが営むホテル・アドリアーノを訪れたポルコは、米国製の飛行艇を操るアメリカ人カーチスに出会う。カーチスは空賊連合が雇った用心棒だった。
しばらく後、愛艇・サボイアのエンジン整備のためミラノに向かって飛んでいたポルコは、エンジン不調のままカーチスと遭遇し撃墜されてしまう。ポルコが大破した愛艇をミラノの工房ピッコロ社に持ち込むと、ピッコロじいさんとその孫で17歳の少女フィオが共同で修理に当たるという。ポルコは渋るが、フィオの熱意に絆されて愛機の設計を任せる。
一方、ファシスト政権に非協力的なポルコは、ミラノでも秘密警察や空軍に狙われていた。警告に来たかつての戦友フェラーリンは空軍への復帰を薦めるが、ポルコにそのつもりはない。やがてフィオの才能と献身によってサボイアは復活し、「人質」という建前でフィオも乗せたサボイアは秘密警察を振り切って離陸する。
ポルコがアドリア海の隠れ家に帰還すると、空賊連合が待ち受けていた。そこでポルコとカーチスの再決闘がセッティングされ、ポルコはフィオ(とカーチスの結婚)を、カーチスはサボイアの修理代金を賭けて戦うことになる。決闘当日、ポルコとカーチスのドッグファイトは決着がつかず、勝負は素手の殴り合いにまでもつれ込んだが、辛うじて立ち上がったポルコが勝者となる。イタリア空軍が迫っているために散り散りに解散する中で、ポルコとフィオにも不意に別れが訪れ、物語は幕を閉じる。
登場人物[編集]
- ポルコ・ロッソ(Porco Rosso) / マルコ・パゴット(Marco Pagot)
- 声 - 森山周一郎(青年時代:古本新之輔)
- 本作の主人公。自分自身に魔法をかけ、口髭をたくわえた豚人間[注 6]の姿になっている男。通称のポルコ・ロッソは、イタリア語で「紅い豚」という意味。1892年 - 1893年生まれの36歳。17歳の頃から飛行機を乗り回し、イタリア空軍入隊後は大尉まで昇進し、第一次世界大戦ではエース・パイロットとして活躍していた。退役した現在は、全体を艶やかに赤塗りした飛行艇サボイアS.21試作戦闘飛行艇[注 7]に乗って空賊を相手にする賞金稼ぎとして生きている。嵐の海に落ちた敵パイロットを助けたなどの逸話が伝わっていて、恰幅の良い豚の姿となった今でも女性にモテる人気の飛行艇乗り。自らを豚に変えた理由は明らかでないが、劇中では、国家や民族といった「人間」について回る帰属やしがらみを負って飛ぶ事から距離を置きたがる発言をしている。
- 賞金稼ぎとして幾多の空賊を撃退し、冒頭の客船襲撃事件の際には、空賊マンマユート団に対してモールス信号で「さもないと皆殺しにしてやるぜ」と脅すなど露悪的な所も見せるが、「戦争ではないから殺しはしない」というポリシー[注 8]のもと、搭乗員を狙わず機体だけを破壊するような戦法を好む。機動性に優れる戦闘機同士の空戦では「捻り込み」と呼ばれる戦闘機動で敵機の背後を取るのを得意とし、マンマユート・ボスからは「この技でアドリア海のエースになった」と評されている。
- 普段は無人島のアジトでワインを飲みながらラジオで音楽を聴き、ジタンをくゆらせる気ままな日々を送っている。街に出る時は白い背広に赤いネクタイを着用し、上からカーキ色のトレンチコート姿、ボルサリーノのソフト帽をかぶり、夜中でも黒眼鏡を常用して目元を隠しているが、顔を洗うシーンで素顔を見せている[注 9]。原作『飛行艇時代』ではジェノバ市出身で、機体にも垂直尾翼にジェノバ市の市章を描き入れている。また出身地故に共和派であり、それがファシストへの嫌悪感にも繋がっているようだ。
- ジーナは幼馴染みで、ただ純粋に飛行艇を乗り回していた頃、彼女を乗せて遊覧飛行をしたことが青春の思い出となっている。親友への遠慮からジーナとの関係に踏み込めず、両者の我慢比べが延々と続いている。
- 終盤、カーチスと二人きりになった際「おめぇ、その顔!?」と驚かれるシーンがあり、人間の外見に戻った様子だが、その時の顔は意図的に写されていない。宮崎曰く「人間に戻ってもまたすぐに豚に戻り、十日くらい経つと飯を食いにジーナの前に現れる」[11]のだという。
- 名前の由来は日伊合作アニメ『名探偵ホームズ』の伊側プロデューサー、マルコ・パゴットから。トレンチコートに帽子とサングラスという外見は、『刑事コジャック』のテリー・サバラス演じるテオ・コジャック警部補の容姿そのままである。
- マダム・ジーナ(Gina)
- 声 - 加藤登紀子
- ホテル・アドリアーノを経営する未亡人の女性実業家。これまでに三度飛行艇乗りと結婚し、全員と死別している[注 10]未亡人で、フランス語で「夫人」を意味する「マダム」で通っている。絶世の美女で、空賊を含めた数多くの飛行艇乗りたちのマドンナであり、「アドリア海の飛行艇乗りは、みんなジーナに一度は恋をする」と言われている。
