ホンダ・ゴールドウイング

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ゴールドウイングGOLDWING)は、本田技研工業が製造販売するオートバイである。

概要[編集]

1974年10月にケルンモーターサイクルショーへ出展されたGL1000が祖となるスポーツツアラータイプの大型自動二輪車であるが、水冷水平対向エンジンシャフトドライブ・エンジン直下に搭載するトランスミッションなど従来の同社製オートバイとは全く異なった機構が注目を集めた。

後に数度のモデルチェンジ排気量を拡大し、2016年現在ではGL1800が製造販売される。

GL1100以降SC47型GL1800まではアメリカ合衆国オハイオ州の現地法人であるHONDA OF AMERICA MFG.,INC.が製造しており、日本では輸入車として販売された。

車両解説[編集]

オートバイとしては珍しいSOHC水平対向エンジンはGL1200までが4気筒、GL1500以降が6気筒とされ、低重心レイアウト・低回転域から強大なトルクを発生させることによるエンジン特性・静寂性により世界最高水準の環境性能を実現する。

現行モデルのGL1800ではエアバッグ・プリロードアジャスター機構付サスペンション・電動式光軸調整機能付ディスチャージヘッドランプオーディオシステムナビゲーションシステム・シートヒーター・電動間欠ワイパーなどを標準装備する。

モデル一覧[編集]

※詳細はen:Honda_Gold_Wingも参照のこと。

GL1000[編集]

GL1000 水平対向4気筒エンジン
GL1000
水平対向4気筒エンジン

1974年に発表された車重265kgの北米地区向けモデルである[1]

内径x行程72.0x61.4(mm)・排気量999cc・圧縮比9.2から、最高出力80ps/7,500rpm・最大トルク8.3kg-m/6,500rpmのスペックを発揮する。

特徴として燃料タンクをシート下に配置し、通常のタンク部分には電装系・ラジエーターリザーバータンク・着脱式キックスターターを搭載。またブレーキは前輪がダブル、後輪がシングルのディスクブレーキとされた。

当初はカワサキ[注 1]Z1に対抗するネイキッドスポーツモデルとされたが、購入後すぐにフェアリング・ラゲッジを取り付けグランドツアラーに仕立てるユーザーが多かったため同社もオプションで工場取付モデルを追加した。

GL1100[編集]

型式名SC02。1980年以降に製造されたモデルでシリンダー内径を75.0(mm)へアップさせ、排気量を1,085㏄まで拡大させたモデルである。

バリエーションとしてフェアリングやラゲッジを標準装備するツーリングモデルへ特化させたInterstate、さらに上級モデルとしてAspencade(アスペンケード)が設定された。

GL1200[編集]

型式名SC14。GL1100からエンジン内径x行程:75.5x66.0(mm)・排気量1,182cc・圧縮比9.0としたモデルチェンジを実施し、1983年から製造販売されたモデルである。

GL1500[編集]

GL1500
Honda goldwing 1500.JPG
ゴールドウイング1500(1992年モデル)
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗本田技研工業
車体型式 BC-SC22
エンジン SC22E型 1,520cm3 4ストローク
水冷SOHC水平対向6気筒
内径x行程 / 圧縮比 71.0mm x 64.0mm / 9.8:1
最高出力 71kW 97PS/5,000rpm
最大トルク 149Nm 15.2kgf・m/4,000rpm
乾燥重量 387kg
車両重量 410kg
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型式名SC22。エンジンを水平対向6気筒とし、排気量を1,520ccへ拡大したフルモデルチェンジ車で1988年から製造販売された。本モデルの製造はアメリカ国内であるが、日本でも運輸省(現・国土交通省)の型式認定を取得[注 3]したことにより1988年4月8日発表、同月9日発売で500台限定の正規輸入車[注 4]として販売が開始された[3]

