ホンダ・CB50

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CB50(シービー50)は、かつて本田技研工業が製造販売していたオートバイである。なお本項では、上位機種であるベンリィCB90についても解説を行う。

概要[編集]

Tボーンフレームにカブ系エンジンを搭載したSS50の後継モデルとして、ベンリィCB90(1970年発売)をベースに開発された。

同社の4ストロークエンジンを搭載するロードスポーツモデル「CB」シリーズの一端を担う。シリーズ内では最小排気量となる50cc(原動機付自転車)クラスのエントリーユーザー向けとして1971年に発売された。1978年3月にマイナーチェンジされたベンリィCB50JXまでが「ベンリィ」のペットネームを持つ[1]

1980年代前半に同クラスのロードスポーツモデルが、軒並み2ストロークエンジンを搭載した7.2psでの馬力競争となったことから、1982年MBXに移行し生産終了となった。

車両解説[編集]

数度のモデルチェンジが実施されたが、鋼管パイプ製ダイヤモンド型フレーム空冷4ストローク2バルブSOHC単気筒エンジン・50ccクラスでは初搭載となる分離型機械式タコメーター・5速リターン式マニュアルトランスミッション・メガホン型マフラー[2]などの装備は、全モデル共通仕様となる。

エンジン[編集]

ベンリィCB90へ搭載されたエンジンをベースに内径x行程=48.0x49.5(mm)→42.0×35.6(mm)[3]排気量89cc→49ccへダウンさせたものである。また本エンジンのシリンダーはカブ系エンジンのほぼ水平に対してほぼ直立の前傾12°[4]とされ、以下の内径x行程による排気量バリエーションが存在する。

  • 53.0×45.0:排気量99cc
  • 48.0×49.5:排気量89cc
  • 47.5×45.0:排気量79cc
  • 48.0×41.4:排気量74cc

さらにショートストローク型ゆえに最高出力を10,500rpmで発生する高回転ユニットであるが、その後デチューンを施し以下の車種にも搭載された。

2016年現在では、平成18年国内二輪車排出ガス規制に適合したAPEのみが継続生産される。

輸出仕様[編集]

CB50 J(1978年輸出仕様)
日本国内仕様JX-Iに該当
※車体色・2人乗りシートなどに差異

日本国内のみならず海外にも輸出されたが、日本の法規(道路交通法)が適用されないためにシートやタンデムステップを装備する2人乗り仕様や車体色に差異があるなど細部で日本国内仕様とことなる点も多い。

モデル別詳細[編集]

ベンリィCB50[編集]

1971年6月1日に発売された最初期モデル。

  • 前後ドラムブレーキ
  • 前後フェンダーはクロームメッキ加工鉄製
  • ドリームCB750FOURに似せたヒップアップシート

ベンリィCB50 JX[編集]

1973年5月10日に追加されたモデル。ベンリィCB50も併売されたが標準現金価格は\80,000に値上げ。

  • 前ブレーキを機械式ディスクブレーキに変更
  • 燃料タンク・シート・リヤフェンダー・キックアームの形状を変更
  • 内部に収納スペースを持つ着脱可能なシートカウルを装備

ベンリィCB50 JX-I[編集]

1976年2月6日に発売されたモデルチェンジ車。標準現金価格は\119,000。

  • 前輪ブレーキを機械式ディスクブレーキに統一
  • エンジンの外観を変更
  • ピストン・カムシャフト・バルブスプリング・マフラーの吸排気系見直しにより最高出力を6.3psにアップ
  • フロントフォークを27φ正立形としフォークブーツを廃止
  • 燃料タンク形状を左右モナカ溶接タイプから底周囲溶接タイプに変更し容量を8.5Lへアップ
  • 前フェンダーと後フェンダーの一部とを樹脂製に変更
  • ハンドルをセミフラットタイプに変更
  • シートカウル形状を変更しロック付コンパートメントボックスを設置
  • マフラーを上下モナカ溶接タイプからロールタイプのメガホン形状へ変更
  • サイドスタンドを標準装備しセンタースタンドをオプション化
  • シートをストッパー付に変更

