プレイヤーキラー

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プレイヤーキラー (Player Killer, PK) とは、オンラインゲーム、特にMORPGMMORPGにおいて、他のPCを攻撃するプレイヤーを指して言う。その行為をプレイヤーキル (Player killing) と言い、これもPKと略す。特に区別する場合にはPKerPKingと呼ばれることがある。起源はその所持アイテムを奪うことを目的とする。または、PKとして演じること自体を楽しむ。

対人戦闘と訳されるPvP (Player versus player) モードが本来の仕様として存在するオンラインゲームでは、PKとPvPは区別される。ただし、PvPとは対戦型のオンラインゲームでもMMORPG・MORPGでのみ使用される概念である。PKとその派生のTK(後述)はオンラインゲーム全般で使われる概念なので注意が必要である。

PvPとPKが混在しているMMORPG[1]も数多く存在している。PvP仕様のシステムでもPKは存在する。PvPとPKは、双方の同意に拠るか否かで区別して考えられている。

PKという行為は何らかの方法で対人攻撃が可能なオンラインゲームでは必ずといってよいほど見られる。

オンラインゲーム運営上の問題の一つであると同時にオンラインゲームならではの楽しみでもある。

チーム対戦型のオンラインゲームで味方プレイヤーを殺すプレイヤーはチームメイトキラー (Teammate Killer) またはチームキラー (Team Killer) と呼ばれる。TKerと略されることが多い。その行為をチームキル (Team Killing, TK) と呼ぶ。

目次

[編集] 歴史

[編集] ディアブロ

オンラインゲーム黎明期を築き上げた複数プレイヤー参加型オンラインRPG (MORPG) の『ディアブロ』ではリアリティのある命中判定を採用しており、常時対プレイヤーキャラクターへの攻撃の可能性があった[2]。死亡したプレイヤーは持ち物の全てをその場に散逸させ死亡する仕様で、PKを行うメリットが非常に大きかったことから、ごく初期から盛んにPKが行われていた。

当初は地上・地下のいずれの場所でもPKが可能であったため、地上を歩いている多くのプレイヤーを巻き添えにするPKerへの非難の声に対処する形で、地上での魔法攻撃ができないようシステムに規制がかけられたり、悪質と見られるPKerに対する賞金首が一部コミュニティで公表されるなど、批判の声も挙がった。

しかし近年のオンラインゲームに比べると、プレイヤー層は生粋のゲーマーが大半であった事や、失った財産を再び稼ぎなおすまでに要する時間が短いゲームシステムであったこともあり、PKを完全否定するプレイヤーは少数だったとされる。

[編集] PKの組織化

その後、MORPGから同時参加人数が増えた多人数同時参加型オンラインRPG (MMORPG) が主流となりPKの人口とともに被害も大きくなった。ほとんどのオンラインゲームではPKは圧倒的な少数派であり、同志と出会う事は極めて稀だがそれ故に結束が強かった。

MMOPRGの時代になってからPK集団として組織化していったケースも見られる。一度PKを失敗すると同一プレイヤーには警戒されるので、集団で襲ったほうが必殺の可能性が高いことも原因となった。またPK人口増加でPK専門のコミュニティが形成されたためでもある。

[編集] オンラインゲームの普及

MMORPGを筆頭にオンラインゲームの一般化、特にライトユーザーの参入によりPKを受ける事に納得できないプレイヤーの割合が増加した。その為、運営会社はより多くのユーザー獲得と維持の必要性からPKを行えない仕様を採用する傾向となってきた。

その一方で、その頃からシステムの不備を突いたPK方法やMPKが多く見られるようになる。

[編集] MMORPGでのPK

[編集] PKの主流として

MMORPG以外でPKを行えるネットゲームは多くはない。

PKの加害者・被害者の双方または片方は比較的高レベルプレイヤーが多い。ライトユーザーにはPKに否定的な者が多いせいか、低レベルプレイヤー同士でのPKは少ない。ただし、レベル差が大きい場合にはPKができない仕様である場合などに、PKプレイヤーが低レベルのキャラクターを使用する事がある。

[編集] エンターテイナー、カリスマとしてのPK

誰が見ても分かるあからさまな悪役ややられ役を演じ、とかく停滞した内容に終始しがちなオンラインゲームに一時の刺激をもたらす事を生き甲斐としている。こうした手法によるPKはオンラインゲームの活性化に一役買っているという側面もある。PKが容認されているMMOPRGでは、ルールに則っている以上、ロールプレイングゲーム本来の遊び方の一形態と見ることができる。

