オーバーロード (小説)

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オーバーロード
ジャンル ファンタジー
小説
著者 丸山くがね
イラスト so-bin(カバー・本文イラスト)
出版社 KADOKAWA エンターブレイン
刊行期間 2012年7月30日 -
巻数 既刊9巻
アニメ
原作 丸山くがね
監督 伊藤尚往
シリーズ構成 菅原雪絵
脚本 菅原雪絵
キャラクターデザイン 吉松孝博
音楽 片山修志
アニメーション制作 マッドハウス
製作 オーバーロード製作委員会
放送局 AT-XTOKYO MXほか
放送期間 2015年7月 - 9月
話数 全13話
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベルアニメ
ポータル 文学アニメ

オーバーロード』(OVER LORD)は、丸山くがねによる日本ライトノベルウェブ版とKADOKAWA エンターブレイン出版の書籍版がある。「SUGOIJAPAN Award2016」ラノベ部門第4位。書籍版でのイラストレーターはso-bin。ウェブ版は2010年9月から開始されており基本的設定は同じであるが、書籍版とウェブ版とでは別のストーリーとなっている。

刊行の際に作者名を変更しており、旧作者名は"むちむちぷりりん"。「読者が購入する際に変な目で見られないようにする」ために変更したとのこと。

ロールプレイングゲームなどにおける「魔王」が主人公となった、と言える作品であり、それゆえ主人公およびその部下が残虐非道な行為を平然と行う場面も散見されるアンチヒーロー的小説である。

本項では同作品を原作とする、2015年7月から9月にかけて放送されたTVアニメについても扱う。

ストーリー

(ウェブ版および書籍版の共通部分)

その日、長らく続いたVRMMORPG「ユグドラシル」のサービス終了に伴いプレイヤーの1人であるモモンガは、かつて栄光を誇ったギルド、アインズ・ウール・ゴウンの本拠地で郷愁を胸に、一人だけでゲームの終わりを迎えようとしていた。

サービス終了までのカウントダウンが始まる中、モモンガは目を閉じて仲間達との思い出を回想しながらユグドラシルの終了を待っていたが、終了時刻を迎えても強制ログアウトは起こらず、NPC達は意思を持って動き出し、自身もゲームの中に自分の作ったキャラクターとなってしまったことに気付く。

モモンガはかつてのギルドの栄光を再び手にするべく、アインズと名を改め、ナザリック地下大墳墓の勢力を率いて暗躍し始めるのであった。

ナザリックが転移した異世界、不思議とかつてのユグドラシルと似通った部分を発見したアインズは自分達の持つ力がこの世界の常識と比較してあまりにも強大であることに気付きながらも万に一つの可能性を潰すべく慎重な姿勢を崩さない。まだ見ぬ強者、知らない技術、何よりその裏に見え隠れするプレイヤーの痕跡に。

(ウェブ版についてはリンク先を参照)

登場人物

ギルド:アインズ・ウール・ゴウン

アインズ・ウール・ゴウン(モモンガ)
  • 声 - 日野聡[1]
  • 種族レベル:死の支配者(オーバーロード)Lv5ほか[2]
  • 職業レベル:ネクロマンサーLv10など[2]
本作の主人公。177㎝[3]。現実世界では「鈴木悟(すずき さとる)」という名前の冴えないサラリーマン(ウェブ版では高卒、書籍版では小卒)だったが、ゲーム時代に作ったアバターのままにユグドラシルの法則が通用する異世界へ転移してしまう。ゲーム時代にアンデッド種族の最高峰であるオーバーロードであったことと、その強大な力も相まってその存在を知る者からは「超越者」や「魔王」として敬されている。現実世界においては、家族や友人、恋人が一人もいない天涯孤独の身の上らしく(母親は過労死している[4]。)、そうした自身の境遇から、自分が異世界に転移されたことに気づいた後も現実世界に戻ることに対しては消極的になっている。
ゲーム時代はモモンガというHNでプレイしていたが、転移後は自らが長として意見のまとめ役をやっていたギルド「アインズ・ウール・ゴウン(ainz ooal gown)」そのものの名を名乗る。これはただ一人残った己が今はなきメンバー全員を背負う意味と、「『アインズ・ウール・ゴウン』の名を広く知れ渡らせることで、自分以外に異世界に転移しているかもしれない『ユグドラシル』のプレイヤーを探し出す」ことを意図したためである。
普段は温厚な性格であり無益な殺生は好まず、利用価値があるならば死地にある者を助命することもある。これは部下の手前建前としている面もあるが、人間としての残滓と記憶が残っているためという側面もある。アンデッド化によって表情は無く、感情の起伏は抑制されている。また、ナザリックNPCに「人間種」が少なく、逆に「人間嫌い」な者が多いことから、無闇に諍いを起こすことを好まない本人とは裏腹に、人間に対して敵意や殺意を剥き出しにする彼らを宥めることにも苦労している。その一方で、ナザリックの利益に結びつくなら大量殺戮も辞さない。部下たちの言う「下等な者」相手であっても受けた恩義には報い一定の共感を示すが、守護者に代表されるNPCに向けられる感情はなき友が残した忘れ形見、子を案じる親のそれであり、彼らとナザリックの誇りを傷付ける存在には激しい怒りを露わにし、苛烈なまでの報復を行う。
これらの二面性はアンデッドと化したことによって人間であった頃の精神の殆どが失われたことにより身内以外への感情の断絶が起こったためとされ、交流のある者以外に行った殺人も寄付いた虫を払いのけた程度の感覚となっている。そのため書籍版では自ら前線に出ることで様々な人間と親交を持ち一定の人間味を見せる一方、ナザリックに座して動かないウェブ版における踏み潰される人間への無関心ぶりはより顕著なものになっている。
異世界に転移された後、マジックアイテム「遠隔視の鏡」を通して「人間の村」・カルネ村の住人達がバハルス帝国騎士に偽装したスレイン法国兵士に襲撃されているのを発見した際、初めは「助ける必要も価値も無い」として見捨てようとしていたが、以前セバスの”生みの親”である「たっち・みー」に助けられた時のことを思い出し、彼への恩返しと自身の戦闘能力の把握も兼ねて、村人の救援にあたった。また、自らの名前を「モモンガ」から「アインズ・ウール・ゴウン」に変えたのも、この頃である。
ゲーム時代はキャラクターメイキングに凝っていたため、純粋な戦闘能力よりロールプレイの一環として死を支配する魔術師としての雰囲気を重視していた。そのため、ゲーム時代においても対策必須のスキルを保有することを抜きにすれば、直接的な魔法攻撃力は専門職に劣ったという。装備類を考慮に入れなければユグドラシルで中の上 - 上の下クラスの強さだったとのことである。
外見は骸骨だが眼窩の奥には赤黒い光が宿り、心臓に当たる部位の下部には世界級アイテムである脈動する赤黒い球体宝玉がある。ウェブ版では完全な骸骨ではなく薄皮が張り付いた姿をしている。
モモン
情報収集のための偽装身分としてアインズが考案した架空の冒険者。エ・ランテルを拠点に活動している。
ウェブ版ではナーベラルがこの名を与えられ冒険者について知るべく行動しているが、書籍版ではアインズ本人が演じている。
アインズ本人が正体ということもあり、単なる偽装身分に留まらず将来アインズ・ウール・ゴウンが英雄として歴史の表舞台に立つための名声の下地作りという趣が強い。加えて、彼の二重生活は必然的に守護者達に留守中の管理を任せることになり、ナザリックの組織運営において襤褸を出さないための密かな方策として機能することになる。
人間の都市に潜入する都合上、顔立ちは幻術で欺いている。チームの魔法詠唱者を臣下のナーベラルに任せて戦士として活動するのは、偽装の一環として漆黒の全身鎧を纏うためでもあり、これは後に銘「漆黒」の由来にもなっている。この状態では数種の魔法しか行使出来ず、本来の魔法詠唱者としては無防備となるが、防御力を除けばレベル30相当の戦士に匹敵する膂力・ステータスを持っており、一般的なモンスターや冒険者相手には鎧袖一触で蹴散らす力を有している。
戦闘技術に関しては未熟で、正体を明かせない状況下で英雄級の実力者を相手にした場合、苦戦を強いられることもある。しかし、アインズ自身も強者との戦闘を重ねるにつれ、前線に立つ戦闘者としてのセンスに磨きをかけつつあり、自身をしてナザリックに属する者のレベルに拠らない成長の可能性を見せている。
エ・ランテルを襲ったズーラーノーンの撃破、吸血鬼ホニョペニョコ(漆黒聖典により精神支配を受けたシャルティアの仮名)の討伐によって極めて短期間で王国最高峰の冒険者アダマンタイトに上り詰め、多くの高難度の依頼をこなしつつ遂には王都を震撼せしめた大悪魔ヤルダバオトを撃退することによってその名声を不動のものとした。アインズ本人のビジネスマナーを意識した行動によって下に驕らず、器の大きい大人物として名声を高めている。
魔導国建国の際にエ・ランテルへ入城するアインズと対峙した際には、その抑止力となることを宣言しその実力を危惧したアインズによってエ・ランテルの自治を認められる。アインズとの間に行われた契約は身内同士で行われた芝居に過ぎなかったが、ナザリックとの間にモモンを介することで人間社会の円滑な統治を進めるという意外な役割を担うことになった。
あまのまひとつ[5]
鍛冶職。最初の九人の一人[4]。生産系の職業に就いているメンバーの一人。ナザリック地下墳墓攻略の際は、当初は生産系の仲間二人と共に大墳墓の入り口警護の任に就く予定であった。
餡ころもっちもち
三人しかいない女性メンバーの一人。
ウィッシュⅢ[4]
最初の九人の一人。
ウルベルト・アレイン・オードル
  • 職業:ワールド・ディザスターなど[5]
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。山羊の頭部を持つ悪魔の姿[5]をした、メンバー中最も”悪”という言葉に拘った男。アインズ・ウール・ゴウンに所属する魔法職では最強。「ユグドラシルの世界の一つぐらい征服しようぜ」と冗談で言っていたメンバーの一人。
死んでも骨も戻ってこない危険な現場で両親を亡くし、自身の学歴も小卒で負け組と捉えており、モモンガをして「よくぞここまで」と思わせるほどの社会に対する憎悪を抱いている[4]。そのため、たっち・みーに嫉妬し、事あるごとに反目し仲が悪かった[6]
最大MPは多いが魔法破壊力が非常に高い職業で纏めているためMPの減少は早い。当初はモモンガやペロロンチーノと「無課金同盟」なる、課金を一切せずその分の弱さを自らの腕で補っていくことを理念とした同盟を組んでいたが、ナザリック地下墳墓制圧の際のボス戦で今後を考えて最低限の課金を決意していた。
ナザリック地下墳墓制圧の際は、モモンガと同じチームで魔法攻撃役を担い「墳墓」を攻略した[4]
エンシエント・ワン[5]
「最初の九人」の一人。ナザリックの初見での攻略に賛成する。
ガーネット[4]
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組。
ク・ドゥ・グラース
一般メイドを生み出した三人の内の一人。
源次郎
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。整頓好きでナザリック宝物庫のアイテムを用途別に整頓した。その一方、現実では汚部屋の住人であったという。
死獣天朱雀(しじゅうてんすざく)
ギルドの最年長者。現実世界では大学教授を務める。
獣王メコン川[5]
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。「アーベラージ」というゲームにおける弐式炎雷の凄さをぷにっと萌えに教えたメンバー。
スーラータン
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。ペロロンチーノと共にナザリック学園の建設を主張していた。
たっち・みー(touch me)
  • 声 - 置鮎龍太郎
  • 職業:聖騎士、ワールドチャンピオンなど
蟲の外見[5]をしたプレイヤー。ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」の前身となった、最初の九人で構成された集団(クラン)「九人の自殺点」(ナインズ・オウン・ゴール)の発起人であり[5]、異形種を理由にPKに晒されてゲームにうんざりしていたモモンガを仲間に勧誘した。モモンガにとっては恩人に当たる人物で同クランではクラン長を務めていたが、弐式炎雷からナザリック地下墳墓発見の報告が上がった定例連絡会で、クランの解散及びギルドの創設を提案、ギルド長にはモモンガを推薦した経緯がある。
無類の変身ヒーロー好きで、その話題を振ると150年前に放映されていた「仮面のヒーロー」(仮面ライダーシリーズ)について熱く語り出す。
ギルド内で最強、かつゲーム中でも屈指の実力者。ボスレベルの強力な攻撃を無傷で切り抜け反撃さえ可能という、ギルド唯一の超上級プレイヤーであり攻撃役と盾役を務められる[4]。呼び名は”純銀の聖騎士”。
装備している純白の鎧は、大会優勝者に運営から与えられる特別なアイテムであり、その性能はギルド武器に匹敵する。この鎧はたっち・みーがゲームを引退する際に、モモンガに託され、後のシャルティア戦で大きな力となる。
ナザリック地下墳墓制圧の際は強力なメンバーで構成されるもう一つのチームを任された。
タブラ・スマラグディナ(tabula smaragdina)
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。ナザリックのギミック担当者の一人。呼び名は”大錬金術師”。
ギャップ萌えにして古典的な物から最新のホラー映画までもが好きという彼の趣味嗜好はアルベド、ニグレドの姉妹にも反映されている。頭の回転が速いメンバーの一人[5]
神話関係の無駄な雑学をモモンガへ垂れ流していたりもした。
チグリス・ユーフラテス
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。洞窟や迷宮探索の際、パーティーの先頭を進んでいたギルドメンバー。
テンパランス[4]
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組。
弐式炎雷
  • 職業:忍者など[5]
最初の九人の一人[4]。探知系特化には劣るも索敵や探索能力に秀でている。防御力無視の紙装甲であるが、その分隠密と攻撃に特化した構成[5]。攻撃速度は極めて遅いが、ボスレベルの攻撃を凌駕する破壊力を有する3m超の忍刀「素戔嗚」[4]や、神聖属性を持つ太陽の小太刀「天照」と月光の小太刀「月読」の二振りを所持していた。攻撃力ではギルド最高といわれ、隠密能力を併用したそれは一撃に限り武人建御雷を上回る攻撃能力を持つ。
未探索ダンジョン・ナザリック地下墳墓を発見した。地下墳墓制圧の際は、モモンガと同じチームで探索役(兼・物理攻撃役)を担い「墳墓」を攻略した[4]
ウェブ版ではハーフ・ゴーレムであり、ナーベラルの制作者。
ぬーぼー
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。「ナインズ・オウン・ゴールの目」とも呼ばれる探知系に特化[4]しているメンバー。
世界級アイテム「熱素石」(カロリックストーン)の使い道をゴーレムの製作に提案した。
音改
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。商人のスキルを所有していた。商人のスキルは、ある一つの物をエクスチェンジ・ボックスでユグドラシルの金貨に変える際に査定額を増額できるため、アインズの命でパンドラズ・アクターが彼の姿に変身しそのスキルを行使している。
ばりあぶる・たりすまん
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。「ユグドラシルの世界の一つぐらい征服しようぜ」と冗談で言っていたメンバーの一人。
ぶくぶく茶釜(bukubukuchagama)
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。三人しかいない女性メンバーの一人。ペロロンチーノの姉。呼び名は”粘液盾”。
外見はピンク色の光沢をもったスライム。
現実では売れっ子にして実力派声優で、エロゲーではロリ系キャラをよく担当していた。まだ売れてない頃の芸名の一つに「風海久美」というのがある[5]。隙あらば話題をエロ方面に持っていこうとする弟を一蹴するなど気が強い性格(弟にキレた場面を目撃したフラットフットに「うちの部長より怖い」と言わしめるほど)だった。
物理ダメージを与えるには不向きな粘体であるため、武器は所持しておらず両手に盾を持つ。防御特化の構成でそれ以外の能力は非常に低いが、盾役として優秀であり、深いゲーム知識から来るプレイヤースキルやヘイト操作系スキルが非常に高く指揮官役もこなせる。
ナザリック地下墳墓制圧の際は、モモンガと同じチームで盾役(兼・指揮官)を担い「墳墓」を攻略した[4]
武人建御雷(ぶじんたけみかずち)
  • 種族:半魔巨人(ネフィリム)[5]
  • 職業:ケンセイなど[4]
最初の九人の一人[4]。防御力は低いが物理攻撃力はギルドのトップを誇る。神器級アイテムである雷光を纏う大太刀「建御雷八式」と、現在はコキュートスが所有している「斬神刀皇」を所持していた。ナザリック地下墳墓の初見での攻略に賛成し、制圧の際はモモンガと同じチームになり物理攻撃役を担い「墳墓」を攻略した[4]
ぷにっと萌え
  • 種族:ヴァイン・デス[5]
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。植物系モンスターに似つかわしく全身が蔓で作られたような姿をしている。呼び名は”PK&PKK担当軍師”[4]。「戦闘は始める前に終わっている」と言い切る、アインズ・ウール・ゴウンの諸葛孔明と呼ばれた男。
職業は指揮官系を中心に習得している。現実世界の本人は拘束時間は長いが暇な時間も多い職業に就いているため、その間にゲーム動画や攻略サイトなどを閲覧し情報収集をしている。また、ゲーマーでもあり過去に接してきた多くのゲームから様々な知識を得ており、新戦術の開発ではギルド内でも比類ない。そのため、存在するだけでチームの力を上げている。
考案した「誰でも楽々PK術」をギルド長となったモモンガに授けた[5]
フラットフット[4]
  • 職業:暗殺者[4]
最初の九人の一人[4]。探知系特化には劣るものの、弐式炎雷と同様索敵や探索能力に秀でている。
貧乳好き。武器名に「つるりんぺたん」と付けている。
ブルー・プラネット
  • 職業:森司祭(ドルイド)など[4]
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。誰よりも自然を愛したロマンチスト。汚染が進み現実世界では失われたそれを見るためゲームに参加した。特に熱を入れて制作し、夜空を再現した第6階層は彼の理想の結晶といえる。
ウェブ版ではブルー・プラネスという名でコキュートスの制作者。
ベルリバー
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。体のあちこちに口があり肉塊のような姿をした魔法剣士[5]アマゾン川をモチーフにしたナザリック9階層の大浴場の「ジャングル風呂」をブループラネットの協力の下に作った。頭の回転が速いメンバーの一人。
「ユグドラシルの世界の一つぐらい征服しようぜ」と冗談で言っていたメンバーの一人。ウェブ版では彼が策士となっている。
ヘロヘロ
  • 声 - 間島淳司
  • 種族:古き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。モンク系の職を修めた攻撃役[5]。サービス最終日まで籍を残していたギルドメンバーの内、モモンガの招集に応じた最後の1人。
種族はスライム種の中で最強に近い「古き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)」。攻撃力は低いが、超強力な酸で相手の耐性を突き抜けて装備を剥がすため、プレイヤーとの戦いで強さを発揮する[5]
NPCの行動AIプログラムを組み立てた一人。現実世界ではブラック企業に勤めており、その激務によって心身共に疲れきった現状を吐露した後、ログアウトしていった。
ペロロンチーノ(peroroncino)
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。「エロゲーイズマイライフ」を公言する駄目人間。おちゃらけてはいるが、仲間との和を重んずる憎めない男でモモンガとの仲も良かった。そんな彼の趣味嗜好は制作したシャルティアにふんだんに詰め込まれている。本人は「駄目音感」と呼ぶ絶対音感を持っている[5]。呼び名は”爆撃の翼王”。
外見は魔法による発光を伴った華美な装飾の施された鎧で全身を包んだ戦士風の男性の格好をしている。当初はモモンガやウルベルトと「無課金同盟」なる、課金を一切せずその分の弱さを自らの腕で補っていくことを理念とした同盟を組んでいたが、キャラ組込型エフェクト(課金)に手を出した。
に特化した構成をしており、超々遠距離攻撃による爆撃が得意。太陽を射落とした英雄名に由来する武装「ゲイ・ボウ」を所持していた。
ナザリック地下墳墓制圧の際は、モモンガとは別のチームになり「溶岩」を攻略した[4]
姉のぶくぶく茶釜にはどうも逆らえなかったようである。
ホワイトブリム
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。ナザリックの41名の一般メイドの原画を担当したメンバー。
メイド服を決戦兵器、俺の全てと豪語するだけあり、デザインの微細さ繊細さはこだわり抜いた果てにある。現在は月刊誌にてメイドを主人公にした漫画の連載を持っている。
やまいこ
  • 種族:半魔巨人(ネフィリム)[5]
  • 職業:ヒーラーなど[4]
ナインズ・オウン・ゴール後続参加組[4]。三人しかいない女性メンバーの一人。現実世界では教師。素の口調はボクっ娘。ガントレット「女教師怒りの鉄拳」を所有していた。アインズがボーナスの全てをつぎ込んで漸く入手した非常に希少な課金アイテム「流れ星の指輪」(シューティングスター)を、課金くじをたった1回引いただけで手に入れている。それを知ったアインズは悔しさのあまり転げ回ったという。脳筋と呼ばれている[5]
エルフでプレイしていた「あけみ」という妹がおり、彼女は一部を除き異形種で構成された悪のロールプレイを行ったナザリックにおいて例外的ながら歓待された人物であったという。なお、彼女ら姉妹の名前は作者丸山くがねが作家デビュー前に『歌月十夜』へ一般公募作として投稿した『黎明』に登場する山瀬姉妹と一致する。
防御と回復に特化した構成をしている。能力値の中で2つが非常に高く3つが非常に低いという種族特性において、精神力と耐久力を上昇しやすい設定にしている防御ヒーラー[4]。装備も防御力を重視した物であり盾役を代われるほど[4]。その一方、攻撃力を捨てているので主装備のガントレットによるダメージはあまり無く、敵を吹っ飛ばし距離を取る効果を強めている。最大MPも回復役としては申し分ないものの、補助魔法等を併用するとなると若干心許無く、攻撃魔法は非常に貧弱である[4]
ナザリック地下墳墓制圧の際は、モモンガと同じチームになり回復役を担い「墳墓」を攻略した[4]
るし★ふぁー
ナザリックのギミック担当者の一人。地下大墳墓内にあるゴーレムの製作者。
「ユグドラシルの世界の一つぐらい征服しようぜ」と冗談で言っていたメンバーの一人。
レメゲトン72柱の悪魔をモチーフにしたゴーレムを作ったり、ウェブ版では「シルバーゴーレム・コックローチ」(Lv70)と呼ばれるゴキブリ型ゴーレムを製作し恐怖公に授けた。玉座の間に至る女神や悪魔の彫刻が細密に施された巨大な扉も彼の作である。
しかし、上述の72柱の悪魔のうち67柱を作り終えた段階で製作に飽きて残りを放棄したり、製作した強力なゴーレムを起動した際、そのゴーレムにギルドメンバーが襲われたりした(本人はAIのバグを理由にした)なども相まって、メンバーに強い思いを抱くアインズをして「非常に厄介」「正直あまり好きでない」といわしめるほどの、ナザリック内での問題児であった。
メンバーに内緒でギルドの重要な資源である希少金属を勝手にちょろまかしシルバーゴーレム・コックローチを製作したり、また、秘密裏にナザリック9階層の女風呂にある湯を出すライオン像を、マナーの悪い入浴客を襲うよう設定されたゴーレムに改造しており、転移後の世界でアインズを呆れさせた。