- ポルコの昔馴染みで、作中でも数少ない「マルコ」の本名で呼ぶ人物でもある。ホテルには、人間だったころのポルコや仲間達と共に撮影した写真を飾っていて、青春期の回想シーンでは「アドリアーノ」という名の飛行艇に乗り、履いていたスカートが風でめくれてポルコが赤面するシーンも描写された。
- ポルコの事を以前から密かに愛していた様子で、豚に変わる魔法を解く方法を求めている。また、「ホテルの一角にある私庭に、昼間ポルコが訪ねて来るかどうか」という賭けをしており、訪ねてきたら、その時こそ彼を愛すると決めている。
- 軍部を含めて幅広い情報網を持ち、私室には情報収集用の本格的な無線装置も設えているほど。ポルコが生死不明となった際にはいち早く情報収集に動き、賭け試合の際にはフェラーリンの流した情報にもすぐに気付いた。後に、ポルコとの縁でフィオと親しくなる。
- フィオ・ピッコロ(Fio Piccolo)
- 声 - 岡村明美
- 1912年 - 1913年生まれの17歳。“ピッコロのおやじ”の孫娘で飛行機設計技師。同じく技師である彼女の父親は元空軍パイロットで、大戦中はポルコと同じ部隊に所属していた。アメリカでの修行経験があり、ポルコが愛機の再設計を任せるほどの卓越した才能を持つ。
- 秘密警察に追われ、復活したサボイアの飛行テストもままならずにミラノを出発しようとするポルコに「自分の仕事に最後まで責任を持ちたい」という理由[注 11]で無理矢理同行する。カーチスに頼り切りな空賊連合に説教をするほどの度胸があり、カーチスが彼女に一目惚れしたことを利用して、ポルコとの再戦を取り付けた。
- 再戦の決着後もポルコと行動を共にするつもりでいたが、ポルコは彼女を「堅気の世界に戻してやってくれ」とジーナに預け、自分から遠ざけた。ジーナとはこれを切っ掛けにホテル・アドリアーノに通うほどに親しい友人となる。後にピッコロ社を継ぐ。
- ピッコロのおやじ(Master Piccolo)
- 声 - 桂三枝(現桂文枝 (6代目))
- イタリア、 ミラノの飛行艇製造会社「ピッコロ社」(Piccolo S.P.A.)の経営者で、フィオの祖父。ポルコの昔馴染み。
- 金払いにはシビアだが、面倒見の良い性格。孫娘の熱意と技量を認めており、持ち込まれたサボイアの改設計を担当させる。ふだん設計を担当する三人の息子達は不況の折の出稼ぎで不在で、他の男手も出払っている事から、親戚中の女性を呼び集めて工場を稼動させた。作中では機体全般をフィオに任せ、自らは最も得意とするエンジンチューニングに専念する。
- ポルコに「手ぇ出すなよ」と言いつつ、フィオが整備士として同行することも快諾しており、年頃の女性と2人きりになる状況を、むしろポルコの方が気にしていた。
- マンマユート・ボス(Mamma Aiuto Boss)
- 声 - 上條恒彦
- 大きな赤鼻に髭面、飛行帽にゴーグルが特徴の、空賊マンマユート団の首領。マンマユート団は、直訳すると「ママ助けて団」であるが、原作『飛行艇時代』によると「ママ怖いよ団」という意味だという。メインキャラクターの一人だが正式な名前は設定されておらず、エンディングテロップにおいても「マンマユート・ボス」とクレジットされている。直情的で荒っぽいが、落ち度を指摘されれば素直に認める潔さを持っている他、人情に厚く部下からも慕われており、女性に弱く子供には優しい。また経緯は不明だが、ポルコの過去を知る数少ない人間の一人でもある。
- 率いるマンマユート団は客船襲撃に金品の強奪、児童誘拐にも手を染める悪党だが、「仲間はずれが出たら可哀想」という理由で幼い子供達を全員攫っていき、怪我をさせないよう持て余すなど、どこか抜けた所もある。
- 空賊連合とは距離を置いて一匹狼を気取っていたが、ポルコの活躍で仕事は捗らず資金不足に陥っている。修理費はおろか塗装代にも事欠く有様で、不本意ながら連合と仕事を共にする。愛機を修復し復帰したポルコを集団で待ち伏せ、私刑にかけようと息巻くものの、アドリア海の飛行艇乗りの心意気を説くフィオに感激し、カーチスとの再戦を取り仕切る事になった。
- ラストシーンでもスーツ姿で登場し、アドリアーノに来ている様子が描かれている。
- ドナルド・カーチス(Donald Curtis)
- 声 - 大塚明夫
