マスク

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衛生医療医学等の分野を中心に用いられるマスク: mask, Respirator)とは、人体のうちの一部または全体に被るもの、または、覆うものを指す[1][2][3][4][5][6]部まで覆うものを含めることもある。広義では体の他の部分を覆うものもそのように称することがある。

衛生マスク[編集]

用途による分類[編集]

マスクは用途別では、産業用、医療用、家庭用に分けられる[7]

防塵マスク[編集]

フィルター付きハーフマスク(防塵用)

防塵マスク(ぼうじんマスク、表記揺れ防じんマスク)は、防塵用マスク防塵規格マスクなどともいう。

本来は作業者が空気中に浮遊する微粒子を吸引しないようにする目的で用いられるマスク[8][9]。その形状は、シリコンゴム等で形成された本体(全面形面体または半面形面体)に取換え式のフィルタを付けたもの、または全体が帯電加工された不織布による使い捨て式防じんマスクである[8]。陽圧法のマスクと陰圧法のマスクがあり、陰圧法のマスクには排気弁が付いている[9]。あくまでも作業用であり長時間装着しての使用には向いていない[9]

米国には米国労働安全研究所(NIOSH)が認定するN95マスクがあり製品には認証番号が付けられている[9]。このN95マスクは医療機関で感染防止に用いられることも多くなっている[9]

日本では、労働安全衛生法の規定に基づき、厚生労働省の告示「防じんマスクの規格」に基づいた型式検定に合格し、その合格標章が貼付されている製品をいう[8]。なお、類似の形状をもつものであっても検定合格標章のないマスクは防じんマスクとして販売することはできず、「ダストマスク」「クリーンマスク」などの名称でホームセンター等で市民生活用に販売されている[8]

医療用マスク[編集]

医療用マスクを装着して胸腔内手術を行う外科医達/1990年頃の米国陸軍施設フィッツシモンズ陸軍医療センター英語版にて。

医療用マスクは、主に空気中の飛沫(※飛び散る細かい水玉)を対象とする感染予防を目的とするマスクである[8]英語では "surgical mask" といい、日本語でもその音写形「サージカルマスク」が別名として通用する。英語のそれは名前のとおり、狭義には surgical(外科の、手術の)マスクであるが、広義には医療現場もしくは医療用のマスクを指す。

対象とする粒子径は一般的に5μmより大きいものである[8]SARSウイルス(0.1μm以下)のように感染性病原ウイルスが微粒子で、空気中に浮遊している場合、医療用マスクでは対応できないため、N95やDS2のクラス以上の防塵マスクが使用される[8]

マスクの性能を表す指標としてBFE(細菌濾過効率、Bacterial Filtration Efficiency)とPFE(微粒子濾過効率、Particle Filtration Efficiency)がある。前者はマスクによって細菌を含む粒子(平均粒子径3.0±0.3マイクロメートル)が除去され患者への飛沫を防ぐ割合(%)、後者は試験粒子(0.1マイクロメートルのポリスチレン製ラテックス球形粒子)が除去され、装着者へ影響が出ない割合(%)のことである。アメリカ食品医薬品局(FDA)では、サージカルマスクの基準をBFE95%以上と規定している。

アメリカでは感染性エアロゾルに対する医療用マスクを surgical mask とし、FDAが登録制度を実施しており、製品には登録番号が表示される[8]。産業用の使い捨て式防塵マスクとしてNIOSHの検定合格証を有するマスクでも、surgical mask として使用する時は改めてFDAに N95 surgical mask として登録する必要がある(※この場合には性能試験データの添付は不要)[8]。かつてアメリカでは surgical mask の形状についても規格があったが、今では廃止されている[8]日本では「サージカルマスク」という呼称やその性能に関して法令上の規定は特に無い[8]。過去には感染性呼吸器疾患(新型インフルエンザ等)の流行時に政府がガイドラインを公表したことはあった[8]

基本的には使い捨てであるが、アウトブレイクが深刻化するなどして供給不足に陥った場合は、滅菌して再利用することもある[10]。まさにそのような状況となった2020年コロナウイルス感染症大流行時の日本では、病院でさえ一人あたり1週間に1枚などといった悪条件下での対応を余儀なくされた。

家庭用マスク[編集]

防寒対策、花粉症対策、風邪対策、ウイルス対策、防塵などのための一般向けのマスクを家庭用マスクという[9]

材質による分類[編集]

マスクは材質別では、ガーゼタイプと不織布タイプに分けられる[7]

ガーゼタイプ[編集]

ガーゼタイプのマスクは主に綿織物を重ね合わせたもので古くから広く使われてきた[7]。「布マスク」とも呼ばれる。

洗浄して再利用できるため経済的で病原体の飛散防止には一定の効果を発揮するが、後述の不織布タイプに比べ性能が劣るため、世界保健機関では医療従事者の使用を推奨していない[11][12]

