ホンダ・ジャイロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ジャイロ (GYRO) は、本田技研工業が製造販売するオートバイのシリーズ商標である。本項では同社が過去に製造販売した派生車種についても解説を行う。

概要[編集]

2輪車の特長であるスムーズ・軽快・経済性を損なうことなく、4輪車の特長である居住性・快適性を合わせもつ備えた新しいカテゴリーの乗りものを前1輪・後1軸2輪のスクーター=スリーターと銘打ち1981年11月に発売されたストリーム[1]に続いて第2弾となる排気量49㏄の原動機付自転車で、1982年10月にジャイロ Xとして販売開始された[2]

車名はGreat(偉大な)Yours(あなたの)Recreational(娯楽の) Original(オリジナル=独特)の頭文字を取ったもので『優れた多目的性を持ち、仕事からレジャーまで使える独特の乗りもの』というう意味合いが含まれ、さらに羅針盤(方位磁針)を意味するジャイロコンパスとのダブルミーニングである[2]。また当初の市販モデルとなったXにはこれから次々と楽しい使い方が生まれてくる秘めた可能性を込めた。

他のスリーターシリーズがいずれも1985年までに生産終了となるも、本シリーズはバリエーション展開を広げ、2008年に搭載エンジンを空冷2ストローク単気筒から水冷4ストローク4バルブSOHC単気筒へ変更するフルモデルチェンジ[注 1]を経て、2017年現在でも製造販売が継続される。

車両解説[編集]

本シリーズでは以下の車名・型式名[注 3]で3バリエーションが販売された。

  • ジャイロ X(型式名TD01):1982年10月13日発表 同月14日発売[2]
  • ジャイロ UP(型式名A-TA01):1985年9月18日発表 同年10月1日発売[5]
  • ジャイロ キャノピー(型式名A-TA02):1990年11月13日発表 同年12月1日発売[6]

以下は3バリエーション共通の構造について解説を行うと共にバリエーションごとの詳細はそれぞれの項目を参照のこと。

車体はバックボーン型フレームを採用。サスペンションは、前輪がボトムリンク、後輪がユニットスイングと通常の2輪スクーターと同様であるが、車体中央付近に回転軸を持った相互の連結部に適切な復元力をあたえるナイトハルト機構[注 4]を採用したことにより、側車付二輪車オート三輪・通常のトライク[注 5]などとは異なり、通常のオートバイと同様にコーナリングでフロントボディの左右自在スイング、即ち内側への重心移動を可能にした点が最大の特徴であるが、スイング状態からの復元力が若干異なり、リアホイールが旋回時にキャンバースラストを発生しないため、通常のオートバイやスクーターよりも旋回時に大きくバンクさせる必要がある。

加えてリヤ駆動軸にXは当初車軸左右回転差を調整するデファレンシャルクラッチ[2]、UP・キャノピーではデファレンシャルギアを搭載し[5]、旋回性を向上させた。

また構造上スタンド類は未装備で、代わりにスイング機構や車輪を固定するワンタッチ操作のパーキングロック機構を装備し、傾斜地においても車体の水平を保ったまま駐車することが可能である。

タイヤホイールサイズは、前輪がXの1982年モデルのみ3.75-8としたほかは[2]、X・UPが3.50-10[5]→90/100-10、キャノピーが4.00-12[6]→100/100-12[8]、後輪は当初が5.40-6[2][5]、キャノピーラインナップ後が130/90-6[6]、4ストローク化後が130/70-8[8]とするほか、ブレーキは前後リーディング・トレーリングを装着する。