階層守護者

アルベド(albedo)
  • 声 - 原由実[1]
  • 種族レベル:小悪魔(インプ)Lv10ほか[2]
  • 職業レベル:ガーディアンLv10など[2]
  • 制作者:タブラ・スマラグディナ
書籍版で登場。名の由来は、錬金術における大いなる業の2段階目「白化」。170㎝[3]
階層守護者統括であり、世界級アイテムの一つの所有を認められるなど、名実共にナザリック地下大墳墓に存在する全NPCの頂点に立つ存在。住居は9階層内の自室。
外見は腰からの黒い天使の翼、こめかみから生えた山羊の如き角、縦に割れた虹彩と金色の瞳など奇異な点はあるが普段は絶世の美女といってよい姿をしている。因みに翼は感情表現にも使われている。戦地には漆黒の鎧を纏った完全武装の姿で赴き、緑色の病んだような微光が宿るバルディッシュを武器とする。
Lv100ゆえの高水準の能力に加え、守りに長けたクラスを固めて取得していることにより、アインズの盾を任せられる高い防御能力を持っている。
ナザリックの運営管理という内政面においても極めて高い能力を持ち及ぶ者はない。掃除裁縫など、意外な特技も持ち合わせる。
デミウルゴス同様複数の形態を持っているようで、シャルティアと喧嘩した際は、その内の一つの特徴を揶揄され「大口ゴリラ」と呼ばれることがある。
設定魔だったギルドメンバーが作成した長大な設定の果てにあった「ちなみにビッチである」という一文を、サービス終了間際に茶目っ気を出したモモンガによって「モモンガを愛している」に改変され、その影響かサービス終了後の異変後は彼のことを深く愛するようになる。この設定の変更についてアインズは、アルベドと彼女の“生みの親”であるタブラに対し罪悪感を抱いているが、当のアルベド本人は「娘が嫁に行くようなことですので、タブラ様もお喜びになる」と、むしろ前向きに捉えている。
立場上、玉座に座すアインズの横に控え失態を冒した守護者を叱責することやアインズ・ウール・ゴウンの威を損なうような行動には主人相手であっても謹言を行うことが多い。その度にアインズからは窘められているが、正論であるなら受け入れられることも多い。また、アインズを害する者については(他のNPCにも共通する点だが)本人が鷹揚に構えていようと激昂する。一方、シャルティアの一件でアインズを危地へと送り出すなど、彼を愛する男として見ているためか、他の守護者とは違った感覚で主人の意志を深く理解している節もある。
ただし、実際のところ彼女の忠誠と愛情はあくまでもモモンガという個人のみに向けられており、主人の愛するギルドそのものにまでは及んでいない。表向きは他の至高の四十一人に対しても忠誠心は保持されているように見えるが、内心では彼らはナザリックのNPC達を捨てたと見なしているため、人知れず侮蔑の言葉を吐いたりギルドサインを顕した旗を蔑ろにするなど、他の造物主に対しては恨みや不満を抱いている描写がある。また、人間に対しても、「脆弱な生き物」「下等生物」などと毛嫌いしている。
一方で、アインズの目の前で恋敵のシャルティアと目に見える修羅場を演じたり、愛のあまり興奮し奇声を発したり、奇行に走ることなどもあって本人が向けられる好意に引け目を抱いていることを差し引いても、周囲を含め若干生暖かい目で見られている。いわゆる「ヒドイン」。
テレビアニメでは、シャルティアと修羅場を演じる際に紫色のオーラ(シャルティアは赤色のオーラ)を纏う描写が見られる。
シャルティア・ブラッドフォールン(shalltear bloodfallen)
  • 声 - 上坂すみれ[1]
  • 種族レベル:真祖(トゥルー・ヴァンパイア)Lv10ほか[7]
  • 職業レベル:カースドナイトLv5など[7]
  • 制作者:ペロロンチーノ
ナザリック第1 - 3階層「墳墓」の守護を任された階層守護者。140㎝[3]。住居は第2階層内の死蝋玄室。
いわゆる真祖としての「吸血鬼」であり、冷然とした超越者としての雰囲気を纏う少女。外見年齢は14ほどとやや年端のいかない要素はあるものの、少女と女性の境界染みた不完全な完全性を持つ。
外見は白蝋染みた肌を身に包んだボールガウンやフィンガーレスグローブで露出させず、長い銀の髪と真紅の瞳を持った非常に端正な面立ちをしている。胸のみは不自然なほど盛り上がっているが、これは胸パッド(アウラからは「ニセ乳」とも言われている)。そこが彼女の弱みになっており、歩くとずれたり落としたりするために、移動の際は基本的に転移門(ゲート)を利用している。
一対一の戦闘でならば守護者最強であり、高水準かつバランスの取れた能力値、ステータス異常の無効化など、様々な特殊能力を持つ、加えて対アンデッドに適した信仰系魔術詠唱者でありながら、肉弾戦に長けた職業も取得している。
制作者の趣味で「同性愛」、「嗜虐趣味」などエロゲにありがちな多数の設定が投入されており、本人の性格も概ねそれに沿ったものである。口調もキャラに沿った語尾に「〜でありんす」をつける間違いだらけの廓言葉だが、日に一度は「わらわ」を使うことを除けば、一人称は概ね「わたし」。また、取り乱したり悄然としている時は廓言葉さえ鳴りを潜める。
数ある性的嗜好の一つ「ネクロフィリア」の関係もあってかアインズのことを心の底から愛し睦言を囁くこともしばしばであるが、書籍版ではそのこともあってアルベドと衝突することも多々あり、その際は本当の姿を揶揄した「ヤツメウナギ」あるいは「ウナギ」と呼ばれることがある。同格の守護者アウラ相手などには制作者の関係もあって見た目通りの幼さを見せることもままある。
情報収集を目的とした任務として裏事情に詳しい犯罪者の拉致をアインズに命じられ、ウェブ版では「血の狂乱」による暴走というミスもあったもののブレインの眷属化という形で達成する。書籍版ではブレインの逃亡を許し、諸原因あって遭遇した漆黒聖典に精神支配を受けるという大失態を演ずる。しかし、命令は為されず、支配完了間際に放った攻撃によって大きな被害を受けた漆黒聖典の撤退によって、敵対行動を行った者への攻撃という形で静止状態になった。この状態を裏切りと見なしたアルベドの報告を受け事態を確認したアインズは、シャルティアにかけられた精神支配の解除のため超位魔法を発動させるが無効化される。このことから、背後にある世界級アイテムを扱う存在を知り危険視したアインズはアルベドを説得し、シャルティアの状態異常解除のための討伐を単身にて行うことを決意する。 
アインズは自らの見通しの甘さを恥とし、ナザリックの主に己が相応しいか自らに問うため、そして何より愛子の争う姿を見たくなかった彼は最悪の相性を持ち、「一騎打ちで戦えば、生きて帰れるかどうか分からない」とアルベドに語るほどの天敵といえる彼女相手に不完全な装備で挑み、これを正面から打ち倒すことに成功する。消滅し玉座の間にて異常なく復活した彼女だったが、数日間の記憶は消失しており、犯人も分からずじまいであった。
一連の裏切り騒動によって警戒を新たにし、報復を誓ったアインズだったが、一方で主人への反逆という大罪を犯してしまったシャルティアはその罪を問われることこそなかったものの意気消沈した日々を送っている。一応の罰という名のご褒美を頂いたが、デミウルゴスの主導する計画「ゲヘナ」では参加を認められず待機を命じられた。
ガルガンチュア
ナザリック第4階層「地底湖」の階層守護者。
アインズ・ウール・ゴウンのギルドメンバーによって作られたNPCではなく、ユグドラシルというゲームのルール上に存在していた戦略級攻城ゴーレム。厳密には守護者ではなく、あくまでも守護者の地位を与えられたゴーレムである。
コキュートス(cocytus)
  • 声 - 三宅健太[1]
  • 種族レベル:蟲王(ヴァーミンロード)Lv10ほか[8]
  • 職業レベル:ケンセイLv10など[8]
  • 制作者:武人建御雷
ナザリック第5階層「氷河」の守護を任された階層守護者。250㎝(尾は含まず)[3]。住居は同階層内の大白球。
巨大な二足歩行の昆虫に悪魔的な印象を混ぜ合わせた姿をしている。常に冷気をまとわせたライトブルー(ウェブ版では白銀)の体に、体表や尾全体に鋭いスパイクが付いている。4本の腕はそれぞれに違う得物を携え、武器を持った際の攻撃力は守護者随一であり一定の魔法も行使できる魔法戦士。
鎧を想起させる厳しい外見に似合い能力も性格も武人そのものの武骨なものであり、格下であっても勇敢な戦士には敬意を払う。「至高の四十一人」全員の武器を知る他、戦士としての観察眼はアルベドに勝る。異形の外見の通り、発せられる言葉も漢字を除けばカタカナで表記されるなど硬質なものとなっている。
外見の異質さもあって、外界に出ての任務に当たっている他の守護者とは異なり、ナザリック内の警固という従来の役目しか与えられていなかった。手柄を挙げていく同僚にやきもきする日々を送っていたが、蜥蜴人(リザードマン)集落への低レベルアンデッドの大軍による侵攻指揮という役を与えられ、意気揚々と携わるが、遠隔地からの拙い指揮という落ち度もあって、与えられた軍勢の脆弱さや蜥蜴人の予想外の奮闘によってまさかの敗北を喫する。処罰を覚悟したものの、アインズ本人はこれを大したものでないとして厭わず、コキュートスに積極的に献策することや慢心を忌むことなどを教授し、裏の目的であるNPCの成長という可能性を確信し満足する。
その後、アインズに蜥蜴人の助命を嘆願し、デミウルゴスの助け舟もあってこれを聞き届けられる。守護者を総動員しての蜥蜴人集落へのデモンストレーションの後、矢面に立った族長達を正面から打ち破って今度こそ威を示した彼は亜人種統治のモデルケースの確立という大役を任されることになった。
謹厳かつ剛直な性格ではあるが、アインズの子供に「爺」として仕える未来を夢想してトリップするなど、他の守護者と同様に変な部分も持ち合わせている。また、正反対の性格のデミウルゴスと何故か仲が良い。
アウラ・ベラ・フィオーラ (aura bella fiora)
  • 声 - 加藤英美里[1]
  • 種族レベル:人間種のため、種族レベルなし[2](種族レベルは異形タイプのみで、エルフ種は人間種に属する)
  • 職業レベル:ビーストテイマーLv5など[2]
  • 制作者:ぶくぶく茶釜
ナザリック第6階層「ジャングル」の守護者。104㎝[3]。住居は同階層内の巨大樹。
ウェブ版の名は「アウラ・ディベイ・フィオーラ」。外見は10歳程度の少女で、金髪のショートヘアに金と紫という左右の異なる瞳、褐色の肌と長く尖った耳を持つダークエルフと呼ばれる人種であり、ビーストテイマーおよび魔法職のクラスを持っている。
書籍版の名は「アウラ・ベラ・フィオーラ(aura bella fiora)」。外見はウェブ版とほぼ同じだが、瞳の色が緑と青のオッドアイとなっており、魔法職を失った代わりにレンジャーのクラスを持っている。同守護者である双子の弟マーレの姉で、製作者の遊び心によって男装させられている。
直接的な戦闘能力はナザリックのLv100NPCと比べ劣るものの、職業に由来する高レベルモンスターの使役や強化・弱体化を初めとした様々なスキルによってそれを補う。
年齢は76歳だが長命種のため外見も言動も子供っぽい。元気一杯の子供かつ子犬のような性格をしているが、反面幼さ故の無邪気な残酷さも垣間見せ、仲間内には穏当なもののそれ以外にはかなり見下した判断をする。また、アルベドとシャルティアがアインズの寵愛を巡って争う場面では中立的で第三者的な立場から冷めた態度でいることが多い。
アインズからはトブの大森林内部に緊急避難場所を建設するよう命じられるほか、森林や魔獣についての知識を求める時に呼び出されている。
マーレ・ベロ・フィオーレ(mare bello fiore)
  • 声 - 内山夕実[1]
  • 種族レベル:人間種のため、種族レベルなし[2](種族レベルは異形タイプのみで、エルフ種は人間種に属する)
  • 職業レベル:ドルイドLv10など[2]
  • 制作者:ぶくぶく茶釜
書籍版で登場。
ナザリック第6階層「ジャングル」の守護者の1人。身長・住居は姉と同様。
外見はアウラと同じだが、制作者の遊び心によって姉とは配色が逆であるものの、概ね同じ格好にスカートを履かされ女装させられている。
気弱で姉には逆らえず、いつもおどおどとした姿を晒しているが、アインズからは広範囲に渡る地形改変を任されるなど後衛魔法職としての能力は高い。その実力は守護者でも二番手に付けるとセバスには評される。また、気弱な性格を演じている節も見受けられ、少なくとも敵に対しては無感情であり容赦無い。ナザリック外の存在には徹底的に無関心である。
デミウルゴス(demiurge)
  • 声 - 加藤将之[1]
  • 種族レベル:最上位悪魔(アーチデヴィル)Lv5ほか[8]
  • 職業レベル:カオスLv10など[8]
  • 制作者:ウルベルト・アレイン・オードル
ナザリック第7階層「溶岩」の守護を任された階層守護者。181㎝[3]。住居は同階層内の赤熱神殿。
巧言令色を弄し、人間を陥れ破滅に追いやることを悦びとする悪魔。口調は非常に慇懃であり、有するスキルもあって耳あたりがよく優しいとさえ取れる。悪魔という種族やそのインテリめいた姿に相応しくナザリック最高峰の頭脳の持ち主であり、ウェブ版では外交・内政・軍事を含んだ全ての分野において、書籍版ではアルベドにその役割の多くを譲ったもののナザリックの行う様々な方策に関わる。スクロール製作のための羊皮紙量産化や周辺国を脅かす偶像としての魔王の作成など、その内容は多岐に渡る。
モモンガが口にした世界征服という戯言を本気にしてしまい、ナザリックの大方針を定めた張本人である。彼もまたナザリックの住人として主人であるアインズが自分達を凌駕する鬼謀の持ち主であると例外なく信じ込んでおり、中身凡人であるアインズは知ったかぶりをしながら常に彼らの期待に応える羽目に陥っている。そのため、アインズ本人が立てた計画を置いておけば実際はデミウルゴスの策を追認しているに過ぎないのにかかわらず、さらなる深読みをされることによって本人置いてけぼりのままアインズの虚像は膨らみ、更に頭を抱えさせることになっていることを知る由もない。本作における勘違いから来るギャップやおかしさを最も体現する人物といえる。
ウェブ版と書籍版では最も異なった姿をしており、書籍版では三つ揃えのスーツを着、黒髪をオールバックにした東洋系の顔立ちを丸眼鏡で飾った知的ホワイトカラーのような印象。その上で銀のプレートメールで覆われた六本の棘付きの尻尾を持った姿をしている。またアルベド同様複数の形態を持ち、その内の一つ半悪魔形態では皮膜状の翼を生やし、蛙染みた顔に変化する。
ウェブ版では、真紅の豪華なローブに身を包み、黒髪を刈り揃え、赤い瞳にヤギを思わせる角や背中に巨大な翼を持った悪魔らしい外見をしている。
ナザリック至上主義を掲げ、ナザリックに所属する者として例外なく内には優しい。ただし人間に関してはある種好意的ではあるが、面白い玩具あるいは有用な家畜と見なしているにすぎず、その点でセバスとよく意見が相対する。作中ではぼかされるか直接に描写されることこそないものの、悪魔に相応しく捕らえた人間達に対しおぞましい所業を行っている。
失態を繰り返す同僚を余所に王都を舞台にした一大作戦「ゲヘナ」を立案し、八本指への報復及びナザリックへの傘下の組み入れや王国民1万人の拉致などを成功させる。そのことを知る由もなかったアインズの追認とはいえ、第一功と認められ守護者の汚名を返上した。
秘密主義や、腹に一物ありそうな振る舞いをするものの、アインズへの忠誠心は守護者の中で一、二を争うほどの強い物であり、操られたシャルティアにアインズが単身で挑んだ際には、普段の冷静さをかなぐり捨てて、送り出したアルベドに詰め寄る場面があった。
ヴィクティム(victim)
  • 種族レベル:天使(エンジェル)Lv10ほか[9]
  • 職業レベル:セイントLv4など[9]
書籍版で登場。
ナザリック第8階層「荒野」の守護者。
天使の輪と枯れたような翼を持つ全長1メートルほどの胚子のような姿をしている。
文中ではルビとして平仮名が平仮名に打たれている独特な言語を操る。アインズは「エノク語」であるはずと訝しみつつ何とか納得しているが、実のところは五十音を色名(絵の具)に変換して表記した奇怪な言語である。
自身の戦闘力は乏しいようだが、死亡時に発動する強力な足止め系のスキルを保有している。
セバス・チャン(sebas tian)
  • 声 - 千葉繁[1]
  • 制作者:たっち・みー
  • 種族レベル:不明[10]
  • 職業レベル:モンクLv10など[10]
ナザリック第9・10階層に控え、メイド長と共に「至高の四十一人」の生活面を支える最高責任者である執事。179㎝[3]。竜人。
厳密には守護者ではないが、役職上も他の階層守護者とは同格の扱いであり、直属の部下として10人の男性使用人と執事助手、戦闘メイド隊「プレアデス」を指揮下に持つ。ナザリックでは少数派の善に傾いた性格で、制作者に似た人格者であり弱者救済を是とする。
外見は白髪白髭のステレオタイプな老執事そのものだが、その双眸は猛禽のように鋭い。真の姿を見せた際の戦闘能力は総合的にはナザリック随一のもので、武器を手に取らない格闘戦を主としている。スキルとしては気功術による治癒や支配化による情報の聞き取りなどを有する。
アインズからは商人の令嬢役のソリュシャンと組み、その執事役として王都における魔法・科学技術の情報収集という任務を与えられる。その合間の個人的な調査の途上、ゴミのように打ち捨てられるツアレを目撃し、助けを求められたことから厄介事と知ってなお拠点である屋敷に連れて帰り治療を施す。
その結果、王国の裏社会と癒着した悪吏の脅迫を受けることになるが、これは自分の身勝手が呼び込んだことであるため報告はもちろん表立った行動に出ることも出来ず煩悶としていた。そこをソリュシャンの報告によってアインズの面前での最悪誅殺まで踏まえた詰問にまで発展するが、そこで揺るぎなき忠誠を示したことで不問となる。
以上の通り見かけによらず割と浅慮なところもあり、作者からは彼の善良さは「優しさ」ではなく「甘さ」であると指摘されている。

領域守護者

パンドラズ・アクター(pandora's actor)
  • 声 - 宮野真守
  • 種族レベル:上位二重の影(グレータードッペルゲンガー)Lv10ほか[7]
  • 職業レベル:エキスパートLv10など[7]
  • 制作者:モモンガ(アインズ)
ナザリック宝物殿の領域守護者。177㎝[3]。宝物殿の管理のほか、金貨の出納などを行う財政面での責任者でもある。
同じドッペルゲンガー系列でも変化できる姿をギルドメンバーのデザインした普段の一つに絞ったナーベラルとは違い、「至高の四十一人」全員の外装をコピーし、その能力の八割ほどを行使できるLv100NPCである。そのためアインズ(モモン)の影武者を務めることも可能であり、明言こそされていないものの主人の代行を度々している。
ウェブ版では、ピンク色の卵に似た頭部に眼鏡をかけ、ダークスーツに白シャツやネクタイ、黒い革靴と紳士風の衣服を着込んでいる。
書籍版では、ナチス親衛隊制服に酷似した軍服を身に纏っている。
マジック・アイテム・フェチであり、時にはドイツ語を交えた伊達男のような派手な言動・挙動で周囲を振り回すその姿は、制作者であるモモンガ自身が「格好いい」と思っていた忘れたい過去=黒歴史そのものであった。
そのため、設定上ナザリックトップクラスの頭脳と知略に加え上記の通り利便性に富む能力を持ちながらも、かつてのギルドメンバーの姿を永久保存する意味もあってアインズ本人は表に出すことを躊躇していた。
恐怖公(きょうふこう)
  • 種族レベル:昆虫の森祭司(インセクトドルイド)Lv10ほか[11]
  • 職業レベル:ハイ・ドルイドLv5など[11]
ナザリック五大最悪の一角「住居最悪」。第2階層の一区画「黒棺(ブラック・カプセル)」を任された領域守護者で、コキュートスの盟友でもある。
外見は体高30cmほどの直立したゴキブリ、ただし顔面は正面を向いている。貴族然とした振る舞いと衣装を身に纏い、一人称は「我輩」。口調も紳士的。Lv30(ウェブ版)だが特殊能力として、大小問わず無数のゴキブリを召喚することが出来る。生理的嫌悪感では済まない数の暴力で対象を嬲り殺し、拷問に用いられた場合は短時間の内に心を折る。
なお、外見が外見なので女性の守護者からは非常に恐れられている。そんな中、エントマは気にせずにスナック感覚で彼の眷属であるゴキブリ達をつまみ食いしているらしく、彼からはいかなる感情を込めてか「眷属喰い」と呼ばれていたりする。
ウェブ版では舞踏会に出席する羽目になったアインズとそのパートナーであるシャルティアにダンスを指導した。ドラマCDでは知性を持つ彼の眷属が登場した。
紅蓮
第七階層の溶岩の川に潜む領域守護者。非常に巨大な奈落(アビサル)スライム。
Lv90だが戦闘に特化しており、一部階層守護者に勝るなどナザリックでは最上位の部類に入る。触腕を伸ばし敵を溶岩の中に引きずり込み、姿を見せずに攻撃するという。
グラント
領域守護者。ナザリックに侵入した「フォーサイト」のメンバーであるアルシェの皮の剥がれた胴体と足をグラントの子供が食べたこと、特典小説にてコキュートスが交流のある者として恐怖公や餓食狐蟲王と共に名を挙げていることから昆虫型モンスターと思われる。
餓食狐蟲王(がしょくこちゅうおう)
ナザリック五大最悪の一角。ナザリック第6階層「ジャングル」に存在する「大穴」に配置されている。階層守護者のアウラが「大穴」に近づくことを避けるほど恐れられている。昆虫型モンスターでコキュートスと交流がある。名の由来は芽殖孤虫
桜花聖域の領域守護者
8階層の桜花聖域で「スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン」を守護する領域守護者。プレアデスの末妹。165㎝[12]
人間であるが不老の存在。ナザリックに招待されたエンリ達が転移門を通過した際、一瞬幻視した姿によると巫女装束である。
ナザリック内の転移門の管理を担当している。末妹が桜花聖域からプレアデスに移動すると彼女をリーダーとする七姉妹(プレイアデス)に移行する。

プレアデス

ギルドメンバーによって一般メイドとは違う特色を持って製作された、戦闘能力を備えるメイドチーム。
彼女らプレアデスは擬態か常態かの違いはあれど、一貫して転移先の世界においても端麗な容姿と強力な装備である改造メイド服が与えられており、その個性は強い。
ゲーム中のレベルとしてはおよそ50 - 60であり、大半が種族レベルより職業レベルを多く習得している。
ユリ・アルファ(yuri・α)
  • 声 - 五十嵐裕美[1]
  • 種族レベル:首無し騎士(デュラハン)Lv1ほか[7]
  • 職業レベル:ストライカーLv10など[7]
  • 制作者:やまいこ
ナザリックにおいて戦闘能力を持つ6人のメイド、チーム「六連星(プレアデス)」の1人。174㎝[12]
プレアデスの副リーダーであり、まとめ役。明確な序列を持たない他のメンバーからも姉として慕われている。棘付きのガントレットを装備し、格闘系の職業を取得している。
夜会巻きに伊達眼鏡といった怜悧で知的な風貌に見合い、ナザリックでも珍しく属性が善側に寄っており、生真面目かつ公私の別をわきまえた少々お堅い性格。
また、癖で意地悪な教師のように棒状のムチで机などに叩き付け『ピジピシ』と音をたてる一面もある。時折、口に出すことから素の口調はボクっ娘。 
なお、彼女を長姉とする6名のプレアデスメンバーとは別に区別される意味で人間の末妹がおり、それを含め「七姉妹(プレイアデス)」と呼ぶ括りが語られている。末妹は通常は8階層の桜花領域を守護しており、彼女が移動してプレイアデスに移行した際はリーダー権がセバスから移るようである。
ルプスレギナ・ベータ(lupusregina・β)
  • 声 - 小松未可子
  • 種族レベル:人狼(ワーウルフ)Lv5[13]
  • 職業レベル:クレリックLv10など[13]
ナザリックにおいて戦闘能力を持つ6人のメイド、チーム「プレアデス」の1人。171㎝[12]
神官系の職業を習得しており着用している改造メイド服もそれに沿った物を合わせている。回復のみならずある程度の肉弾戦や攻撃魔法の行使もこなせる。
食欲旺盛で芋などが好物。語尾に「〜っす」と付ける蓮っ葉で明るい口調が特徴的だが、場によっては淑女のようにも振る舞える器用な女性である。
ナザリックに属する者の中では弱い人間種などにも人当たりのいい対応と友好的な態度を取れる一人。そのため、カルネ村に監視兼重要人物の護衛を兼ねて派遣される。
書籍版ではそういった表面的な態度は演技であり本来は残忍で狡猾な性格を持つ(ウェブ版でもそれを匂わせる描写は度々示されてはいる)。また、嗜虐心も強く弱者をいたぶることを趣味とする。不自然なまでに明るいという点で一貫しているが、ころころと変わる態度に親しみを持つ者が多い反面、掴みどころのなさから裏の顔の片鱗を見て恐怖する者も皆無ではない。
不可視系の魔法を利用してか、気配のないところから唐突に現れては驚かせるという遊び心の持ち主でもある。
それらの態度は刹那的かつ享楽的な性格から来るものであり、希望を持たせた上で叩き落とし絶望するところを見たいという理由から、玩具である人間には親切な態度を取るものの最後は自分の趣味を優先する。アインズが命じたカルネ村の重要性も理解しておらず、村の危機に繋がりそうな報告を怠り身内にとにかく甘い主人を激昂させている。
悪気こそないのだが反省も後に尾を引くタイプではなく、報連相こそ理解したもののその後もあまり懲りている様子がなかった。
ナーベラル・ガンマ(narberal・Γ)
  • 声 - 沼倉愛美[1]
  • 種族レベル:二重の影(ドッペルゲンガー)Lv1[8]
  • 職業レベル:ウォー・ウィザードLv10など[8]
ナザリックにおいて戦闘能力を持つ6人のメイド、チーム「プレアデス」の1人。164㎝[12]
種族レベルを最低限の1に抑え、それを除くレベルの全てを職業クラスに割り振った生粋の魔法職。魔法詠唱者としての得意分野は電撃系、一個の分野に特化することで汎用性を落とした分威力を上げるという職業構成がされており、鎧や剣の装備が可能な職業も取得している。
ナザリックの全般的な傾向である人間蔑視の思想を強く持つ一人である。やや短気なところがあり、人間を公然と虫けら呼ばわりする毒舌家。ただし、人間を積極的に害しようとする意志はなく基本的には無視を貫く。人間に興味を持たないことについては筋金入りのようで他のメンバーとは異なり職務上必要な人間の名前すら覚えていなかった。
真の姿はナザリックでは過半を占める異形種であるものの、転移後の世界では人間と変わらない姿を常時取れる希少なNPCであることを見込まれ、アインズの勅命を受ける。
ウェブ版では凡庸な姿をした男性「モモン」に姿を変え、冒険者ギルドに潜入しての情報収集に従事する。
書籍版では普段の姿のままで漆黒の英雄「モモン」の相方、美姫「ナーベ」として活動する。こちらでは力を抑えてはいるが、本来の魔法詠唱者としてモモンをサポートする。しかし、崇拝する主人の傍らという環境もあってか人間を侮蔑する性格を全く隠しきれておらず、事ある度に敵意と暴言を飛ばすためアインズからは度々釘を刺されている。
仮の姿はウェブ版ではサイドテール、書籍版ではポニーテールという違いはあるものの、黒髪の極めて端正な容姿をしていることに変わりはない。
シズ・デルタ
  • 声 - 瀬戸麻沙美[1]
  • 種族レベル:自動人形(オートマトン)Lv5ほか[7]
  • 職業レベル:ガンナーLv10など[7]
ナザリックにおいて戦闘能力を持つ6人のメイド、チーム「プレアデス」の1人。145㎝[12]
正式名称は「CZ2128・Δ(シーゼットニイチニハチ・デルタ)」、シズ・デルタは略称。
機械の型番のような名前や銃器の使用に適した職業クラス、何よりその種族からもわかるように無感情なメカ少女といったキャラクターメイキングをなされており、表情が動かされることはまずない。
外見は翠玉の瞳に、もう片目を覆うアイパッチ、ミリタリー風味の飾り付けに赤金のロングヘアーといったところで、無機質な印象ではあるがプレアデスの例外なく非常に美しい容姿をしている。
ギミック考案を担当した制作者により、ナザリックのギミックとその解除法の全てを熟知しているとの設定を施されている。
ソリュシャン・イプシロン(solution・ε)
ナザリックにおいて戦闘能力を持つ6人のメイド、チーム「プレアデス」の1人。166㎝[12]
情報収集の一環として、後ろ暗い犯罪者を釣り出すべく執事役のセバスと組んだ縦ロールのわがままな令嬢の役としてナザリック外部へ派遣される。
ナーベラルと原理は異なるが美しい姿は擬態したもので、本性は異形種。捕食型スライムという種族に由来する人間離れした挙動も可能とし、体内に幾つかのアイテムや大人一人分収納して外見になんら変化を来たさないといった離れ業も易々と行う。盗賊・暗殺系の職業を修めたキャラメイクをされており、罠を看破することが出来る。
他の種族特性として物理攻撃への耐性を持ち、強弱の加減が出来る酸の分泌も可能である。
プレアデスではナーベラル同様に強く人間・亜人種を蔑視しているが、こちらは扱いが同じ虫けらでも嬉々として潰すタイプであり(ただし非抹殺対象に対しては完璧に演技が出来、基本的に普段は感情を表に出さない)、個人的趣味の近似からシャルティアと仲が良い。
エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ(εντομα βασιλισσα・ζ)
  • 声 - 真堂圭
  • 種族レベル:蜘蛛人(アラクノイド)Lv10ほか[9]
  • 職業レベル:フジュツシLv10など[9]
  • 制作者:源次郎
ナザリックにおいて戦闘能力を持つ6人のメイド、チーム「プレアデス」の1人。精神系魔法詠唱者。149㎝[12]
アインズの前ではかしこまっているものの、語尾をはじめ全体的に幼く甘ったるい喋り方をする。符術師と蟲使いの職業を修めている。
ソリュシャンと共に人間を食材として好むプレアデスメンバーであるが、嗜虐して楽しむ一面も持つ彼女とは違い単純な食料と捉える傾向が強い。通常は声同様に幼げで整った姿であり、和服調のメイド服を纏っているがその本性は異形。顔も声も蟲で擬態したものであり、シニヨンにした髪も偽毛とされている。
ウェブ版では、ほっそりとした体つきで艶やかな黒髪をサイドアップでまとめた、端正な顔立ちをした大人しげな女性。魔法戦士の職業を修めている。
書籍版では王都を舞台にした一大作戦「ゲヘナ」において、マーレと共にヒルマの屋敷を襲撃後に単独でいたところをガガーランと遭遇し、性格上見過ごせなかった彼女と交戦する羽目になる。レベルと種族としての地力や装備の差、召喚主とは独立して行動する蟲と自己強化・攻撃などに使用する符などによって、ティアの加勢後も彼女達を終始翻弄した。
人間を侮り食料として捉えながらも油断することなく相手の出方を窺っては追い詰め、止めの間際まで追い詰めるも自身と互角の強者であるイビルアイの乱入を受ける。彼女の発言に激昂し切り札を晒して襲い掛かるが、自分自身と使役する蟲武器の両方にとって特効となる殺虫魔法によって顔と声の両方を構成する蟲を殺されてしまう。
ここに至りなりふり構わず、蜘蛛の足や多種多様の糸など種族に由来する能力も加えて三人の蒼の薔薇チームと激闘を繰り広げるが手数と絆の差によって敗北。デミウルゴスの助けによって瀕死の状態で辛くも逃れる。イビルアイと再び対峙した際もその憎悪は衰えることはなく、顔の蟲は元通りでも声は彼女の嫌う本来のものであった。
その後、帝国のワーカーであるアルシェの声を与えられた。