- アラバマ生まれのアメリカ人で、祖母はイタリア人のクォーターらしい(1850年代に南イタリアからアメリカへの移民が多かった時代背景がある)。ディズニーから発売されたアメリカ版では、テキサス出身となっているという。愛機はカーチス R3C-2をモデルとした架空機カーチス R3C-0非公然水上戦闘機。空賊連合が雇った用心棒で、ポルコのライバル。パイロットとしての実力はポルコも認めるほど高い。気障な伊達男を気取っているが、コミカルな所も多い憎めない二枚目半。惚れっぽい性格で、違ったタイプの美しさを持つジーナやフィオを次々口説くも、ことごとく玉砕する。後日、アメリカに帰国し西部劇の主演俳優となる。空賊の用心棒や映画俳優は、あくまでも人生の最終目標への布石である。カーチス主演のポスターは、ロナルド・レーガン大統領の主演映画のレイアウトを踏襲している。原作『飛行艇時代』ではドナルド・チャックと名乗っており、「カーチス」は愛機にちなんだニックネームとなっている。また、空賊の用心棒となる展開自体は変わらないが、中盤で戦闘する相手は豪華客船の用心棒ではなくイタリア空軍のパトロール部隊であるなど、多少の差異が見られる。
- フェラーリン(Ferrarin)
- 声 - 稲垣雅之
- ポルコの元戦友で、現在はイタリア空軍の少佐。ジーナと共に作中においてポルコを本名で呼ぶ数少ない人物である。モデルは、アルトゥーロ・フェラーリンであるが、アルトゥーロ・フェラーリン本人として描写されているかは明確でない。
- ポルコの身を心配し、空軍復帰を勧めている。ピッコロ社から飛び立ったポルコに抜け道を教えたり、無線で空軍の動きをジーナに伝えたりと、密かにポルコやジーナに協力しているため、空軍はポルコを捕らえられずにいる。彼はポルコが軍人になってからの同僚であり、幼馴染ではないため、ホテル・アドリアーノ内に掛けてある少年時代の古い写真には写っていない。ジーナとのやりとりも劇中では無線のみで、いつ頃知り合ったのかは描写されていない。
- 空賊連合(Aero Viking Association/Band of air pirates)[注 12]
- 主にアドリア海を縄張りとする空賊団で構成されたギルド。大きな獲物を狙う場合など、時に協力して「仕事」を行う。持ち回り制で組合長もいるが、実際は単なる空賊団同士の寄り合いの向きが強い。
- 作中では7団体が加盟していて、原作「飛行艇時代」43ページの記載によれば、マンマユート団は加盟こそしていないが、特に対立もしていないことも劇中のボス達の密談で判明する。それぞれの空賊団の構成員達は、そのボスと瓜二つである。
- 彼らの共通のマドンナはマダム・ジーナであり、屈強な彼らも彼女の前では子供扱い。また彼女の店の半径50km以内では仕事はしないらしい。同様に彼らの共通の敵は賞金稼ぎのポルコ・ロッソである。
- 映画パンフレットによると、それぞれの空賊のボスはAがフランス人で左目に眼帯をした男。Bがスイス人で小柄の黒髪な男。Cがシシリー人でモヒカン刈りをしている男。Dがノルマンの末裔で背が高く左頬に傷痕がある男。Eがプロヴァンス人で禿頭に傷痕がある男。Fがオーストリア=ハンガリー帝国の元貴族で眉間に三日月状の傷痕があり老眼鏡を掛けている男。Gがクロアチア人で顎髭のある茶髪の男。
- 劇中では、Aが空賊連合組合長。ポルコとカーチスのボクシングのレフェリーを務めたのがC。
- イメージボードには、一番大きい飛行艇を使っているのがF、一番零細企業がGと表記がある[注 13]。
- ラストシーンでも年老いた彼らが登場しており、アドリアーノに集う様子が描かれている。葉巻を銜えながらポルコ・ロッソの本を読んでいるのがA。Aの左隣でサングラスを掛け葉巻を指に挟んでいるのがD。チェス盤を置いているテーブルを囲んでいるのがB、C、E、F。このうちサングラスを掛け、頬杖をつきながらコーヒーカップを持っているのがB。後頭部が描かれているのがC。パイプを銜えているのがE。立っているのがFである[注 14]。
登場する水上機、銃器[編集]
水上機[編集]
物語に登場する水上機は、実在した機体をモデルにしている型とオリジナルとが混在している。
- サボイアS.21試作戦闘飛行艇
- ポルコの愛機である飛行艇。商品展開などで区別が必要な場合、設計主任フィオのイニシャルを取って、改修後の姿を「サボイアS.21F」「F後期型」とする事もある。
- 改造前のサボイアS.21試作戦闘飛行艇は、たった1機だけが製造された試作機である。「危なくて飛べない」と言われるほど過激なセッティングが災いして、軍用機として制式採用されることはなかった。ポルコ曰く「倉庫で埃をかぶってた」ところをローンで購入したもので、離着水の難しさは認めつつ「スピードに乗れば、粘りのある翼だ」と評価している。