他人を楽しませる意図が無くとも、あまりに徹底したPK活動や、そのゲームの世界の中の特に高レベルの有力プレイヤーにあえてPKを挑む事からカリスマ化するプレイヤーも存在し、彼ら有名人に遭遇する事に喜びを感じるプレイヤーが多い。 PKKとエンターテイナー・カリスマとしてのPKは同時に成り立つ場合もある。

[編集] 実利的なPK

PKの存在本来の意義の、PK行為でアイテムを奪う実利的なPKがいる。

都合のいいダンジョンやフィールド(「狩場」)を自分たちのグループで占有するためのPKもある。同様に旨味のあるレアなアイテムを落とすボスモンスターを自分たちのグループで囲い込むためのPKもある。

BOTがゲームで禁止行為とされている場合、BOTの狩場を確保すると同時に第三者にその使用を見せない(GMコールなど運営会社への通報をさせない)為に、BOTを活動させている狩場に近づく者を片端からPKするという者もいる。また、ゲームの中でPKギルド、PK血盟などと呼ばれるPKプレイヤーの集団が、この様なBOTプレイヤーやRMTなどのゲームによっては違反とされる行為を行う者たちと密接に結びつき、活動資金の供給やキャラクターの育成を行ってもらうのと引き換えに、いわゆる用心棒役などを務めているケースも見られる。 その一方で、逆にBOT排除を目的としてPKを行う場合もある。

[編集] 非実利的なPK

自分の所属するグループと何らかの理由で敵対するグループやプレイヤーに対するPKもいる。口喧嘩や誹謗中傷が原因だったりアイテムの分配が原因となることも多い。

一方で単に低レベル、あるいはPvPに不向きなジョブのプレイヤーを狙ってPKすることで力を誇示しようとするPKもいる。PKKがゲーム内に存在する場合、この様な者たちは「初心者狩り」を行うPKと同様に最優先の攻撃対象とされることが多い。

また、外国人プレイヤーを見かけるとPKをする[3]、相手キャラクターの名前や英語以外の言語でチャット等をしているのを見て、相手プレイヤーが特定の民族や人種であると判断した場合には、PKをするなどの民族の問題、人種の問題が理由として絡んでくる物も存在し、所謂人種差別に繋がりかねない事をする者も見られる。

[編集] 反マナーに対する私的制裁PK

リアルマネートレーディング氾濫の原因は海外から接続するユーザーであると考えるプレイヤーは、それらしきプレイヤーを見かけるとPKを仕掛けることがある。ボットと呼ばれる自動操作を使っていると判断しPKを仕掛けることがある。

マナー・規約に沿った行動が正しいのでありそれに反するものは制裁を加えてかまわないというイデオロギーを持つプレイヤーに多い。そのゲーム内世界全体の流れでそうなった場合、平等原則に反する形でPKを容認するプレイヤーも増加してゆく[4]。そのイデオロギーに反した独自の行動をするマナーあるプレイヤーも制裁対象としてPKされる場合もある。

また、BOTプレイヤーなどゲーム内における不正行為者に対する私的制裁としてのPKは、運営会社やゲームマスター職 (GM) によるBOTへの対処がゆるいゲームほどプレイヤー間のコミュニティで受け入れられやすく、実際に盛んに行われる傾向がある。

[編集] MPK

システムによる自動操縦のノンプレイヤーキャラクター (NPC) であるモンスターの行動アルゴリズムを利用したPKで、Monster Player Killer (killing) の略称である。他のプレイヤーキャラクター (PC) を利用し間接的にPKを行うことを指す。

多くの場合、システム的に他のプレイヤーを直接攻撃することができないMMORPGにおいて、無理矢理相手を殺す方法として行われるPKである。

具体的には、いくつかの方法がある。強力なモンスターや量的に対処できない程のモンスターがいる場所まで誘導し圧倒的差で死亡してしまう状況に仕向けたり、またはプレイヤーキャラクターを見ると襲って来るタイプのモンスターを、標的となるPCの力では対処できないほど多数引き連れて来て、標的のPCの近くでわざと死亡する、あるいはスキルで死んだフリをするなどして、残された大量のモンスターにそのPCを襲わせたり、さらにはモンスターを召喚するアイテムや特殊技能をPCの近くで大量に使うことで同様の結果をもたらす、などの行為が見られる。

ただし、意図せずに上記と同様の状況になってしまった場合、たとえばあるプレイヤーがモンスターからの敗走中に倒され、残されたモンスターがたまたま居合わせた周囲の無関係なプレイヤーを襲い、結果的に被害をもたらしたとしても、それは単なる事故でありMPKとはいわない。

時として、害意のあった行為なのか、気づかずにやってしまった行為なのか、はたまた気付かなかったふりをしているだけなのかがわからないため、プレイヤー間の言い争いや報復のPK・MPKに発展する場合もある。MPKが禁止されているオンラインゲームでは運営側が作為的に行ったと判断した場合にペナルティを科す場合もある。

