ジャンク品

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ジャンク品(ジャンクひん、英語:Junk、故障品と同義)とは、そのまま使える見込みがないほど故障・損耗し、本来の製品としての利用価値を失っている故障品。ゴミ。未使用か中古かは関係がない。 修理したり部品取りなどを行う者もいるが、販売側からの保証はなく返品できない物が多い。

ジャンクジャンクパーツと呼ぶこともある。年式があまりにも古いなどで商品価値が極めて低く大した利益が見込めない商品は買取後に動作チェックをせずにジャンクコーナーに並べられている場合がある。

また、これらを主に扱っている店を俗に「ジャンク屋」、あるいは「ジャンク店」、「ジャンクショップ」などと呼ぶ。特に自動車・オートバイの分野では、解体屋スクラップ工場が実質的な販売窓口になることが多いため、「スクラップ屋」「ポンコツ屋」「もぎ取り屋」と呼ぶ場合もある。

概要[編集]

ジャンク品は廃棄物の一形態である。

ジャンク品を積極的・意欲的に探求する行為を「ジャンク漁り(じゃんくあさり)」と呼ぶことがある。また、ジャンク漁りと似たような意味で、「ジャンク屋巡り(じゃんくやめぐり)」という語句も使われている。この2者を明確に分ける定義は存在しないが、前者はジャンク品として販売されている物を求めるにとどまらず、廃棄物からの部品回収など、使える手段を最大限にとって行動することを含むのに対し、後者はあくまで販売されているジャンク品を求めて様々な場所に赴く行為を指す。

主にPCパーツのジャンク品を漁る者のみを指して使う言葉として、「エナー」という呼称もある[1]。なお、パソコン分野でのジャンク品についての詳細はジャンク品 (パーソナルコンピュータ)を参照されたい。

また、ジャンク品自体、「動作未確認」、「一部動作に問題がある」、「完全に故障品」と様々な形式があるが、完全に故障していると認識している場合、もしくは修理品であること等の瑕疵を知り得ているにも関わらずそれを隠した上で動作未確認、動作品に問題ないがジャンク品などと称して販売する行為は景品表示法における不当表示に該当する恐れがある[2]

ジャンク品の使い道[編集]

別製品の修理
ニコイチなどに供する部品取りにする。古い音響機器や電子楽器が故障した場合、現在では生産されていない素子が用いられていることが多く、ジャンク品から部品を取り出してまかなう。
自動車の場合、ターボチャージャーショックアブソーバーカーオーディオなどは廃車のものであっても個別のパーツとして再利用できる見込みがある。
実用品の製造
特に戦後から高度成長期には、電子部品は非常に高価だったため、米軍放出ジャンクなどを使って新たな無線機を組み立てることも行われた。今日では出来合いの品を購入して使うだけだが、このようにジャンク品から新たな実用品を製造する過程では、様々な知識や技術が身に付くため「無価値」とされたジャンク品が「宝物」としてよみがえった。
実験用・撮影用
家電製品などで、間違った使い方を行うとどのような危険が起きるかを知らせるかというような、生活情報を発信する目的で使用する場合。
映像作品において乱闘シーンや爆破シーンなど、破壊を前提とした場面を撮影する場合。
転用する
もと軍用品の弾薬入れをバイクに取り付けて荷物入れにする。
パソコンや通信機器のジャンク品を幼児のおもちゃにする。
ピストンエンジンのヘッドカバーを灰皿や小物入れにする。
ジャンク品を集めて工芸品・芸術作品を作る(ジャンク・アート)。
プラモデルなど模型の部品をストックしておき、改造あるいはスクラッチビルドを行う際の材料として用いる。
壊れた家電製品やゲーム機の外装/フレームを改造し、個性的な自作パソコンを制作する。
修理して使う、もしくは性能の悪さを受認してそのまま使う。
修理することで再利用できる品がジャンク品として出回っていることがある。特に音響機器や楽器に関しては古くても価値の高いものが存在し、新しい製品で得られない使用感のためにジャンク品の機器を購入し、多額の修理費を投じたり自分で一つ一つ修理して実用品のレベルに戻すという使い方がある。
登録に必要な書類を紛失・失効した自動車を「ミサイル(廃車覚悟の練習用ドリフト車)」など競技専用車、構内専用作業車などクローズドコース専用車として使用する。中には公道走行を一切無視した内容の改造が行われることもある[3]
実用品としてそのまま使う
単なる中古品や新品が、何らかの事情によりジャンク品として格安で販売されている場合があり、そのまま実用品として使うことが出来る。一般のジャンク品と外見上は区別ができない。購入後に動作確認してはじめて区別が出来る。
観賞用・学習用・研究用
楽器・カメラ・軍用品・鉄道車両のジャンク品はインテリアとして室内や店舗などに飾ることができる。
自動車やコンピュータのジャンク品は解剖して内部の構造を知ることができる(リバースエンジニアリング)。
既に生産されていない電子部品を解析して互換品または相当品を作ることができる。
ソフトウェアエミュレーターなどを作成するにあたって公開されていない仕様を調べることができる。

ジャンク品の利用にあたっての注意[編集]

ジャンク品を販売する側としては、「まともに使えない」ことを前提としているため、ある程度形の整っているものであっても、正常に動かない場合がある。また、一つのジャンク品の中に含まれる個々の部品類についても同様であり、ジャンク品から回収した部品を用いてトラブルが起こることもある。