- ローン完済直後、不調だったエンジン修理のためにミラノへ回送飛行中にカーチスと空戦になり、エンジントラブルが原因で被撃墜、エンジンおよび主翼の全てを喪失する大損傷を受け、ピッコロ親父にも「新造した方が早い」と言われるほどだったが、ポルコの本機に寄せる強い思いによってF後期型へと再生の道を辿った。改修を任されたフィオは木の性質を熟知した計算書を見て、設計者の職人技に感心していた。
- ピッコロ社でポルコがピッコロ親父に見せられた新エンジンには「GHIBLI」(ジブリ、イタリア語ではギブリ)の刻印がされており、ポルコはこれをフォルゴーレと呼ぶ。これは、出版物などではフィアット製のフィアット AS.2 エンジンだとされているが、フィアット AS.2は下で紹介されているマッキ M.39が搭載していたものである[注 15]。なお、原作漫画の中ではフィアット AS.2ではなくロールス・ロイス ケストレルを新たに採用していた。
- 機体の垂直尾翼に描かれたマークは、ポルコの出身地であるジェノバ市の市章。
- 実在した同名の飛行艇サヴォイア S.21は複葉機であり、物語の機体とはまったく異なる。これは、宮崎が昔一度だけ見て印象に残ったものの、資料がないこともありそれが何だったか分からずにいた機体を再現したためである。後の対談でモデルとなったのは「マッキ M.33」であると判明した。
- ラストでフィオがその後の話を語っている最中、ジーナの店の上を飛ぶシーンがあるが、よく見ると裏庭に続く道に、この飛行艇のように見える紅い機体が係留されている。
- 時代が現代になったエピローグにおいて、ターボプロップエンジンに2重反転プロペラ、マッキ MC.200のような半解放式風防を付けた本機がジェット旅客機を追い越していくシーンが作られたが、本編ではカットされた[12]。
- カーチス R3C-0非公然水上戦闘機
- 全長:6.29m 翼幅:8.1m 全高:3.15m 最高速力:348km/h[13]
- ポルコの対抗馬であるカーチスの水上機。完全なオリジナルであったポルコの乗機とは異なり、実在のシュナイダー・トロフィー・レース優勝機カーチス R3C-2の(非公然)改造機という設定。
- ブローニング製のプロペラ同調式機関銃を2丁装備したほか、レーサー時の翼面冷却をやめて機首下面に外付けラジエーターを付け、最高速度の低下と引き替えに整備性と信頼性をアップさせた。実は、このラジエーターは日本の川崎88式偵察機から流用したジャンクパーツという設定である[14]。また速力ではサボイアを上回り、旋回力で劣り、上昇力は同等と分析された[15]。
- ポルコの真紅のサボイアと対照的な濃青色は、第二次世界大戦期のアメリカ海軍機色を彷彿とさせ、カーチスがアメリカ人であるというイメージ付けにも一役買っている。垂直尾翼上に描かれたマークは「幸運のガラガラヘビ」。ポルコとの最終決戦時には胴体の白帯に矢が刺さったハートマークが描き加えられている[16]。
- マッキ M.39(M.52)
- 主人公の元同僚、フェラーリンがポルコを先導したときの機体。M.39は1926年度のシュナイダー・トロフィー優勝機であり、アメリカの3連覇を阻止した機体でもある。M.52は次回のシュナイダー・トロフィー用の機体でM.39の発展型であり、外形に大きな差はない。映画に登場したものはM.39/M.52両者の特徴が混在しており、宮崎は「形式不明ってことにしておいてください」と説明している[17]。
- サヴォイア・マルケッティ S.55
- ポルコとカーチスの対決を阻止しようと出動したイタリア空軍編隊にその姿が見える。双胴の飛行艇で、1933年に編隊で大西洋往復を成し遂げた。映画のロケハン時に偶然これを記念する碑文を見つけ、満面の笑みでその前に立つ宮崎の写真が残っている[18]。
- マッキ M.5(Macchi M.5)
- 回想シーンにてポルコがまだ人間だった頃乗っていたイタリア空軍機。本機は、敵のオーストリア・ハンガリーの飛行艇ローナー Lを鹵獲してコピーしたマッキ L.1から独自に発展させた物。メーカーであるニューポール・マッキ社でライセンス生産していたフランス製ニューポール戦闘機の一葉半形式の主翼を組み合わせ、本家よりも良い飛行艇になった。
- ハンザ・ブランデンブルク CC
- 回想シーンにてポルコと戦っていたオーストリア・ハンガリー海軍の飛行艇。設計はエルンスト・ハインケル。最初から水上戦闘機として設計・運用された世界初の戦闘機。
銃器[編集]
拳銃[編集]
- S&W M3
- エンフィールド No.2
- コルト S.A.A.