搭載されるエンジンは、2ストローク時代はXがTD01E型、UP・キャノピーがTA01E型とされたが、いずれも内径x行程=40.0x39.3(mm)である。1997年に本田技研工業は同社の二輪車エンジン4ストローク化方針[9]を発表したが、本シリーズは重量と荷物を運ぶ用途にトルク性能が必要なため、1999年から2000年にかけてキャブレター最適化・マフラー三元触媒ならびにエアインジェクションシステム(二次空気導入装置)を導入し、平成10年自動車排出ガス規制ならびに騒音規制に適応させたため識別記号BB-を附帯するマイナーチェンジを実施して対応した[10]。しかし本規制対応車の継続生産期限が2008年8月31日とされたことから[10]、同年3月21日発表、同月27日発売で平成18年自動車排出ガス規制に適合させた内径x行程=38.0x44.0(mm)のTA03E型水冷4ストローク4バルブSOHC単気筒エンジンを搭載するフルモデルチェンジを実施[8]。さらに2016年7月1日に施行された欧州Euro4とWMTCを参考とした規制値および区分[11]の平成28年自動車排出ガス規制[12]に適応させたマイナーチェンジ[注 6]を2017年8月22日発表、同年9月22日発売で実施した[13]。なお燃料供給は2ストローク時代のキャブレターから4ストローク化後はPGM-FI電子式燃料噴射装置に変更されたが、始動方式はすべてセルフキック併用、動力伝達は一貫してVベルト式無段変速機を搭載する。

積載量はモデルによって異なるが、道路交通法の規格上最大積載量は30kgとなる。

ジャイロ X[編集]

ジャイロ X

1982年から製造販売されるベースモデル[2]。合計76の特許・意匠・実用新案を出願した[2]。当初は不整地・雪道・坂道などでの走行に特化して開発され優れた走破性能をセールスポイントとしたことから、車両型式上はTD01とオフロードモデルにカテゴライズされたが、フロントデッキと大型リヤキャリアを標準装備したためビジネス向けの需要が高まり販売方針を転換。マイナーチェンジの度にキャッチコピーを変更し、1989年には多目的に使えるレジャースリーター[14]1993年には多目的スリーター[15]1999年には三輪ビジネスバイクと変化した[16]

積載量は、フロントキャリア5kg/リヤキャリア10kg/オプション設定のインナーボックス1.5kgまの総合計16.5kgである。

遍歴[編集]

1982年10月13日発表 同月14日発売[2]
  • 最高出力5.0ps/6,500rpm・最大トルク0.56kg-m/5,000rpm・30㎞/h定地走行テスト値71㎞/L・乾燥重量81kg
  • 月間販売計画5,000台・標準現金価格179,000円[注 7]
1983年10月28日発表 同月29日発売[17]

以下のマイナーチェンジを実施

  • フロントデッキにキャリアを標準装備
  • 前輪サイズを3.75-8→3.50-10へ変更しサスペンションストロークを延長
  • グリップヒーターを8,000円高でオプション設定
  • 30km/h以上で点灯する速度警告灯を標準装備
  • 年間販売計画30,000台・標準現金価格189,000円[注 8]
1989年12月18日発表 同月19日発売[14]

以下のマイナーチェンジを実施

  • 1985年騒音規制適応のため型式名をA-TD01へ変更
  • 燃焼室形状変更と変速比ワイド化
  • 最高出力4.5ps/6,500rpm・最大トルク0.54kg-m/4,500rpm・30㎞/h定地走行テスト値51.2㎞/L・乾燥重量88kg
  • フレーム・リヤキャリア取付部・リヤホイール・操舵廻り・駆動系など各部の強度・耐久性を向上
  • バッテリーをメンテナンスフリー化
  • 年間販売計画7,000台・標準現金価格200,000円[注 9]
1992年6月16日発表 同月19日発売[18]

以下のマイナーチェンジを実施

  • 車体色をシャスタホワイトへ変更
  • 年間販売計画7,500台・標準現金価格220,000円[注 10]
1993年11月22日発表 同年12月3日発売[15]

以下のマイナーチェンジを実施

  • シート・リヤフェンダー・ホイールなどカラーリングをUP・キャノピーと統一
  • 年間販売計画7,000台・標準現金価格230,000円[注 11]
1999年12月15日発表 同月16日発売[16]