その他

ニグレド
  • 制作者:タブラ・スマラグディナ
書籍版で登場。
ナザリック第5階層「氷河」に存在する館「氷結牢獄」に配置された高レベルNPC。情報収集に特化した魔法詠唱者。170㎝[3]
アルベドと同じ制作者に姉として創造され、設定上及び互いの認識も姉妹関係である。
性格は割りとまともなものの、「亡子を求める怪人」といった風情の制作者謹製のホラーな寸劇を繰り広げた後でないと会話に入れない。この趣向は転移後も引き継がれている。その設定のせいか子供に対しては慈悲深く、王国から攫ってきた子供を守るためにペストーニャと共にアインズに逆らったことまである。
外見は黒の喪服姿に長い黒髪と寡婦のような姿で顔面の各パーツは整っているが、表皮が無いために顔は剥き出しのままであり、異様な容貌となる。
エクレア・エクレール・エイクレアー
  • 種族レベル:バードマン Lv1
  • 制作者:餡ころもっちもち
書籍版で登場。
第9階層客室周辺を所掌する、セバス配下の執事助手。ペロロンチーノらと同じバードマン種族だが、制作者からはイワトビペンギンの姿を与えられている。
どういった意図かナザリックの支配を狙っているとの設定を与えられているが、その割に「掃除」を最重視する姿勢、部下の男性使用人に抱えられないと碌に動けないなど、気取り屋の性格と併せどこかズレたものを感じさせられる。
ペストーニャ・ショートケーキ・ワンコ
ナザリック地下大墳墓のメイド長。高位の神官でもあり、強力な癒しの魔法を使う。
直立歩行した犬の姿をしており語尾に「わん」をつけるが、たまに忘れる。ナザリックでは例外的な慈悲深い一人。
書籍版では顔を縦断する継ぎ接ぎの跡がある。
プルチネッラ
書籍版で登場。
仮面の道化師。係助詞の「は」を「わ」に表記した喋り方をする。
ナザリックでは例外的ながら慈悲深い存在であると周囲含め認識されており、自身も「全ての者を幸せにしたい」と豪語する。ただし、その善意はナザリック以外の者に対しては「他者が犠牲になることで相対的に幸福を感じられる」という認識である。
デミウルゴスが管轄する牧場の管理に補佐として携わっている。
ルベド
  • 制作者:タブラ・スマラグディナ
書籍版で登場。
ニグレド・アルベド姉妹に続く三番目の妹。
ナザリック最強のNPC。単純な肉弾戦ならば守護者を圧倒し、ギルド最強プレイヤーのたっち・みーすらも凌駕する。その能力からアインズにとっても手に余る存在であり、姉に当たるニグレドからは「スピネル」と蔑称らしき呼ばれ方をされ、いずれナザリックに災厄をもたらすとして危険視されている。
ニューロニスト・ペインキル(neuronist painkill)
ナザリック五大最悪の一角「役職最悪」。第5階層の一角「真実の部屋(Pain is not to tell)」に配置されている特別情報収集官
6本の触手を持つタコのような頭部と、ネイルアートを施した4本指を持ち、溺死体のような膨れ上がった白い体を申し訳程度に革帯で覆った姿をしている。語尾に「ん」を付ける話し方が特徴(「○○かしらん」「○○よん」他)。
男とも女とも判断しがたい濁声だが、本人は「おねえさん」を自称。異性としてアインズに好意を寄せており、シャルティアやアルベドをライバル視しているが、作者によると中性で性別はない。
ティトゥス・アンナエウス・セクンドゥス
ナザリック第10階層にある巨大図書館「アッシュールバニパル」の司書長。
ギルドメンバーに製作系に特化した存在として創りだされたNPCで種族はスケルトン・メイジ。
身長は150cm程。古代ローマのヒマティオンを身に纏っている。
日夜スクロールの製作に勤しむ傍ら、マーレにしばしば本を貸し出している。
ハムスケ(hamusuke)
  • 声 - 渡辺明乃[1]
  • 種族レベル:ユグドラシルに同種がいないため不明。[8]
  • 職業レベル:ユグドラシルに同種がいないため不明。[8]
書籍版で登場。
アインズが冒険者モモンとして名声を高める過程で出会ったモンスター。
エ・ランテル近郊では「森の賢王」と称され数百年を生きた伝説の魔獣として広まっており、ナザリック近隣のトブの大森林南部を縄張りとしていた。
一人称「それがし」、語尾に「ござる」など、口調・響き共に厳しい戦士か侍のそれであるが、外見は人間1人が騎乗可能なほど巨大なジャンガリアンハムスターそのものである。
鱗に覆われた20メートルの尾から繰り出される強烈な一撃や、体毛に浮かぶ紋様から発動される8種ほどの魔法(その中の一つに第四位階「全種族魅了」があるが、ハムスケに魔法職としての力は殆ど無いため撥ね退けるのは容易である[14]。)、推定でLv30強とされるステータスなどこの世界基準では確かに伝説であり、周囲の認識もそれ相応に高い。ただし、ナザリック基準では貧弱な部類であり、前評判通りに強大な魔獣として扱う周囲との美的感覚のあまりなギャップにアインズに脱力される。アインズが少しばかり本気を出したため、それに怖れをなして頭を垂れ、彼を「殿」と呼んで忠誠を誓うようになる。この際に「ハムスケ」と命名された。
その後は名声のシンボル、看板の意味や騎乗する馬の代わりなどとしてモモンとしての行動の際は共に行動し、ナザリックでは戦士クラス習得のための実験体兼アインズのペットとして扱われている。アインズも複雑な心境を抱えつつ微妙に愛着を持ってきてはいるが、それが祟ってナザリックNPC達の妬心を買う羽目になっている。
死の宝珠
アンデッド支配力の補助や死霊系魔法の使用回数増加効果を持つ黒い珠のようなアイテム。インテリジェンス・アイテムとも呼ばれる。その名の通り独自の意思を持っており、対話することも可能。
自分が生まれてきた理由を世界に死を撒き散らすためと考えており、時には自分を所持した人間を操ってでも自らの目的を果たそうとする。
元々はカジットが所持していたが、アインズの力を感じ取った以降は彼に忠誠を誓う。アインズにとっては大した効果を持つわけではなかったが、ユグドラシルに存在しない珍しいアイテムであったため、自らの配下に加える。
ウェブ版ではナーベラルが、書籍版ではハムスケが所持することになる。
イグヴァ
  • 種族レベル:なし。ただし、モンスターとしては22レベル(スキルの効果で能力が増幅する前の初期レベル)[15]
  • 職業レベル:なし。[15]
書籍版で登場。
蜥蜴人集落を素材確保及び実験のために襲撃したアンデッドの軍勢の現場指揮官。
アインズにより生み出された「死者の魔法使い(エルダーリッチ)」。被験体41番(iguvua=41)。
同じ立場のモンスターはウェブ版でも登場していたが、書籍版で名が与えられた。複数の魔法を操り、勝利を確信しつつあった蜥蜴人達を単騎で蹂躙したが、ロロロの突貫で距離を詰められ、族長達との近接戦を強いられる。それでも終始余裕を崩さなかったものの、仲間に支えられたザリュースの前に敗れた。
蜥蜴人の勝利は総指揮官のコキュートスをして「奇跡的」と言わしめたことからそのレベル差が窺え、彼の中で蜥蜴人の評価をいみじくも押し上げることになった。
司書J、コッケイウス、ウルピウス、アエリウス、フルウィウス、アウレリウス
司書Jはエルダーリッチ。左上腕に嵌めてあるバンドに「司書J」と記載されている。図書館の案内等をする。
コッケイウス以下は書籍版で登場。種族は全員オーバーロード。ティトゥスが外出するマーレのために貸し出し蜥蜴人の集落に同行した。名前の由来はローマ帝国五賢帝から。
ピニスン・ポール・ペルリア
ナザリック第6階層に移住したドライアド。ドラマCDではトブの大森林に君臨していた闇妖精とも交流があったと述べていることから樹齢は200年以上。
当初はトブの大森林に生息していたが、ナザリックに移住後は6階層でリンゴの木を育てている。
ウェブ版ではアウラの勧誘を承諾し部下となり絞め殺す蔦から救出され、ドラマCDではザイトルクワエの脅威からアインズに助けられ配下となった。
三助の三吉くん
書籍版で登場。風呂でアインズの体を洗う蒼玉の粘体(サファイア・スライム)。酸を出して融解したり、鉄棒を容易に曲げる力を持つ。骨のみという特性上、自分の体を洗うのに苦労するアインズが、様々な試行錯誤を経て、このスライムを利用し体を洗うことに辿り着いた。
副料理長
ナザリック9階層で働くマイコニド。通称はピッキー。普段は厨房にいるが日時によっては同階層内の落ち着いたバーでバーテンも務めている。時折、6階層の農園にも出向き食材を採取している。ウェブ版ではポーションの作成も行っている。
鍛冶長
アインズがシャルティアと交戦した後、対外的に見て冒険者モモンと吸血鬼ホニョペニョコとの激戦を物語る傷だらけの鎧を製作した。
鍛冶師
ウェブ版で登場。サラマンダー。ルプスレギナと共にカルネ村に派遣され、エンリ達に提供される鋼鉄製の胸当て等を鍛え直した。
チャックモール
デミウルゴスの言葉から人間を玩具にし弄ぶことを喜びとする者。
楽師
ウェブ版で言及された。巨乳好き。ユリをして性格の悪いチャウグナー種族の中では意外とまともな模様。性別は雄。
フェン、クアドラシル
アウラが使役する神獣。フェンリルであるフェンは巨大な漆黒の狼であり、真紅の瞳には深い知性を宿している。イツァムナーであるクアドラシルはカメレオンとイグアナを融合したような姿の巨大な六本足の魔獣。
森の賢王をアインズの下まで誘き寄せる命を受けたアウラに追従した。アニメ版OPラストのナザリック集合絵でも右端に描かれている。
ツアレ
セバスが王都で出会った人間の女性。本名はウェブ版では「ツァーレ」、書籍版では「ツアレニーニャ・ベイロン」。
金髪で、愛嬌のあるという言葉が似合いそうな容姿をしている。年齢は20歳前後。ニニャの姉であり、両親を早くに亡くして以降、村で2人で生活していたが、貴族に妾として連れ攫われてしまう。貴族が飽きた後は娼館に売り飛ばされ、文字通り地獄のような日々を送ることになる。
娼館から連れ出されたところを偶然セバスに助けられる。長年の虐待行為によって瀕死の状態であったが、ソリュシャンの治療の甲斐あって健康な状態になり、元の美しい容貌を取り戻す。救われたことでセバスに対して深い恩義と好意を抱くようになり、彼になら殺されても構わないと考えるほどになる。
アインズの詰問に際してセバスの失態の元凶として殺害される寸前の状況に至ったが、セバスが忠誠心を示したことで殺害は回避された。後に自分の処遇を決定する時に、人の世界で生きることを捨ててでもセバスの傍にいることを望み、アインズもツアレの望みを受け入れた結果、ナザリック地下大墳墓で生活することとなった。
ナザリック地下大墳墓ではペストーニャの指導の下、メイドとして働いている。
シクスス
書籍版で登場。髪は金色。ナザリック第9階層〜第10階層における清掃を主な仕事とする一般メイドの一人である人造人間(ホムンクルス)。食事の食べ方はフォアイルとリュミエールの中間程度。アインズから守護者と共に名指しで感謝の意を告げられた際は歓喜の涙を流した。
フォアイル
書籍版で登場。一般メイドの一人である人造人間。活発そうな外見をしている。短く切り揃えた緑色の髪をしておりメイド服の裾は少し短め。食事の食べ方は頬を大きく膨らせながらもぐもぐ食べるスタイル。
リュミエール
書籍版で登場。一般メイドの一人である人造人間。清楚な容貌に金色の髪には不思議な光がある。眼鏡を掛けている。食事の食べ方は清楚であるがフォークの動かし方は異様に速い。
インクリメント
書籍版で登場。一般メイドの一人である人造人間。読書家。

リ・エスティーゼ王国

王家

ランポッサIII世
現国王。在位39年で60歳(ウェブ版では在位41年で62歳)と老境であるが、跡継ぎである2人の王子は能力的に問題があり、加えて王派閥と貴族派閥で対立が続いているため、未だに王位に留まっている。
民の安寧を望み自ら危地に赴くことも躊躇しないなどガゼフの忠誠を受けるにふさわしい人格者であるが、定期的に行われる帝国による侵攻の背後に、魔法詠唱者として余りにも規格外であるアインズの存在までは予想しきれず、結果として自国民の大虐殺を呼び込んでしまう。
バルブロ・アンドレアン・イエルド・ライル・ヴァイセルフ
第一王子。
立派な体躯で王族としては十分な武芸を修めているが、権威を笠に着た言動が多く、激しやすい性格である。第二王子のザナック及び王の長女と結婚したペスペア侯と王位継承権を争っており、王国の悪魔騒動によって評判が悪くなる。
カルネ村を襲ったことによりルプスレギナによって殺害された。
ザナック・ヴァルレオン・イガナ・ライル・ヴァイセルフ
第二王子。
小太りの男でラキュースなどからは能力を酷評されているが、異母妹ラナーやレエブン候の真意に独力で辿り着くなど、それなりに優秀といってよい人物。
ラナーの不可解な行動とそれに見合わない結果から、彼女を理解不能な化け物と断じクライムに忠告をした。無論、王女に忠節を誓ったクライムからの心証は最悪であったが、レエブン侯は王子と同じ印象を抱いたために彼と組んでいるようである。
次期国王となるため、第一王子の追い落とし工作をかけており、極論クライムと安泰な地位があれば何でもいいラナーと利害が一致したため彼女と連合を組む。しかし、そこまでの一連のやり取りで目撃した妹の底知れなさに恐怖を抱いてもいる。ヤルダバオトの王都襲撃に当たって、彼女の立てた衛士の捨て駒策に憂慮を示すなどそれなりの良識も持ち合わせている。 
ラナー・ティエール・シャルドルン・ライル・ヴァイセルフ(reneer theiere chardelon ryle vaiself)
  • 職業:プリンセス(一般)など
第三王女。16歳。金の髪に象徴される国内外にも知られる美貌と、王国の強化に繋がる画期的な施策を立案する頭の回転の良さ、精神の輝きの両面を讃えて”黄金”の二つ名で知られる。なお、彼女の美しさは文字通り人外の美を有するプレアデスと同格と、その両方を知る者からは評されている。上火月7日生。
王家と敵対する大貴族の妨害によって、奴隷の廃止、冒険者への報奨金や街道警備の強化など実行できた改革は少数で、かつ内容も削られてはいるものの恩恵を受けた庶民や識者からの評判は高い。しかし、その発想力とは不釣り合いな政治力の無さによって更なる極一部の知恵者からは訝しがられている。
その本質はデミウルゴスやアルベドに伍すると評されるほどの人間の域を超えた天稟の頭脳である。反面、ウェブ版では他者の気持ちが全く理解できず、クライムの反応を通して間接的に推論して見ているに過ぎない。民草を慮る気持ちは全く存在せず、国民のことも数字で数えているに過ぎない。性質上、根回しといった概念を理解するのも不可能であった。
書籍版ではその明晰さ故か、優しい王女としての顔や頭の悪い小娘の顔など様々に使い分ける高い演技力を持つ。周囲の反応を観察し自身は全く動かず、手駒もクライム以外には持たないにもかかわらず、貴族王族間派閥の真の構造を見通していた。さらに、その卓越した頭脳に興味を抱いたデミウルゴスとの間で、明確な描写はないものの、互いに面識を持ち協力関係を築いている。
人間を理解できるかできないの違いはあれど、どちらにせよクライムには執着といってよいほどの愛情を抱いており、彼と安泰な地位を保ったまま結ばれることを目論んでいる。ただし、その愛は天上人に恋願う彼の姿に向けられるものであり、「首輪をつけて飼う」ようなものと喩えられる。
バハルス帝国皇帝ジルクニフの脳内嫌いな女ランキングで数年に渡り1位となっている。

家臣団

エリアス・ブラント・デイル・レエブン(elias brandt dale raeven)
  • 職業:ハイノーブル(一般)など
六大貴族と呼ばれる大貴族の中でも最大の勢力を誇る。金髪をオールバックにし長身痩躯。40代手前。切れ長の碧眼、日に当たらない不健康な肌の色などにより蛇のような印象を周囲に与える。下火月30日生。
王派閥・大貴族派閥の間を巧みに動くことから蝙蝠と揶揄されているため、ガセフからは蛇蝎の如く嫌われていた。
実際は王派閥の影の領袖であり、国内の微妙なバランスを崩さないがために腐心してきた忠臣。子煩悩という意外な側面も持っており、元は王家簒奪の野望を持つ奸臣であったに関わらず、妻の出産を機にかつての野心を投げ捨てるほどである。ガゼフとは後に王女立会いの下、真意を知る機会が与えられ、同じ王を助ける者として志を同じくする。
大虐殺の際にウェブ版では死亡。
書籍版では、子飼いの部下として抱え込んでいた元オリハルコン冒険者チームが大虐殺で死亡したものの、本人は紙一重の差で生還している。
ガゼフ・ストロノーフ(gazef stronoff)
王国戦士長。30代。自ら鍛え上げた国王直属の精鋭を指揮し、王国最強を謳われて近隣諸国にその名を轟かせる男。既にその力量は英雄に及ぶともいわれ、王国に伝わる五宝物全ての装備を認められている。南方の血を引いており、この地域では珍しい黒髪黒目の持ち主。「六光連斬」を代表とする複数の武技を操り、究極の武技をも使いこなすという。中土月21日生。
一介の平民から身を立てたため平民を慮る想いが強く、自らを陥れる罠と知っていてなお民のために危地に飛び込むなど精神面でも優れた好漢である。その分、貴族派閥に属する者達などからは疎まれている。良くも悪くも武辺者であり、私生活も質素そのもの。政治的に微妙な位置にいるにもかかわらず、あくまで王の剣であろうという考えを持ち、宮廷での政治闘争とは関わりを持とうとせず、よって貴族位も与えられていなかった。
大虐殺の際に、ウェブ版では生存。
書籍版ではアインズからの勧誘を王への忠誠心を盾に蹴り、一騎打ちを申し込んで成立させる。平民はすぐに裏切るという悪評で平民出身者が不利益を被ることを危惧したことと、敬意と好意を抱いてるアインズに対して偽りの忠誠を誓うことが彼にはできなかった。また王の信頼が篤い自分が死ぬことで大敗北を喫した王に向けられる憎悪を少しでも和らげられればとも考えていた。
彼我の実力差を埋めることは出来ず、結果こそ一撃で葬られたといっていいが、そこから得た情報をブレインとクライムに託す。アインズとはカルネ村での一件以来、立場の違いこそあれ互いに好感を抱いており最期まで敬意と尊敬を持った態度で接した。
クライム(climb)
  • 職業:ガーディアンなど
身寄りもなく素性も不明であったが幼い頃ラナーに拾われ生を得た青年。王女付きではあるが、特別な才能などは無く努力を愚直なまでに重ね、英雄の領域には到底及ばないものの王国兵士内では上位の実力を身につけている。
王女とは幼少の頃からの付き合いということもあり、彼女からは非常に近い距離感で接されている。身分に見合わない純白の全身鎧も彼女から贈られたものである。命の恩人としての心酔や王家への忠誠に留まらず、王女へ確かな恋心を抱いてはいるが、明かすものでもないとして隠している。
彼の望みは恥ずべきことの無い王女の騎士であることのみであり、成り上がり故に周囲から振りまかれる悪意も確かな意志で跳ね返し、政治的にも付け込まれまいとしている。それでも努力だけでは届かぬ高みに非才の身で挑もうとしているとして、同じ戦士としてのガゼフやイビルアイなどからは好感され、期待されつつもその在り方を危ぶまれている。
そんな現状に焦れていたある日、偶然セバスの技を目撃し師事を乞う。了承したセバスによってほんの一時で可能な稽古を提示され、そこで放たれた圧倒的な殺気を王女への想いで耐え切り、一段と成長した。
その後、セバスから受けた相談からの流れで八本指の「六腕」の一人と対峙することになり、これを追い詰めるも重傷を負うが、ウェブ版では突如現れたセバスに、書籍版では別行動を取っていたブレインに助けられ一命を取り留める。
イズエルク伯
ウェブ版で言及された。王派閥に属する中堅貴族。裏では8本指に手を回して商売をしており、娼館を派閥の強化や寝返り工作等に使用している。権力はさほど無いが、兵力がそこそこあり、コネクションを幾つも持つため、貴族社会の総合的な発言力は割と高い。
ブルムラシュー候
六大貴族の一人。細身である程度整った温和な容貌をしている。40代手前。王派閥に属しているが裏では帝国に通じており情報を流している。
領内に金鉱山・ミスリル鉱山を所有し王国では筆頭の財力を誇る。欲深く金貨1枚で家族ですら裏切るなどの噂があり評判は悪い。
アルチェル・ニズン・エイク・フォンドール
ウェブ版で登場。王国の使者としてナザリックに赴いた儀典官。貴族派閥に属する老人。アインズを侮蔑し、終始傲慢な態度で臨み、挙句かつての仲間達との宝にもけちを付けたため、アインズの怒りを買い抹殺される。
クロード・ラウナレス・ロキア・クルベルク
ウェブ版で登場。王国の使者としてナザリックに赴いた儀典官アルチェルを護衛する戦士。貴族派閥に属しアルチェルよりは地位が高い。アルチェルよりは多少状況を見る目はあるが、アルチェル共々激怒したアインズに抹殺される。
トーケル・カラン・デイル・ビョルケンヘイム
ドラマCD「漆黒の英雄譚」で登場。
王国辺境に領地を持つ下級貴族・ビョルケンヘイム卿の子息。アンドレからは「トーケル坊っちゃん」と呼ばれる。
ビョルケンヘイム家伝統の「成人の儀」を行うための護衛に冒険者を雇おうとエ・ランテルに来訪した際、偶然見かけたナーベに一目惚れしストーカーをするほどになる。当初は彼女が盲目的・献身的に仕えるモモンに嫉妬し敵意を見せていたが、道中、放っておけばエ・ランテルに向かうであろうギガントバジリスクに立ち向かうモモンの姿を見て考えを改めた。
自らに子供ができた際、父が自分に語った成人の儀でのアンドレの勇姿と同様に、自身の子供にモモンの勇姿を語り継いだ。
アンドレ
ドラマCD「漆黒の英雄譚」で登場。
トーケルの「成人の儀」に同行する騎士。レンジャーの能力も有している。妻帯者であり子持ち。
トーケルの父・ビョルケンヘイム卿の成人の儀に同行し活躍したことからビョルケンヘイム家に仕える。偶然見かけたナーベに一目惚れしストーカー化するトーケルを呆れ諌めつつ、トーケルの成人の儀に同行する。
ボウロロープ侯
六大貴族の一人。貴族派閥の領袖。顔に無数の傷がある歴戦の戦士のような風貌をしている。大貴族の中で最も広大な領土を所有する。
50代に入り、かつては鍛え抜かれた戦士としての頑強な肉体も過去の物となっているが、確かな戦術眼を持っているため指揮官としてはガゼフよりも有能だとされる。性格柄、兵の強化には熱心であり、ガゼフの戦士団に触発を受けて鍛錬を重ねた自身の精鋭兵団5千は帝国騎士に匹敵・あるいは凌駕する練度を持つ。
大虐殺の際は、王国軍24万5千のうち5万以上を派兵する。左翼の大将として戦場に立つがアインズの超位魔法が王国軍左翼を全滅させたため侯も死亡したと思われる。
ウェブ版では40代半ば。王国軍20万のうち4万を派兵し、書籍版同様左翼の大将となったが、超位魔法は王国軍右翼を全滅させたため生死は不明。
ペスペア侯
六大貴族の一人。王派閥。六大貴族中最年少であり美青年。王の長女を妻に迎えている。
ウェブ版では痩身で尖った髭を持つ。
リットン伯
貴族派閥。狐のような狡猾な風貌をしている。六大貴族の中では一段劣り、自らの権力の増大のためなら他人の犠牲も厭わないという性格のため、他の貴族からの評判は芳しくない。
ウェブ版では六大貴族中最年少でラナーを妻に望んでいる。
ウロヴァーナ辺境伯
王派閥。ウェブ版ではウロヴァーナ伯。六大貴族中最年長。白髪で皺だらけの容貌をしている。大貴族の中では人間的な魅力が最も高い。
イブル侯爵
ウェブ版で登場。帝国の舞踏会に王国の使者として出席する。
チエネイコ男爵
貴族派閥に属する下級貴族。バルブロでさえ吐き気を催すほどの頭に響く甲高い声をしている。
大虐殺前の戦略会議で、アダマンタイト級冒険者であるモモンの助力を得るべきと進言。モモンの居所を訪れた際、留守中であった彼の代わりに応対したナーベに手を出そうとしたため、自分の手に大きな青痣を付けられ追っ払われた。
大虐殺の際は、別働隊を率いるバルブロに付き従いカルネ村を襲撃するが、敗走した先でのルプスレギナの襲撃で死亡したと思われる。