- モーゼルC96
- ウェブリー Mk VI
短機関銃[編集]
小銃[編集]
機関銃[編集]
手榴弾[編集]
スタッフ[編集]
製作 | 徳間康快、利光松男、佐々木芳雄 | |
製作補 | 山下辰巳、宮崎和義、高木盛久 | |
協力製作 | 磯邊律男 | |
企画 | 小金井道宏、近藤晃、漆戸靖治 | |
音楽監督 | 久石譲 | |
作画監督 | 賀川愛、河口俊夫 | |
原画 | 大塚伸治、金田伊功、近藤勝也、近藤喜文、百瀬義行、篠原征子、遠藤正明、二木真希子、清水洋、森友典子、杉野左秩子、大谷敦子、磯光雄、安藤雅司、吉田健一、前田真宏、重国勇二、佐藤好春、大平晋也、箕輪博子、諸橋伸司、長谷川明子 | |
動画チェック | 舘野仁美、中込利恵、藤村理枝 | |
動画 | 手島晶子、佐藤伸子、柴田和子、木田葉子、大村まゆみ、北島由美子、長嶋陽子、横山和美、浅野宏一、伊藤秀樹、小西賢一、篠崎光司、野田武広、山田憲一、粉川剛、岡田妙智子、笹木信作、中村勝利、小野田和由、横井秀章 井上博之、斉藤昌哉、柴田絵理子、稲村武志、松瀬勝、芳尾英明、東誠子、山浦由加里、西戸スミエ、椎名律子、坂野方子、手塚寛子、末田久子、松下敦子、真野鈴子、長谷部敦志、近藤梨恵、槇田喜代子、岩柳恵美子、大友康子 新留理恵、太田久美子、安達昌彦、堀井久美、古屋浩美、常木志伸、牧孝雄 テレコムアニメーションフィルム 与沢桂子、宮本佐和子、蘇武裕子、赤城博昭、大楽昌彦、正路真由美、清水由紀子、馬場健、酒井一実、安留雅弥、矢沢真由、松川孝純 スタジオぴえろ 君島繁、小沢誠 | |
作画協力 | アニメトロトロ、OH!プロダクション、スタジオコクピット、グループどんぐり、スタジオたくらんけ | |
美術監督 | 久村佳津 | |
背景 | 男鹿和雄、山川晃、太田清美、田中直哉、武重洋二、崎元直美、長縄恭子、黒田聡 | |
特殊効果 | 谷藤薫児、橋爪朋二、玉井節子 | |
ハーモニー処理 | 高屋法子 | |
色彩チーフ | 保田道世 | |
色彩設計 | 立山照代、木村郁代 | |
仕上 | 小川典子、久田由紀、古谷由実、大城美奈子、小野暁子、井関真代、守屋加奈子、片山由里子、阿部穂美、木附沢幸恵、羅奈緒美、坂本洋子、吉川潤子、豊永幸美 スタジオキリー 高橋直美、渡部真由美、酒井雅代、平林和弘、西尾久美子、渡辺信子、黒木幸恵、末永康子、岡美代子、久保田滝子 IMスタジオ 伊勢田美千代、福間栄子、谷田陽子、成田照美、田島ゆかり、柴田美和子、小沼真理子、高山恭代 童夢舎 下川邊幸子、大町智恵子 京都アニメーション 笹川正美、高木理恵 スタジオぴえろ福岡分室 岩崎静子、松尾早百合、上原由美子、森次純子 スタジオOZ 細谷明美、磯崎昭彦 | |
仕上協力 | スタジオアド、宮崎アニメーションスタジオ、スタジオキャッツ、スタジオ古留美 | |
撮影監督 | 奥井敦 | |
撮影 | 旭プロダクション 谷口久美子、藤倉修二、新矢秀和、松澤浩之、刑部徹、梅田俊之、薮田順二、榊原広、福田寛、伊藤修一 | |
技術協力 | ムラオ・スタック 国際工業 斎藤芳郎 | |
音響制作 | オムニバスプロモーション 門倉徹、高木創 | |
音響監督 | 浅梨なおこ | |
整音 | 住谷真 | |
台詞編集 | 内田誠 | |
音響効果制作 | E&Mプランニングセンター | |
音響効果 | 佐藤一俊 | |
音響効果助手 | 小野弘典 | |
録音スタジオ | 東京テレビセンター | |
タイトル | 真野薫、道川昭 | |
編集 | 瀬山武司 | |
編集助手 | 足立浩 | |
編集所 | フィルムマジック | |
演出助手 | 松見真一、山本正仁、河西宏 | |
制作担当 | 高橋望 | |
制作デスク | 川端俊之、西桐共昭 | |
制作進行 | 有富興二、洞口朋紀、大塚浩二、伊藤裕之 | |
制作事務 | 山本珠実 | |
宣伝プロデューサー | 徳山雅也 | |
宣伝 | 大野浩 | |
エンディング構成 | 板垣恵一 | |
「紅の豚」 製作委員会 |
徳間書店 加藤博之、山平松夫、田所稔、金子彰、三浦厚志、星野博美 日本航空、日本航空文化事業センター 渡会信二、寺屋徹、河野裕、木内則明 日本テレビ 馬場俊明、和田仁宏、奥田誠治、古川典子 スタジオジブリ 古林繁、村田和也、田中千義、新井田雄一 | |
製作担当 | 佐々木崇夫 | |
現像 | IMAGICA | |
制作協力 | 博報堂 | |
制作 | スタジオジブリ | |
プロデューサー | 横尾道男、堀米次雄、武井英彦 | |
チーフプロデューサー | 武田実紀男 | |
エグゼクティブプロデューサー | 尾形英夫、兼子勲、間部耕苹、鈴木敏夫 | |
原作 脚本 監督 |
宮崎駿 モデルグラフィックス「飛行艇時代」より | |
配給 | 東宝 |
主題歌[編集]
- 主題歌「さくらんぼの実る頃」
- エンディング・テーマ「時には昔の話を」
声の出演[編集]
キャラクター | 日本語版 | 英語版 | フランス語版 |