平成10年自動車排出ガス規制ならびに騒音規制適応によるマイナーチェンジ

  • 型式名をBB-TD01へ変更
  • 後輪サイズを130/90-6へ変更
  • ドライブベルトの材質を変更
  • 最高出力5.0ps/6,500rpm・最大トルク0.57kg-m/6,000rpm・30㎞/h定地走行テスト値44.6㎞/L・乾燥重量95kg
  • 年間販売計画5,000台・標準現金価格259,000円[注 12]
2002年6月27日発表 同月28日発売[19]

以下のマイナーチェンジを実施

  • ウィンドシールド・リヤキャリアを廃止し乾燥重量を2kg減の93kgとしたベーシックを追加
  • 従来からのラインナップ車はスタンダードのペットネームを追加
  • 車体色にファイティングレッドを追加
  • 年間販売計画4,000台・標準現金価格:スタンダード259,000円/ベーシック239,000円[注 13]
2008年3月21日発表 同月27日発売[8]

平成18年自動車排出ガス規制に適合させた型式名JBH-TD02へフルモデルチェンジを実施

  • 搭載エンジンを水冷4ストローク4バルブSOHC単気筒のTA03E型へ変更
  • 最高出力4.6ps〔3.4kw〕/7,500rpm・最大トルク0.45kg-m〔4.4N・m〕/7,000rpm・30㎞/h定地走行テスト値59㎞/L[注 14]・車両重量112kg[注 15]
  • タイヤサイズを90/100-10(前)130/70-8(後)へ変更しチューブレス化
  • ホイールをアルミニウム製へ変更
  • 燃料タンク容量が5.0L→4.7Lへ減少
  • 後輪トレッドを従来モデルに比べ65mm拡幅化し495mmへ変更
  • 前後輪ブレーキサイズを130mmへ大型化
  • 年間販売計画4,000台・標準現金価格:スタンダード379,050円/ベーシック358,050円[注 16]
2017年8月22日発表 同年9月22日発売[13]

平成28年自動車排出ガス規制に適合させた型式名2BH-TD02へマイナーチェンジを実施

  • 燃料蒸発ガス抑制装置ならびに排出ガスの異常を警告する車載故障診断装置を装着
  • このため車両重量がJBH-TD02型比1kg増
  • 年間販売計画2,500台・標準現金価格:スタンダード419,040円/ベーシック397,740円[注 17]

ジャイロ UP[編集]

ジャイロ UP マーレー社製FRPルーフ装着車
ジャイロ UP
マーレー社製FRPルーフ装着車

Xがビジネス向け、なかでも配達用途の需要が高かったことから、一部設計変更して積載に特化させたモデルである。

Xのリヤデッキ部分を地上高460mmまで低床化し、450x570(mm)・最大積載量30kgの荷台[注 18]とした上で荷物と荷台の傷つきを防止するゴムマットを標準装備する。また荷台部分はX・キャノピーとは異なりスイングする前部から分離した後輪軸上に固定される[注 19]。したがって旋回時も水平を保つため荷崩れしにくく[注 20]、停車時も左右バランスを保つ必要がない。

低床大型化した積載スペース

搭載されたTA01E型エンジンはX用のTD01E型と基本設計は共用するが、チューニングが異なっており、最高出力5.1ps/6,500rpm・最大トルク0.60kg-m/5,500rpm・30㎞/h定地走行テスト値58.0㎞/L・乾燥重量94kgのスペックとされた[5]

なお本モデルは、2008年の4ストロークエンジン化の際に対象から外され生産終了となった。

遍歴[編集]

1985年9月18日発表 同月14日発売[5]
  • 年間販売計画20,000台・標準現金価格249,000円[注 21]
1991年6月21日発表 同月24日発売[20]

以下のマイナーチェンジを実施

  • 車体色をシャスタホワイトへ変更
  • シート・リヤフェンダー・ステップなどに青色塗装を施工
  • 最高出力5.3ps/6,500rpm・最大トルク0.60kg-m/6,000rpm・30㎞/h定地走行テスト値44.0㎞/L・乾燥重量101kg
  • 年間販売計画6,000台・標準現金価格264,000円[注 22]
2000年2月3日発表 同月4日発売[21]

