ディアブロ (ゲーム)

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ディアブロDiablo)は、アメリカのBlizzard Northで開発され、Blizzard Entertainment社から1997年に発売されたハックアンドスラッシュアクションRPGであり、MORPGの先駆けとなった作品でもある。「Battle.net」と名付けられたサーバーを介して複数人が同じ世界(部屋)の中で同時に遊ぶ事が出来る。このBattle.netを介したオンラインサービスは、現在(2012年)も変わらず無料で利用する事ができる。

2000年6月29日に続編のディアブロ2が発売された。 2001年6月29日にディアブロ2の拡張パック『Lord of Destruction』が発売された。 2008年6月28日にパリで開催されたWorldwide Invitationalの会場でディアブロ3が発表された。何度も延期を重ねたが2012年5月15日無事発売された。

概説[編集]

1997年に発売され全世界で300万本以上の売上を記録したアクションロールプレイングゲーム

基本的には他のアクションRPGと共通した要素を持つが、Battle.netというブリザード社が運営する無料オンラインサービスを介して、インターネットを通じて多人数プレイが可能、という当時としては画期的なシステムを搭載した。

パソコン版とプレイステーション版が発売された。

内容[編集]

ゲームシステムは、3種の職業のうち一つをプレイヤーとして選択し、一定の法則のもと毎回ランダム生成される迷宮を探索し、最終的に悪魔ディアブロを倒す、というもの。舞台はトリストラムの町とその地下に存在する迷宮。町にはに似た木が生えている。町の北に最初の迷宮の入り口となる、修道院がある。

シングルプレイでは1人でゲームを進めていくが、マルチプレイでは他のプレイヤーと協力してダンジョンを攻略する(一人でマルチプレイをすることも可能)。またアイテムの売買・トレードを行い、互いに必要となる物を譲り合う事ができる。マルチプレイは、インターネット上に存在する公式ロビーサーバーであるbattle.netを介してプレイする他に、LAN内でのプレイも可能。マルチプレイのみ難易度設定が可能で、Normal、Nightmare、Hellの順に難しくなるが、性能の高いアイテムが出やすい。

LAN上でのマルチプレイでは通信プロトコルIPXを使用する。その為、IPXが用意されていないMicrosoft Windows VistaではLAN上でのマルチプレイが出来なくなった。battle.netではインターネットの標準プロトコルのTCP/IPを使用するため引き続きプレイできる。Direct Cable ConnectionはPC同士をケーブルで繋げてオフラインでプレイできるが、1人かつ1つのPCでもマルチプレイ環境でのプレイが可能。[1]

キャラクター[編集]

プレイヤー[編集]

  • ウォリアー /Warrior(声:Paul Eiding、小杉十郎太) :接近戦に強い戦士。魔法も使えるが他の職には及ばない。専用スキルはアイテムを修理できるが、最大耐久値が低下する。
  • ローグ /Rogue(声:Glynnis Talken、田中敦子) :弓の使用が得意。武器戦闘と魔法、両方をこなせる。専用スキルはトラップを解除する可能性を上昇させる。
  • ソーサラー /Sorcerer(声:Michael Gough、島香裕) :肉体的に脆弱であるが魔法攻撃に長ける。専用スキルは杖に籠められた魔法を補充させるが、最大使用回数が低下する。
  • モンク /Monk :素手や杖での戦闘を得意とする修行僧。素手でのブロックや、杖での範囲攻撃を特徴とする。専用スキルは地面に落ちているアイテムを見つけやすくする。『Hellfire』で追加された。
  • バーバリアン /Barbarian :両手剣・両手棍棒を片手で装備したり、斧で範囲攻撃を行う事のできるクラス。Magicは一切上昇させることができない。専用スキルでSTR、Health上限を一時的に上昇させることができる。『Hellfire』の隠しクラス。
  • バード (Bard) :片手剣を二刀流できるクラス。専用スキルでアイテム鑑定を行う事ができる。『Hellfire』の隠しクラス。

NPC[編集]