エ・ランテル

パナソレイ・グルーゼ・デイ・レッテンマイア
エ・ランテル都市長。
丸々とした肥満体で、時折「プヒープヒー」と間の抜けた呼吸音を発するなど明らかに冴えない印象を周囲には与えるが、実際は相当頭が切れる人物。初見の相手が自分を侮って接してきたところの落差を突く一種の処世術として、普段から演技を続けている。
エ・ランテル近郊に出現したヴァンパイアの対策会議に出席した。
ウェブ版での名はパナソレイ・グルーゼ・ヴァウナー・レッテンマイア。
プルトン・アインザック
エ・ランテル冒険者組合長。元は優秀な戦士であった、精悍な風貌をした壮年の男。妻帯者。
エ・ランテル近郊に出現した吸血鬼ホニョペニョコの対策会議に出席した。冒険者として驚異的な実力を見せるモモンに驚嘆しつつ信頼を寄せている。
ウェブ版ではラシケルと同じチームであった元Aクラス冒険者。40代前半。エ・ランテル近郊に出現したヴァンパイアの対策会議に出席し、ナーベラル扮するモモンの底知れなさに驚愕しつつ、ヴァンパイア・「カーミラ」退治のため特例として昇格試験の受験を許可した。また、モモンにエ・ランテルに執着してもらうため都市長の賛成も得て、モモンを歓迎する宴を開く際、女や酒、権力を宛がうことを考える。
ドラマCDではウェブ版同様に都市長の賛意も得て、モモンをこの地に引き留めるためモモンを歓迎する宴を開く際に、高級娼館「琥珀の蜂蜜」「天空の満月亭」「紫の秘薬館」の各館トップの3人の娼婦にモモンの相手をさせ、あわよくば彼の血統を残そうと計画していた。
テオ・ラシケル
エ・ランテル魔術師組合長。痩身で神経質そうな線の細い男。
普段は冷静な人物だが、エ・ランテル近郊に出現した吸血鬼ホニョペニョコの対策会議の際、モモンが切り札として提示した第8位階魔法入りの魔封じの水晶を前にして子供のように大興奮する狂態をみせた。
ウェブ版では魔術師ギルド長。アインザックと同じチームであった元Aクラスの冒険者。30代後半。エ・ランテル近郊に出現したヴァンパイアの対策会議に出席する。モモンの装備品であるガントレット「イルアン・グライベル」を魔法で鑑定し驚愕した。
ギグナル・エルシャイ
ウェブ版で登場。Aクラスの冒険者である地神に仕える高位神官。30代後半。エ・ランテル近郊に出現したヴァンパイアの対策会議に出席した一人。
バルド・ロフーレ
食料関係を扱う商人。40代後半と思われ体型は肥満体。
セバスとは帝国商人を演じる都合上知り合うことになる。打算も含んでのことといえ、善意からの忠告を行ったことから好印象を得た。
イシュペン・ロンブル
ウェブ版で登場。エ・ランテル冒険者ギルドの受付嬢。
一風変わった性格をしており、冒険者登録手続きをしにきたモモンとのやりとりで、彼女のみに分かる理屈により彼を強敵と認め自分のライバルとした。後にモモンがヴァンパイアの件でアインザックに呼び出された時は、周囲の冒険者達が困惑するなか、さも当然というような態度を見せる。
ウィナ・ハルシア
ウェブ版で登場。エ・ランテル冒険者ギルドの受付嬢。アインザックに呼び出されギルドに到着したモモンを担当し、イシュペンの意味深な視線をかわしながら案内した。お尻が安産型。
ベベイ・オータン
ウェブ版で登場。ギグナルの仲間である盗賊。Aクラスの冒険者。低位ではあるが魔法を行使できるスペルキャスターでもある。モモンの昇格試験の監査(実際はモモンの調査)の依頼を受ける。スケリトル・ドラゴンを魔法で倒すモモンを目撃するが、直後アインズに捕まり「剣で殴り倒した」と記憶を操作される。手足を押さえられてなお盗賊文字による警告を残そうとした。
以前、カッツェ平野にてギグナルと共にスケリトル・ドラゴンに遭遇し2人の仲間を失っている。
リィジー・バレアレ
エ・ランテル最高の薬師である老婆。ポーションの作成に並々ならぬ情熱を持っており、時に狂気的な一面を覗かせる。第三位階まで修めた魔法詠唱者。
ウェブ版ではエ・ランテル近郊に出現した吸血鬼の対策会議に出席した。書籍版ではカジットが起こした事件の際に冒険者モモンと取引し、従属することになった。後にンフィーレアと共にカルネ村へと移住している。
ンフィーレア・バレアレ
  • 声 - 村瀬歩
  • 職業レベル:アルケミスト(ジーニアス)Lv4など
書籍版で登場。
リィジーの孫である薬師。女友達のエンリに片思いしている。あらゆるマジックアイテムが使用可能というタレントを所有している。中風月18日生。ウェブ版では「フェイ」という名の少女でモモンに惚れている。
錬金術師としての素養も含む薬師であるため現時点で第二位階まで使用することが出来、戦闘では粘着剤など調合した薬品を用いる。
赤いポーションの持ち主であるモモンに情報を求めて接触し、亜人退治を依頼された「漆黒の剣」を加えてカルネ村への道中を共にする。帰着直後にタレントを狙われクレマンティーヌ、カジットに拉致されるが、リィジーと契約を交わしたモモンによって救出される。
カルネ村に移住した後は、アインズの下、供与された素材などを用いて新たなポーションの製造を祖母と共に研究しており徐々に成果を出しつつある。「アインズ=モモン」という図式に気付いている一般人であるが、本人はそれを悪用するつもりはないようでアインズの懐の広さに僅かな妬心とそれ以上に多大な尊敬の念を抱いている。アインズからも利用価値の高さを認められつつ、同時に真っ直ぐに憧れを向ける姿勢に好感を抱かれている。

カルネ村

エンリ・エモット
  • 声 - M・A・O
  • 職業レベル:ジェネラルLv2など
一介の村娘。16歳。中風月10日生。
帝国騎士に偽装した法国兵士の襲撃に遭い両親を失うものの、その危地を見て助けに入ったモモンガの手によって妹と共に救われる。その際は異形の姿に怯えたものの、記憶操作を受け彼のことを命の恩人として尊敬するようになった。
その後は与えられたアイテム「小鬼将軍の角笛」によって出現したゴブリンの一隊と共に村の復興に尽力する。
ウェブ版では単に自衛と成り行きからゴブリン達にオーガを加えることになり、それと言葉を交わした冒険者チーム「旋風の斧」の証言から尾ひれがついて亜人を使役する『血塗れ』の二つ名を持つ凄腕の傭兵隊長として噂されることになってしまう。
書籍版では、ゴブリンを率いる者としての力量と若さゆえの柔軟さを見込まれた先代村長から村長位を譲られる。直後には村を脅かすモンスターの群れを皆の助けを借りながら全滅させるなど、リーダーの片鱗を見せつつあり、それを裏付けするように彼女の職業レベルには指揮官としてのものが含まれることになった。
王国軍がカルネ村を襲撃した際に「小鬼将軍の角笛」の真の効果を引き出すことに成功し、五千を超えるゴブリンの軍勢を召喚して王国軍を撃退する。ゴブリン軍団からは絶対の忠誠を向けられており、彼らからは「エンリ将軍」と呼ばれている。なお、召喚した軍団の中には高レベルのレッドキャップ達も含まれており、王国や帝国の全軍なら殲滅できるほどの武力を行使できる。
ネム・エモット
エンリの妹。10歳(ウェブ版では12歳)。
姉にとってはあくまで庇護の対象であるが死地を乗り越えたためか、聞き分けが良く危機に対して敏感に動く知恵を身に着けてしまう。
エンリがナザリックに招かれた際に同行し、その際に子供ゆえの無垢さと忌憚のなさから、アインズのかつての仲間を称える発言をしたことから好印象を得る。そのため、エンリ達に続いて庇護対象に加えられた。
モルガー
多少騒がしいが気立ての良い人。バハルス帝国の騎士に偽装したスレイン法国の兵に殺害される。
ラッチモン
レンジャー。移民の募集に応じカルネ村に越してきたブリタを弟子とし鍛えている。
アーグ
トブの大森林に生息していたゴブリン。ギーグ部族族長アーの四男。部族の中では特別に賢く言葉も流暢に話す。
従属してもゴブリンの命を無価値と見なす東の巨人から逃れるため大森林を幾人かで逃走していた。追手の悪霊犬に嬲られ瀕死の状態であった所をエンリやジュゲムに救出される。カルネ村に到着した当初は戦闘能力の高くないエンリが族長ということを訝しんでいたが、オーガをひれ伏したエンリを見て考えを改める。
小鬼将軍の角笛で召喚されたゴブリン

エンリが「小鬼将軍の角笛」を一度目に使用した結果、19人からなるゴブリン一団(内訳、ゴブリン・リーダー1人、ゴブリン・アーチャー2人、ゴブリン・ライダー2人、ゴブリン・メイジ1人、ゴブリン・クレリック1人、ゴブリン兵士12人)が召喚される。後に先任隊と呼ばれる彼らは当初は名を持たなかったが、エンリが御伽話のゴブリン王とその仲間達から取ることで命名した。彼ら召喚されて出現したゴブリン達は通常の森に生息する矮躯のゴブリンと比べて身長こそさほど変わりないものの非常に屈強かつ装備にも優れており、ジュゲムのレベル12を筆頭として訓練した王国精鋭兵士に勝るほどの実力を有している。

また、片言でしか喋らない弱いゴブリンとは一線を画して知能も高く、精悍な戦士としてやや荒くれてこそいるものの人間の村人達と普通に敬語を交えて話が出来、戦い方の指南をし戦術の指揮を執ることまでできる。彼らの忠誠は一身にエンリに向けられており、最悪の際には彼女の安全を第一に行動するが彼女が村長に就任したことによってそれを踏まえて柔軟に動いている。

二度目に使用した際は、指揮官であるゴブリン軍師を筆頭に約5千の軍団(ゴブリン『-医療団』『-重装甲歩兵団』『-聖騎士隊』『-騎獣兵団』『-長弓兵団』『-魔法支援団』『-魔法砲撃隊』『-暗殺隊』『-近衛隊』『-軍楽隊』)が召喚された。判明している内訳は聖騎士隊が17騎、魔法砲撃隊が5人で、近衛隊に至っては13人のレッドキャップスで構成されている。ゴブリン軍団はエンリのことを「エンリ将軍閣下」と呼び忠誠を誓っている。

ジュゲム・ジュゲーム
ゴブリン・リーダー。Lv12。
カイジャリ、クウネル、パイポ、ゴコウ、ウンライ
ゴブリン兵士。Lv8。
シューリンガン、グーリンダイ
ゴブリン・アーチャー。Lv10。
ダイノ
紅一点。ゴブリン・メイジ。Lv10。
コナー
ゴブリン・クレリック。Lv10。
キュウメイ、チョウスケ
ゴブリン・ライダー。Lv10。

冒険者

イグヴァルジ
書籍版で登場。ミスリル級冒険者チーム「クラルグラ」代表。
野外活動に特化した職を学び、森林の中も庭同然という力量の持ち主。人格はともかく能力は優秀で今まで仲間を死なせたことは一度もないという。
英雄譚に登場するような英雄を目指す野心家で、唐突に名声を掴んだモモンに人目も憚らず敵意を剥き出しにした。同格の冒険者からも眉を顰められるその態度は彼にとっては仲間すら踏み台に過ぎないという本音から来るものだった。
警告にも構わずモモンの足を引っ張ることを目論み、彼の吸血鬼退治への同行を強行した。その途上、実験材料の確保も兼ねた口封じとしてアインズの指示で控えていたアルベドの追跡を受ける。逃亡を試みるも後詰のマーレに杖で頭を粉砕され死亡、チームは全滅した。
ベロテ
ミスリル級冒険者チーム「天狼」代表。
エ・ランテル近郊に出現した吸血鬼ホニョペニョコの対策会議に出席する。
モックナック
ミスリル級冒険者チーム「虹」代表。
エ・ランテル近郊に出現した吸血鬼ホニョペニョコの対策会議に出席する。
ブリタ
女冒険者。鉄級冒険者チームに所属。
ウェブ版では「バニアラ」という名で、経緯こそ異なるものの書籍版と共通してモモンからこの世界の識者から破格とされるポーションを提供される。
そのポーションはリイジーの下に持ち込まれモモンとの間にコネクションを生みことになる。また、彼女の所属チームが運悪くシャルティアと遭遇して壊滅する中で窮地から救う一手となった。モモンから与えられたポーションの存在にシャルティアの主人であるアインズの影が見え隠れしたためである。
生き延びた後は遭遇した吸血鬼の情報提供者となり、ウェブ版ではモモンと個人的な友誼を結ぼうと奮闘していた。
書籍版ではその後冒険者を引退してカルネ村へ移住し、村の一員になる。現在は野伏としての訓練を受けながら働いている。
ルイセンベルグ・アルベリオン
王国で最初に誕生したアダマンタイト級冒険者チーム「朱の雫」(ウェブ版では真紅の雫)のメンバー。風花聖典の調査によるとクレマンティーヌとまともに戦える実力を持つ戦士。朱の雫はユグドラシルのアイテムである強化鎧を所持している。
アズス・アインドラ
ラキュースの叔父。「朱の雫」のメンバー。朱の雫の面々は交流したことのある冒険者が言うにはモモンと同様に人間的に度量のある人物である。ゲヘナの際、朱の雫はアーグランド評議国との国境におり参戦は間に合わなかった。
漆黒の剣

ウェブ版ではチーム名は「旋風の斧」。ンフィーレアが登場しないため全員生存している。

ペテル・モーク
「漆黒の剣」リーダー。
十三英雄「暗黒騎士」の所有する剣を手に入れることを目標とする夢見る男。ギルド名もそれに由来し、ニニャ曰く恥ずかしい二つ名をメンバーにつけていったのも彼である。
チーム内のまとめ役であり、メンバーがモモンやナーベラルに対して失礼な発言をした際もしっかりフォローしている。
エ・ランテル帰還後、組合に向かったモモンと別れ、ンフィーレアと共に店に戻った際、店に侵入していたクレマンティーヌによって殺害され、最終的にアンデッド化してしまったところをモモンに仕留められる。
ルクルット・ボルブ
底抜けに陽気で口も性格も軽い人物。ナーベに一目惚れし、交際を申し込むが一蹴された。
モモンと共同の依頼遂行中にも幾度となくナーべを口説き続けるが、彼女お得意の毒舌が紛うこと無き本音であることにも気付かず、ひたすら玉砕を繰り返している。その反面、戦闘では索敵や射撃による牽制など、チームにとって重要な能力を有しているため、メンバーからの信頼は厚い。
ペテルと同様にクレマンティーヌによって殺害され、最終的にアンデッド化してしまったところをモモンに仕留められる。
ニニャ
チーム最年少の魔法詠唱者。若年で第二位階までを修め「スペルキャスター」の二つ名を持つ。
姉を貴族に連れていかれた経歴から貴族を嫌っている。ウェブ版では男性だが、書籍版では女性である。
モモンに対しては人一倍の親しみと憧れを抱いており、積極的に会話をしていた。ンフィーレアと共に店に戻った際にクレマンティーヌと遭遇。他の三人のようにすぐに殺されず執拗に拷問をされた上で殺害される。拷問を受けている中でずっと助けがくることを信じていた。
ツアレの妹であることが明かされた書籍版では彼女の遺した日記をモモンが受け継ぎ、そこに記された知識と想いを汲み取ったことからその姉ツアレには恩を返そうと破格の待遇としてナザリックへ迎え入れることになる。
通常の倍の速度で魔法を習得できるという優秀なタレントの持ち主であり、順調に成長していけばいずれフールーダに近い域にまで到達できていたとのことである。
ダイン・ウッドワンダー
がっしりとした巨躯の持ち主でチームの中でも特に落ち着いた人物。書籍版での話し方は「〜である」調。
戦闘ではメイスを振るい、回復や足止めの魔法も使用できる。森林地帯に精通した職に就いているため薬草にも詳しい。
ペテルと同様にクレマンティーヌによって殺害され、最終的にアンデッド化してしまったところをモモンに仕留められる。
蒼の薔薇
ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ(lakyus alvein dale aindra)
  • 職業:クレリックなど
アダマンタイト級冒険者チーム「蒼の薔薇」リーダー。信仰系魔法詠唱者であり、神官戦士。下土月1日生。
王国貴族、19歳という若齢でありながら、その才によって王国最高峰の実力者に上り詰めた女性。その実力は既に英雄級に達し、更なる成長の余地を残しているという。使用者が極めて稀な蘇生魔法の行使さえ可能である。ラナーとは親友であり、ギルドを通さずに個人的な汚れ仕事を引き受けるほどの間柄である。彼女の先進的な提案を理解し、さらに提言するなど、優れた頭脳も持つ。
十三英雄の一人、暗黒騎士が有していたという四大暗黒剣のうち「魔剣キリネイラム」の現在の所有者でもある。しかし、イビルアイですら知らない魔剣の作用によってか、意味のないアーマーリングを増やしたり魔剣の副作用によって発生した闇の人格と戦っていたりといった痛々しい言動や行動を目撃されており、他のメンバーから密かに暴走の危険がないかと心配されている。
必殺技は、魔力を込め膨張した刀身から放たれる黒色の無属性エネルギーの爆発「超技 暗黒刃超弩級衝撃波」(ダークブレードメガインパクト)。作者によると技名はラキュースが幾度も考えて名付けた自信作である。また、旅の最中の自由時間に地面に色々と書いているらしく、内容は仲間でさえ知らない。
書籍版では王都防衛のため、他の冒険者チーム等と共にヤルダバオト率いる悪魔の軍勢と激戦を繰り広げた。
ウェブ版での名はラキュース・アルベイン・フィア・アインドラ。
ガガーラン(gagaran)
  • 職業:マーセナリーなど
全身筋肉、刈り上げられた頭(書籍版イラストではミディアム)に猛獣のような瞳と、極めて魁偉な風貌をした女偉丈夫。ガゼフには及ばないものの英雄と評されるほどの強者である。謎多き女を自称する通り、古参メンバーである彼女の経歴には不明な点が多く名前も偽名である。
外見に見合ってか一人称は「俺」で喋りも気風が良く、同じ戦士としてクライムに助言を施すなど面倒見も良い。しかし童貞食いが趣味と言って憚らず、からかい混じりながらも彼を誘うなど調子の良い性格の持ち主である。法国の亜人狩りに憤るなど義侠心にも富む。
書籍版では王都にて遭遇したエントマと交戦する。ティアやイビルアイの加勢もあり苦戦の末に勝利するが、直後に出現したヤルダバオトに殺害された。ラキュースの蘇生魔法で復活した後は、病み上がり(レベルダウン)の体に鞭打って王都防衛戦に参戦する。
イビルアイ(ivileye)
  • 職業:吸血姫(ヴァンパイア・プリンセス)など
魔力系魔法詠唱者。全身を黒いローブ、顔を仮面で覆い隠した謎多き女性。
八欲王の秘宝や十三英雄の実態についてなど、世界の裏側について多くの知見を持つ知恵者。法国の立ち位置について、己が狩られる立場にあると知りつつ一定の賛意を送るなど、大局を知り含意を含んだ意見も持つ。チームへの加入は最も新しいが一番態度は大きい。その一方で他のメンバーからは心安く軽口を叩かれる仲である。
その正体は250年の時を生き、かつて一国を滅ぼしたという吸血鬼「国堕とし」。十三英雄とも面識を持ち、外見年齢12歳程度という幼い姿に膨大な知識と魔力を詰め込んでいる。その実力は「蒼の薔薇」でも一線を画する。プレアデスの一人エントマと単独で互角以上に戦える実力を持つため、ユグドラシル基準でLv50以上と推測される。IFストーリー[16]によると人間であった頃の名はキーノ・ファスリス・インベルン。
ヤルダバオトに追い詰められたところを圧倒的な実力をもって参戦したモモンに惚れこむが、実際はエントマを殺しかけたことからモモンに憎まれている。ヤルダバオト討伐に実力の近さからモモンと同行した際は互いに戦友として認識していると勘違いをしており、男女の仲に発展することを期待さえしていた。
なお、特殊な指輪をつけることによってアインズのアンデッド感知スキルを誤魔化したため、正体はばれていない。
ティア(tia)
  • 職業:ニンジャなど
忍術をも使用できる盗賊系冒険者。ティナとは双子。ぼかされているがウェブ版ではショタコン。書籍版ではレズ
帝国を中心に知られていた暗殺者集団「イジャニーヤ」の頭領三姉妹のうちの一人であり、暗殺者としてティナと共にラキュースを狙うが返り討ちに遭い敗北する。ラキュースから説得され蒼の薔薇のメンバーとなった当初はラキュースの命を再び狙っていたが、現在は仲間のために自らを犠牲にできるほどメンバー想いとなる。
書籍版ではガガーランと同様の経緯を辿る。
ティナ(tina)
  • 職業:ティアと同様
忍術をも使用できる盗賊系冒険者。ティアとは双子。ぼかされているがウェブ版ではレズ。書籍版ではショタコン。ティアとは手話を用いて意思疎通ができ、その速度は普通に会話するのと変わらないほどである。
帝国を中心に知られていた暗殺者集団「イジャニーヤ」の頭領三姉妹のうちの一人であり、ティアと同様の経緯で蒼の薔薇のメンバーとなった。
ウェブ版ではデミウルゴスの力に窮地に陥ったイビルアイを救出し逃走に成功した。書籍版では王都防衛のためヤルダバオト率いる悪魔の軍勢と激戦を繰り広げた。

その他

ブレイン・アングラウス(brain unglaus)
を武器とする抜刀術の達人。一介の農夫として生を受けるも剣術に天賦の才を持っていたためその道を歩む。中風月10日生。
ガゼフを現在の地位に押し上げる契機となった王国の御前試合において決勝で彼と戦い、惜敗とはいえ生涯初の敗北を喫する。そこで一旦は打ちひしがれたものの、一念発起し愚直に力のみを求める求道者と化した。この試合によって再び表舞台に立った時も冒険者などからの知名度は高く、屈指の兵として認識されていた。
己を磨く環境に適しているとして、身の置き場として選んだ半ば野盗の傭兵団「死を撒く剣団」がナザリックに目を付けられたことが二度目の人生の転機となる。シャルティアに挑んだものの赤子と大人以上の力の差を見せ付けられ完全に敗北。
ウェブ版では情報収集の一環として、シャルティアに吸血され彼女の眷属となったことから絶対の忠誠を捧げ、その美に陶酔するようになった。その後は蜥蜴人の鍛錬指導など与えられた仕事をこなしつつ、かつての部外者としての目線でナザリックの様々な規格外さに怯えつつも畏怖の念をもって見つめ、日々を送っている。
書籍版ではシャルティアに文字通り遊ばれた後、心折れたまま何とか逃亡に成功した。王都まで落ち延びた後、ガゼフと再会し見る影の無い姿に愕然とした彼に保護され、一宿の恩を受ける。やや落ち着きつつも気力を取り戻すことは叶わなかったが、セバスの規格外の殺気とそれを受けても自分とは違って膝をつかなかったクライムを目撃した。駆け寄り教えを乞うたが、続く彼らの言葉から本当の強さが如何なるものかをクライムを通して知ることで、折れた心を立て直す。続く流れでセバスによる娼館突入にクライムと共に同行し肩を並べて戦い、サキュロントを一蹴する。
間髪容れず行われた八本指の拠点を急襲する作戦、ヤルダバオトの討伐作戦においてもクライムを支え、その流れの中で王国に仕官することになる。そして、作戦の中で再会したシャルティアと交戦し、その小指の爪を切るという彼我の戦力差を考えれば奇跡に近い成果を挙げた。
その後も王女付きの兵士としてクライムと行動を共にしており、ガゼフが絶望的と分かっていてアインズに挑んだ一騎打ちの証人となる。
ザック
かつて村から帝国との戦争のために兵士として徴発され、そのまま脱走し傭兵団「死を撒く剣団」に身を寄せることとなった、農夫上がりの男。貧困のため両親に売り飛ばされたリリア(ウェブ版ではアラーナ)という妹がいる。
シャルティアらによる犯罪者の釣り出しのために後ろ暗い筋の人間であると看破したセバスに雇われ、想定通りの動きを見せる。ソリュシャンとセバスの馬車を襲撃した際、ソリュシャンにおいしく捕食された。
スタッファン・ヘーウィッシュ
王都の巡回使である肥満漢。王国の裏社会と繋がりがあり、彼らの便宜を図ることで私腹を肥やしていた。
弱い女性をいたぶり、殴り殺すことで快感を得る卑劣な男。奴隷禁止の煽りを喰らって自分の欲求を大っぴらに満たすことが出来なくなったことからラナーを逆怨みしている。一方で主人には深い感謝の念を抱いているという意外な面を持っている。
ツアレを拾ったセバスに対し、大金を掠め取ろうと脅迫するが、経緯の微妙な差異こそあれセバスの手によって同じ苦痛に満ちた死を与えられることになる。
ウェブ版での名はブルム・ヘーウィッシュ。
ロックマイアー
レエブン侯お抱えの元オリハルコン級冒険者チームの一人。「見えざる」(ジ・アンシーイング)と呼ばれる盗賊。40歳。
八本指の拠点襲撃の際にクライム班に配され、娼館強襲時にサキュロントと交戦するクライムを支援する。ゲヘナでは志願してクライムやブレインと共に行動した。
大虐殺の際、レエブン侯を逃がす時間を稼ぐための囮となり黒い仔山羊の前に立ち塞がり戦死を遂げる。
ボナ・イングレ
王都の衛士長の一人。40歳。ゲヘナの際、最前線のバリケードの一角を死守する役目を他の衛士44人と共に担う。押し寄せる悪魔に恐怖して逃走するが「魂食の悪魔」(オーバーイーティング)に喰われる。
バイク
ボウロロープ侯の精鋭兵団の一人。兵団の一部を借り受け別働隊として率いるバルブロに従いカルネ村襲撃に従軍する。ジュゲムと交戦中、襲撃先のカルネ村の村民とゴブリンが種族を超えた何かで繋がっていることを感じる等洞察力はそれなりに高い。ジュゲムの見立てではLv10~11。
別働隊は最終的に全滅しているので、カルネ村での戦闘中か敗走した先でのルプスレギナの襲撃のどちらかで戦死した。
ボリス・アクセルソン
レエブン侯お抱えの元オリハルコン級冒険者チームのリーダー。「火神の聖騎士」の二つ名を持つイビルスレイヤー。41歳。
大虐殺の際はロックマイアーと同様の経緯を辿る。
ヨーラン・ディクスゴード
レエブン侯お抱えの元オリハルコン級冒険者チームの一人。風神の神官でありつつ戦士としても戦えるウォープリースト。46歳。
大虐殺の際はロックマイアーと同様の経緯を辿る。
フランセーン
レエブン侯お抱えの元オリハルコン級冒険者チームの一人。「踊る武器」と呼ばれる魔法アイテムを用いることで四刀流を扱える戦士。39歳。
大虐殺の際はロックマイアーと同様の経緯を辿る。
ルンドクヴィスト
レエブン侯お抱えの元オリハルコン級冒険者チームの一人。自身の名を冠した幾多の魔法を開発した魔術師。45歳。
大虐殺の際はロックマイアーと同様の経緯を辿る。
レエブン侯の軍師
名称不明。眠そうな目をした外見はパッとしない男。
平民であったが自身の村を襲撃したゴブリンの群れをその半数程度の村人を率いて撃退した。その武名を知ったレエブン侯に取り立てられ、それ以降、指揮官として侯の軍を率いるが、敗北が一度も喫しない優秀さを披露した。
大虐殺の際は、王国軍が壊滅的な打撃を受ける中、侯に退却を促し自身は兵をまとめる。