平成10年自動車排出ガス規制ならびに騒音規制適応によるマイナーチェンジ

  • 型式名をBB-TA01へ変更
  • 後輪サイズを130/90-6へ変更
  • ドライブベルトの材質を変更
  • 最高出力5.0ps/6,500rpm・最大トルク0.57kg-m/6,000rpm・30㎞/h定地走行テスト値46㎞/L・乾燥重量105kg
  • 年間販売計画3,000台・標準現金価格294,000円[注 23]
2008年

生産終了

ジャイロ キャノピー[編集]

デッキタイプ
デッキタイプ
ワゴンタイプ アンナミラーズデリバリー仕様
ワゴンタイプ
アンナミラーズデリバリー仕様
デッキタイプ他社製ボックス装着車 ピザハットデリバリー仕様
デッキタイプ他社製ボックス装着車
ピザハットデリバリー仕様

2輪車の機動性や駐車性の良さを活かしながら、2輪車にはない新しい機能とファッション性を追求し、都市交通環境の変化や宅配・巡回サービス業などの新しいビジネス形態[注 24]に合せて開発。さらに天候を選べない業務向けにも対応させた屋根付スリーター[注 25]であり[6]、2017年現在でも日本国内で製造販売されるオートバイでは唯一屋根を標準装備する[注 26]

また屋根を装備したことから、ワイパーおよびウインドーウォッシャーを標準装備するフロントスクリーンも装備。フロントカウルもX・UPとな異なった曲線基調のタイプになり、ヘッドライトも1灯式から2灯式に変更された。

荷台は当初次の2タイプが設定された。

  • デッキタイプ:フラット荷台
  • ワゴンタイプ:容量62Lのキーロック付トランク装備

2008年3月のフルモデルチェンジでワゴンタイプは生産打ち切りとなった。

  • デッキタイプへ用途に合わせた社外品ボックス[注 27]等を後付けする事例が多かったことも一因にあり、ホームセンターで市販される収納ボックスを取り付けるユーザーも存在した。

また積載量は荷台のみならば最大30kgとなるが、オプションとなる積載量1.5kgのフロントバスケットを装着し最大積載量まで積載した場合は、原動機付自転車の合計最大積載量が30kgまでのため荷台は28.5kgまでの積載となる。

このほか、X・UPからの設計変更は前輪サイズを4.00-12へ大径化させ、ボトムリンク式サスペンションもアンチダイブ機構を組み合わせたトレーリングリンクタイプに変更。後輪サイズは当初から130/90-6を装着し、ブレーキ径も110Φとサイズアップさせており、ホイールベースもXの1,155mm、UPの1,240mmから1,410mmへ大幅に延長された[6]。このため乾燥重量もデッキタイプで121kg、ワゴンタイプで128kgと大幅に増加し、30㎞/h定地走行テスト値も38.3㎞/Lとなったことから、燃料タンク容量を7.0Lまで増量した[6]

なお搭載されるTA01E型エンジンはUPからのキャリーオーバーであるが、特性を変更した最高出力5.3ps/7,000rpm・最大トルク0.57kg-m/6,500rpmのスペックとされた[6]

遍歴[編集]

1990年11月13日発表 同年12月1日発売[6]
  • 年間販売計画10,000台・標準現金価格:デッキタイプ384,000円/ワゴンタイプ399,000円[注 28]
1993年4月7日発表 同月15日発売[22]

以下のマイナーチェンジを実施

  • 屋根の形状・材質を変更し強度向上
  • ワゴンタイプのトランクに開閉ダンパーを装着
  • 最高出力5.3ps/6,500rpm・最大トルク0.60kg-m/6,000rpm・30㎞/h定地走行テスト値41.9㎞/L
  • 乾燥重量1kg増加
  • 年間販売計画5,000台・標準現金価格:デッキタイプ394,000円/ワゴンタイプ409,000円[注 29]
1996年9月20日発表 同月21日発売[23]

以下のマイナーチェンジを実施

  • 屋根カラーをブラックからグレーへ変更
  • ロゴマークをレッドからグリーンへカラー変更
  • マフラーのテールキャップ部を溶接固定タイプから着脱タイプへ変更
  • 年間販売計画6,000台・標準現金価格:デッキタイプ394,000円/ワゴンタイプ409,000円[注 30]
1999年10月19日発表 同月20日発売[24]