1978年3月にカラーリングをホワイト・オレンジからホワイト・ブラックへ変更するマイナーチェンジを実施し車名を再びベンリィCB50JXへ戻す。

CB50S[編集]

1980年2月22日に発売されたマイナーモデルチェンジ車。

  • 型式名をAC02へ変更
  • 前輪ディスクブレーキを油圧式変更して左側から右側へ移設
  • ウィンカーランプを角型へ変更
  • ヘッドライトの光量をアップ
  • オプション設定だったリヤキャリアを標準装備化
  • スピード・タコ各メータパネルを反射光照明式のグリーンから透過光照明式のブラックに変更

1981年2月にカラーリング追加ならびにフレーム色を黒塗から銀へ変更するマイナーチェンジを実施。

モデル別諸元一覧[編集]

車名 CB50 CB50 JX CB50 JX-I CB50S
モデルイヤー 1971 1973 1976 1980
型式 CB50 AC02
全長x全幅x全高 1.780x0.670x0.980(m) 1.790x0.665x0.950(m) 1.790x0.685x0.975(m)
ホイールベース 1.180(m) 1.175(m)
最低地上高 0.160(m)
車両重量(kg) 74 78 83
定地走行燃費 85km/L(30㎞/h)
最低回転半径 1.9(m) 1.8(m)
エンジン形式 空冷4ストローク2バルブSOHC単気筒
総排気量 49cc
内径x行程(mm) 42.0x35.6
圧縮比 9.5
最高出力 6.0ps/10,500rpm 6.3ps/10,500rpm
最大トルク 0.41kg-m/8,500rpm 0.43kg-m/9,500rpm
キャブレター PW18
始動方式 プライマリーキック
潤滑方式 圧送式飛沫式併用
潤滑油容量 0.9L
燃料タンク容量 7.5L 8.0L 8.5L
クラッチ 湿式多板コイルスプリング
変速方式 左足動式リターン
変速機 常時噛合5段
1速 3.083
2速 1.882
3速 1.400
4速 1.130
5速 0.960
1次減速比 4.437
最終減速比 3.153 3.500
フレーム形式 ダイヤモンド式
サスペンション テレスコッピック(前)/スイングアーム(後)
キャスター 27.0°
トレール 75.0mm 69.0mm
タイヤ(前) 2.50-17-4RP
タイヤ(後) 2.75-17-4PR
ブレーキ(前) ワイヤ式ドラム 機械式ディスク 油圧式ディスク
ブレーキ(後) ロッド式ドラム
バッテリ 6N2-2A(6V)
前照灯 15w/15w 25w/25w
標準現金価格 \75.000 \86,000 \119,000 \139,000

ベンリィCB90[編集]

CB50シリーズのベース車両で1970年1月17日発売。最高出力10.5ps/10,500rpm・最大トルク0.76kg-m/9,000rpmを発揮する89ccエンジンを搭載する。2人乗車可能なため全長x全幅x全高=1.885x0.750x1.015(m)、ホイールベース=1.205mとCB50に比べやや大きい車体を持つ。

1972年4月11日に前ブレーキをディスクブレーキとしたベンリィCB90 JXを追加するが、日本国内仕様はCB125JXへ発展する形で1975年までに生産終了。海外向け仕様は排気量を99ccに拡大したCB100へモデルチェンジされ1978年まで生産された。

脚注[編集]

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  1. ^ 型式名AC02に変更された最終モデルのCB50Sはペットネームを持たない。
  2. ^ 厳密にはJXまでは末端を絞り込んだリバースコーン型。
  3. ^ カブ系エンジンは内径x行程=39.0x41.4(mm)のロングストロークとなる。
  4. ^ このためカブ系エンジンは「横型」、CB系エンジンは「縦型」とも呼ばれる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]