---|---|---|---|
ポルコ・ロッソ (Porco Rosso) | 森山周一郎 | マイケル・キートン | ジャン・レノ |
マダム・ジーナ (Madame Gina) | 加藤登紀子 | スーザン・イーガン | ソフィー・デショーム |
フィオ・ピッコロ (Fio Piccolo) | 岡村明美 | キンバリー・ウィリアムズ=ペイズリー | アデル・カラッソ |
ピッコロおやじ (Mr. Piccolo) | 桂三枝(現桂文枝 (6代目)) | デヴィッド・オグデン・スティアーズ | ジェラルド・ヘルネンデス |
マンマユート・ボス (Mamma Aiuto Boss) | 上條恒彦 | ブラッド・ギャレット | ジャン=ピエール・カロッソ |
ドナルド・カーチス (Donald Curtis) | 大塚明夫 | ケイリー・エルウィス | ジャン=リュック・レイシュマン |
バアちゃん | 関弘子 | ? | |
フェラーリン少佐 (Maj. Ferrarin) | 稲垣雅之 | ? | エリック・デュファイ |
マルコ・パゴット (青年時代のポルコ・ロッソ) | 古本新之輔 | ? | |
空賊連合ボス | 仁内建之 野本礼三 阪脩 島香裕 藤本譲 田中信夫 新井一典 |
フランク・ウェルカー ケビン・マイケル・リチャードソン ビル・ファッガーバッケ |
ジュリアン・クラメール |
パイロット | ? | ジャック・エンジェル | ? |
写真屋 | 辻村真人 | ? | |
老人 | 矢田稔 | ? | |
役不明 | 松尾銀三 大森章督 沢海陽子 喜田あゆみ 遠藤勝代 中津川浩子 中沢敦子 森山祐嗣 松岡章夫 佐藤広純 種田文子 井上大輔 佐藤ユリ 佐藤麻衣子 森田梨絵 高橋若菜 劇団若草 |
コーリー・バートン ロブ・ポールセン ジェフ・ベネット トレス・マクニール ディー・ブラッドリー・ベイカー トム・ケニー フィル・プルクター マイケル・ベル、他 |
賞歴[編集]
- 第47回毎日映画コンクール音楽賞、アニメーション映画賞
- 全国興業環境衛生同業組合連合会・第9回ゴールデングロス賞最優秀金賞、マネーメイキング監督賞
- 第5回石原裕次郎賞
- 文化庁優秀映画作品賞
- アヌシー国際アニメーション映画祭・長編部門グランプリ
売上記録[編集]
(日本国内)
内容 | 記録 | 補足 |
---|---|---|
興行収入 | 約54億円[19] | 推測 |
配給収入 | 27.13億円[19] | |
動員 | 304万9806人[19] | |
『イメージアルバム』 | 0.5万本出荷(1992年発売のCA)[20] 3万枚出荷(1992年発売のCD)[20] 0.5万枚出荷(1997年発売の再発CD)[20] |
|
『サントラ音楽集』 | 0.5万本出荷(1992年発売のCA)[20] 8万枚出荷(1992年発売のCD)[20] 3万枚出荷(1997年発売の再発CD)[20] |
|
『ドラマ編』 | 0.5万本出荷(1992年発売のCA)[20] 1.5万枚出荷(1992年発売のCD)[20] |
|
『BOX-CD』 | 1.5万枚出荷(1992年発売のCD)[20] | |
VHS(徳間版) | 15万本出荷[21] | 1995年9月時点 |
VHS(ブエナビスタ版) | 40万本出荷[21] | 2003年6月時点 |
DVD(ブエナビスタ版、2枚組・特典付) | 25万枚出荷[21] | 2003年6月時点 |
テレビ放送の視聴率[編集]
回数 | 放送日 | 視聴率 |
---|---|---|
1 | 1993年10月15日 | 20.9% |
2 | 1995年 | 9月29日14.5% |
3 | 1998年 | 7月17日17.8% |
4 | 2000年 | 6月16日14.3% |
5 | 2003年 | 4月 4日18.7% |
6 | 2005年 | 4月22日14.1% |
7 | 2007年 | 5月25日15.0% |
8 | 2010年 | 7月 2日14.4% |
9 | 2012年 | 4月 6日11.2% |
10 | 2013年 | 9月 6日16.0% |
11 | 2016年11月11日 | 13.2% |
12 | 2018年11月 | 2日12.5% |
関連商品[編集]
作品本編に関するもの[編集]
- 映像ソフト
-
- 紅の豚 VHS - 徳間書店(1992年12月21日)
- 紅の豚 LD - 徳間書店(1997年6月15日)
- 紅の豚 VHS - ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント(1999年4月23日)
- 紅の豚 DVD - ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント(2002年3月29日)
- DVD(宮崎駿監督作品集) - ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン (2014年7月2日)
