ホンダ・アフリカツイン

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アフリカツインAfrica Twin)は、本田技研工業が製造販売するオートバイのシリーズ商標である。2016年現在ではCRF1000L Africa Twin(シーアールエフせんエル アフリカツイン)のペットネームで販売される。

概要[編集]

1980年代に同社がパリ・ダカールラリー(現・ダカール・ラリー)2輪部門にNXR750で連勝していたことから[注 1]技術をフィードバックしたレプリカモデルとして開発・製造販売された。海外向け輸出仕様ではXRV(エックスアールブイ)を車名に4ストローク2気筒エンジンを搭載することからアフリカツインをペットネームとしたが、日本国内では後者を車名として2000年まで生産された。その後は2010年代になりダカール・ラリーへのワークス参戦を復活させたことから、イメージモデルにペットネームとして使用されている。

両モデルともに基本的には大排気量(大型自動二輪車)のオフロード色が強いマシンであるが、快適なロングツーリング用マシンとしても人気の高いデュアルパーパスモデルでもある。

モデル別解説[編集]

※本項では日本国内で販売されたモデルについて解説を行う。

アフリカツイン(XRV650)[編集]

アフリカツイン(XRV650)
ホンダコレクションホール所蔵車

型式名RD03。1988年5月12日発表、同月20日に500台限定で発売[1]

排気量647ccのRC31E型水冷4ストロークSOHC3バルブツインプラグ52°バンクV型2気筒エンジンはブロスに搭載されていたエンジンと同型であるが、キャブレターなどのセッティングを変更し、最高出力52ps/7,500rpm・最大トルク5.7kg-m/6,000rpmとされた。

フレームは角型断面のセミダブルクレードル型。サスペンション前輪をエアアシスト機構付テレスコピック、後輪をプロリンク式スイングアームで圧縮側減衰特性が可能な調整リザーバータンク付ショックアブソーバーを装着する。

アフリカツイン(XRV750)[編集]

RD04型[編集]

多機能式デジタルトリップメーター
海外向け輸出仕様

1990年2月20日発表、同年3月20日に500台限定で発売[2]。排気量を742ccにアップさせたモデルチェンジ車でRD03型からは以下の変更を実施。

  • エンジン型式をRD04E型としキャブレター大口径化ならびにオイルクーラー新設を施工し最高出力57ps/7,500rpm・最大トルク6.1kg-m/6,000rpmとした。
  • 前輪ディスクブレーキをシングルからダブルへ変更。
  • 後輪ディスクブレーキのローター径を240→256(mm)へ拡大。
  • デュアルヘッドライトを35/35→60/55(W)へ光量アップ。
  • バッテリーを12→14(Ah)へ容量アップ。
  • フェアリング上部のスクリーンを大型化。

1991年モデルは同年3月にマイナーチェンジ扱いで発売。1992年モデルは同年3月27日発表、同月28日に150台限定で発売[3]。ウインカーへのポジションランプを内蔵するとともに多機能式デジタルトリップメーターを搭載した。

RD07型[編集]

アフリカツイン(XRV750)
2000年モデル海外向け輸出仕様

1993年3月22日発表、同年4月12日に300台限定で発売[4]。主にフレームや外装パーツを変更したことよるRD04型からのフルモデルチェンジ車で以下の変更を実施。

  • シートは肉厚を75→90(mm)へ厚めシート高を865mmとした。
  • シート下部に小物を収納できる約4Lのユーティリティスペースを装備。
  • ホイールトラベルを210→220(mm)へ拡大。
  • 後輪をラジアルタイヤ化。

エンジンはRD04E型からキャリーオーバーでスペックに変更はないが、エアクリーナーボックスの容量を5.4→7(L)へアップしたほか、キャブレターもVP型へ変更となった。

なお本型式では以下のマイナーチェンジが実施された。

  • 1993年10月発表、1994年1月下旬に200台限定で発売[5] - カラーリング変更
  • 1995年12月25日発表、1996年2月23日に200台限定で発売[6] - エンジン出力[注 2]ならびに燃費[注 3]の向上・アッパーカウルならびにスクリーンおよびシ-トの形状変更・カラーリング変更
  • 1996年11月20日発表、1997年1月14日に200台限定で発売[7] - カラーリングならびにシート色を変更
  • 1997年10月発表 - カラーリング変更
  • 1998年12月21日発表、同月22日に300台限定で発売[8] - カラーリングを変更
  • 1999年12月20日発表、同月21日に250台限定で発売[9] - カラーリングを変更
  • 2000年8月発表 - カラーリング変更

2000年のマイナーチェンジをもって本型式は生産終了となったが、販売希望価格については1993年の発売開始から一貫して890,000円[注 4]とされた。

CRF1000L Africa Twin[編集]

CRF1000L Africa Twin

2013年に一時途絶えていたダカールラリーへのワークス参戦を復活させたことから、かつての本シリーズを彷彿させるモデルの開発が決定[注 5]2014年のミラノショーにイメージモデルとしてTrue Adventureを参考出品[10]2015年5月に新型モデルをCRF1000L Africa Twinとアフリカツインをペットネームにして製造販売することを発表[11]。同年12月よりヨーロッパで先行発売された[12]

日本仕様は型式名EBL-SD04として2016年2月12日発表、同月22日発売[13]トランスミッションは通常のマニュアルトランスミッションのほかDCT仕様車がラインナップされる[注 6]

