ホンダ・CL

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CL(シーエル)は、本田技研工業がかつて製造販売したオートバイのシリーズ商標である。

概要[編集]

1960年代から1970年代にかけて製造販売されたオン・オフロード両用としたスクランブラータイプモデルに使用された商標である。初出は1962年ドリームCB72スーパースポーツをベースに一部パーツを共用する姉妹車として発売された排気量247ccのドリームCL72スクランブラーである。同モデル以降排気量別のバリエーションを追加しているが、全モデルともオンロードモデルもしくはビジネスモデルをベースにした上で以下に示す共通の仕様変更を施した。

  • タイヤをブロックタイプへ換装
  • マフラーをセンターアップへ変更
  • 搭載される空冷4ストロークSOHCエンジンは中低速を重視したチューンへ変更
  • ハンドルをブリッジ付きアップタイプへ変更
  • サスペンションセッティングを変更

また一部モデルでは、クランクケース下部に鉄製アンダーガード装着・セルモーター廃止・専用フレームへの変更を実施した。

日本国内のみならず国外向け輸出も行われたが、競合他社のモデルがオフ性能をより強化したデュアルパーパスにシフトしたことから、性能に見劣りがするようになり、日本国内モデルは1974年までによりオフ性能を重視したSLシリーズや2ストロークエンジンを搭載するエルシノアシリーズ[注 1]へ移行する形で、海外向け輸出仕様もXLシリーズへ移行する形で1977年までに製造中止となったが、1990年代レトロブームにより50cc400ccの2モデルが復刻された。しかしいずれも2000年代前半には製造中止になっており、これ以降2017年現在でも本商標を使用するモデルの製造販売は行われていない。

なお、20年ぶりに復活したCLのブランドに排気量249ccのCL250と排気量471ccのCL5002022年11月で発表される、シンプルなスタイルにレブルのベースにしたモデル。

モデル一覧[編集]

※各モデルの詳細はリンク先を参照のこと

50cc以下[編集]

車名 製造開始 製造終了 エンジン形態 姉妹車
(ベースモデル)
備考
ベンリイCL50 1967年 1973年 前傾80°単気筒 ベンリイCS50  
ベンリィCL50 1997年 2001年 ベンリイCD50 型式名A-CD50

51cc - 125cc[編集]

車名 製造開始 製造終了 エンジン形態 姉妹車
(ベースモデル)
備考
ベンリイCL65 1968年 1970年 前傾80°単気筒 ベンリイCS65  
ベンリイCL70 1970年 1973年 ベンリイCD70
ベンリイCL90 1966年 1970年 ベンリイCS90
1970年 1973年 前傾12°単気筒 ベンリイCB90 モデルチェンジ[1]
CL100 1970年 1973年 CB100 北米向け輸出仕様[注 2]
ベンリイCL125 1968年 1973年 並列2気筒 ベンリイCB125  
CL125S 1973年 1974年 前傾15°単気筒 CB125S
CD125S
TL125
輸出専用仕様

126cc - 250cc[編集]

車名 製造開始 製造終了 エンジン形態 姉妹車
(ベースモデル)
備考
ベンリイCL135 1970年 1973年 並列2気筒 ベンリイCB135  
CL160 1964年 1973年 ベンリイCB160 輸出専用仕様
CL175 1970年 1973年 CB175
ベンリイSL175
 
CL200 1974年 CB200 輸出専用仕様
ドリームCL72
スクランブラー
1962年 1968年 ドリームCB72
スーパースポーツ
 
ドリームCL250 1968年 1974年 ドリームCB250
CL250 2022年 単気筒 レブル250 海外仕様のCL300

251cc以上[編集]

車名 製造開始 製造終了 エンジン形態 姉妹車
(ベースモデル)
備考
ドリームCL77
スクランブラー
1962年 1968年 並列2気筒 ドリームCB77
スーパースポーツ
当初は輸出専用
日本では1966年発売
ドリームCL350 1968年 1974年 ドリームCB350  
CL360 1974年 1977年 ドリームCB360T 輸出専用仕様
CL400[2] 1998年 2002年 RFVC単気筒[注 3] CB400SS  
ドリームCL450 1968年 1974年 並列2気筒 ドリームCB450 当初は輸出専用
日本では1970年発売
CL500 2022年 レブル500  

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1973年の発売直後に第1次オイルショックが発生。また同社初の本格的2ストロークエンジンであったことから、トラブルも多く販売不振に陥り1975年に生産中止となった。
  2. ^ アメリカ合衆国内一部州向け出力規制対応モデルのCL100Sも併売。
  3. ^ Radial Four Valve Combustion Chamber - 放射状4バルブ方式燃焼室の略。詳細解説は燃焼室ならびにホンダ・GB250クラブマン#車両解説を参照のことまた搭載されたMC38E型エンジンは元々は1995年からエンデューロレース専用の輸出モデルと製造されていたXR350R用ND03E型エンジンがベースである。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

本田技研工業公式HP 2輪製品アーカイブ