- 紅の豚 Blu-ray Disc - ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(2013年7月17日)
- Blu-ray Disc(宮崎駿監督作品集) - ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン (2014年7月2日)
- 出版
-
- 『紅の豚』原作 飛行艇時代(大日本絵画、1992年7月)ISBN 4-499-20595-6
- 映画『紅の豚』原作 飛行艇時代 (増補改訂版:大日本絵画、2004年11月)ISBN 4-499-22864-6
- 紅の豚(THIS IS ANIMATION)(小学館、1992年8月20日)ISBN 4-09-101536-0
- 時には昔の話を 宮崎駿・加藤登紀子対談(徳間書店、1992年8月31日)ISBN 4-19-554946-9
- 紅の豚―フィルムコミック(1)(徳間書店、1992年9月20日)ISBN 4-19-772090-4
- 紅の豚―フィルムコミック(2)(同上、1992年9月20日)ISBN 4-19-772091-2
- 紅の豚―フィルムコミック(3)(同上、1992年10月25日)ISBN 4-19-772100-5
- 紅の豚―フィルムコミック(4)(同上、1992年10月25日)ISBN 4-19-772101-3
- ジ・アート・オブ 紅の豚(徳間書店、1992年10月30日、新装版1997年5月)ISBN 4-19-812100-1
- ロマンアルバム 紅の豚(徳間書店、1992年11月1日、新装版2001年5月)ISBN 4-19-720160-5。
- スタジオジブリ作品関連資料集IV(スタジオジブリ、1996年12月31日)ISBN 4-19-860628-5
- 紅の豚(スタジオジブリ絵コンテ全集7)(徳間書店、2001年9月30日)ISBN 4-19-861424-5
- ジブリの教科書7 紅の豚(スタジオジブリ編、文藝春秋〈文春ジブリ文庫〉、2014年9月10日)ISBN 978-4-16-812006-0
- シネマ・コミック7 紅の豚(文藝春秋〈文春ジブリ文庫〉、2014年9月10日)ISBN 978-4-16-812106-7
- 『紅の豚』原作 飛行艇時代(大日本絵画、1992年7月)ISBN 4-499-20595-6
- 音楽
-
- 紅の豚 イメージアルバム かっこいいとは、こういうことさ 徳間ジャパンコミュニケーションズ((再発版CD/1997年5月21日)TKCA-71155(オリジナル盤/1992年5月25日))
- 紅の豚 サウンドトラック 飛ばねえ豚はただの豚だ! 徳間ジャパンコミュニケーションズ((再発版CD/1997年5月21日)TKCA-71156(オリジナル盤/1992年7月22日))
- 紅の豚 ドラマ編 どうやったらあなたにかけられた 魔法がとけるのかしらね 徳間ジャパンコミュニケーションズ(1992年9月25日)TKCA-30663
- スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX [Box set, Limited Edition] (CD) 徳間ジャパンコミュニケーションズ(2014年7月16日)
- その他関連書籍
-
- 宮崎駿 映画の風(著:空の会、創樹社、1993年12月)
- 宮崎駿の雑想ノート(増補改訂版)(大日本絵画、1997年8月)ISBN 4-499-22677-5。初版・1992年12月
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 原案との大きな違いは、ポルコの過去のエピソードとそれに関わる人物(ジーナとフェラーリン)、ポルコが指名手配されファシスト政権に狙われるシーンなどシリアスな要素の追加である。また、原案ではピッコロ一族の男性が何名か登場するほか、マジョーレ湖で十分にテストをしてから出発するなどの相違点もある。
- ^ ただし、このインタビューでは「『やっぱだめだな』と思ったんですよ(笑)。それはやっぱり道楽だって」とも語っているため、本気ではないとも受けとることができる。
- ^ 作中主人公ポルコの読む雑誌「フィルム」が1929年号。
- ^ 国威を誇示するためにイタリアのアルファ・ロメオはムッソリーニからの、ドイツのアウトウニオンやメルセデス・ベンツはヒトラーからの支援を受けてヨーロッパ・ドライバーズ選手権(当時の自動車レース最高峰。F1の前身)、いわゆる「グランプリ・レース」などで活躍していた。
- ^ 当初は白が割り当てられていたが、銀に変更された。その理由は諸説あるが、メルセデス・ベンツ・W25が由来という説が有名である。
- ^ 単に肥満しているのではなく、耳や鼻が豚のものに変化している。
- ^ モデルはマッキ M.33。