平成10年自動車排出ガス規制ならびに騒音規制適応によるマイナーチェンジ

  • 型式名をBB-TA02へ変更
  • CDI点火装置をアナログ式からデジタル式へ変更
  • ドライブベルトの材質を変更
  • 最高出力5.0ps/6,500rpm・最大トルク0.57kg-m/6,000rpm・30㎞/h定地走行テスト値41.9㎞/L・乾燥重量:デッキタイプ/ワゴンタイプ129kg
  • 年間販売計画4,500台・標準現金価格:デッキタイプ409,000円/ワゴンタイプ424,000円[注 31]
2008年3月21日発表 同月27日発売[8]

平成18年自動車排出ガス規制に適合させた型式名JBH-TA03へフルモデルチェンジを実施

  • 搭載エンジンを水冷4ストローク4バルブSOHC単気筒のTA03E型へ変更
  • 最高出力4.6ps〔3.4kw〕/7,500rpm・最大トルク0.45kg-m〔4.4N・m〕/7,000rpm・30㎞/h定地走行テスト値54.5㎞/L・車両重量139kg[注 32]
  • ワゴンタイプを廃止
  • タイヤサイズを100/100-12(前)130/70-8(後)へ変更しチューブレス化
  • ホイールをアルミニウム製へ変更
  • 燃料タンク容量が7.0L→6.8Lへ減少
  • 後輪トレッドを従来モデルに比べ65mm拡幅化し495mmへ変更
  • 前後輪ブレーキサイズを130mmへ大型化
  • 年間販売計画5,000台・標準現金価格523,950円[注 33]
2017年8月22日発表 同年9月22日発売[13]

平成28年自動車排出ガス規制に適合させた型式名2BH-TA03へマイナーチェンジを実施

  • 燃料蒸発ガス抑制装置ならびに排出ガスの異常を警告する車載故障診断装置を装着
  • 年間販売計画3,400台・標準現金価格560,520円[注 34]

カスタマイズ[編集]

オートバイらしからぬ独特の風体から以下に示すカスタマイズを施す例が多い。

ツーリング用バイクへの特化

エンジンの振動がシートにダイレクトに響かない。四輪車に対する低燃費や経済性[注 35]。テントを含むキャンプ用品一式を搭載できる卓越した積載性。キャノピーはシートが寄りかかった姿勢で運転可能など長時間走行時ならびに雨風を防げるなどの快適性からゆったりした旅を楽しむ長距離移動バイクとしての需要がある。

後輪トレッドを500mm超にしてミニカー登録
排気量を51㏄以上にして側車軽二輪トライク)として登録
エンジンスワップもしくはボアアップによる小型自動二輪車登録[注 36]

ミニカー・トライク登録の場合はヘルメット着用義務がなくなるが、普通自動車免許が必要となる[注 37]。また、これらの改造により法令で定められた原動機付自転車最高速度30km/hを合法的に超過しての走行や二段階右折も不要となることから、個人の趣味範囲に留まらず近年は業務用途においてもミニカー登録を行うケースも多い[注 38]

派生車種[編集]

本田技研工業が製造販売したその他のスリーターについて解説を行う。なお全モデルとも1985年までに生産終了した。

ストリーム[編集]

JOY(ジョイ)[編集]

JOY

型式名A-TB08。1983年4月に標準販売価格99,800円で発売。最高出力3.7ps/6,000rpm・最大トルク0.47kg-m/5,000rpmを発揮するTB08E型強制空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載する。

取りまわしやパーキングが楽な軽量コンパクトをコンセプトに女性向けとして開発されており、デファレンシャル機構を廃した片輪駆動化、キックモーターを廃してセルスターターのみとするなど機能を簡略化して軽量化をすすめた結果、乾燥重量はわずか46kgである。一方、フロントバスケットやリヤキャリアなど生活面での使いやすい機能を標準装備として利用層の拡大を図った。

ジャスト[編集]