本来はCRFシリーズで採用されたユニカムバルブトレインならびに270°位相クランクシャフトによる排気量998cのSD04E型水冷4ストローク4バルブSOHC並列2気筒エンジンを搭載するが、スペックは先行発売の欧州仕様とは若干異なる[14]

車体デザインは旧モデルをイメージしつつ刷新されているが、シート高調整機構・パーキングブレーキ・ETC車載器+のほか、オフロードでのリヤブレーキテクニックに対応するため後輪のみON/OFFスイッチ付ABSを標準装備する。

2017年2月13日発表、同月14日発売で以下のマイナーチェンジを実施[15]

  • 平成28年自動車排出ガス規制に対応させ型式名2BL-SD04へ変更
  • エンジン出力性能の適正化により最高出力70KW[95ps]/7,500rpm・最大トルク98N・m[10.0kgf・m]/6,000rpmへ向上
  • 車体色を従来のヴィクトリーレッド/パールグレアホワイト(ツートーン)・デジタルシルバーメタリックに加えキャンディープロミネンスレッドを追加

諸元[編集]

車名 アフリカツイン
(XRV650)
アフリカツイン
(XRV750)
CRF1000L
Africa Twin
型式 RD03 RD04 RD07 EBL-SD04
モデルイヤー 1988[1] 1990[2] 1996[7] 2016[13]
全長(m) 2.310 2.330 2.320 2.335
全幅(m) 0.900 0.895 0.905 0.930
全高(m) 1.320 1.420 1.430 1.475
最低地上高(m) 0.200 0.190 0.195 0.250
ホイールベース(m) 1.550 1.560 1.555 1.575
シート高(m) 0.880 0.870 0.850/0.870
車両重量(kg) 221 236 234 232(242)
最低回転半径(m) 2.6 2.7 2.6
60㎞/h定地走行燃費 32.0km/L 30.0km/L 25.2km/L 32.0km/L[注 7]
原動機型式名 RC31E RD04E SD04E
冷却・行程 水冷4ストローク
バルブ数・動弁機構 3バルブSOHC 4バルブSOHC
シリンダー配置 52°バンク横置V型2気筒 並列2気筒
総排気量 647㏄ 742cc 998㏄
内径x行程(mm) 79.0x66.0 81.0x72.0 92.0x75.1
圧縮比 9.4 9.0 10.0
燃料供給 キャブレター 電子式燃料噴射
供給装置 VDF4x2基 VDG8x2基 VP51x2基 PGM-FI
最高出力 52ps/7,500rpm 57ps/7,500rpm 58ps/7,500rpm 92ps【68kw】
/7,500rpm
最大トルク 5.7kg-m/6,000rpm 6.1kg-m/6,000rpm 9.7kgf・m【95N・m】
/6,000rpm
始動方式 セルフ
点火方式 CDI フルトランジスタCDI フルトランジスタバッテリー
潤滑方式 ウエットサンプ圧送飛沫併用
潤滑油容量 2.8L 3.2L 4.9L(5.5L)
燃料タンク容量 24L 23L 18L
クラッチ 湿式多板 湿式多板
(DCT)
変速方式 左足動式リターン
変速機 常時噛合5段 常時噛合6段
(電子式6段)
1速 2.769 3.083 2.866(2.562)
2速 1.882 2.062 1.888(1.761)
3速 1.450 1.550 1.480(1.375)
4速 1.173 1.272 1.230(1.133)
5速 0.965 1.083 1.110(0.972)
6速   0.968(0.882)
1次減速比 1.888 1.763 1.733(1.883)
最終減速比 2.687 2.625
フレーム形式 セミダブルグレードル
フロントサスペンション エアアシスト機構付正立テレスコピック 倒立テレスコピック
リヤサスペンション プロリンク式スイングアーム
キャスター 28° 27°36′ 27°30′
トレール(mm) 113.0 108.0 113.0
タイヤ(前) 90/90-21 54S 90/90-21 54H
タイヤ(後) 130/90-17 68S 140/80R17 69H 150/70R18 70H
前輪ディスクブレーキ 油圧式シングル 油圧式ダブル
後輪ディスクブレーキ 油圧式シングル
標準現金価格 \749,000 \789,000 \890,000 \1,350,000
(\1,458,000)[注 8]
備考   ( )内はDCT仕様車

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 1986年 - 1989年に4連勝したほか、1989年 - 1990年には最も市販車に近い状態で競うマラソンクラスでも2年連続優勝を記録した。
  2. ^ 57ps/7,500rpm→58ps/7,500rpm[6]
  3. ^ 24.1→25.2(km/L) [6]
  4. ^ 北海道は20,000円高、沖縄県は10,000円高と設定。
  5. ^ 現在のダカールラリー2輪部門はエンジン排気量上限が450ccまでのため競技車としてはCRF450X RALLYが発表された。
  6. ^ マニュアルトランスミッションならびにDCT共に6段変速であるがギア比は異なる [13]
  7. ^ WMTCモード値(クラス3-2)は21.4km/L[13]
  8. ^ 価格はデジタルシルバーメタリック。ヴィクトリーレッド・パールグレアホワイトはそれぞれ\32,400高[13]

出典[編集]


関連項目[編集]

外部リンク[編集]

本田技研工業公式HP