  • ケイン/Cain(声:Michael Gough/伊藤浩資):町の長老で歴史にも詳しい語り部。入手した未鑑定アイテムを鑑定してくれる。鑑定料は1品につき一律100ゴールド。
  • グリズウォルド/Griswold(声:小室正幸):鍛冶屋。武器や防具の売買をしてくれる。装備関係のクエストを依頼してきて、クエストを達成すると特別な装備を作ってもらえる。
  • ペピン/Pepin(声:Paul Eiding/山野井仁):治療師。HPを全回復してもらえるほか、回復アイテムを売ってくれる。ジリアンをメイドだと勘違いしている。
  • エイドリア/Adria(声:Lani Minella/叶木翔子):魔女。迫害されており街外れのあばら家に住んでいる。魔法関係のアイテムを売買してくれる。杖の魔法のリチャージも行ってくれる。
  • ワート/Wirt(声:Lani Minella/深水由美):義足の少年。魔物に襲われた事件で捻くれてしまった。50ゴールドを支払うとプレミアムアイテムを見せてくれる。彼のプレミアムアイテムはグリスウォルドの物よりも上級なものが多いが、同時により高価である。
  • オグデン/Ogden(声:Bill Roper/秋元羊介):宿屋「日の出亭」の主人。迷宮絡みのクエストを依頼してくる。
  • ジリアン/Gillian(声:Glynnis Talken/深水由美):日の出亭のウェイトレス。住民がほとんど逃げ出してしまった今なお祖母と暮らしている、街のアイドル。
  • ファーンハム/Farnham(声:大竹宏):ただの酔っ払いにしか見えないが、実はラザルスに率いられて魔物の討伐に出た兵の生き残り。討伐での恐怖体験のあまり酒に溺れてしまっている。
  • 牛:話しかけると「モー」と鳴く。さらに話しかけると「ただの牛だ」と怒られる。

物語関連[編集]

  • ブッチャー:迷宮に侵入してくる者の処刑を任じられた地獄の手先。ダンジョンの低層階に見るからに怪しい小部屋があり、プレイヤーが扉を開けると「Fresh Meat!(新鮮な肉だ!)」と叫ぶなり襲い掛かってくる。多くの駆け出しプレイヤーを驚かせた。
  • レオリック王:ディアブロが復活するに際して自らが宿る肉体として最初に着目した者。ディアブロは王を夜な夜な夢で誘惑したが肉体の乗っ取りに失敗し、王は発狂した。ディアブロの下僕となった王はアンデッドモンスターと化し、多数のスケルトンを引き連れて迷宮の防衛をしている。
  • ラザルス:王国の大司祭。魔物討伐のため多くの兵を迷宮に向かわせた。しかし実は…。
  • ラックダナン:レオリック王の近衛師団長。ラザルスの指示で迷宮に入り、部下ともども殺される。現在ではディアブロに魂を囚われて迷宮の深層部で徘徊している。

迷宮[編集]

4種あり、それぞれ4階層で合計16階層となっている。他にも特別な場所が迷宮内に存在する。シングルプレイは特殊マップが加わる。

  • ダンジョン(Dungeon)
  • カタコンベ(Catacomb)
  • ケイブ(Cave)
  • ヘル(Hell)
  • ネスト(Nest)『ヘルファイア』での追加マップ。ある条件を満たすと入れるようになる。
  • クリプト(Crypt)『ヘルファイア』での追加マップ。Nestをクリアすると入れるようになる。


  • 汚れた水源:街の水質を悪化させている原因。奥の魔物を倒すと水質が正常に戻る。
  • レオリック王の墓:レオリック王が安置されている場所。
  • 納骨堂:一番奥に行くと、ガーディアンの魔法を習得(もしくは魔法レベルがアップ)できる。
  • ラザルスの間:ラザルスがいる場所。

アイテム[編集]