型式名A-TB09。1983年5月24日に同月25日から標準販売価格129,000円で販売することを発表[25]

スリーターの個人ユーザー向けに市場拡大を図るためにJOYとともに開発された。TB08E型エンジンをはじめ基本的なシステムや多くのコンポーネンツをJOYと共用する姉妹車であるが、2速オートマチックトランスミッションを搭載するなどの相違点があり、乾燥重量は57kg。

ロードフォックス[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ 本田技研工業公式HP 2輪製品アーカイブでの記載[3][4]
  2. ^ 通常は排気量クラスを意味する。スリーターシリーズ以前には、輸出専用モデルの3輪バギーATCシリーズが使用しており、後の4輪化されたTRXシリーズやFour Traxも使用する。
  3. ^ 本田技研工業の2輪車型式名は、アルファベット2文字+数字2桁で構成される。アルファベット1文字目のTは3輪構造を意味し[注 2]、2文字目は車両タイプを意味するが、Xはオフロードモデルを示すD、UP・キャノピーはビジネスモデルを示すAとされた。これは当初の本シリーズが不整地や雪道での走りを可能にしたモデルとしてリリースされたが[2]、多少の雪道でも走行可能である点から降雪地帯での需要が高く、さらに積載力ならびに安定性や利便性の点で新聞牛乳・飲料などの配達業務からも人気が高かったことから変更された。またUP・キャノピーは発売当初から1985年騒音規制適応モデルのため型式名に識別記号A-が附帯する。
  4. ^ 金属性の内外殻間に円柱形のゴムを圧入したもので、独特の非線形バネ特性と減衰性を有し、金属バネに劣らない耐久性を備える[7]
  5. ^ 本モデル同様にリーン操作が可能もしくは特定二輪車に該当しないモデル。
  6. ^ 平成18年自動車排出ガス規制適合の継続生産車の製造期限は2017年8月31日[10]
  7. ^ 北海道沖縄は3,000円高。一部離島は除く[2]
  8. ^ 北海道・沖縄は3,000円高。一部離島は除く[17]
  9. ^ 消費税3%抜き。北海道・沖縄は5,000円高。一部離島は除く[14]
  10. ^ 消費税3%抜き。北海道・沖縄は5,000円高。一部離島は除く[18]
  11. ^ 消費税3%抜き。北海道は8,000円高。沖縄は5,000円高。一部離島は除く[15]
  12. ^ 消費税5%抜き。北海道は8,000円高。沖縄は5,000円高。一部離島は除く[16]
  13. ^ 消費税5%抜き。沖縄は5,000円高。一部離島は除く[19]
  14. ^ ベーシックは60㎞/L[8]
  15. ^ 本モデルチェンジより乾燥重量表記を廃止したほかベーシックは109kg[8]
  16. ^ 消費税5%含む[8]
  17. ^ 消費税8%含む[13]
  18. ^ オプション設定された積載量3.0kgのフロントバスケットと同じく1.5kgのインナーラックを装備し、それぞれの最大積載量まで積載した場合は、原動機付自転車の合計最大積載量が30kgまでのため荷台は25.5kgまでの積載となる[5]
  19. ^ X・キャノピーの荷台はスイングするシートから延長する形で構成される。
  20. ^ 路面の起伏で車体が振動した場合に積載物が影響を受ける可能性はある。
  21. ^ 北海道・沖縄は5,000円高。一部離島は除く[5]
  22. ^ 消費税3%抜き。北海道・沖縄は5,000円高。一部離島は除く[20]
  23. ^ 消費税5%抜き。北海道は8,000円高。沖縄は5,000円高。一部離島は除く[21]
  24. ^ 軽自動車よりも小回りが効く上に出先での駐車にも便利なため警備会社や機器保守会社などのの巡回車両として新たな需要を開拓したほか、郵便局日本郵政)やヤマト運輸などの配達用ならびに交番に配備され警邏用にも使用された。
  25. ^ コンセプトは、1980年代初頭にCKデザインがストリームでプロトタイプを製作し性能確認を済ませている。同社は後にXをベースにしたピザ宅配用モデルを販売した実績がある。
  26. ^ X・UPをはじめ後付で屋根を装着できるモデルも他に存在するが、これらはすべて社外品である。また本田技研工業が製造する2輪車では、1994年 - 2000年に製造販売されたキャビーナが屋根を標準装備したほか、1954年 - 1955年に製造販売されたジュノオK型アクリル樹脂製大型ウインドシールド上部に収納される雨よけ用ルーフがオプション設定された例がある。
  27. ^ 主なメーカーは、ジャパンモーターサービスティーズ・松田技術研究所・マジカルレーシングなどで、ワゴンタイプ標準品より概ね大型かつ機能的であり保冷機能付も存在する。
  28. ^ 消費税3%抜き。北海道・沖縄は5,000円高。一部離島は除く[6]
  29. ^ 消費税3%抜き。北海道は8,000円高。沖縄は5,000円高。一部離島は除く[22]
  30. ^ 消費税3%抜き。北海道は8,000円高。沖縄は5,000円高。一部離島は除く[23]
  31. ^ 消費税5%抜き。北海道は8,000円高。沖縄は5,000円高。一部離島は除く[24]
  32. ^ 本モデルチェンジより乾燥重量表記を廃止[8]
  33. ^ 消費税5%含む[8]
  34. ^ 消費税8%含む[13]
  35. ^ シガーソケットを増設すればカーナビゲーションの設置や携帯電話の充電も可能。
  36. ^ 内容によっては特定二輪車として扱われる場合もある。
  37. ^ 大型自動二輪車・普通自動二輪車・原動機付自転車の各免許では無免許運転となる。
  38. ^ 保険会社アフラック2005年に制作したCM『アフラックストーリー2筒井さん篇』では、同社社員がミニカー登録されたキャノピーにヘルメット未着用で乗車するシーンがある。このため当時同社の公式HPではヘルメット未着用に関してミニカー登録であり、普通乗用車と同じ扱いであることから装着義務がないこと。車両は大阪市の登録で、一般的なミニカーのナンバーは青だが、同市では原付と同じ白である事を解説していた。

