カワサキ・ボイジャー

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カワサキ・ボイジャー(Voyager)とは、川崎重工業が製造販売していたオートバイの車種である。

「ボイジャー」のサブネームを持つ車種として、ZN1300Voyager(ゼットエヌせんさんびゃくボイジャー)と、ZG1200Voyager(ゼットジーせんにひゃくボイジャー)がある。

概要[編集]

1983年フルパッケージツアラーとしてZN1300Voyagerが発売された。KZ1300Bツーリングの後継モデルとして、前モデルよりもさらに豪華な装備が与えられた。

その3年後の1986年には、ツアラーとして新たにZG1200Voyagerが発売された。ZG1200Voyagerでは新たに水冷直列4気筒DOHC4バルブ1,196ccエンジンが採用された。

「ボイジャー」のサブネームは、2011年以降にバルカン(VN)シリーズの1,700ccクラスの派生モデルにも使用されている。

モデル一覧[編集]

ZN1300ボイジャー[編集]

カワサキ・ZN1300Voyager
ZN1300Voyager
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
エンジン 1286 cm3 
内径×行程 / 圧縮比 62 mm × 71 mm / 9.3:1:1
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ZN1300Voyagerは、1983年に発売された。 ロードモデルのKZ1300をベースとする先代のKZ1300Bツーリングが、専用の大型フロントカウルサイドボックステールボックスオーディオなどの快適装備が搭載したのを受け継ぎ、前後セミエアショックと共にエアコンプレッサーが奢られ、ヘビー級の車体がスムーズに立てられるように2段式のセンタースタンドとなるなど、より充実した装備を備えた。エンジンは、Z1300系の後期型(ZG1300A1)同様にクランクケースが改修された水冷直列6気筒DOHC2バルブ1,286ccエンジンを搭載。キャブレターではなくインジェクションを採用し、専用フレームが与えられた。 1983年の A1 から1988年の A6 まで発売された。

ZG1200ボイジャー[編集]

カワサキ・ZG1200Voyager
Kawasaki Voyger XII (ZG1200-B9)
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
エンジン 1196 cm3 
内径×行程 / 圧縮比 78 mm × 62.6 mm / 10.0:1:1
最高出力 112ps/5500rpm
最大トルク 11.0kg/5000rpm
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ZG1200Voyagerは、1986年に発売された。 エンジンは新設計された水冷直列4気筒DOHC4バルブ1,196ccエンジンを搭載。インジェクションではなくキャブレターであった。装備はZN1300Voyagerと変化はなかったものの、乾燥重量は100kg軽くなった。 1986年の ZG1200A から1987年のZG1200Bとなり、2000年まで販売された。

ZG1200Voyager用に設計されたエンジンは、のちに改修されてZEPHYR1100に採用された。空冷化と排気量と縮小がなされ、1気筒あたり2本のスパークプラグを使用する方式に変更された空冷DOHC2バルブ1,062ccエンジンは、1992年に発売されたZEPHYR1100に搭載され、2006年の最終型まで使用された。

関連項目[編集]