不織布タイプ[編集]

不織布タイプのマスクは不織布を使用したもので、かつては価格と見た目の違和感から一般的には使用されてこなかったが、機能付加が容易で使い捨てに対する抵抗感がなくなったことで急速に普及した[7]

形状による分類[編集]

マスクは形状別では、平型マスク、プリーツ型マスク、立体型マスクに分けられる[7]

平型マスク[編集]

平型マスクは主に綿織物を使用しており(ガーゼタイプが主流)、高い保温性と保湿性を有する[7]

プリーツ型マスク[編集]

プリーツ型マスクは前面がプリーツ状になっており顔前面にフィットして圧迫感を与えにくい[7]

立体型マスク[編集]

立体型マスクは人間の顔に合わせてデザインされており顔面に隙間なくフィットする[7]

家庭用マスクの利用[編集]

衛生用マスク
鉄道駅に設置の自動販売機(中央、2012年)

マスクの効用[編集]

風邪ウイルスやインフルエンザウイルスは、ウイルス単体での空気感染では感染はしない。体液に含まれたウイルスによる飛沫感染や接触感染によって広がるものである。ただし、間違ったマスクの使用は、かえって感染を拡大させる[13]

WHOインフルエンザ・パンデミック時のガイドライン[13]

マスクを着用する場合は、誤った使用による感染拡大を防ぐために、正しい使用法と廃棄が不可欠である。

  • すきまなく口と鼻を覆う。
  • 使用中はマスクに触れてはならない。マスクを取り外すときなど、使用済みマスクに触れたならば、石鹸で手を洗うかアルコール消毒する。
  • マスクが湿った場合は、直ちに新しい清浄なマスクと交換する。
  • 使い捨てマスクは再使用しない、使用後はすぐ処分する。

医療用マスク以外による防護(たとえば布マスク、スカーフ、紙マスクなど)については、有効性についての情報は不十分(insufficient )である。それらの材料を用いる場合、使用するたびに家庭用洗剤で徹底的に洗浄すべきである。マスクを外した後の手は直ちに洗うべきである。

関西医科大学が行った研究によれば、東京都荒川区立のある小学校での2007年2月5日 - 3月2日におけるインフルエンザ発症率は、マスク着用者で1.9%、非着用者で10.8%であり、マスク着用者の方が有意にインフルエンザ発症率が低いということが明らかになった[14][要検証]

マスクは、着用者の空中浮遊菌やウイルスの粒子の吸入を防ぐためには設計されていない上、吸入防止用のレスピレーターほどは効果が無い[15]

機能性マスク[編集]

日本では、2019年までにマスクの表面に付着させた光触媒花粉やウイルスを分解する機能を謳うマスクが販売されていた。しかし同年7月、消費者庁は効果が見られないとしてマスクを製造する各社に対し、不当景品類及び不当表示防止法に当たるとして再発防止措置や対策を講じるよう措置命令を出した。これに対して大正製薬は、他社と表示が違うなどとして審査請求を行い対抗している[16][17]

特殊なマスク[編集]

  • ハニカムマスク - 航空機搭乗の際の鼻の乾燥を防ぐための鼻専用のマスクも存在する。呼気に含まれる水分を吸着しやすいように作られ、そのフィルターを通して吸気を行うことにより、鼻粘膜の過剰な乾燥を防ぐ。航空会社によって搭乗者向けに用意されることもあるほか、トラベルグッズとして市販もされている。ハニカムマスクという。
  • おしゃれマスク - マスクは無地で白色が主であるが、色とりどりの模様のものや、キャラクターが描かれているマスクも存在する。中国の若者がよく着用しており、个性口罩 と呼ばれている。
  • 伊達マスク - 本来の衛生上の理由とは異なる目的で常にマスクを着用すること、あるいはそのようにしてマスクを着用する人のことを指す。
  • 鼻マスク - ドクター中松鼻フィルタなる鼻マスクを特許出願している。

マスク着用に関する各国事情[編集]

1918年に撮影された米国シアトルの警察官たち。スペイン風邪が蔓延していたため全員マスクを着けている。
マスクをつけたサラリーマン

一般に日常生活の中でマスクをすることに抵抗がないのは、日本を始めとしたアジア諸国である。特に東南アジア東アジアの都市部では、排気ガスに含まれる粉塵や無舗装道路の土埃を吸わないよう、オートバイに乗るときにマスクをするのが一般的である。「ベトナムマスク」[18]と俗称される布製のマスクが有名で、日本におけるマスクよりもサイズが大きく、顔のほぼ下半分を覆うような形になっている。また、柄物や色物、様々なキャラクター物があり[19]、土産物として購入する観光客も少なくない。