出典[編集]

  1. ^ 1981年11月10日プレスリリース
  2. ^ a b c d e f g h i j k 1982年10月13日プレスリリース
  3. ^ ジャイロ X2008年モデル表紙
  4. ^ ジャイロ キャノピー2008年モデル表紙
  5. ^ a b c d e f g h 1985年9月18日プレスリリース
  6. ^ a b c d e f g h i 1990年11月13日プレスリリース
  7. ^ タカラ工業公式HP ナイトハルトバネ解説
  8. ^ a b c d e f g h i j 2008年3月21日プレスリリース
  9. ^ 1997年12月24日プレスリリース
  10. ^ a b c 国土交通省HP 新車排出ガス規制の経緯(8)
  11. ^ 環境省・自動車排出ガス専門委員会(第54回)配付資料 54-2 二輪車の排出ガス規制に関する国際基準調和の動向等について (PDF) - 小排気量車の数値と区分が日本と欧州で異なる。
  12. ^ ディーゼル重量車及び二輪車の排出ガス規制を強化します。”. 国土交通省自動車局環境政策課 (2015年7月1日). 2017年3月24日閲覧。
  13. ^ a b c d e 2017年8月22日プレスリリース
  14. ^ a b c 1989年12月18日プレスリリース
  15. ^ a b c 1993年11月22日プレスリリース
  16. ^ a b c 1999年12月15日プレスリリース
  17. ^ a b 1983年10月28日プレスリリース
  18. ^ a b 1992年6月16日プレスリリース
  19. ^ a b 2002年6月27日プレスリリース
  20. ^ a b 1991年6月21日プレスリリース
  21. ^ a b 2000年2月3日プレスリリース
  22. ^ a b 1993年4月7日プレスリリース
  23. ^ a b 1996年9月20日プレスリリース
  24. ^ a b 1999年10月19日プレスリリース
  25. ^ 1983年5月24日プレスリリース

外部リンク[編集]

本田技研工業公式HP

関連項目[編集]