ジャンク品には説明書や回路図、取付方法などの情報は提供されない。なお、ジャンク店側で独自にそれらを解析し、データ付きとして売っている場合もある。

また、一部ではあるが故障品をジャンク品と偽って販売する悪質なユーザー、及び業者が存在する。本来であれば該当の品は処分されるべきものを、処分に纏わるコストを嫌い、なおかつ利益を得るために行っているものと推察されるが、そのような行為は景品表示法に触れる恐れがある。

特にインターネット通販やオークションサイトでは現物を見ることも叶わず、断線やショートを起こしている箇所を隠して写真を掲載し、写真のみが全てと称するなど、極めて悪質な行為を行う業者・ユーザーも存在するため注意を要する。

再廃棄の問題[編集]

部品回収を意図して入手したひとまとまりのジャンク品から、目当ての部品や再利用できる部品を取り出した残りは無価値なものとなり、再廃棄されてしまう。特に自動車やパソコンの場合はリサイクルに関する制度が設けられており、部品取りした後の自動車やパソコンにも適用される。だが、必ずしも部品を取った人がきちんと遵守し、費用を負担しリサイクルにまわすとは考えにくい。ジャンク品として流通する物品は概して処理しにくいものであり、それゆえに不法な、環境を害する形での再廃棄が行われる場合もある。

ネットオークションでのジャンク表記[編集]

廃品業者もネットオークションを行っている事が多いため、実店舗とあまり差はない。

稀にジャンク品を「現状品」と混同する出品者がいる。「現状品」は現状のまま、メンテナンスを行わない品という意味であり、故障品を表す用語ではない。さらに「ノークレーム、ノーリターン」等と記載すればジャンク扱いになると考えている出品者もいるが、これらは故障を表現する用語ではないため免責とはならない。

ネットオークションでの「ジャンク」「ジャンク扱い」表記は、「故障品、保証なし、動作不可、返品不可」などの意思表示である。正常に動作しなかったり、使用による常識的な傷があっても保証義務がない。そのため、本当に故障している物を高額で売りつける者も多数存在する。一見正常に稼働する物であっても、経年劣化により動作が不安定であったり寿命が尽きかけている可能性がある。

表記と明らかに異なる取引を行ったり、明白な不具合を故意に隠そうとしたなどが認められる場合は販売責任を問われる。ジャンク(故障品)といえども販売物であり、契約である。ただし、オークション運営が法的に介入してくる事は有り得ない。詐欺などに遭遇しても自己責任となり、刑事や民事告訴が必要なため、ジャンク品に手を出す事は非常にハイリスクと言える。しかしジャンク品は動作品と比較して非常に低価格なため、価格に釣られて手を出してしまう者が後を絶たない。

ジャンク品の出品形態は様々である。どのような場合であれ、クレームや返品を受けないように予防線を張るという意味合いが強い。

  • 動作確認を行うための技術的または時間的余裕がない。この場合は十分な説明がなされない。
  • 故障品と認知しているが、部分的ながらも動作確認を行って説明し、修理用・部品取り用として提供している。
  • 完全な故障品と認知しており、少々の落札額や梱包料、送料などで儲けを得ようとしている。または廃棄物を押し付けようとしている。この場合も十分な説明がなされないことが多い。故障確認済みの物を「動作確認を行っていないためジャンク扱い」と虚偽説明し、買い手に期待させて高額で販売する事もある。「動作確認済み、ジャンク扱い」と記載されている商品も多々見受けられる。この場合、動作確認の部分に関しては保証義務が発生する。また前述の通り、虚偽説明及び故障を認識している事実を隠して販売する行為は景品表示法に触れる恐れがある。

あくまで故障品であり、「動作するかもしれない」「美品かもしれない」という妄想は荒唐無稽である。ゴミ捨て場の粗大ゴミと同レベルだと考えた方が良い。「返品可能」の表記がなければ、まず保証はされない。修理技術者が部品取りすら出来ない粗悪品や、偽ブランド品も存在する。ジャンク品をつかまされた者が他者へ転売する「ババ抜き」も存在する。

ジャンク専門店では素人に比べ、簡単な動作確認を行う程度の知識、工具、人件費が揃っている事が多い。また通信販売では送料の負担が大きく、落札者側からクレームが付きやすく、対応にコストがかかる。悪い評価をされれば、その後の販売に影響する。そのため、なるべく高く安全に売るために最低限の動作確認を行うはずである。それにもかかわらずジャンクと称して安く売るには理由が存在するのである。

脚注[編集]

  1. ^ 今すぐ使えるアキバワード Vol.32”. アイティメディア株式会社 (2007年5月11日). 2017年1月28日閲覧。
  2. ^ 不当景品類及び不当表示防止法ガイドブック (PDF)”. 消費者庁. 2017年1月28日閲覧。
  3. ^ 「MOD MAX」 Episode 1(YouTubeチャンネル「mightycarmods」)
    S15シルビアに『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を意識した改造を行うという内容。マッドマックス風なので公道での走行を一切無視した改造内容になっており、ベース車としてStatutory write-off Vehicle(日本で言うところの「永久抹消登録済み車両」)が使われた。

関連項目[編集]