以降は以下のスケジュールで日本国内仕様のモデルチェンジを実施。

  • 1989年2月1日 - カラーリングを変更した1989年モデルを700台限定で発売[4]
  • 1989年12月22日発表、1990年2月1日発売 - 一部装備を追加し車名をGOLD WING SEとするマイナーチェンジを実施し、420台限定で販売[5]
  • 1990年12月20日発表、1991年3月1日発売 - 米国生産10周年記念車として1991年モデルを480台限定で販売[6]
  • 1991年11月20日発表、1992年2月25日発売 - 1992年モデルを420台限定で販売[7]
  • 1993年1月14日発表、同年2月14日発売 - 1993年モデルを300台限定で販売[8]
  • 1994年1月26日発表、同年2月28日発売 - 1994年モデルを60台限定で販売[9]
  • 1994年12月12日発表、1995年3月15日発売 - ゴールドウイング20周年記念車とした1995年モデルを120台限定で販売[10]
  • 1995年10月23日発表、1996年1月25日発売 - 1996年モデルを120台限定で販売[11]
  • 1996年10月25日発表、同年12月25日発売 - 1997年モデルを120台限定で販売[12]
  • 1997年9月29日発表、同年11月25日発売 - ヘッドライトなどの外装を変更した1998年モデルを240台限定で販売[13]
  • 1998年8月25日発表、同年10月30日発売 - 二次空気導入装置を採用し平成12年二輪車排出ガス規制に適合させた上で型式名をBC-SC22へ変更した1999年モデルを240台限定で販売[14]
  • 1999年10月19日発表、同月20日発売 - 2000年モデルを180台限定で販売[2]


GL1800[編集]

※本項では米国生産モデル(SC47型)と日本生産モデル(SC68型)にわけて解説を行う。

SC47型[編集]

GL1800
Honda Goldwing - Flickr - mick - Lumix.jpg
ゴールドウイング1800
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗本田技研工業
車体型式 BC-SC47
エンジン SC47E型 1,832cm3 4ストローク
水冷SOHC水平対向6気筒
内径x行程 / 圧縮比 74.0mm x 71.0mm / 9.8:1
最高出力 85kW 116PS/5,500rpm
最大トルク 167Nm 17.0kgf・m/4,000rpm
乾燥重量 386kg
車両重量 415kg
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型式名BC-SC47。GL1500からのフルモデルチェンジ車で日本国内仕様は2001年8月22日発表、同月23日に700台限定で発売された[15]

GL1500からは主に以下の変更を実施。

  • エンジンをGL1500に搭載されるSC22E型エンジンの内径x行程を71.0x64.0(mm)から74.0x71.0(mm)とし排気量を1,832ccまで拡大したSC47E型へ変更。
  • フレームを従来のダブルクレードル型からアルミツインチューブ型へ変更。
  • 後部座席を大型化しバックレストを設置。
  • 6CDチェンジャー付きのオーディオシステムを搭載[注 5]
  • リヤトランクにリモートオープナーを装備。
  • ディスチャージヘッドライト・電動式リバースギア・間欠機能付き電動ワイパー・盗難抑止システム「H・I・S・S[注 6]」を標準装備。

以降は以下のスケジュールで日本国内仕様のモデルチェンジを実施。

  • 2002年8月30日発表、同月31日発売 - カラーリングを変更した仕様を400台限定で販売[16]
  • 2003年4月25日発表、同年5月26日発売 - カラーリングを追加し450台限定で販売[17]
  • 2004年4月20日発表、同年5月25日発売 - 一部装備を省略し51万円安としたUS Packageを追加[18]
  • 2005年3月30日発表、同年4月20日発売 - 30周年記念モデルを80台限定で販売[19]
  • 2006年2月13日発表、同年5月25日発売 - 平成19年二輪車排出ガス規制に適合車させ型式名をEBL-SC47へ変更したモデルを450台限定で販売[20]
  • 2007年3月28日発表 - カラーリングを変更した仕様を同年5月31日に発売[21]。さらに同年6月29日からに世界初のオートバイ用エアバッグ[注 7]を搭載したゴールドウイングエアバッグ>を追加発売[注 8][21]
  • 2008年4月10日発表、同年5月20日発売 - ビルトインタイプとして日本初となるオートバイ専用のナビゲーションシステムを搭載したゴールドウイングエアバッグ・ナビ>を追加[22]
  • 2009年6月10日発表、同月12日発売 - カラーリング変更ならびにETC搭載を考慮しバッテリー容量をアップさせた2009年モデルを販売[23]