アイテムにはそれぞれ大きさがあり、プレイヤーはその大きさのぶんだけ所有品スペースを取られる。所有品スペースを全て取られるとそれ以上は持ちきれなくなる。

  • ゴールド:いわゆるお金。1個で1~5000ゴールド。分割することが出来、5000ゴールドを上限に合わせる事も可能。Hellfireではゴールドのスタック上限を10000とするアミュレットが登場した。
  • スクロール:魔法を覚えていなくてもマナの消費無しに、そのスクロールの魔法を使用する事ができる。1回きりで消滅する消耗品。覚えられない魔法のスクロールも存在する。
  • ポーション:HPやマナを回復させる薬。HPとマナを両方回復させる物もある。全快するものと一定量回復する物とが有り、色はそれぞれ赤、青、黄である。
  • ブック:必要MAGを満たしていれば、それを消費する事でそのブックの魔法を習得し、マナを消費するだけで使用できるようになる。読む回数だけ15を上限にレベルが上がり、それにより効果はより高くなる。
  • エリクサー:使用すると特定の能力値を1上昇させる事ができる。シングルプレイではヘルまでゲームを進めると、マルチプレイではプレイヤーレベルが26になるとエイドリアが1個5000ゴールドで販売するようになる。ただし、VITのエリクサーは売られることは無く迷宮で得る以外に方法が無い。
  • オイル:使用する事で装備品の耐久度の上限を引き上げたり、一時的にダメージやアーマークラスを上昇させる事ができる。Hellfireで追加された。
  • ルーン:地面に罠を設置し、上をキャラクターが通過する事で、石化や炎壁などの魔法が発動する。Hellfireで追加された。

装備品[編集]

片手武器、両手武器、杖、体装備、頭装備、盾、リング、アミュレットなどがあり、体の各所に別々に装備する事が出来る同じ部位に複数装備する事は出来ない。

  • 片手武器:片手だけで使える武器。同時に盾を装備できるので、防御力も高く保てる。
  • 両手武器:両手で使用する武器。盾は装備できなくなるが攻撃力が非常に高い。
  • 体装備:防具中で最も防御力の高いものとなる。敵からのダメージを減らす基本の装備となる。
  • 頭装備:最も防御力が低い防具だが、付加される特殊能力の恩恵がある。
  • 盾:防御力が上がり、敵の攻撃を防ぐ事もできる。
  • 杖:両手装備。マナの消費無しに、その杖の魔法を使用回数分まで使う事ができる物もある。
  • アミュレット:首飾り。いろいろな効果を持つ。
  • リング:指輪。左右の手に1個ずつ装備することが出来る。いろいろな効果を持つ。

強さやレア度に応じて、ベーシック、プレミアム、ユニークとカテゴリー分けされている。

ベーシックアイテム

通常の基本的な武器や防具で、文字の色は白。

プレミアムアイテム

ベーシックアイテムに2種の特殊効果が付与されたもの。 効果には非常に強力なものから不利にしかならないものまで、非常に多くの種類がある。この効果の組み合わせは天文学的な種類数になるため、強力なプレミアムアイテムを捜索し何度もダンジョン探索を繰り返す事は、このゲームの大きな楽しみでもある。

ユニークアイテム

特殊な装備アイテムで、文字の色は金色。数10種類存在し、固有のグラフィックを持つものが多く、強力な物から実用性の無い物まで様々。ユニークと言っても唯一という意味ではなく、頻度は低いものの同じ物を何度も見つけることがある。

クエスト[編集]

シングルプレイではクエストと呼ばれるイベントがある。 無視しても構わないが、完了させたり、そのクエストの場所を探索したりすると、役立つアイテムが入手できる。

  • ブッチャー:ブッチャーによって殺された者達の仇を取る。
  • 汚れた水源:町の水質を正常に戻すため、原因となる場所を探索する。
  • レオリック王:墓へ侵入する者を殺す、アンデッドと化した王を倒す。
  • オグデンの看板:日の出亭の看板が魔物に盗まれた。何故魔物がこんな物を盗んだのか調べる。
  • (弱虫ガーバット):彼の命を見逃すと、引き換えにアイテムをくれる。
  • (アルケインの鎧・ヴァロー):血の石を三つ台の上に置くと、隠された部屋に鎧が現れる。
  • 魔石:天の石の欠片を見つけ、グリズウォルドに渡すと、指輪をくれる。
  • 納骨堂:迷宮に隠された納骨堂を探す。
  • (盲目の広間):盲目の広間を探し出し、アイテムを発見する。
  • (ザール):魔道師ザールがアイテムをくれる。
  • ブラックマッシュルーム:街の住人の病気を治すため、特殊なアイテムを拾ってくる。
  • 憤激の鉄床:鉄床をグリズウォルドに渡すと、剣をくれる。
  • 血の将軍:"血の将軍"と成り果てた魔道師とその手下を倒す。
  • ラックダナン:討伐隊の生き残りを救うため、黄金のエリクサーを見付けて渡す。
  • 大司教ラザルス:アルブレッド王子を誘拐したラザルス大司教を倒す。
  • ディアブロ:恐怖の王ディアブロを討つ。