スレイン法国

ニグン・グリッド・ルーイン
陽光聖典隊長。
かつて行った亜人集落の掃討の時、王国の冒険者「蒼の薔薇」と遭遇し敗走したことがある。この際に顔に傷を受け、魔法での治療を簡単に行えるにもかかわらず、敗北への戒めとしての今も残すに至る。
ガゼフの抹殺任務を無慈悲といえるやり方で九割方遂行する。自身はタレントの特性を活かして後方から部下を強化しつつ指揮を行う戦術を取った。理論上は的確なやり方であるはずだったが、ナザリックの介入により部下共々捕縛される。
性格的には人間種救済という大義を掲げ、神への信仰と共にそれを疑うことはなかったが、それ故に冷徹で傲慢なところを見せた。無惨な死を避けられないとわかると、部下を見捨てて命乞いをするという醜態を演じた。
その後、情報を得るために尋問を受け死亡した。
ウェブ版では、顔に傷を受けた理由が部下の失敗によるものとなっており、アインズ等との遭遇も無かったため生存している。
ベリュース
ガゼフ抹殺の前段階の工作として、帝国兵士に偽装して王国村落への襲撃を行なっていた部隊長。
作戦中も欲望を剥き出しにして村娘に乱暴を働こうとするなど、下衆を絵に描いたような男。隊員からの人望は当然皆無であったが、故国では資産家ということもあり箔付けのために作戦に参加したらしい。
デスナイトによる部隊全体の危機に至っては、部下を盾とすべく大金を提示するも誰も動かず恐怖のあまり失神。直後、デスナイトに両断されて死亡する。
ロンデス・ディ・クランプ
ガゼフ抹殺の前段階の工作として、帝国兵士に偽装して王国村落への襲撃を行なっていた部隊の一兵士。
部隊全滅の危機に当たり、茫然自失する隊員達を鼓舞し撤退を指示した。自身も時間稼ぎのためデスナイトに向き合い、敬虔な信者としての意地を見せるも、その刃は届かず首を刎ねられる。
エリオン、リリク、デズン、モーレット
ガゼフ抹殺の前段階の工作として、帝国兵士に偽装して王国村落への襲撃を行なっていた部隊の一兵士達。
エリオンは出現したデスナイトの盾打ちにより死亡。リリクは酒癖は悪いが気立ての良い男であったが、逃走しようとしたところをデスナイトに惨殺される。デズンとモーレットはクランプの指示により、従者の動死体と化す騎士の死体の首を切断しようと向かうがデスナイトに殺害された。
カイレ
漆黒聖典に同行した人物。漆黒聖典隊長から「様」付けで呼ばれることから高位な人物の様で、六大神の残した真なる神器(ワールドアイテム)「傾城傾国(ケイ・セケ・コゥク)」を預けられている。妙齢の女性が身に着けることが前提のデザインとなっている「傾城傾国」を老婆である彼女が装備していることは目を背けたくなるギャップであり、シャルティアに一瞬であるが隙を作らせるほど。
シャルティアに精神支配を仕掛けるも、直後の反撃によって治療不能の重傷を負う。その結果、カイレと漆黒聖典は本国に帰還しシャルティアに対する命令は保留となった。
水神官副長
ウェブ版で登場。純白の神官衣を纏う老婆。第四位階を行使できる。ナザリックを魔法的に調査するため、水神殿にある神都最大聖域の一つ「ティナゥ・アル・リアネス」(水神の目)で大儀式を執行するが、ナザリックの防衛システムに感知され失敗、反撃を受け肝を冷やす。

巫女姫

スレイン法国神都にある六神殿にて大儀式を用いて各地の監視を行う存在。6人いる巫女姫全員が両目を包帯で覆い(両目を潰されているため)、前の開いた薄い絹1枚を腰の辺りで一本の紐で合わせただけという、肌も露わになった姿をした少女であり、法国最秘宝「叡者の額冠」(ウェブ版では「叡者の冠」)を装備している。叡者の額冠は装備者の自我を消し、装備者を高位魔法の発動(巫女姫に魔力を送る周囲に控える魔法詠唱者のMPに左右されるが)を可能にするアイテムに変貌させる。代替わりにより叡者の額冠を引き剥がされた巫女姫は発狂するが、漆黒聖典により神の御許へと送られる。

巫女姫に選ばれる少女は100万人に一人という割合で非常に希少な存在である。

土の巫女姫
神都にある土の神殿で各地の監視を行う。書籍版で大儀式を用いて陽光聖典ニグンの監視を行うが、運悪く傍にアインズがいたため対情報系魔法の攻性防壁が起動することになり、それに組み込まれていた「爆裂」の反撃を受け死亡する。
法国ではこの出来事が、原因不明の爆発による巫女姫死亡という甚大な被害となり、「災厄の竜王」(カタストロフ・ドラゴンロード)復活の誤報に繋がり、それに対処するため出撃したカイレと漆黒聖典がシャルティアと遭遇することになる。
水の巫女姫
ウェブ版で登場。端正な顔立ちをしているが大人の兆しもまだ現れていない非常に若い少女で、艶やかで長い髪は金色をしている。神都の「水神殿」で各地の監視を行う。ナザリックを探るために、ティナゥ・アル・リアネスにて、大儀式を用いて「魔法上昇・次元の目」を発動するが、ナザリックの防御システムに発見され「深遠の下位軍勢の召喚」での反撃を受ける。その際、加勢に駆け付けた神殿衛兵達が弱かったこともあり、ナザリックの二次反撃は起動しなかったため、辛くも難を逃れた。
闇の巫女姫
書籍版でクレマンティーヌに叡者の額冠を奪われる。
火の巫女姫
ウェブ版でクレマンティーヌに叡者の冠を奪われる。

漆黒聖典

法国の神官長直轄特殊工作部隊群「六色聖典」の中の一部隊。各員それぞれがユグドラシルのプレイヤーが装備するような武具を身に付け、ガゼフを凌駕する力を持った法国最強の部隊であるが、その存在は隠されている。アニメのOPに集合絵で描かれた他、完全設定資料集ではイメージラフ画が公開された。

隊長
漆黒聖典最強の存在である第一席次。通称は隊名と同じ「漆黒聖典」。槍を装備する。
容貌は幼い少年で年齢も20歳に全く届いていないが、六大神の血を覚醒させた神人と言われている。無装備とはいえシャルティアの本気の一撃を受けても耐える実力を持つ。
シャルティアとの遭遇戦の後、死亡した二人の蘇生儀式の準備に取り掛かる。
第二席次
「時間乱流」。ミニシルクハットレイピアにある手の甲を覆う湾曲した金属板のような物を付けたエペを装備する、少年とも少女とも思える風貌をした剣士。
第三席次
痩身で老年と思しき魔法使い。左掌には紋様を施している。
第四席次
「神聖呪歌」。羽根付きフードを被った金髪の女性。
クアイエッセ・ハゼイア・クインティア
第五席次。「一人師団」。
ギガントバジリスク等を操ることも可能な優れたビーストテイマーの能力を持つ。「クインティアの片割れ」と呼ばれたクレマンティーヌの「同じ漆黒聖典」「優秀な兄と比べられ」という言葉から彼女の兄と推測される。
ウェブ版では陽光聖典と共に、トブの大森林を塒とする大所帯(約1万)のゴブリン部族を襲撃した。その後、素顔のアインズを目撃した際、自身の信仰する神が降臨したと歓喜し傅く。
第六席次
金髪の青年。青色のガントレットに白色を基調とした大剣を装備する戦士。
第七席次
眼鏡をかけた少女。ヘッドドレスに学校制服、大きな蝶ネクタイをした姿であり、中から巨大な人形が出てくる鞄を携えている。
セドラン
第八席次。書籍版では「巨盾万壁」。殴打可能な巨大な盾を両手に装備している。
カイレの護衛団の一人としての任務遂行中にシャルティアと遭遇。カイレを守護するため巨大な盾を構えるが、シャルティアの放った清浄投擲槍が体を貫き死亡した。
エドガール・ククフ・ボ-マルシェ
第九席次。「神領縛鎖」。カチューシャを付け、左目付近に龍のタトゥーのある男。両目に視界補正の効果を施されたカラコン、両脚に短剣、そして鎖を装備している。
書籍版ではカイレの護衛団の一人としての任務遂行中にシャルティアと遭遇。静止状態となったシャルティアを捕縛しようと近づいたことが、敵対的行動と判断されシャルティアに殺害された。ウェブ版では第七席次で通称を「巨壁万軍」。屈強な体に日に焼けた顔をした男として描かれ、舞踏会に護衛官として出席する。
第十席次
「人間最強」。筋骨隆々な肉体をした白髪の老人。巨大な斧を装備する。
第十一席次
青色の長髪を三つ編みで結った女性。下着が見える程のはだけた姿をしている。ウェブ版では相手の強さを見抜く特殊能力を持った美青年。
第十二席次
「天上天下」。パワードスーツのようなもので全身を覆っている壮年の男。両手足に布で出来た手甲・足甲を装備している。
番外席次
書籍版で登場。「絶死絶命」。神人の中でも「血と血の混じり合いとあり得ない確率で生まれた」神人。
十代前半の少女に見える容貌をしているが実年齢は不明。髪は片側が白銀、もう片側が漆黒の長髪で瞳はオッドアイ。耳に何か特徴があるようで他者に耳を見られることを嫌う。
装備は全て六大神の遺した神器であり、作者によると大陸の中でも10本の指に入る最強のタレントを持っている。
暇つぶしにルビクキューを弄りつつ、法国の聖域である五柱の神の装備が安置されている場所を守護している。人類の守り手ともされ隊長を一蹴するほどの実力をもっているため、その存在は明るみになっただけで周辺国との全面戦争を招きかねないため秘匿されている。クレマンティーヌ曰く「人外領域すら超越した漆黒聖典最強の化け物。六大神の血を引くとされる先祖返りのアンチクショウ」。

バハルス帝国

ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス(jircniv rune farload el nix)
  • 職業:ハイエンペラー(一般)など
現皇帝。圧倒的なカリスマ性と、武力に裏付けされた統治能力で自国を強大化させつつある眉目秀麗な青年。腹話術という意外な特技も持っている。上風月1日生。
即位に際し、また機を見るたびに国内の貴族に対する血の粛清を行ったことから「鮮血帝」と呼ばれ、事実彼の代で絶対王政は完成しつつある。
親族同士での謀殺を繰り返した凄惨な過去を背負っており、他者に対する愛情が希薄。伴侶は居ないが子はいる。ラナーの先進的な提言を密かに自国に取り込み成果を上げるなど、彼女の才覚は認めているがその有り余る知性に薄ら寒いものを感じてもおり「嫌いな女ナンバーワン」に挙げるほど。
ナザリックの戦力を見るための捨て駒としてワーカーを用い、その謝罪として大墳墓へ自ら赴くがその後の経緯は大きく別れる。
ウェブ版でアインズと個人的な友となることを提案するが、了承したアインズは実際の戦力の差にもかかわらず帝国の傘下に降ることを選択し、表向きに臣下の礼を取るその意図の読めなさに対し、その頭脳の冴えを認めつつも混乱している。アインズには「辺境侯」の爵位を与え、彼の一挙一投足が巻き起こす混沌に頭を痛める日々を送っている。
書籍版では自ら率先はせずアウラ、マーレ両名による脅迫に応じて赴く。アインズに同盟を申込むと共に建国事業を勧め、ウェブ版でも想定していた周辺国家による対ナザリック同盟の成立を目指す。なお、表向きにも対等な交渉を成立させた胆力と頭脳はウェブ版同様であるが、内心ではナザリックの規格外さに度々投げやりになる一面も見せた。
フールーダの離反についても札を一枚失ったという受け止め方であったウェブ版と、公私ともに依存していた面が強く心中では慟哭する一幕も見せた書籍版では反応が異なる。

帝国家臣団

フールーダ・パラダイン
  • 職業:キンジュツシなど
帝国の主席魔法使い。ウェブ版の設定によると268歳。人間としては最高ランクである第六位階の魔法を使いこなす。十三英雄に匹敵か、それ以上の「逸脱者」ともいわれている帝国最大の守護者。
彼個人の存在が周辺諸国に対する抑止力となり、教導した高弟の中には第四位階の使用者まで現れるなど帝国の魔法教育の立役者でもある。
魔法の一種、仙術を不完全ながら発動させることによって200年以上生きており、相手の使う魔法の位階を見抜く特殊な力(書籍版ではタレント)を持っている。英雄を越えた者としての飄然とした態度の裏に魔道の秘奥のためになら全てを投げうっても構わないという狂的な本質を隠しており、アインズの強大な力を知って即座に傘下に降る。
初代皇帝の時から仕官しており、代々の皇帝に協力して帝国の強大化に努めてきた事情が語られる。ジルクニフに「爺」と呼ばれ個人的な信愛を以て接されており、彼自身も帝国及び歴代皇帝には愛着を持っていたようだが、表向きには帝国に臣従しつつも裏切り、ナザリックを利する行為を行っていた。
ウェブ版ではジルクニフの認可の下、アインズの弟子となり働いている。
ロウネ・ヴァミリネン
秘書官。年の割に髪は薄い。
ジルクニフとアインズの会談の際、ナザリックに駐在する間に、ウェブ版では本人は躊躇したが帝国の法律を教授する命を、書籍版では覚悟を決めてナザリックとの連絡手段の構築や使者の滞在場所の確保といった、帝国-ナザリック間の調整の命を受ける。
命を下した直後、デミウルゴスがロウネとすり合わせを行うと知ったジルクニフは、ロウネがデミウルゴスに操り人形にされることを予感した。
バジウッド・ペシュメル
帝国四騎士の一人「雷光」。四騎士のまとめ役である。ガゼフ・ストロノーフと同じく平民上がりの騎士で言葉遣いはぞんざいだが、その裏表の無く、陽性な性格をジルクニフに好まれている。ナザリック内部に皇帝の供として付き従った後も軽口を叩く姿勢に変わりはなかった。
ニンブル・アーク・ディル・アノック
帝国四騎士の一人「激風」。希少金属であるアダマンタイトで作られた鎧を身に纏う。
帝国と同盟を締結したアインズの案内役を申し付けられ、大虐殺の現場に居合わせ恐怖に打ち震える羽目になった。
レイナース・ロックブルズ
帝国四騎士の一人「重爆」。紅一点。攻撃力でいえば四騎士中最強。
顔の半分を隠しているという点を除けば容姿の整った女性。ウェブ版では髪の裏には黒く大きな痣、書籍版では膿を出す何かが隠れている。
書籍版ではジルクニフへの忠誠心は乏しく、自身の雇用は身の安全あってこそ、利あれば裏切ることを含めいざとなったら逃げだすことを契約の条件として認めさせている。ジルクニフに従ってナザリックに赴き戦闘メイドの美貌を目撃した際、舌打ち(ウェブ版では嫉妬したと吐露している)をしている。
ナザミ・エネック
帝国四騎士の一人「不動」。防御戦においては四騎士最強といわれ「最硬の騎士」と呼ばれた男。両手に盾を持って戦う珍しいスタイル。
書籍版ではマーレの魔法によって近衛騎士達と共に死亡。
ナテル・イニエム・デイル・カーベイン
帝国第二軍の将軍。髪を白く染めた壮年の男。個人の武勇は皆無であるが、堅実な指揮ぶりで戦闘では決して負けないと謳われる名将。
先代皇帝にその才覚を認められ取り立てられた。大虐殺では辺境侯の指揮下に入り、その圧倒的な力を目の当たりにする。
ウェブ版では平民出身で名をナテル・イニエム・スァー・カーベイン。帝国の未来という観点ではベリベラッドに近い考えを持つ。
ベリベラッド
ウェブ版で登場。帝国第三軍の将軍。無数の戦傷が顔にある歴戦の将軍。偉丈夫で剣の腕も立つ。大虐殺では壊滅的な打撃を受けた王国軍に対する追撃に反対し、絶対的な力を持つアインズを危険視する。
レイ
ウェブ版で登場。帝国第八軍の将軍。アインズの圧倒的な力を目の当たりにして心酔し、その力に取り入ろうとする。
のちにアインズからは身辺警護の任を命じられる。
グレガン
帝国第六軍の将軍。フリアーネとジエットの会話の中で言及された。
ベベネ・バイセン
ウェブ版で登場。平民から騎士になった男。昇級試験を受けるジエットのチームを護衛する。
フェメール伯爵
ナザリック地下大墳墓の調査を「フォーサイト」や「ヘビーマッシャー」等各ワーカーチームに破格の報酬で提示した貴族。同時に「漆黒」と金級冒険者チーム「スクリーミング・ウィップ」に道中でのワーカーの護衛を依頼した。後にナザリックの調査を依頼した咎で斬首され、帝国の謝罪のしるしとしてアインズに首が献上される。首はアインズの力でデス・ナイトとなった。
グランブレグ伯
ウェブ版で登場。戦士を思わせる体つきをした大貴族。アインズに取り入ったレイと面会し、帝国と王国の今後の情勢を語った後、自らの10歳前後の娘をレイの正妻に提案する。
グライアード侯爵
ウェブ版で登場。大貴族。アインズの帝国内の館で開催されたパーティーに出席し彼の素顔を目撃する。
ウィンブルグ公爵
ウェブ版で登場。ズーラーノーンの下部組織である邪神を信奉する教団に入信している。アインズの帝国内の館で開催されたパーティーで彼の素顔を目撃した後、邪神を信奉する教団の儀式にアインズを招き、信仰の恩賞として10日間という期限付ではあるが若返りをもたらされた。
ヴァネルラント公令嬢
皇帝主催の舞踏会に出席した。ある貴族派閥の令嬢の集まりの中では最も家柄が高いが、他派閥の令嬢の集まりのように厳格な上下階級を敷かず、家柄の低い令嬢に対しても分け隔てなく接する誠実な性格のため、同派閥の令嬢から慕われている。

帝国魔法学院

ジエット・テスタニア
ウェブ版で登場。魔法学科に所属する生徒。暗い雰囲気を宿した少年。
片方の目を眼帯で覆っており、その下にある眼は幻覚を見破る能力を持つ。
母親が患っている猛病を癒す魔法のアイテムを購入するために、香辛料を作る魔法を使って日々アルバイトをしている。
ジエットの母親が仕えていた貴族の令嬢がアルシェであり、その関係でネメルと知り合った。
ネメル・グラン
ウェブ版で登場。魔法学科に所属する生徒。ジエットの幼馴染。下級貴族であり、姉のパナシスはアインズの帝国での館でメイドとして働いている。
ランゴバルト・エック・ワライア・ロベルバド
ウェブ版で登場。魔法学科に所属する生徒。それなりに力のある貴族の三男、かつ側室の子。平民出身のジエットに敵対心を抱いている。
昇級試験の際は、パーティーを組むことになったアインズ扮するモモンに振り回されることになる。
フリアーネ・ワエリア・ラン・グシモンド
ウェブ版で登場。学院で三指に入る力を持つ生徒会長。公爵家令嬢。皇帝主催の舞踏会に出席しており、父兄から聞かされたのかアインズの素顔についても知っている。
かつてアルシェの魔法のライバルであり友人であった。ジエットとの取引に応じ、彼に現在の帝国貴族社会の動静やアインズに関してのある程度の情報を教える。
オーネスティ・エイゼル
ウェブ版で登場。建築学科に所属する生徒。話し方は早く抑揚がない。一人きりになった際に見せる本性は、自身を取り巻く環境が酷かったためか、どす黒い。皇帝派閥に属する諜報員と関係があり、学院に生徒として入学してきたフールーダ及び、それを命じたアインズの狙いや情報を得ようとしている。
ジエットから昇級試験での自分のチームに誘われ承諾する。彼がロベルバド家主催の舞踏会に出席するネメルを心配していることを知った際は招待状を入手した。
ディモイヤ
ウェブ版で登場。学院内で情報屋的な活動をしている女生徒。ショートヘア。
フェンドルス家令嬢
ウェブ版で登場。レーちゃんと呼ばれる少女。没落貴族。
微弱ながら魔法を感知する力を持つ。かつてアルシェの友人だった。
ジーダ・クレント・ニス・ティアレフ
ウェブ版で登場。貴族階級。昇級試験のチームを組むためのメンバーを探すフールーダに自分を入れてくれるよう売り込んだ。

ワーカー

ヘッケラン・ターマイト(hekkeran termite)
  • 職業:ソードダンサーなど
「フォーサイト」のチームリーダー。二刀流の戦士。金髪に碧眼、日に焼けた肌をしている。20歳前後。身長は170㎝中盤。上風月3日生。
裏稼業に属する者として敵を作らない手腕に優れており、事前の下調べも欠かさないなど出来る男。
第6階層闘技場にてアインズと相対した際、脱出に一縷の望みをかけて交渉しようとし、他のナザリック至高の存在の許可を得たかの如く偽装しようとして失敗。逆にアインズの逆鱗に触れる結果となり、戦闘の末イミーナを庇い倒れる。
最期はイミーナと共に餓食狐蟲王の巣の材料にされた。ウェブ版ではアインズの使用した第8位階「破裂」を受けて死亡した。
ロバーデイク・ゴルトロン(roberdyck goltron)
  • 職業:テンプラーなど
「フォーサイト」の神官。30代。気立てのいい性格で、金目当てという即物的な理由で動くワーカーが多い中、神殿という組織の枷の下ではより多くの人々が救えないという理由でワーカーとなった。中水月13日生。
柔らかな物腰と優れた話術によってチームの交渉窓口となることが多く、自らが冒険によって得た報酬を弱者救済に費やすなど、真に善性の人。
最期はアインズによる神の存在証明のための実験材料となった。
アルシェ・イーブ・リイル・フルト(arche eeb rile furt)
  • 職業:ハイ・ウィザードなど
「フォーサイト」の魔法詠唱者である10代半ば~後半の少女。家の借金を返すためにワーカーになった。中風月26日生。ウェブ版での名前はアルシェ・イーブ・リリッツ・フルト。
帝国魔法学院出身。他者の魔力を感知する特殊な才能を持つ。フールーダの元弟子であり、若年で第三位階にまで習熟したことから彼の領域まで到達する可能性さえ持っていると師や仲間内からは評されていた。
貴族であったが現在は実家の爵位を皇帝によって剥奪されている。それでも貴族としての浪費を忘れられず借金を繰り返している両親を疎んでおり、妹のクーデリカとウレイリカの双子と共に家を出ようと考えている。
ウェブ版ではロバーデイクの懇願により(彼の人体実験と引き換えに)生存を許され、シャルティアのペットとして飼われる。その後帝国貴族関連の知識を教えた褒美として偶然連れて来られた妹達ともども6層にて衣食住やモンスターに襲われる危険のない生活を手に入れる。
書籍版ではほぼ同様の経緯を辿ったものの助命は許されず、同じく追跡に向かったシャルティアによって苦痛なき死を与えられる。その遺骸はバラバラにされ有効活用されている。また、その才能についても早熟の秀才に過ぎずもう伸びる余地は残されていなかったと語られた。
イミーナ(imina)
  • 職業:レンジャーなど
「フォーサイト」の盗賊。半森妖精(ハーフエルフ)であり、ヘッケランと恋人関係。気の強い性格であり、エルヤーとの折り合いが悪い。上火月29日生。
エルフの血が入っているためかほっそりとした肢体の持ち主であり、胸部も平たい。
最期はヘッケランと共に餓食狐蟲王の巣の材料にされた。ウェブ版ではアインズの魔法陣に込めた夥しい「魔法三重最強化・魔法の矢」を受け死亡した。
グリンガム
「ヘビーマッシャー」のチームリーダー。メンバー数14人(ウェブ版では9人)という大所帯ワーカーを束ねている。
農家の三男坊として生まれ、兄を見返してやろうという一念でミスリル級冒険者に匹敵する地位まで上り詰めた。王国の御前試合に出場するも準々決勝でブレインに敗北している。対外的には無学なりの処世術として仰々しく奇妙とさえ取れる喋り方をしている。ナザリック探索を依頼されたワーカーチームの中では中心的な役割を果たし、長年の経験から多くの攻撃を切り抜ける。
最終的にチームは転移の罠にかかり、別々に過酷な運命を辿ることになるのだが、彼の場合は恐怖公の管理する「黒棺」に送られ生きながらにして貪り喰らわれるという悲惨な末路となった。
パルパトラ・オグリオン
「グリーンリーフ」のチームリーダー。書籍版では80歳に到達してなお現役を続ける戦士。チームメイトや他のチームからは「老公」と呼ばれる。前歯は殆ど抜け落ち濁音を話せない。ウェブ版では金髪碧眼の20代半ばの男と描かれ、モモンとの手合わせや思考・経歴を除けば辿った末路こそ同じであるが、こちらは特に特徴的なキャラ付けをされていない。
チーム名および自身の異名である「緑葉」(グリーンリーフ)とは、退治した緑竜(グリーンドラゴン)の鱗から作り出された鎧を装備していることから付けられている。また先端を竜の牙を削り作ったスピアを武器として持つ。武技「竜牙突き」の開発者とされる。かつてはオリハルコン級と目されていた冒険者であったが、当時の冒険者組合長(パルパトラをして「最悪の類」)をぶん殴ってしまって以来、ワーカーとして活動している。
普段は好々爺の一面を見せるが、謎の遺跡(ナザリック)においての内部探索初日を未知のモンスターとの遭遇の危険を考慮し他のチームに任せ、自身らは地表部の探索を買って出た一方で、翌日の内部探索の優先権を得るなど仕事に対しては非常に慎重かつ冷徹な面を見せる。
地表部を探索していた際、現れたプレアデスが呼び出した8体のナザリック・オールド・ガーダーと交戦する。彼自身は複数体を受け持つなど奮戦したものの、チームは後衛の判断ミスから序盤から劣勢に追い込まれ予想外の脆弱ぶりを披露する羽目になる。戦う前の余裕はどこにいったのかと観戦していたプレアデスの面々も呆れ、遂には彼女らから声援すら送られるようになるが、声援空しく早々に全滅し最初に脱落したワーカーチームとなった。死体は回収され有効活用された模様。
エルヤー・ウズルス
「天武」のチームリーダー。鈴の音のような涼しい声を持つ、端正な顔立ちをした男(ウェブ版では青年)。ガゼフに匹敵するともいわれる剣の天才だが傲慢な態度が目立つ。
スレイン法国の出身とされており、人間以外の種族を見下している。
三人のエルフの奴隷とパーティーを組んでいるが、実際は彼一人のチームだといわれている。
ナザリックに侵入した際ウェブ版ではヴァンパイアとしての本気を出したブレインに圧倒され、エルフ達に全開で支援させたがなお届かず腕を切断されて敗北、命は取られなかったがその後の処遇は不明。三人のエルフはウェブ外伝では処遇を任せられたアウラに命を救われ、奴隷の証であった切り落とされた耳をペストーニャにより治癒された後、アウラにメイドとして仕える。
書籍版ではハムスケの訓練の成果を見るためのテスト相手としてあてがわれ、ウェブ版同様不利になった途端エルフ達の支援を受けて戦ったが腕を切断されたのちにとどめを刺される。作者曰く「ハムスケは別にナザリック魂に汚されてないので、対峙したエルヤーが(侵入者の中では)最も幸せ」