- ^ これを理由に、威力の高い機銃弾の売り込みを断っているほか、カーチスとの決闘でもマンマユート・ボスが言及している。
- ^ 豚の顔でかつ、無傷の状態の顔が描かれたのはこのシーンのみ。ただし、カーチスとの空中戦で目が描かれてはいる。
- ^ 一人目の夫はポルコの戦友ベルリーニであり、第一次世界大戦で戦死。他の二人もポルコの友人だったようで、二人目は大西洋で亡くなった。三人目は行方不明だったが、つい最近、ベンガルで墜落機体が発見され訃報が届いていた。
- ^ 「自分が人質にされた」と偽装することで、ピッコロ社がポルコの協力者として追求されるのを防ぐ意味もあった。
- ^ 「飛行艇時代」「ジ・アート・オブ 紅の豚」は、前者の表記を採用している。
- ^ 文芸春秋文春ジブリ文庫「ジブリの教科書7 紅の豚」による。
- ^ 徳間書店「ジ・アート・オブ 紅の豚」、徳間書店「ロマンアルバム 紅の豚」、文芸春秋文春ジブリ文庫「ジブリの教科書7 紅の豚」等にこのシーンが掲載されているが、解説等はない。また、絵コンテ集に掲載や記載はない。ただし、以下の特徴から判別は可能である。Aは眼帯と髭。Bは鼻の下の髭。Cは髪形。Dは左頬の傷痕。Eは頭の傷痕。Fは老眼鏡と眉間の傷痕と鼻の下の髭。
- ^ 劇中でピッコロ親父が「1927年のシュナイダーカップでこのエンジンを載せたイタリア艇はカーチスに負けた」と発言しているが、1927年のシュナイダーカップでイタリア艇を破って優勝したのはイギリスのスーパーマリンS.5であり、アメリカチームは準備不足で出場していない。DVDの英語版音声では、史実でカーチスが優勝した「1925年」と変更されているが、1925年出場のイタリア機マッキ M.33が搭載していたのはアメリカ製カーチスD12Aエンジンで、ポルコ機が被撃墜前に積んでいたイゾッタ・フラスキニよりも馬力が劣る。
出典[編集]
- ^ 1992年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
- ^ 「飛行艇時代―映画『紅の豚』原作」(大日本絵画、2004年)にも再録
- ^ 『宮崎駿の雑想ノート』P103
- ^ JAL プレスリリース
- ^ [1]
- ^ 『CUT』誌 2009年11月19日号
- ^ “シネマトゥデイ” 2018年11月11日閲覧。
- ^ 紅の豚 -森山周一郎オフィシャルサイト- 2018年11月11日閲覧。
- ^ 久石譲『I am 遥かなる音楽の道へ』メディアファクトリー、1992年、P73。
- ^ 『久石譲 in 武道館 パンフレット』p17。
- ^ 『風の帰る場所』の宮崎の発言より(2001年11月、pp.329)
- ^ 大日本絵画『飛行艇時代 増補改訂版』p64
- ^ 大日本絵画『宮崎駿の雑想ノート 増補改訂版』p92
- ^ 大日本絵画『飛行艇時代 増補改訂版』p34
- ^ 大日本絵画『飛行艇時代 増補改訂版』p17
- ^ 徳間書店『THE ART OF PORCO ROSSO 』p96
- ^ 大日本絵画『飛行艇時代 増補改訂版』p54
- ^ 徳間書店『ロマンアルバム 映画 紅の豚 ガイドブック』p106
- ^ a b c 叶精二『宮崎駿全書』173頁。
- ^ a b c d e f g h i 叶精二『宮崎駿全書』169頁。
- ^ a b c 叶精二『宮崎駿全書』171頁。
参考文献[編集]
- 酒井信『最後の国民作家 宮崎駿』2008年10月 文芸春秋、文春新書
- アニメージュ編集部編『ジブリロマンアルバム・紅の豚』ISBN 4197201605
- アニメージュ編集部編『THE ART OF 紅の豚』ISBN 4198121001
- 大日本絵画『飛行艇時代―映画「紅の豚」原作 増補改訂版』ISBN 978-4499228640
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 「スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI」公式サイト
- 紅の豚 - 日本映画データベース
- 紅の豚 - allcinema
- 紅の豚 - KINENOTE
- 紅の豚 - Movie Walker
- 紅の豚 - 映画.com
- Porco Rosso - オールムービー(英語)
- Porco Rosso - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- 紅の豚 - 金曜ロードショー(2005年4月22日放送分)
- 紅の豚 - 金曜ロードショー(2007年5月25日放送分)
- 紅の豚 - 金曜ロードショー(2010年7月2日放送分)
- 紅の豚 - 金曜ロードSHOW!(2012年4月6日放送分)
- 紅の豚 - 金曜ロードSHOW!(2013年9月6日放送分)
- 紅の豚 - 金曜ロードSHOW!(2016年11月11日放送分)
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