ローカライズ[編集]

PC版の第1作には英語版しか存在しない。これは開発が予定から大幅に遅れ、完成を急ぐあまりにコードとリソース(プログラムと表示文字データ)を分離させなかったことから、各国の言語に文字データの差し替えが事実上できなくなっていたからである。

プレイステーション版[編集]

1作目のみ、1998年にエレクトロニック・アーツ・スクウェア(現エレクトロニック・アーツ)からプレイステーション版が発売された。

完全日本語化されている。 オンラインプレイはできないが、2人プレイモードで遊ぶ事ができ、2者間でアイテムなどのトレードも行う事ができる。『ヘルファイア』は未搭載なので、モンクでプレイする事はできない。

その他[編集]

オープニングの動画には人間の死体から鳥が眼球を啄むなどの暴力的表現からアメリカでのレーティングは15+、つまり15歳超であった。最終的には17+に改められている。

マルチプレイヤーではオンラインで協力し合う一方、ゲーム内では他のプレイヤーを攻撃することも可能で、他のプレイヤーを殺すことを目標とするPKと呼ばれるプレイヤーが現れたり、デュエル(決闘)を行ったりと、シングルプレイでは見られない遊び方がある。マルチプレイヤーを独りでプレイすることも十分楽しめる。

沿革[編集]

第1作目は、日本ではブリザード社の未公認で英語版の輸入が行われていたが、その後にソースネクストが代理店となって英語版を販売した。

1997年末には、シエラ・オンラインから拡張キット『ヘルファイア(Hellfire)』が発売された。軽視されがちだったシングルプレイの強化を主目的としており、新しいクラスや魔法、ダンジョンの追加が行われている。 ただし、これらの追加要素はマルチプレイには全く出現しない。

2000年には続編の『ディアブロII』が発売、前作の売上を超える大ヒット作となった。プレイフィールドがダンジョンだけでなく更に広大なエリアに広がり、職業も5種(拡張キットを導入する事で7種)に増えている。 日本語版もカプコンから発売された(現在はブリザード社との契約期間終了により販売終了)。

チート・DUPE問題[編集]

オンラインゲームとして初の大ヒットとなったディアブロだったが、またオンラインゲームに付き物のチートの洗礼を受けたゲームでもあった。

当時はサーバにプレイヤーデータを保存する仕組みが整っておらず、また、Battle.netを利用しない(LAN等)プレイを想定してクライアント内にデータを保管していた為、キャラクターや装備データを容易に改竄される事となってしまった。

またプログラムのバグにより、特定タイミングでアイテムを拾い上げることにより容易にアイテムコピー(所謂DUPE)が行えてしまうため、改竄された本来ゲーム内ではありえない数値を持った武器、装備が一般プレイヤーに広まることとなってしまった。

さらにこの流れに拍車を掛けたのが各種雑誌の記事で、「ログイン」や「日経01」等で「高性能アイテム」としてチートで作成されたアイテムや、そういったアイテムのねだり方までが掲載され、当時の商用BBSユーザー等から抗議されることもあった。

また、キャラクターのデータを改竄し、ほとんど無敵状態とする「God Mode」によるPK行為が頻発したり、Microsoft Windows 95のバグを利用して不正なIPパケットを送りつけて相手のOSをクラッシュさせるといった行為(後者はMicrosoftが認めた初のWindows95のバグとなる)が横行しゲームの寿命を縮める結果となった。

注釈[編集]

  1. ^ 当時のネット環境はほとんどが従量制だった為、当時主流のテレホーダイ(23時~翌8時まで無料の定額制)以外の時間帯に1人でマルチプレイモードを遊びたい時などに重用された。


関連項目[編集]

外部サイト[編集]