その他

ジャイムス
貴族位を剥奪されたフルト家に長年仕えている執事。
武王
帝国闘技場で武勇を轟かす戦士。亜人。ウェブ版ではデスナイトと引き分けた。
クリアーナ・アクル・アーナジア・フェレック
ウェブ版で登場。下級貴族の家の娘。アインズの帝国内の館に仕える一般メイド。以前はフラベラ伯爵家のメイドであった。教養や礼儀作法、メイド仕事は大貴族の家でメイドとして働いていた母仕込みである。
パナシス・エネックス・リリエル・グラン
ウェブ版で登場。下級貴族の家の娘。アインズの帝国内の館に仕える一般メイド。部屋はクリアーナと同室。妹に帝国魔法学院の生徒ネメルがいる。
リズ
ウェブ版で登場。背の高いボブカットの少女。実家は没落貴族フェンドルス家に従っている。レーちゃんと呼ばれるフェンドルス家の令嬢と共に舞踏会に出席した。
ロクシー
ジルクニフの愛妾。美貌はないが聡明な女性。その優秀さからジルクニフからしばしば相談を受ける。自身は母として次期皇帝の教育や、その他の皇帝の子供にも愛情をもたらすことを望む。
ベッチ・アイク、セルデーナ・イズングリッド、クアイア・バッシュグリル
ウェブ版で登場。昇級試験に出場するためにモモンが買った奴隷達。平均年齢は20歳。なお、試験自体にはデスナイト3体が彼ら3人の替え玉となった。本物の3人はアインズの帝国内の館で資料製作や計算に駆り出されている。

竜王国

ドラウディロン・オーリウクルス
竜王国女王である「黒鱗の竜王」(ブラックスケイル・ドラゴンロード)。ある理由により本来の姿とは異なる少女の姿をしている。近隣の大国・ビーストマンの国の侵攻に頭を悩ませている。
戦闘能力は通常の人間並のため皆無であるが、竜王の血が八分の一流れているため「始原の魔法」を使用(ただし、使用するには百万単位の民の犠牲が必要となる)できるタレントを持っている。そのため法国からは「竜王」と一応定義されている。
常時、少女の姿で純真無垢で可愛いらしい子供の演技をしている理由は、万人受けするこの姿で前線で戦っている者達を激励すると、士気が高まるためである。特に同国のアダマンタイト級冒険者・セラブレイトには効果覿面であるが、当の本人はそのうちセラブレイトに与える褒美に、自らの体を使うことになると半ば諦めている。
ジルクニフには「若作り婆」と呼ばれ彼の脳内嫌いな女ランキングで2位の常連となっている。

冒険者

セラブレイト
竜王国唯一のアダマンタイト級冒険者チーム「クリスタル・ティア」のリーダー。「光輝剣」という剣技を使うため二つ名は「閃烈」。ホーリーロードという職業に就いている凄腕の剣士。ロリコン

ワーカー

オプティクス
ワーカーチーム「豪炎紅蓮」のメンバー。「真紅」という二つ名を持つ凄腕の剣士。

カルサナス都市国家連合

カベリア
ベバート都市長。ジルクニフの脳内好きな女ランキングで1位。

ズーラーノーン

カジット・デイル・バダンテール
ズーラーノーン幹部の十二高弟の一人。
法国の普通の村人として生まれたが、脳内出血で亡くなった母親の死に目に遭えなかったことから、自身を強く責め母の復活を目標とするようになる。
思案の結果、母親を復活させるために信仰系魔法でない新たな魔法を開発することにしたが、それまでにかかるであろう膨大な時間を得るために己をアンデッドと化す魔力系魔法を修めるべく、遂にはかつて盟主が行った「死の螺旋」の遂行に手を出す。
外見はさして老齢というわけではなく、実年齢は40程度と思われるものの、禿頭のうえ極めての痩身、土気色の肌など生きながらにしてアンデッドを想起させる姿をしている。
腕の立つ十二高弟の中でクレマンティーヌに勝てる者は三人存在するが、その中にカジットは含まれていなく、アイテムを使用してもクレマンティーヌに対しての勝算は三割ほどである。
エ・ランテルにて5年かけた下準備の最終局面、現れたモモンらと戦闘になる。その際は所持するアイテム「死の宝珠」の強化の下、大量のアンデッドを支配し強力なスケリトル・ドラゴンも使役して的確な魔法でナーベを追い詰めた。一分野に特化した魔法詠唱者としての底力を見せたものの本気のナーベラルの一撃に一蹴され、こんがりローストされ死亡した。死体は安置所から忽然として消え、その後の経緯は不明。
アニメ版では、ナーベラルの第七位階の攻撃で原型を留めないほどの塵と化し、遺体も残らなかった。
ウェブ版での名はカジット・ノーライフ。
クレマンティーヌ
ズーラーノーン幹部の十二高弟の一人。
元は漆黒聖典の第九席次に籍を置いていた英雄級の実力者だったが、法国を裏切り風花聖典の秘宝「闇の叡者の額冠(ウェブ版では火の叡者の冠)」を奪い取る。
法国最強の漆黒聖典に在籍していたため、彼女に勝てる実力を有する者は十二高弟の中に三人しか存在しない。
外見は猫科の肉食獣を彷彿とさせる愛らしくも獰猛なもので、気まぐれに人命を奪う性格破綻者。常にふざけ半分の態度を崩さないが、実力への自負は高く激しやすい。カジットからはクインティアの片割れとも呼ばれ、己の生い立ちをなぜかと嘯く素振りも見せたが、その真意は不明。作者によると20代半ばを過ぎており、若作りをしているという。
戦法も見た目に違わず、武技による身体能力向上と軽装のもと瞬発力を活かし、手にしたスティレットの刺突による一撃必殺を得意とする。
特に意味も無く強弱も様々な数多の冒険者を屠り、ハンティングの勲章代わりに彼らのプレートを身につけ愉しんでいた。カジットの計画に協力する一環で行ったンフィーレア拉致の場に居合わせた「漆黒の剣」を全員殺害した。
そのことにアインズが密かに怒りを覚えたため、本気を出さない戦士姿のまま一定の間苦戦を演じ、彼が戦士の戦い方の教訓を得た後に捕らえられ、鯖折りにされ死亡する。死体は安置所から忽然として消え、その後の経緯は不明。
ウェブ版では帝国内部でズーラーノーンの下部組織である邪神を信奉する教団を使って暗躍中に、邪神として招聘されたアインズによって完全に教団は乗っ取られる。その際、圧倒的な身体能力と魔法を目の当たりにし、完全に心を折られ「盟主でも勝てない」と判断。仲間の神官を殺害してズーラーノーンを裏切り逃亡したため生存。

蜥蜴人の集落

ザリュース・シャシャ(zaryusu shasha)
  • 種族レベル:蜥蜴人(リザードマン)Lv1[15]
  • 職業レベル:ファイターLv10など[15]
「緑爪(グリーン・クロー)」出身の旅人。外界からは魚の養殖についての知識を持ち帰り、兄の陰ながらの助力もあってだが、成功させた。戦士としては周辺の部族においても指折りの強者として知られ、蜥蜴人四至宝の1つ「凍牙の苦痛(フロスト・ペイン)」の所有を認められている。
ナザリックの侵攻に対抗するため周辺部族との連合策を提示、兄と分担する形で交渉に臨みこれを成功させた。ナザリックとの戦いにおいては圧倒的な能力差がありながらも仲間の協力を得てイグヴァを倒し、兄との連携の末にコキュートスに刃を届かせたことはコキュートスに戦士として敬意を抱かせるほどだった。
コキュートスとの戦いで死亡するも、復活魔法の実験のために蘇生される。自身を容易に蘇生させた能力やナザリックの軍勢を支配する姿などを目の当たりにしたことで、アインズを神に匹敵する存在と認識し、彼に平伏する。
ナザリックの侵攻後は、ゼンベル達とナザリック地下大墳墓に赴いてハムスケや他の蜥蜴人に戦士としての技術を教えている。
クルシュ・ルールー(crusch lulu)
  • 種族レベル:蜥蜴人覚醒古種(リザードマン アウェイクン・エルダーブラッド)Lv1[15]
  • 職業レベル:ドルイドLv8など[15]
「朱の瞳(レッド・アイ)」族長代理。祭司の力に長けたアルビノの雌。
一応部族の代表者ではあるが、その異形の姿によって微妙に高みに遠ざけられるような扱いを周囲からは受けている。本人もその立場を諦めつつ受け入れていたが、その姿を一目見て惚れ込んだザリュースに求愛され、戸惑い慌てながらも承諾する。
ナザリックの侵攻後は、ザリュースの復活を条件に蜥蜴人の中で裏切りが発生しないかを秘密裏に監視する役割を担う。また、ザリュースとの仔を孕んだことをきっかけに彼と結婚した。
ゼンベル・ググー(zenberu gugu)
  • 種族レベル:蜥蜴人(リザードマン)Lv5[15]
  • 職業レベル:モンクLv10など[15]
「竜牙(ドラゴン・タスク)」族長。
通常権力から離れる元旅人という立場でありながら、強さを尊ぶ部族の気風によって族長として収まっている。豪快な性格で、ザリュースとの交渉も後腐れのない決闘という形で話をつけ悪友のような関係となる。旅人になったのはフロスト・ペインを持ったかつての「鋭剣」族長との戦いに敗れたためという。
コキュートスとの戦いで死亡するも、後にシャースーリューと共に蘇生される。
シャースーリュー・シャシャ
「緑爪」族長。ザリュースの兄。
戦士と祭祀としての実力を兼ね備えた実力者。指導者としても兄としても立派な人物だが意外と下世話なところもあり、弟とクルシュの関係に野暮なことをいう一幕もあった。
危地に至っても柔軟に動くことができ、本来部族の運営には関わらない弟の意見を取り入れ五部族連合を成功させる。コキュートスとの一戦では兄弟ゆえの息の合った動きを見せ、己の身を犠牲にしてザリュースを最後の一撃へと導く。
後にゼンベルと共に蘇生され、弟と同様にアインズを神に匹敵する存在と認識し、彼に忠誠を尽くすようになる。彼自身はコキュートス傘下の蜥蜴人部族の指導者として働いている。
ロロロ
4本頭の多頭水蛇(ヒュドラ)。ザリュースのペット。
通常、ヒュドラは8本の頭を持って生まれてくるため、本来の親に見切りを付けられ捨てられる。ザリュースにそこを拾われ、以後は家族同様の間柄である。ヒュドラは動物並みの知能しか持たないがロロロ自身の想いは本物であり、事実イグヴァとの決戦では命を賭して突貫し勝利への道筋をつける。

八本指

ゼロ
八本指の警備部門長にして、最強部隊「六腕」のリーダー。通称「闘鬼」。
禿頭の筋骨隆々とした男で、裏社会の最高戦力として自らが最強であるという自負に満ちている。モンクとして鍛え上げられた骨肉はブレインの剣戟と互角に打ち合えるほどのものであり、更に動物の霊魂を宿して身体能力を底上げするクラス「シャーマニック・アデプト」を保有している。
書籍版ではセバスとクライムなどの手によるサキュロントの敗退を受け、他の六腕総出での報復に動く。ツアレを拉致し、彼女を生餌にしてセバスを誘い込む。他の六腕の敗退を受けセバスを粉砕しての撤退を図ろうと渾身の一撃を放つも全く効かず、呆然としたまま命を刈り取られた。
サキュロント
六腕の一人。通称「幻魔」。
幻術師(イリュージョナリスト)と軽戦士(フェンサー)の職を修めている。
剣の軌道を幻によって誤魔化す、死を偽装して不意打ちをするなど魔法職と戦士としての技量を組み合わせた独特の戦い方をし、レベルで劣るクライムを翻弄、一度死の間際にまで追い詰めた。ただ性質の異なる職業を並立して伸ばしてきた都合上、各々の分野では専門職に劣り真っ向勝負に持ち込まれると弱い。他の六腕からは最弱と冷笑されている。
コッコドールの依頼を受けたゼロによって彼の護衛に赴き、セバス達の襲撃を受けて的確に彼を逃がそうと立ち回る。クライム相手には最後底力に気圧されつつも勝利したが、その助けに現れたブレイン相手には一刀のもとに意識を失い収監される。
その後、一応の利用価値はあると認められたゼロの伝手によって解放されリーダーの眼前でクライムと再戦するが、マジックアイテムを失いただのメイド服を着る羽目になった自分との装備の差や、盗賊の的確な援護によって持ち味を全く生かすことが出来ず、冷静に戦う彼相手に焦りを隠せず敗北、死亡した。
デイバーノック
書籍版で登場。
六腕の一人。通称「不死王」。
自然発生した死者の大魔法使いでありながら短絡的な生者の殺戮に走らず、より効率的に自己を鍛える道を選んだ自制心の持ち主。
元々の状態でも「火球」を連射するだけの実力は持っていたが新たな魔法を習得するための金銭を求めて試した幾つかの手法が失敗した後、ゼロに勧誘され六腕の一員となる。二つ名の「不死王」が癇に障ったセバスによって集結した六腕の中では最初に粉砕された。
エドストレーム
書籍版で登場。
六腕の紅一点。通称「踊る三日月刀(シミター)」。
武器がさも踊るかの如く動き出す「舞踊」という魔法付与を施された5本の三日月刀を自在に操る。その動きはあたかも自分が同時に5人存在しているかのような精密で自然なものである。これは常人のレベルを凌駕する空間認識能力に、左右の手で異なる動きをする能力が高い彼女のみが可能な戦法である。
ゼロとサキュロントを除く六腕の3人と共にセバスと対峙する。三日月刀での攻撃をする間もなく、セバスの超速での手刀で首を切断され、驚愕と絶望の表情を浮かべながら死亡する。
ペシュリアン
書籍版で登場。
六腕の一人。通称「空間斬」。
全身鎧を装備しウルミと呼ばれる長剣をさらに極限の細さになるまで削った武器を使用する。
ゼロとサキュロントを除く六腕の3人と共にセバスと対峙する。人間の戦士の中では高い能力を有し並の人間には防ぎきれない彼の斬撃も、セバスには全く通じず頭部を吹っ飛ばされ死亡する。
マルムヴィスト
書籍版で登場。
六腕の一人。通称「千殺」。
「肉軋み」「暗殺の達人」と呼ばれる刺突攻撃を補助する魔法付与を施された上、先端に致死の毒が塗られたレイピアを操る。暗殺者よりの能力のため剣の腕では他の六腕に多少劣る。
ゼロとサキュロントを除く六腕の3人と共にセバスと対峙する。ガゼフのそれを超える刺突の一撃も、セバスには全く通じず頭部を吹っ飛ばれ死亡する。
コッコドール
書籍版で登場。
八本指の奴隷売買部門長。オネエ口調の男であり、同性愛者のようである。
ヒルマ
書籍版で登場。
八本指の麻薬取引部門長。元高級娼婦。
ゲヘナにおいてマーレとエントマに自邸を襲撃された後、拉致される。ナザリックでは恐怖公によって体の内側からゴキブリに食い荒らされるという凄惨な拷問を受ける羽目になり完全に心折れる。体の傷こそ癒されたものの恐怖からナザリックに服従し、他の部門長との会合の場にアウラとマーレを呼び入れる。
ルベリナ
ウェブ版で登場。8本指の中で序列3位。「心臓貫き」と呼ばれるレイピアを操る女。男装をし中性的な雰囲気を醸し出すが、内には人の苦しむ様を好むという嗜虐心を持っている。作者によると第一位階を行使できる。
娼館を襲撃してきたクライムをゼロと共に追い詰めるが、現れたセバスに首を270度回転させられ死亡する。

ドラゴン

ツァインドルクス=ヴァイシオン
「プラチナム・ドラゴンロード」の二つ名を持つ、最強のドラゴンの一角。通称「ツアー」。始原の魔法を使える数少ない存在。
実は十三英雄の一人『白銀』でもあり、当時はスケイルメイルを着ているのではなく遠隔から空の鎧を動かしていた。ウェブ版でその鎧は自らが選んだ白銀の騎士が纏っていることが確認できる。
かつて八欲王が振るい、十三英雄のリーダーが所持していた最高位の剣である「ギルド武器」を保有している。
書籍版では鎧の遠隔操作で何らかの偵察に赴いた際に精神操作を受けたシャルティアに遭遇し、一定の交戦を行ったようである。旧友で同じく十三英雄の一人であるリグリットの訪問の際にはその危険性を感じ取っており、新たなプレイヤーの存在を感じ取った。
そのためアイテムの収集や同胞のドラゴン、隠れた強者に協力を求めるなど陰ながら活動を開始している。
スヴェリアー=マイロンシルク
ウェブ版で言及された。「ブルースカイ・ドラゴンロード」。アーグランド評議国永久評議員の一角。第5位階魔法の使い手。
オムナードセンス=イクルブルス
ウェブ版で言及された。「ダイヤモンド・ドラゴンロード」。アーグランド評議国永久評議員の一角。
ケッセンブルト=ユークリーリリス
ウェブ版で言及された。「オブシディアン・ドラゴン」。アーグランド評議国永久評議員の一角。
ザラジルカリア=ナーヘイウント
ウェブ版で言及された。「ワーム・ドラゴン」。アーグランド評議国永久評議員の一角。
破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)
災厄の竜王とも表記される(書籍版3巻)。復活に備えている漆黒聖典が一たび復活の報を受けると、この竜王を支配下に置くため出撃する。
吸血の竜王(ヴァンピリック・ドラゴンロード)、朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)
出撃した漆黒聖典に甚大な被害を与えた未知のアンデッドとして番外席次が取り上げたアンデッドの竜王。漆黒聖典隊長は滅亡したと述べるが、番外席次はアンデッドのため真実滅亡したかは不明という見解を述べた。
聖天の竜王(ヘブンリー・ドラゴンロード)
八欲王との戦いに参戦しなかった竜王。ツアーが言うには常時天空を飛んでいる。
常闇の竜王(ディープダークネス・ドラゴンロード)
八欲王との戦いに参戦しなかった竜王。ツアーが言うには巨大な地下の洞窟に籠っている。
七彩の竜王(ブライトネス・ドラゴンロード)
八欲王との戦いに参戦しなかった竜王。人間との間に子を為した。子孫に竜王国女王ドラウディロン・オーリウクルスがいる。

その他

ヴェスチャー・クロフ・ディ・ローファン
蒼の薔薇が登場する以前に活躍した元アダマンタイト級冒険者チームのリーダー。既に冒険者を引退しているものの、風花聖典の調査でクレマンティーヌとまともに戦える実力を持つ戦士。
現役時代は、蒼の薔薇入団前のリグリットを入れた4名で構成されたアダマンタイト級冒険者チームで活動していた。ドラマCDでは30年前にザイトルクワエの居所から貴重な薬草の採取を行っている。その際は自身のチームの他に2つのミスリル級チームの支援を受けた。
冒険者引退後は気に入った人間のみに剣を教える個人道場を開いていた。御前試合を観戦した際、出場したガゼフを気に入り、王都を歩いていた彼を強制的に弟子とし座学や剣の技及び、六光連斬を遥かに凌駕する武技(自身が開発しながらも年齢のため駆使することは叶わなかった)を教え込んだ。
リグリット・ベルスー・カウラウ
十三英雄の一人である「死者使い」。250年以上を生きている老婆。
通常の竜の知覚を遥かに超える知覚を有するツアーの近くに気付かれずに忍び寄れたり、ガストを20体以上同時に行使できるなど高い能力を持つ。200年前に出会ったフールーダをして「私と同等、もしくは以上の力を保有する魔法使い」。
ローファンらのアダマンタイト級冒険者チームを経て、蒼の薔薇にいた時期があり、ブレインを破り(ブレインは痛み分けと思っている)、自身の後釜に共に戦った仲間でもあるイビルアイを据え(自分達に負けたらイビルアイが入団するという条件のもと戦い、イビルアイが自身を侮ったこともあり、彼女を叩きのめした)た。また、ツアーから託された「始原の魔法」で作られた指輪をガゼフに渡している。
ツアーからギルド武器に匹敵するアイテムやユグドラシルのアイテムの情報収集を依頼される。
スルシャーナ
六大神の一角である死の神。
六大神最後の生き残りであったが、ウェブ版では八欲王に殺害されている。姿は髑髏に僅かな皮を貼り付けた顔に、漆黒のローブを身に纏い、光り輝く杖を手にしていたとあり、アインズと酷似している。
ザイトルクワエ
ドラマCD「封印の魔樹」で登場。「世界を滅ぼす魔樹」「歪んだトレント」とも呼ばれる。
完全に復活すると高さは約100m、300m超の長さを持つ触手が6本、鋭い牙、頭部には貴重な薬草である苔がある。アウラの探知によるとLvは80~85。体力に関しては測定不能。
ピニスンが誕生する以前に発生した「幾多の化け物とドラゴンの王様との戦い」で敗れた一体の化け物の一部。その一部がトブの大森林で暴れた際、十三英雄の内の7人(若い人間3人、大きい人1人、年寄りの人間1人、羽の生えた人1人、ドワーフ1人)がピニスンの要請を受けて苦戦の末、封印した。
復活のため周囲の樹木から多量の養分を吸収するためザイトルクワエの周辺は枯れ木となる。
モモンが貴重な薬草採取の依頼を受けたことでナザリック陣営と遭遇。今後のために連携での戦闘を命じられた守護者達の強大な攻撃を受け、最期はアインズの魔法を受けて倒される。
書籍版で登場。トブの大森林の中で「東の巨人」と恐れられる戦闘に特化したウォー・トロール。革鎧にグレートソードを装備している。長い名を持つアインズを弱者と嘲るが返り討ちに遭う。その後、アインズによりトロール・ゾンビにされルプスレギナのテストも兼ねてカルネ村を襲撃、敗北する。
リュラリュース・スペニア・アイ・インダルン
書籍版で登場。トブの大森林の中で「西の魔蛇」と恐れられるナーガ。桁外れの力を持つアインズに忠誠を誓う。魔樹以前に大森林を支配していた闇妖精に関する知識を持つ。