もうひとつの目的として、自分の手を汚さずに相手を殺す方法としてMPKが行われる。

PKの横行を防ぐため、あるいはPvP促進のためにPKによる死亡ではアイテムドロップのペナルティが発生しない仕様になっているゲームでは、自らの手で殺しても相手のアイテムを奪うことができないため、間接的に相手を殺すMPKが横行する事も珍しくはない。

また、PKが容認されている仕様のオンラインゲームにおいても、通常のPKを行ったキャラクターはシステム上犯罪者とされPKペナルティとしてゲーム内の行動にいくつかの制約が発生する場合があるが、MPKは直接相手を殺害するわけではないので犯罪者とはならず、PKカウント(何人殺すと犯罪者となるかなどの累積値)が存在するゲームであっても、そのカウントは加算されず、リスクなく相手を殺害できる。

変種として自身の指揮下にあるNPCに命じて、他のプレイヤーキャラクターを殺すMPKの方法もある。システム上、結果的にPKではなくMPKと認知される。

以上のことから、たとえ不意打ちであっても相手と実力で直接対決したうえでPKを果たし、犯罪者になることもいとわないという、PKを美学とするプレイヤー達からさえも、「安易で低リスクなMPKは卑劣な行為」として嫌われることがある。

[編集] FPK

Flag Player Killer (Killing)の略称である。フラグ(Flag)とはそのプレイヤーの状態を表す印のような概念で、ゲームシステムによっては、PKなどを犯したために”犯罪者のフラグが立っている”プレイヤーに対してならばPKをしても犯罪とはならない、というルールが存在することもある。

これを逆手に取って、自分から手出しをして犯罪者になってしまわないように、例えば仲間の一人がモンスターに化け、それを人間と知らずに殺してしまった(意図せず犯罪者フラグが立ってしまった)プレイヤーを殺すなど、何らかの方法で相手を罠にはめて犯罪者に仕立て上げ、大義名分のもとにその相手を殺すPKをFPKという。CPK (Counter PK)ともいう。

多くの場合卑怯な方法として嫌われ、ゲームシステムによっては禁じられている場合もある。

[編集] DK

ペットキャラクターとして同行させられる犬 (dog) を殺す行為で、dog killer (killing) の略。自身に同行させられるNPCを使用できるMMORPGで見られる。ペットの種類で名称は変わる。

[編集] PKへの制裁

システム上PKを容認しているMMORPGでは、何らかの形で代償(ペナルティ)を負う事と引き換えにPKが行える仕様となっている。


[編集] MMORPG以外でのPK行為

対戦型ゲームでは、敵対する組織に属するプレイヤーへの攻撃はゲーム本来の目的であり、PKという呼び方はされない。ここではチーム対戦型のゲームで味方を攻撃する行為について記す。

[編集] FPSにおけるTK

FPSで味方を攻撃する行為は故意・過失を問わずフレンドリーファイア (Friendly Fire, FF) と呼び、殺してしまうことを特にTK (Team Kill, Teammate Kill) と呼ぶ(一人称視点であるFPSにおいては、不意の遭遇戦も多くたとえベテランであっても出会い頭に脊髄反射の如く敵か味方の判別をつける前に相手を射殺してしまうこともよくある)。味方を撃ってもダメージを与えないようサーバを設定することもできるのが普通だが、一般的には使用されていない。悪質なTkerには退場処分(キック)などで対応する。一部のゲームでは故意に味方の射線に入るなどして相手をTKerに仕立て上げる者もいる。

[編集] 対戦型シューティングゲーム

Gunz』などFPSではないオンラインゲームでもTKは見られる。仕様で自チームには攻撃があたらないようになっているが、例外の手榴弾等やフィールド外の谷底などに突き落としてTKを行う。

[編集] プレイヤーの不理解

PKが行われ、PKが嫌悪されるのはオンラインゲームの性質への不理解からくるものとされている。

コンシューマーゲームの多くは「主人公=ヒーロー」という構図があり、その世界観に慣れ親しんだプレイヤーがオンラインゲームの「自分=凡庸な一個人」という性質の違いを理解できていないというのがその論旨である。



[編集] 関連項目

[編集] 脚注

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  1. ^ 例:『信長の野望Online』の合戦、『大航海時代Online』の大海戦など
  2. ^ 味方同士であっても、戦闘中に後衛が矢を放った場合、その軌道上に前衛がいれば命中する。
  3. ^ 日本人プレイヤーである事を理由としてPKの標的にされた場合はJKと呼ばれる。
  4. ^ 例:「誰某はBOTプレイヤーだからPKすべきだけどあの人はいい人だからPKしちゃいけない」、など