SC68型[編集]

GL1800
Goldwing1800.jpg
ゴールドウイング1800(2012年モデル)
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗本田技研工業
車体型式 EBL-SC68
エンジン SC47E型 1,832cm3 4ストローク
水冷SOHC水平対向6気筒
内径x行程 / 圧縮比 74.0mm x 71.0mm / 9.8:1
最高出力 80kW 109PS/5,500rpm
最大トルク 161Nm 16.4kgf・m/4,000rpm
車両重量 417 (425)kg
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2011年10月6日発表、同月21日発売[24]。アメリカでの生産が終了したため同社熊本製作所において通年で受注生産されることになったために型式名EBL-SC68への変更を伴うモデルチェンジ車[注 9]、以下の変更を実施した[24]

  • 約90万円ほどの大幅な車体価格引下げを実施。
  • 外装デザインを変更。
  • オーディオシステムをiPodUSBフラッシュドライブとの接続が可能な仕様へ変更。

バリエーションは標準車ならびにエアバッグ・ナビを設定。以降は以下のスケジュールで日本国内仕様のモデルチェンジを実施。

  • 2012年11月29日発表、同年12月18日発売 - カラーリング追加[26]
  • 2013年11月12日発表、同年12月13日発売 - カラーリング変更[27]
  • 2014年11月13日発表、同月14日発売 - ツートーンカラーや専用装備を持つ40周年記念特別仕様SEを追加[28]
  • 2015年11月24日発表、同月25日発売 - エアバッグ・ナビを廃止。40周年記念特別仕様で好評だったツートーンカラーの配色を変更して受注モデルとして設定[29]
  • 2016年10月14日発表、同月27日発売 - カラーリング変更[30]


GOLD WING F6B[編集]

型式名はGL1800と同じEBL-SC68。GL1800をベースに北米向けとして2012年に発表された以下のカスタム化した仕様である。

  • 前面ウインドスクリーンを短縮小型化。
  • リバースギア・リヤトランクを廃止し32kg軽量化。
  • シートを変更。

日本国内仕様は2013年2月26日発表、同月28日発売[31]。以降は以下のスケジュールでモデルチェンジを実施。

  • 2013年11月12日発表、同年12月13日発売 - カラーリング変更[27]
  • 2014年11月13日発表、同年12月5日発売 - 電動リバースシステム・クルーズコントロールを搭載。エンジンセッティング最適化およびマフラー変更によるスペック向上。7kgの車重増。

2016年に後述するF6Cも含み日本国内仕様は生産終了が公表された[32]

GOLD WING F6C[編集]

GOLD WING F6C

型式名はGL1800と同じEBL-SC68。GL1800をベースに北米向け車両として2013年に発表されたワルキューレを日本国内仕様として2014年4月14日に発表、同月22日に発売した[33]

2015年3月6日発表、同月13日発売でカラーリング変更のマイナーチェンジを実施したが[34]、2016年に上述したF6Bとともに日本国内仕様は生産終了が公表された[32]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 現在は分社化され川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー
  2. ^ 当時日本で正規販売されていないので並行輸入。
  3. ^ これは本モデルを白バイとして採用するために行なわれた措置としても語られており、サイドカーモデルを皇宮警察警視庁・各道府県警が導入した。
  4. ^ このため車検証の車名は通常の同社製オートバイがホンダと記載されるところが、本モデルではホンダオブアメリカとなる[3]
  5. ^ システム本体はリヤトランク内部に搭載。
  6. ^ Honda Ignition Security Systemの略。
  7. ^ 2005年9月に開発されたことが発表されており、北米・ヨーロッパ向け仕様には2006年から装備されていた[21]
  8. ^ 専用デザインのヘルメットも同時発売。
  9. ^ 型式変更も伴うため本来ならフルモデルチェンジに該当するが、同社の2輪アーカイブではマイナーチェンジ扱いである[25]

出典[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]