用語

ユグドラシル(YGGDRASIL)
近未来、西暦2126年に日本のメーカーが発売したDMMORPG
種族は数百種を揃え、職業は二千を越えつつも自由に取得可能、個人の技量を持って自由にカスタマイズできる外装、北欧神話を下敷きにした九つの広大なマップなど、同種のゲームと比較しても圧倒的な自由度の高さを持ち、国内最高峰といえる爆発的な人気を博した。
プレイヤー
本作では異世界に転移したユグドラシルの利用者を指す。プレイヤーはユグドラシルのゲーム内で作ったアバターのままで異世界に転移し、転移後はアバターの性能や保持していたアイテムが引き継がれる。また、アバターの種族によっては肉体面・精神面の両方で大きな変化が生じる。
ツアーによれば一定周期でプレイヤーの転移が行われるようだが、詳しい原理は明かされていない。中には一度に複数のプレイヤーが転移されたり、ギルドの拠点ごと転移されたりすることもある。
プレイヤーは総じて異世界では強力な存在であり、異世界の常識からは逸脱した膂力や魔法を行使できる。そのため、プレイヤーに対抗するならば、同等の存在(プレイヤー)かユグドラシルのアイテム使用者、現地における最強種族などでなければ太刀打ちできない。
現在はアインズ以外のプレイヤーは登場していないが、他のプレイヤーの存在は作中で示唆されている。アインズよりも以前に転移されたプレイヤーが残したと思われる世界級アイテムやギルド武器などユグドラシルのアイテムが現存している他、冷蔵庫や扇風機などプレイヤーが伝えた知識を基にしたマジックアイテムの存在が確認されている。また、「神人」と呼ばれるプレイヤー(六大神)の子孫も登場しており、彼らは隔世遺伝により強力な能力を発現させている。
このユグドラシルから異世界に転移した人間は現状(物語開始時点 - 最新話)でも多数に上る筈だが、作中で触れられる限りでは現実世界でそれが取り沙汰されるどころか噂話にもなっておらず、アインズ・ウール・ゴウンのメンバーや、その他ベテランユーザーもこの件に関しては一切の関連知識・情報が皆無な状態だったと思われる。前述のツアーもあくまで転移後にこのからくりを知ったと言える。
現実世界
モモンガというHNでユグドラシルをプレイしていた鈴木悟のいた西暦2138年は、環境破壊により地表が完全に汚染されたディストピアである。空は黒色のスモッグで覆われ、有毒物質を含んだ濃霧が発生するため外出には防毒マスクが必須。日照時間が極僅かなことで植物が枯れ鳥・昆虫も絶滅に瀕している。河川の汚染も酷く蛇口の水も浄化フィルターでろ過をしなければ飲めない。このため従来の農業は破壊され食品の価格は高騰、生野菜・果物は庶民には手が届かない高級品と化した。
国政は22世紀初頭、環境破壊が原因で農産物が枯渇した際、各地で暴動・クーデターが勃発し時の政治家は失脚。その混乱の間隙を縫い巨大複合企業行政立法司法の「三権」を掌握し国政を牛耳る。巨大複合企業の社員・関係者ら富裕層はアーコロジーに移住し外界から隔絶されているが、大半の庶民は会社員として社会を形成している。しかし、会社を解雇されようものなら自給自足の生活もできない世界なので、犯罪に手を染めない限り野垂死ぬ運命が待つ。
2138年の世界は義務教育が撤廃されているため、庶民にとっては小学校に通うのにも安くない学費が必要となる。娯楽も室外でのスポーツ等は困難で専ら室内でのボードゲーム・映画鑑賞・DMMO-RPGに限られる。

地理

ナザリック地下大墳墓
元々は地下6階層からなる墳墓であったが、ここを攻略し本拠地に定めたギルド「アインズ・ウール・ゴウン」が開拓・増築し地下10階層に至るまでの規模となった。
ユグドラシルではヘルヘイムの辺境にある湿地帯の奥にあり、周囲をグレンデラ沼地[4][17]という毒沼で覆われていたが、転移後の世界では草原の中に出現した。
カルネ村
トブの大森林南端の外れにある村。エ・ランテルから北東、ナザリックから南西に約10キロの地点にある。人口は25世帯120人ほどであったが法国の襲撃、仮面を付けた魔法詠唱者アインズ・ウール・ゴウンの来訪および、後にその魔法詠唱者と敵対した王国の第一王子軍の撃退を経て、「エンリ将軍閣下」なる人物に率いられたゴブリンの軍勢5000を常備する村へと変貌した。
ゴブリンの軍勢の力は王国や帝国軍を正面から全滅させられるほどである。
ウェブ版では約100年前にトーマス・カルネという開拓者が切り開いた。
リ・エスティーゼ王国
ナザリック近隣三ヶ国の一つ。ナザリックからして北西の位置に存在する。人口は800万~900万人ほど。 
王家と大貴族やその他貴族の勢力が拮抗し、最近まで奴隷が公認されていた封建国家。領土の3割を王家が、3割を大貴族が、4割をその他の貴族が統治している。制度的に硬直化している自国を憂う者もいる一方、貴族の腐敗や国政の場での足の引っ張り合いによって遅々として改革は進まず、神官を除き魔法詠唱者も重用されずむしろ軽視されている。軍は農民の徴用によって賄っているが、練度や指揮の問題から農繁期に関わらず大規模な軍を組織しざるを得ない。
王都は「リ・エスティーゼ」。華やかさには欠けるが歴史情緒溢れる都市である。否定的に見れば古めかしく面白味のない都市ともいえる。道幅は狭く、帝国に比べ道路は舗装されていない箇所も多い。王都最奥部にあるロ・レンテ城は外周1400m、周囲を城壁で覆い、円筒形の巨大な塔が12基ある。王族は城内のヴァランシア宮殿で生活している。
エ・ランテル
帝国、法国との境界に位置する王国内の城塞都市。
三重に囲まれた城壁によって中心部から行政・倉庫区画、市民区画、軍の駐屯区画と機能別に分割されている。軍事的にも要衝であり、近年行われている帝国との会戦においても王国軍の集結地として、食料調達を行うのが常となっている。
書籍版では、大虐殺後にナザリック魔導国に割譲され支配下に入った。
スレイン法国
ナザリック近隣三ヶ国の一つ。ナザリックからして南方の位置に存在する。
六百年前に降臨した六大神の人間種に対する加護を基礎とし建国された宗教国家。他国では地水火風の四大神を崇拝しているが、法国においてはそれらに加えた本来の形として光闇の二柱を上位神として奉ることから、宗教的摩擦も存在する。
人間がこの世界における劣等種であることを自覚しており、その危機感からか一応神格ごとの派閥に分かれつつも強く結束している。
その一環で裏で亜人種の掃討や各国要人の暗殺などを行っているが、それを支えるのが六色聖典と呼ばれる特殊部隊である。各部隊成員の質は高く、その人材発掘のため戸籍制度も整備することなどから潜在的な国力は高く帝国の周辺国では最強と目されている。
国家の特性上、他国とは異なり信仰系魔法詠唱者が神殿でなく国家直轄となっているのも特徴。
前述の亜人種の掃討や奴隷化・暗殺等の理由でガガーランなどからは敵視されているが、人間にとっては守護神と言っていい存在であり法国から離れれば「人間は奴隷もしくは食料」程度にしか扱われていない国もある(事実ガゼフの暗殺も強大な他種族に対抗するため人間を1つの勢力にまとめるという目的によるものであり、アインズによって陽光聖典が壊滅したために竜王国は支援を受けられずに甚大な被害を被っている)。
法国出身の人間は名・洗礼名・姓の順で表記される。
バハルス帝国
ナザリック近隣三ヶ国の一つ。ナザリックの北東の位置に存在する。王国同様建国から二百年ほどの比較的新しい国家であるが、代々有能な君主を輩出して国力を高めていった。帝都「アーウィンタール」は王都と比べ規模こそ劣るものの石畳が敷かれた計画都市として発展している。
皇帝直属の「帝国四騎士」や「近衛隊」、「皇室空護兵団」(ロイヤル・エア・ガード)「皇室地護兵団」(ロイヤル・アース・ガード)の他に、専業の騎士からなる常備軍を有しており、一軍一万を単位とした明確に上意下達の指揮系統が形成されている。総兵力は八軍(書籍版では加えて一軍を秘密裏に編成している)。近年では毎年の様に王国に対し出兵し、近い将来の帝国への併合を狙い国力の疲弊を誘っている。
国家機関としては「帝国情報局」等がある。王国とは違い魔法に関して理解が高く「帝国魔法省」では日夜研究が行われている。「帝国魔法学院」では魔力系魔法詠唱者のみならず、将来の騎士や官僚候補に専門の教育を施すなど人材育成にも熱心である。一方で神殿関係の完全掌握は未達成なため、信仰系魔法詠唱者は少なく、蘇生魔法に至っては行使できる者は皆無である。
アーグランド評議国
王国の北西部に位置する亜人種によって運営される国家。人間至上主義の法国とは相容れず、互いにとって潜在的な敵国と言える。対外的には評議会議員を務める五体の竜が有名。
ローブル聖王国
王国の南西に位置する小国。国土は王国の半分程。アベリオン丘陵の亜人等を警戒し国土を覆う巨大な城壁を築いている。著名な戦闘者として聖剣を駆使する女性の聖騎士がいる。
聖王国東部には国土を上回るアベリオン丘陵とエイヴァーシャー大森林があるため、地図上では近い位置にある法国との交易は途絶えている。
ウェブ版での設定では数年間の徴兵制度があるらしく、一定の年齢に到達した男性は武器を扱える。ただしその練度は法国の女性神殿衛兵より低い。
竜王国
帝国の南方、法国の東方に位置する王国。竜王たるドラウディロン・オーリウクルス女王によって治められている。近年は隣国のビーストマン達の侵攻による被害が大きくなり、国体の存続が危ぶまれている。
カルサナス都市国家連合
帝国の北東に位置する連合国家。著名な戦闘者として勇者や闇騎士がいる。
海上都市
帝国東方の海上にある都市。ツアーが言うには都市の最下層に「彼女」と呼ばれる存在が眠りについている。
浮遊都市
法国南方の砂漠にある都市。八欲王が創り上げ首都は世界の中心にある大樹という意味である「エリュエンティウ」。都市全域が魔法による結界で覆われ浮遊城から水が無限に流入している。この都市は高レベルの魔法武具を装備した都市守護者30人に守られている。都市内には八欲王の遺産である非常に希少なアイテムが存在する。
飛竜部族の地
帝国南方にある、多くの山脈が屹立している国。ワイバーンを飼い馴らし空中騎兵隊を組織している。
アゼルリシア山脈
王国と帝国の境界線である山脈。南にはトブの大森林が広がっている。山脈北部には「霜の竜」(フロスト・ドラゴン)が生息している模様。
トブの大森林
瓢箪型の湖や蜥蜴人の集落等がある。
カッツェ平野
王国・帝国・法国・竜王国に隣接しアンデッドの発生場所として悪名高い平野。年に一度、王国と帝国の戦闘における舞台でもある。常時平野を覆っている霧には微かにアンデッド反応が出る。出現するアンデッドには「骨の竜」(スケリトル・ドラゴン)、デス・ナイト、幽霊船船長の「死者の魔法使い」(エルダーリッチ)といった強力なモンスターも存在する。数百年前と思しき建造物の残骸や尖塔が残存している。
アベリオン丘陵
聖王国と法国を隔てる境界の荒野。以前は丘小人の王国が建設されていたが他の亜人に滅ぼされてしまった。スクロール製作に必要な羊皮紙の材料を入手・生成しているデミウルゴスの牧場がある。
エイヴァーシャー大森林
アベリオン丘陵南方の大森林。
ササシャル遺跡
吟遊詩人の歌に登場する巨大な遺跡。グリンガムが言うには遺跡の入口付近に中枢まで一気に辿り着ける通路があったとされる。
ガテンバーグ
300年ほど前に存在した人間種の国。「伝言」の魔法を重要視し都市間に張り巡らせたが、3つの虚偽情報を受け内乱状態に陥り、結果的に滅亡した。

組織

ユグドラシルのギルドには下記のアインズ・ウール・ゴウン以外にも、占拠した城で作成したNPCを全て猫や猫科の動物にした「ネコさま大王国」、3つの上位ギルド(「the Father」、「the Son」、「the Holy Spirit」)が連合して構成されたギルドランク1位の「トリニティ」、未発見をひたすら追求するのみに特化したギルドランク2位の「ワールド・サーチャーズ」、関連ギルドを含めると全盛期はギルドメンバー3千人に到達していたギルドランク3位の通称「2ch連合」、天使系統種族のみのプレイヤーで構成されたトップギルド「セラフィム」[5]、スパイを送り込んだ上位ギルドから情報を収集し自分らが運営する有料情報サイトで公開していたが、上位ギルドの怒りを買い攻め込まれて崩壊した「燃え上がる三眼」等があった。

アインズ・ウール・ゴウン
最盛期にはユグドラシルの数あるギルドの中でも第9位に連ねた組織。41名から成る構成員は全員が社会人、かつ異形種であることを条件として加入しており、彼らは後にナザリックに属する者から「至高の41人」と呼ばれることになる。
難攻不落を謳われる本拠地「ナザリック地下大墳墓」がかつて1500名からなるプレイヤーの侵攻を受けながら跳ね返し、この際に奪取したものを含め、世界級アイテムをダントツの11個を保有することなどで知られる。しかし、功績を残しながらもPKを積極的に行うような悪のロールプレイを本分として心がけたことなどによって、むしろ悪名を轟かせていた。
前身はたっち・みーが発起人となった9人の異業種プレイヤーから成る集団(クラン)「九人の自殺点」(ナインズ・オウン・ゴール)[5]
所属メンバーの大半が去りギルド長モモンガのみが残された転移後の現状においては、かつてキャラメイクしたNPCも一部例外を除きすべて異形種であり、属性もほとんどが悪側に傾いている。これらの性質によって、NPC達は自陣営へ強い帰属意識を保っている反面、自らの高い能力も相まって外部および人間種・亜人種への蔑視感情が色濃い。
至高の四十一人
ナザリックに所属する全NPC及びシモベからのギルド「アインズ・ウール・ゴウン」所属プレイヤーに向けた呼び名。
現実に自ら思考し行動するようになった彼らは自らの創造主である四十一人を文字通り神の如く崇拝しており、その存在理由を彼らの役に立つためと言い切っている。NPCにとって彼らに仕えるという点で言えば、一介のメイドも階層守護者も立場は同じという認識である。性格や与えられた立場から態度からどうしても違いは出てしまうが、彼らの同属意識は非常に強いと言える。
現在はモモンガ(アインズ)を除く全員がナザリックを離れているため、その忠誠は彼一人のみに向けられている。ただし、一応各NPCにとっては自らの制作者への忠誠の方が優先されるようである。また、NPC達はゲームが現実となった後はテキストで表記された設定に忠実な性格や能力を得るようになったものの、ギルドメンバーからはそれ以外の面でも影響を受けている。たとえば関係性では、ペロロンチーノとぶくぶく茶釜の姉弟関係をアウラとシャルティアの間のそれと見なし、設定では「仲が悪い」と定められつつも仲良く喧嘩し合う仲であったり、性格面でアインズがセバスに制作者であるたっち・みーの姿を見たりといった具合である。
九人の自殺点(ナインズ・オウン・ゴール)
アインズ・ウール・ゴウンの前身である集団(クラン)。発起人・クラン長はたっち・みー。解散時のメンバー数は27名。
かつてユグドラシルにて異業種狩りを行うと就ける職業が人気の頃、多くの異業種プレイヤーはPKを警戒して自分達に有利なヘルヘイムやムスペルヘイム、ニブルヘイムから出なかったが、「九人の自殺点」は積極的に他の世界へ打って出た。このため異業種狩りに多く遭遇し、自分達が異業種狩りプレイヤーの得点となったという自虐的な意味を込めて、集団名は自殺点となっている。
モモンガが漆黒の剣の面々に語ったところによると、最初の九人はモモンガの他に「聖騎士」(たっち・みー)・「刀使い」(武人建御雷)・「神官」・「暗殺者」(フラットフット)・「二刀忍者」(弐式炎雷)・「妖術師」・「料理人」・「鍛冶師」(あまのまひとつ)である(ただし、あらぬ誤解を招かないためか、暗殺者・二刀忍者の箇所を「暗…盗賊」「二刀忍…二刀盗賊」と言い直している。)。
弐式炎雷から未探索ダンジョン・ナザリック地下墳墓発見の報告が上がった定例連絡会で、たっち・みーからクランの解散及びギルドの創設が提案され、ギルド長にはモモンガが推薦され決定している(なお、モモンガは彼個人の考える新ギルド名を試しに尋ねられた際、『異業種動物園』と回答している。)。
風花聖典(ふうかせいてん)
法国の誇る特殊作戦部隊「六色聖典」の一つ。
情報系魔法などを扱い、諜報を行う部隊。
書籍版ではアインズから彼ら基準では強烈な攻撃を受け、大きな被害を受けた。
ウェブ版では諜報魔法に失敗し、ナザリックに対して一歩引いた対応をした。
陽光聖典(ようこうせいてん)
法国の誇る特殊作戦部隊「六色聖典」の一つ。
総員百名に満たない員数は、第三位階の信仰系魔法の習得を加入の最低条件とし、肉体、精神、信仰心など求められる水準の高さによる。任務特性としては亜人種の集落殲滅などの戦闘行為を主とする。
書籍版では漆黒聖典が諸事情で動けなかった都合上、代わりにガゼフ抹殺の任務を受け長期に渡る作戦を行う。彼をあと一歩のところまで追い詰めるもののアインズの目に留まったのが運の尽き。隊長以下作戦に従事した総数四十名程度は捕縛され、過酷な末路を辿る羽目になった。
漆黒聖典(しっこくせいてん)
法国の誇る特殊作戦部隊「六色聖典」の一つ。
構成員は十二名程度と少数であるものの、全員が英雄級の実力を有する法国最強の部隊である。
真なる神器(世界級アイテム)を守護し、伝説級以上と目される強力な武装を保有する。更には六大神の先祖返りとされる神人が加入している。
ズーラーノーン
アンデッドを使役する邪悪な秘密結社。
トップに立つ盟主は「死の螺旋」を行い、一都市をアンデッドの跋扈する死都へと変えたという。最高幹部は高弟と呼ばれ、全員で12人存在する。
死の螺旋
かつてズーラーノーンの盟主が行った都市壊滅規模の魔法儀式。アンデッドの集まる場所には、高位のアンデッドが出現する傾向があり、高位のアンデッドが集まると更に上位のアンデッドが出現するという負の連鎖の現象を利用し、強力なアンデッドを召喚しようとする邪法。カジットは下準備を5年をかけて施した上で、引き起こされた死の螺旋から生じる膨大な負のエネルギーを自身に封じ、自らを強大なアンデッドに変貌させようと画策していた。
実際は約200年前に、ある勘違いをした者が説明したことを契機に誕生した魔法儀式の失敗作である[14]
死を撒く剣団
団員数約70人で構成される傭兵団。平常時は盗賊稼業も行っているが戦時は傭兵として戦場を駆け巡る。アジトをシャルティアに襲撃され壊滅する。ブレインやザックが所属していた。
八本指
リ・エスティーゼ王国の裏社会を牛耳る組織で、名は魔神の一体の特徴に由来する。
ウェブ版では八人の幹部からなる比較的小所帯な組織であったが、書籍版では麻薬、密輸など異なった違法分野に手を染める八つの犯罪組織の連合体になっている。その手は王国の腐敗した貴族たちを抱き込み、幹部の釈放を実現させるほどに長い。内、警備部門はアダマンタイト級とも目される実力者で構成された部隊「六腕」を擁していたが、セバスによって瞬殺された。その後、ナザリックがリ・エスティーゼ王国を間接支配する目的で下部組織として秘密裏に再編された。
冒険者ギルド
この世界における冒険者は遺跡探索などを行う場合もあるが、基本的には人間の生存圏内に出没するモンスターを狩る傭兵としての役割が強い。基本的には国家の行う治安維持を代弁する存在ということもあり、国からは疎まれるということもあって地位はあまり高く置かれていない。
基本的に各国である程度は保有しているが、常備兵を置く帝国では地位が低下しつつある。スレイン法国では例外的に存在していないが、一方でこの制度を整備したとされる。
王国において冒険者はギルドによって一元管理されており、所属するものおよび依頼の難度は低位から銅、鉄、銀、金、白金、ミスリル、オリハルコン、アダマンタイトの順に与えられたプレートによって評価が為され、また選択可能な仕事の幅を示している。なおウェブ版では金属ではなく、アルファベット表記である。
また一般の兵士とは隔絶した実力を持ち、強者による弱者の草刈り場になるという理由から亜人種による侵攻などを除き基本的に国家間紛争には介入しないという原則を持つ。
王国全体では三千人ほどと把握されており、白金以上はその二割程度、ミスリル以上なら金銭的な不自由はせず名声などを求めるものがほとんどである。最高峰のアダマンタイトに至っては各国において数パーティしか存在せず、モモン台頭以前は王国内に「蒼の薔薇」と「朱の雫」の二組しか存在していなかった。
ワーカー
冒険者の内、冒険者の不文律とギルドの統制を嫌って冒険者ギルドに属しない脱退組の総称。
彼らが脱退、もしくは元々所属していなかった理由は様々であるが、多くは効率の良い金銭稼ぎや殺戮の快楽などの後ろ暗さを求めた結果である。事前の情報収集とランク付けによって所属者を守るギルドから離れ後ろ盾を持たない身分になった分、彼らが受ける危険性は高く総じて一般の冒険者より問題を抱えている。 
難度
冒険者が経験則などから付けるモンスターの討伐難易度。
状況や個体差によって変動するため、大まかな判断基準にしかならないが危険な相手を避けるための目安として役立てている。
現地における冒険者や兵士などの戦闘者たちが実際のレベルを認識しているわけではないが、ユグドラシル基準のレベルで難度÷3ほどに換算されると推測できる。
また、この難度認定には実力が大きく離れると強さを判断することが極めて難しくなるという事情を斟酌する必要がある。
イジャニーヤ
帝国東北部や都市国家群などで暗躍している暗殺者組織。
十三英雄の一人・暗殺者イジャニーヤの弟子達が技術を継承するべく形成した。特定の組織には属しておらず、カウンターアサシンとして配下に収めたい帝国が打診しているが断られている。ウェブ版ではアインズの力を探るためクレマンティーヌが刺客として雇ったが返り討ちに遭う。
六大神
六百年前にこの世界に降臨したとされる六柱の神々。
アインズは法国にそれらが遺したという魔法やモンスター(天使)、アイテムとの符合から、過去ユグドラシルから自分同様に転移したプレイヤーであると推論を立てている。
後世にはこれら神格に仕える多くの従属神が堕落し、後の魔神となったという。
八欲王
五百年前、突如として出現し大陸を制覇したが、互いの強欲さのあまり仲間割れを起こし相争って死に絶えたとされる存在。
竜王との戦いで倒される毎に幾度か復活したが、その度に弱体化したとあるので転移したプレイヤーと推測される。作者によると7人が男で1人が性転換した女とのこと。
一説に神の力を奪ったともされる彼らがどのような姿をしていたかは定かではないが、強大な力を有していたという点は確かであり、彼らが首都として作り上げた南方の浮遊都市を筆頭にその名残を伝える文物は数多い。話の性質上、識者からの知名度は低くないものの御伽話としての人気は非常に低い。
ウェブ版では六大神最後の生き残りであるスルシャーナを殺害した。
十三英雄
二百年前に大陸を脅かした魔神達を討伐し、世界を股にかけて活躍したという十三人の英雄。
誰よりも弱かったが、無限に成長する才覚を持ち最強に上り詰めたリーダー、風巨人の戦士長、悪魔との混血児である暗黒騎士などが所属していた。実際は一般に知られるより数多くの英雄がいたようだが、種族の垣根を越えて集ったという性質上、人間が主体を占める国家では十三人に伝承が絞られている。
英雄の遺物を得ることを目標とする冒険者からわかるように一般的な認知度は高く、また「英雄」もしくはそのクラスと称される人物は最高位の実力者と目されている。

種族

人間種

狭義としての人間以外に、エルフドワーフなどのヒューマノイドタイプの人種を加えた総称。

人間
いわゆる狭義としての人間。身体能力や知性面が他種族に比べ劣るため、世界全体では「劣等種族」に置かれることが多い。
ナザリック周辺ではこれらが大多数を占める三ヶ国を形成しているが、数の利によって覇権を握っているというわけではなく他の強靭な種族に大陸北部の平野部に追いやられた結果が大きい。この地域としての科学技術レベルは魔法技術を除けば中世程度で人種としての特徴はコーカソイドが多い。
森妖精(エルフ)
特徴として尖った耳をしており体つきは肉感的にはならない。人間と交易も行うが、ナザリック近隣三ヶ国では人間がほぼ10割のため人間種といえども多少暮らしにくく、法国では奴隷として認められ、帝国でも法国から流入してきた奴隷が存在する。奴隷とされる際は耳を半分以上切り落とされる。
半森妖精(ハーフエルフ)
エルフと人間のハーフ。
闇妖精(ダークエルフ
褐色の肌を持ったエルフ。エルフと違い体つきは肉感的になるらしい。昔はトブの大森林に君臨し国を作っていたが、魔樹ザイトルクワエの出現以降はトブの大森林から姿を消した。現在は南方の大森林の奥深くの人跡未踏の地に移住している。奥深い森林地帯に居を構えているため近隣三ヶ国との接触は乏しいが、極僅かながら人間の生息域に暮らす者も存在する。
ワイルドエルフ
ウェブ版で言及された。エルフと違い体つきは肉感的になるらしい。
山小人(ドワーフ)
山岳地帯に生息している種族。アゼルリシア山脈にドワーフの王国がある。金属に関しては造詣が深く金属加工等にも秀でている。帝国とは貿易を行っているため帝国内でのドワーフの権利は守られている。
闇小人(ダークドワーフ)
アベリオン丘陵に生息している種族。ゴブリンやオーガといった奴隷と交換で丘陵に生息する多くの亜人部族に金属製の武具を提供している。

亜人種

ゴブリンやリザードマンなど直立二足歩行は行うが、人間種とはかけ離れたいわゆるデミ・ヒューマンの総称。職業レベルのみの人間種とは異なり、亜人種・異形種に当たる存在は種族レベルが設定される。

ゴブリン
いわゆるゲームにおけるゴブリン。一般的に体格には優れず、知性も人間に比べると劣っているが個体差は大きい。文明を得ると一気に増えるという特性を持つ。
森林地帯に居を構えるゴブリンはオーガと共生関係にあり、部族社会を営んでいる。
ホブゴブリン
ゴブリンの亜種。知性や体格において優れるが繁殖力は劣る。
人食い大鬼(オーガ
身長3m程の大柄な種族。本来は雑食で人間以外も捕食するが、人食いの由来は人間を捕らえるのが一番簡単であるからである。自分の部族以外では食事を提供してくれるゴブリン部族のみと共存するという珍しい習性をもつ。
豚鬼(オーク
アベリオン丘陵に生息する種族。デミウルゴスによる人間との異種交配の実験に利用されている。
妖巨人(トロール
長い鼻と長い耳を持つ巨人。身長は2m後半~3m程。オーガ以上の力と肉片からでも蘇るという驚異的な再生能力を持つ。嗅覚も鋭い。
大陸中央部にはトロールの国があり、客をもてなす最高の食材として、母親の胎内にいる6ヶ月の人間の赤ん坊が食されるという。
適応力が高く火山地帯・海・山岳・橋・洞窟、そして戦闘に特化したトロールなど、場所に応じた亜種が非常に多い。
蜥蜴人(リザードマン)
人間のように発達した手足を持ち、二足歩行をする蜥蜴の姿をした種族。平均身長は成人した雄で190センチ。主に湿地に住居を構え、漁労を中心とした閉鎖的な狩猟採集社会を営んでいる。特定の神を持たず、素朴な祖霊信仰がもっぱらとしている。
彼らが生きるのは強さを基準として選定される族長の下、年長者で構成される長老団、戦闘を専門とする戦士階級などが続く階級制の部族社会である。
祭祀達や狩猟班などこれらの枠組みから一定程度外れた集団も存在するが、あくまで族長の指揮のもと行動する。
稀に部族の外に出ようとする成員も出現し、これを「旅人」と呼ぶ。
旅人になる場合は胸に特別な焼印を押されて区別され旅立つが、多くは外部で斃れるかそこに生活の糧を得るため戻ることはない。ただ、帰ってきた旅人は外界の知識を持ち帰ることから階級の枠を外れつつも一定の尊敬を集める。
ビーストマン
二足歩行をする肉食獣(ライオンやトラ等)の姿をした種族。成人したビーストマンは人間の成人の10倍の力(難度)を持つ。肉食のため人間も食糧とする。
ビーストマンの国は大陸中央部で覇を競う六大国の一角。近隣の竜王国に攻勢を掛け、3つの都市を制圧している。
ウェブ版では巨大なケンタウロス型ゴーレムを8体所有していたが、牛頭人との戦争で破壊され4体に減少した。
伝承では、3体の魂喰らい(ソウルイーター)がビーストマンの国の都市に出現した際、10万以上の犠牲を出し、その都市は沈黙都市と呼ばれた。
牛頭人(ミノタウロス
以前ビーストマンと戦争を繰り広げた牛の頭をした種族。牛頭人の国では人間は単なる食料であったが、ミノタウロスのプレイヤー「口だけの賢者」の尽力で人間は奴隷階級まで引き上げられている。
トードマン
ひょうたん湖北東に生息する蛙に似た種族。巨大なモンスター・魔獣を使役する技術を有している。蜥蜴人とは険悪な関係で、シャースーリューの祖父の代には戦争が起き、蜥蜴人の部族の一つが壊滅状態に追い込まれた。コキュートスによる侵攻を受けた模様。

異形種

人間種・亜人種に当てはまらないアンデッドスライムなどのいわゆるモンスター種族の総称。総じて寿命はないとされている。プレイヤー・NPCと自然発生・召喚されるモンスターは字面こそ同じ種族であるが、前者が職業・種族レベルを厳密に割り振られたものであるのに対し、後者は単にモンスターレベルが表記されるに留まるなど、ゲーム中では明確に区分された存在となっている。 ゲーム時代は人間種・亜人種と比べ能力値の伸びが良くモンスターに由来する耐性や特殊能力を取得できたものの明確な弱点が発生することが多く、加えてPKされても相手にペナルティがない、一部の都市に出入りできない、一部の職業に就けないなど明確なデメリットが存在していた。そのため種族レベルを伸ばさず、有用な職業を取得した方が全般的な強さの向上につながるという理由から異形種で遊ぶプレイヤーは一般的には玄人好みとされていたようである。

アンデッド
偽りの生命力、負のエネルギーによって動く生ける屍、非実体系のゴーストなどの総称。知性の多寡こそあれ、総じて生あるものを憎み滅しようという傾向で動く。
神聖・炎など弱点も多いものの精神攻撃を無効とし、飲食も不要とするなど明確な特色を持つ。
都市の墓場や古戦場などの死の気配色濃い地で自然発生する。これが倒されずに放置されるとより強大な個体が生まれるようになり、質・量ともに次第に手に負えなくなる。そのため、時に国家間の取り組みさえ混じって定期的な駆除の手が入る。なお、この悪循環を魔法詠唱者が召喚などを用いて人為的に行う「死の螺旋」なる邪法も存在する。この目的は大量のアンデッドを発生させて都市を滅ぼし、生じた負のエネルギーを利用して自らをアンデッドに変成させることである。
吸血鬼(ヴァンパイア)
発達した犬歯による吸血および眷属化、魅了の邪眼、高い再生力、銀製や魔法の武器でなければ傷を負わせられないなど一般的な吸血鬼の特徴を持つ。
ただし、ユグドラシルにおける外見は通常の人間とは異なり、口は大きく裂け異常な姿勢で襲いかかってくるなど異形の怪物のものである。これは下位・上位の区分およびNPCのシャルティアも例外でなく適用され、彼女が普段美しい姿をしているのも擬態と言ってよい。
高水準の能力を持つ反面、バランスを取るために血を浴びると一定の操作が効かなくなる「血の狂乱」というペナルティが設定されており、転移後においては我を忘れ欲求の赴くままに暴走してしまう。シャルティアは慎重さを期待される任務の遂行に当たって危惧されたのもこれが原因である。 
同系統のモンスターとしては例外的に美しい「吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)」、ヴァンパイアの吸血や作成魔法によって誕生する知性に乏しい「レッサーヴァンパイア」、上位種の「真祖(トゥルーヴァンパイア)」、更なる上位種に「始祖(オリジン・ヴァンパイア」などが存在する。
死者の大魔法使い(エルダーリッチ)
白骨に薄皮が張り付き、朽ちたローブや幾ばくかの装飾品で彩られた魔法使いの死体。ファンタジー作品における典型的なリッチである。
肉体的には脆弱なものの複数の魔法を操り、知性に優れるなど一般的な冒険者にとっては危険な水準にある。転移後の世界においては死が濃密になった場から自然発生する他、特定の儀式によって魔法詠唱者が転生するなど、ユグドラシルでのモンスターとプレイヤーのそれを彷彿とさせる関係が存在する。
同系統のモンスターとしては下位種の「スケルトン・メイジ」、アンデッド最高峰とも言われる種族「オーバーロード」など。
死の騎士(デスナイト)
アインズが好んで使用する召喚モンスターの一つ。転移後は儀仗兵などにもよく利用されている。
文字通りのアンデッドの騎士であり、2mを越える屈強な体躯を鎧で包み、兜からは腐乱した悍ましい貌が覗く。
Lv35相当とさして高レベルと言うわけではないが、攻撃力にやや劣る分防御能力に長けており、どのような攻撃を受けても一度だけ消滅せず踏みとどまるという優秀な特性を持っている。ただし、転移後の世界の住人にとっては一部トップクラスを除いては対処困難な伝説クラスのアンデッドである。
その他の能力として、殺害した敵を従者の動死体(スクワイアゾンビ)というアンデッドに変えて使役するという能力も持つ。
見かけによらず高い知性を持っており、アインズに召喚された個体はナザリック内の者といかなる手段によってか意思疎通をしていた。
ウェブ版では大虐殺の際、アインズの召喚した300の兵としてスケリトル・ドラゴンに騎乗したデスナイトが登場した。
スライム
ゼリー状や粘液状のモンスター。種族特性として物理攻撃への耐性や装備品への腐食破壊などを有する。
初期の「粘体」(スライム)のほか、上位種には「蒼玉の粘体」(サファイア・スライム)、「不定形の粘液」(ショゴス)、「始まりの混沌」(ウボサスラ)、超巨大奈落(アビサル)スライム、「古き漆黒の粘体」(エルダー・ブラック・ウーズ)等がいる。ユグドラシルでは手持ちアイテム以外を装備しても外見に変化は無く、体内にそれらが浮かび上がるという描写がされている[4]
昆虫型のモンスター。
昆虫の森司祭(インセクト・ドルイド)、蜘蛛人(アラクノイド)、蟻人のほか、上位種には蟲王(ヴァーミンロード)等がいる。
悪魔
魔界とも呼ばれる場所から喚び出されるという邪悪の化身。
天使同様同レベル帯のモンスターより若干強い傾向にあり、人間を苦しめて喜悦に浸る性質上アンデッド同様に危険視される種族である。
魔将(イビルロード)
デミウルゴス配下のシモベの中でも最高峰に位置し、いわば親衛隊に当たるLv80台の傭兵モンスター。
現在確認されている中では「憤怒(ラース)」、「嫉妬(ラスト)」、「強欲(グリード)」など。傾向こそ違うものの七つの大罪に因んだ高位の悪魔らしい外見をしている。低位の悪魔を召喚する能力を持っており、王都を襲撃した悪魔の軍勢は彼らが手配したものである。
拷問の悪魔(トーチャー)
拷問具を装備した悪魔。簡単な回復魔法を使うことが出来、囚われた哀れな犠牲者は致命的な傷と痛みを受けた所で死ぬことを許されず、延々と苦痛を味わい続けることになる。ナザリックではその性質上、拷問官のニューロニストや牧場を経営しているデミウルゴスの下を職場としている。
乳白色をした2mほどの長身には紫色の血管が浮かび、顔は革製覆面で覆われている。
影の悪魔(シャドウデーモン)
影に潜む悪魔。文字通り平面的な姿をしており、隠密性が高い。監視要員や斥候としてナザリック外界でよく用いられている。
天使
法国では神に仕える存在とも呼ばれ、邪な存在への相性が良い。一方で、他国では単に召喚されるモンスターであるとの認識が主流である。
召喚で出現する天使はレベル帯によって「天使の九階級」に沿った序列があるようで、最高級である熾天使はアインズをして警戒させる強さであるらしい。
精霊
魔法詠唱者に召喚されるモンスター。
湿地の精霊(スワンプエレメンタル)、根源の火精霊(プライマル・ファイヤーエレメンタル)等がいる。
二重の影(ドッペルゲンガー)
ピンク色した卵のような頭部に、鼻や耳などが無い顔はのっぺりとしていて目や口の部分にはぽっかりと穴が開いている姿をしている。人間のより長いシャクトリムシに似た指が三本ある。
上位種族に「上位二重の影」(グレータードッペルゲンガー)がある。
人馬(セントール)、 蠍人(パ・ピグ・サダ)
エ・ランテル魔術師組合長・テオ・ラシケルによると人馬は草原に、蠍人は砂漠に部族を形成している。
ナーガ
胸から上は人間、下は蛇という姿をした種族。多少は魔法を使用できる。
巨人
亜種と推測される風巨人(エア・ジャイアント)には十三英雄の一人・「風巨人の戦士長」がいる。また醜悪な容貌をした半魔巨人(ネフィリム)も亜種か。
植物
ヴァイン・デスなどの種族がある。

能力

武技(ぶぎ)
戦士にとっての魔法と言える特殊能力。ウェブ版ではユグドラシルにも存在したものだったが、書籍版ではこの世界独自のものに変更され、ナザリック勢力が該当箇所で使用する際は魔法や後述のスキルに置換されている。
使用者の一人であるガゼフの感覚に従えば脳内にはポイント化された集中力があり、複数の武技の発動や逆に複数の集中力を使用する強力な武技を使用するに当たっては切り替えているとのこと。
内容としては装備や能力の強化を行うほか、範囲攻撃や超速の斬撃などを行ういわば必殺技に当たる武技などが存在する。強烈な一撃も受け止める「要塞<フォートレス>」など複数に知られたものがある一方、個人が独自に編み出したものも存在するなど、そのあり方は多種多様である。また、同じ系統の武技であっても使用者によってより強力なものに派生するようだ。
生まれながらの異能(タレント)
書籍版のみの登場。正確にはウェブ版で存在は示唆されていたが、明文化された形になる。
文字通りの意味を持つ一種の才能であり、この世界の人間は強弱様々なそれを二百人に一人の割合で得る。天気予報のような単純に便利なものもあるが、特に選択可能なものではないため「魔法適性」など職業選択の前提に位置するようなものは魔法詠唱者としての才能が無い場合は宝の持ち腐れに終わる。
ニグンの「召喚モンスターの強力化」、ンフィーレアの「あらゆるマジックアイテムが使用可能」などが現在確認されている。
特殊技術(スキル)
データ(魔力)量が低い攻撃ではダメージを受けなくなる等といった高位種族的なものから、職業によっては各種行動の影響を上昇させるといった幅広い効果を起こせる技術。
習得は職業レベルをいくら修めていたかに依存している。

魔法

位階魔法
転移先の世界における魔法はユグドラシルのシステムにおけるそれを引き継ぎ、第1 - 第10までの十に加え超位の11段階が存在している。これは五、六百年前にこの世界にもたらされたものだという。
ただし、この世界における一般では第三位階まで習熟した魔法詠唱者は相当の熟練者、第六位階が個人の限界と見なされており、第七位階以上の使用に関しては既に英雄譚や神話において確認が取れるといったレベルの話である。
八欲王の最も力ある宝として位階魔法を記録するマジックアイテム「無銘なる呪文書(ネームレス・スペルブック)」が存在しているとされており、それゆえに行使者がいない魔法も名前が付けられている。
超位魔法
MP消費はせず、一日に使用できる回数が定められた魔法。位階を外れた位置にあるというだけありその効果は絶大だが、他の魔法にはない発動準備時間や発動不可時間、経験値ダウンなどの制限が加えられており、基本的に戦闘用超位魔法の連射は不可能である。
発動に際してはエフェクトとして術者中心に10メートルほどの立体魔法陣が展開される。
広範囲即死型召喚魔法「黒き豊穣への貢(イア・シュブニグラス)」、広範囲破壊魔法「失墜する天空(フォールンダウン)」、願いを叶える魔法「星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)」などが現在確認されている。
始原の魔法(ワイルド・マジック)
八欲王が台頭するまでこの世界に存在していた魔法であり、現在ではそれ以前より生き残るドラゴンロードのみが行使可能である。
魂を用いて発動するらしく、この始原の魔法を用いて作成されたアイテムも存在する。
魔法詠唱者(マジック・キャスター)
魔法を行使する職業の総称。
魔力系、精神系、信仰系などに大別される他、その中でも細分化される。
伝言(メッセージ)
連絡の魔法。相手と念話で会話をすることが出来る。
位階としては高くないようで、かつて存在していた人間種の国家では長距離通信網を築いていたが、それを過信していたのが祟ってわずかな誤報から滅亡にまで至ったことがある。そのため、現在では伝言以外にも複数の情報伝達手段を用意するのが常識となっている。
転移門(ゲート)
ユグドラシル最上位の転移魔法。
阻害効果がかけられたナザリックや阻害魔法などを事前の対策を考慮に入れなければ、失敗率ゼロで無限の距離を瞬時に移動可能。ユグドラシルでは最もポピュラーな移動手段であったとのことである。

アイテム

武装
ユグドラシルの武器防具は内部のデータ容量によって九段階に分類される。
下から最下級、下級、中級、上級、最上級、遺産級(レガシー)、聖遺物級(レリック)、伝説級(レジェンド)、神器級(ゴッズ)の順である。
これら武装はモンスターを倒した際にドロップするデータクリスタルと素材、その上にプレイヤーが用意した外装と名称を決定することで作成された。
最高位の神器級武装は要求される物が大きく、一般的なプレイヤーではひとつ入手するのがやっとという難易度を誇った。
ギルド武器
ユグドラシル各ギルドに一つだけ所持可能、かつ当ギルドの長のみが装備可能な武器であり、強大な性能を誇る。特殊能力を通常武装よりも多く付与することが可能。
ただし、その破壊は敗北のみならず、そのままギルドの崩壊に直結するため通常は安置されることが多い。
世界級アイテム(ワールドアイテム)
ユグドラシルに存在する全アイテムの中でも頂点に位置するアイテム群。
総数二百種類、それぞれが一点物であり、一つの所有が飛躍的な名声の向上に繋がるという。世界の名の通り世界観の一翼を担っていることと運営のこだわりもあって、一つ一つがゲームバランスを崩壊させかねないほどの破格の効果を持つ。
この効果に対抗するのは困難であり、同格のワールドアイテムを所持するか、最高峰の職業ワールドチャンピオンのスキルを使用することでしか防ぐことは出来ない。
二十
ワールドアイテムの中でも使い切りであるが故、さらに凶悪な効果を持つ二十種類を指す。
代表的なものに使用者および標的の完全抹消、運営へのシステム一部変更の要求、無限の攻撃力などその効果はプレイヤー側から正気を疑われるほど。
完全なる狂騒(-きょうそう)
『ぷれぷれぷれあです』に登場。宝物殿にあった対アンデッド用マジックアイテム。形はパーティグッズのクラッカーのような形状で、「引くな」の札が付いた紐を引っ張ると左拳を掲げた黄金像が飛び出す。本来の効果はアンデッドの精神攻撃が効かないというステータス異常無効スキルを無効化するものだが、アンデッドにしか効果を発揮せず使いどころが難しいのでアインズ自身も使ったことがなかった。しかしアインズがうっかり使ったことでいつもは強制的に安定する精神がそのまま、つまり普通の人間と変わらない感覚となってしまいテンパってしまうこととなる。
更にある条件を満たすことで自動的に発動する真の効果があり、その条件はアイテムが8個ある状態で、周囲にアンデッド、インプ、デュラハン、ワーウルフ、ドッペルゲンガー、シュゴス、アラクノイド、オートマトンが集結した状態であり、種族属性に関わらず全てのキャラクターが狂騒状態に陥るというもの。その結果、プレアデス達が混乱し大惨事となったが効果は1時間程度で切れた。

書籍情報

漫画版

月刊コンプエース2015年1月号より連載。作画担当は深山フギン。

  1. オーバーロード (1) (カドカワコミックス・エース) (2015年6月26日刊行、ISBN 978-4-04-103071-4
  2. オーバーロード (2) (カドカワコミックス・エース) (2015年7月25日刊行、ISBN 978-4-04-103072-1
  3. オーバーロード (3) (カドカワコミックス・エース) (2015年12月26日刊行、ISBN 978-4-04-103857-4

テレビアニメ

2015年7月より9月までAT-XTOKYO MX他にて放送された。テレビアニメ版公式サイト及び「YouTube」上で掲載される各エピソードの次回予告の動画には、「ノーマルVer.」(約30秒)と、期間限定で配信される「スペシャルVer.」(約40秒)があり、「ノーマルVer.」ではモモンガ(アインズ)が、「スペシャルVer.」ではモモンガ(アインズ)やアルベドら階層守護者及び各エピソードに登場するキャラクターがナレーションを務めている。

登場キャラクターの外見等については、書籍版のものに準拠している(一部例外あり)。

スタッフ

  • 原作 - 丸山くがね
  • キャラクター原案 - so-bin
  • 監督 - 伊藤尚往
  • シリーズ構成・脚本 - 菅原雪絵(ライトワークス)
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 吉松孝博
  • サブキャラクターデザイン・モンスターデザイン・プロップデザイン - 出雲重機、前原桃子
  • 美術設定 - 池田繁美、大久保修一、友野加世子
  • 美術監督 - 池田繁美、丸山由紀子
  • 色彩設計 - 野口幸恵
  • 3D監督 - 籔田修平
  • 撮影監督 - 川下裕樹
  • 編集 - 木村佳史子
  • 音響監督 - 郷文裕貴
  • 音楽 - 片山修志(Team-MAX)
  • 音楽制作 - KADOKAWA
  • 音楽プロデューサー - 若林豪
  • プロデューサー - 田中翔、菊島憲文、深尾聡志、礒谷徳知、吉田勇樹
  • アニメーションプロデューサー - 橋本健太郎
  • アニメーション制作 - MADHOUSE
  • 製作 - オーバーロード製作委員会

主題歌

オープニングテーマ「Clattanoia」
作詞 - hotaru / 作曲 - 大石昌良 / 編曲 - Tom-H@ck / 歌 - OxT
第13話では未使用。
エンディングテーマ「L.L.L.」
作詞・作曲・編曲・歌 - MYTH & ROID

各話リスト

話数 サブタイトル 絵コンテ 演出 作画監督
Chapter 1 終わりと始まり
End and Beginning
伊藤尚往 若林邦甫 吉松孝博
Chapter 2 階層守護者
Floor Guardians
松村政輝 宮崎修治 金二星、許亨準
Chapter 3 カルネ村の戦い
Battle of Carne Village
伊藤尚往 宮前真一
Chapter 4 死の支配者
Ruler of Death
松村政輝 平野勇一
Chapter 5 二人の冒険者
Two Venturers
藪田修平 山口美浩 小畑賢、永吉隆志
市野まりあ
Chapter 6 旅路
Journey
倉谷涼一 横田和彦
Chapter 7 森の賢王
Wise King of Forest
川尻善昭 関大 金容植、林采徳
Chapter 8 死を切り裂く双剣
Twin Swords of Slashing Death
若林邦甫 宮前真一
Chapter 9 漆黒の戦士
The Dark Warrior
松村政輝 韓正履、平野勇一
Chapter 10 真祖
True Vampire
小野学 山口美浩 小畑賢、永吉隆志
市野まりあ、松下純子
Chapter 11 混乱と把握
Confusion and Understanding
倉谷涼一 高原修司、宇津木勇
Chapter 12 鮮血の戦乙女
The Bloody Valkyrie
伊藤尚往 松村政輝 宮前真一、朴在石
金二星、山崎輝彦
Chapter 13 PVN
Player vs Non player character
若林邦甫 吉松孝博、平野勇一
韓正履

放送局

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間[18]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [19] 備考
2015年7月7日 - 火曜 23:00 - 23:30 AT-X 日本全域 CS放送 / リピート放送あり
2015年7月9日 - 木曜 0:00 - 0:30(水曜深夜) TOKYO MX 東京都
木曜 0:30 - 1:00(水曜深夜) サンテレビ 兵庫県
木曜 1:00 - 1:30(水曜深夜) KBS京都 京都府
木曜 2:05 - 2:35(水曜深夜) テレビ愛知 愛知県
2015年7月10日 - 金曜 0:00 - 0:30(木曜深夜) BS11 日本全域 BS放送 / 『ANIME+』枠
日本国内 インターネット / 配信期間および配信時間
放送期間 放送時間 配信元 備考
2015年7月10日 - 10月2日 金曜 0:30(木曜深夜) 更新 GYAO! 第1話無料、第2話以降1週間無料
2015年7月17日 - 10月9日 金曜 1:30 - 2:00(木曜深夜) ニコニコ生放送
金曜 2:00(木曜深夜) 更新 ニコニコチャンネル 第1話無料、第2話以降1週間無料
金曜 12:00 更新 バンダイチャンネル 第1話無料、第2話以降有料

BD / DVD

発売日 収録話 規格品番
BD DVD
1 2015年9月25日 第1話 - 第3話 ZMXZ-10151 ZMBZ-10161
2 2015年10月28日 第4話 - 第5話 ZMXZ-10152 ZMBZ-10162
3 2015年11月25日 第6話 - 第7話 ZMXZ-10153 ZMBZ-10163
4 2015年12月25日 第8話 - 第9話 ZMXZ-10154 ZMBZ-10164
5 2016年1月27日 第10話 - 第11話 ZMXZ-10155 ZMBZ-10165
6 2016年2月24日 第12話 - 第13話 ZMXZ-10156 ZMBZ-10166

ちびキャラアニメ

ぷれぷれぷれあです』は、2015年8月4日(本編第5話)よりAT-X本編終了後に放送されたミニアニメ[20]。また8月7日より公式サイトおよびYouTubeでも2週間限定配信。全8話。

2015年9月30日にYouTubeでBD&DVD第1巻発売記念「ぷれぷれぷれあです」特別編が配信された。

スタッフ(ぷれ)
  • 監督・脚本・演出 - 芦名みのる
  • ぷちキャラクターデザイン・作画 - たけはらみのる
  • タイトルロゴデザイン・イラスト - みやひこ
  • 音響監督 - 郷文裕貴
  • アニメーション制作 - スタジオぷYUKAI
  • 制作協力 - メディクリエ
各話リスト
話数 サブタイトル 本編放送話
ぷれ 1 オワタと始まり Chapter 5
ぷれ 2 戦闘メイド Chapter 6
ぷれ 3 嘘を切り裂く双拳 Chapter 7
ぷれ 4 二人の被害者 Chapter 8
ぷれ 5 捕食者のむね Chapter 9
ぷれ 6 カルネ村外の戦い Chapter 10
ぷれ 7 砲台を前に Chapter 11
ぷれ 8 把握と混乱 Chapter 12

Webラジオ

オーバーロード〜至高のラジオに忠誠の儀を〜』のタイトルで、2015年7月6日から9月28日まで音泉にて配信された。隔週月曜日更新。パーソナリティは加藤英美里(アウラ・ベラ・フィオーラ 役)、内山夕実(マーレ・ベロ・フィオーレ 役)。

ミニゲーム

モモンガクエスト』『アルベドクエスト』は2015年7月22日よりアニメ公式サイトで展開のTwitterアカウントを使用したミニゲーム。モモンガクエストはクイズ、アルベドクエストはダンジョンアドベンチャーとなっており、それぞれレベルIからIIIに分けて開催。クイズ問題は『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の岩崎夏海が全面監修している。総合ランキング上位者にはオリジナル指輪「リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン」がプレゼントされる。

8月2日より『アルベドクエスト-レベルII-』、8月19日より『モモンガクエスト-レベルII-』、9月2日より『アルベドクエスト-レベルIII-』、9月16日より『モモンガクエスト-レベルIII-』を開始。

タイアップ

2015年11月18日-12月16日の期間限定でオンラインゲーム『テイルズウィーバー』とのタイアップを実施。作品に関連した限定イベントやキャラクターになりきれる変身マントなどを実装。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 書籍特典付属オーディオドラマより。
  2. ^ a b c d e f g h 小説第1巻「キャラクター紹介」より。
  3. ^ a b c d e f g h i 2014年7月21日作者ツイッターから。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au 6巻特典小説から。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 4巻特典小説から。
  6. ^ 非情に仲の良かったメンバーがユグドラシル自体を辞めてしまったこともたっち・みーを嫌う理由の一つである。
  7. ^ a b c d e f g h 小説第3巻「キャラクター紹介」より。
  8. ^ a b c d e f g h 小説第2巻「キャラクター紹介」より。
  9. ^ a b c d 小説第6巻「キャラクター紹介」より。
  10. ^ a b c d 小説第5巻「キャラクター紹介」より。
  11. ^ a b c d 小説第7巻「キャラクター紹介」より。
  12. ^ a b c d e f g 2014年7月24日作者ツイッターから。
  13. ^ a b 小説第8巻「キャラクター紹介」より。
  14. ^ a b 漫画版3巻Chapter9-10。
  15. ^ a b c d e f g h 小説第4巻「キャラクター紹介」より。
  16. ^ 作者ツイッターによる【Suger and spice and all that’s niceルート】。
  17. ^ 作者ツイッターによる【Suger and spice and all that’s niceルート】ではグレンベラ沼地
  18. ^ ONAIR”. TVアニメ「オーバーロード」オフィシャルサイト. 2015年6月11日閲覧。
  19. ^ テレビ放送対象地域の出典:
  20. ^ TVアニメ「オーバーロード」スペシャル企画がついに始動! AT-X 2015年7月29日

外部リンク