乾燥地域や公害がある地域では防塵マスク、寒冷地では防寒マスクとして機能している。

また、日本ではエチケットではなく自己の感染予防のためにマスクを使う習慣がある。東京都心部(※調査地:東京駅[20]渋谷駅[21])でこの習慣が一般化したのは2000年代以降で、それ以前には、少なくとも東京都心部に限って[20][21]ではあるが、マスクをしている人はほとんど見かけなかった[20][21]。それが2018年(平成30年)頃には打って変わって冬場に4割以上の人がマスクをしていたというデータがある[21]。都会でこの習慣が一般化したのは、折からの花粉症の流行に加えて、2002年(平成14年)の重症急性呼吸器症候群 (SARS) の世界的流行による予防意識の高まりの影響が指摘されている[21]2009年の新型インフルエンザの流行では、家庭用マスクの売り上げが急増し、マスクが売り切れる騒ぎが発生していることから、この頃までに予防のためのマスクの使用が定着したものと考えられている[22][20][注 1]。このような習慣は、韓国での風邪予防のためのマスク使用やベトナムでの粉塵を防ぐための使用を除いて、日本以外には見られず、きれいな環境でもマスクを使用するのは、世界的に珍しい[23]

季語[編集]

季語としてのマスクは、現代人が一般的に用いる冬季の防寒防疫用のマスクを指す[24]。全く同じ形のマスクでも花粉症対策や防塵対策に用いる場合、それは季語として扱えず、あくまで防寒・防疫を目的として冬季に用いるマスクのみ該当する[24]。すなわち、マスクは三(初冬・仲冬・晩冬の3か月)の季語である[24]。分類は人事/行事/生活[注 2]。親季語や子季語は無い[24]

  • 例句:マスクして われなんじでありしかな[25] ──高浜虚子『五百五十句』(1943年/昭和18年刊)所収[26]。 1937年(昭和12年)1月23日発句[25]
  • 例句:マスクして マスクしている人にあう ──細井啓司(昭和初期) [27]
  • 例句:マスクして しろぎぬの喪の夫人かな ──飯田蛇笏『春蘭』(1947年/昭和22年刊)所収 [27]
  • 例句:新しきガーゼのマスク 老婦人 ──京極杞陽『くくたち』下巻(1947年/昭和22年刊)所収 [27]
  • 例句:純白のマスクぞ深く受験行じゅけんこう ──岸風三楼『往来』(1949年/昭和24年刊)所収 [27]
  • 例句:マスクして 北風を目にうけてゆく ──篠原梵『雨』(1953年/昭和28年刊)所収 [27]
  • 例句:マスクしてをる人の眼を読みにけり ──上野泰『春潮』(1955年/昭和30年刊)所収 [27]

世界における生産・供給[編集]

2010年代後半の世界では中華人民共和国(中国)が最大の生産国であった。中国紡績品商業協会によると、2019年には世界の総生産の約5割にあたる約50億枚を生産している。2019新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患世界的流行によって医療用マスクの需給バランスが大きく崩れた2020年には、パンデミックの発祥地でありながら都市が経済活動を再開できるレベルまでのの抑え込みを早々に成功させた中国は、アウトブレイクを遅れて経験しているさなかの国外での大きな需要を念頭に、経済的および政治的思惑をもって[28]中国は2月から大増産に乗り出し[29]、自動車メーカーなど異業種までもが続々と参入した[29][30][31][32][33]。3月初旬の時点で1日当たり約1億2000万枚まで増産し、その後も増やしている[33][34]中国共産党の機関紙『環球時報』の2020年4月20日付の記事によると、マスクの主要材料であるメルトブロー英語版製法の不織布が1トンあたり約1060万円で半年前と比べて約40倍となったが、新規参入が多くなり、200サンプル品のうち2つしか医療用の基準に適合しない場合もあった[35]

呼吸用保護具・顔面用保護具[編集]

飛行機のキャビン用酸素マスクを装着した軍用機パイロット

以下では呼吸用保護具・顔面用保護具の観点での分類を基準に述べる(呼吸用保護具は各種作業、災害時の避難、感染症や花粉症等の予防など幅広い分野で使用されており[36]、その一部は衛生マスクにあたるが、ここでは用途による分類ではなくマスクの構造・機能による分類について述べる)。

呼吸用保護具[編集]

呼吸用保護具にはろ過式と吸気式がある[37]

ろ過式呼吸用保護具[編集]

作業環境中の空気から有害物質を除去して吸気を供給するタイプの呼吸用保護具[36]。環境空気中の有害物質の種類と影響、作業内容などに応じてマスクの性能等を選択する必要がある[36]。また、面体をもつ呼吸用保護具は接顔部がフィットしている必要があり、面体内圧が陰圧になる防じんマスクや防毒マスクなどでは特に重要になる[36]

  • 防じんマスク - 防じんマスクは粉じんや有害なミストが発生している環境で用いられる[38]。作業環境中の酸素濃度が常に18%以上あり、粉じんの種類も明らかで低濃度の場合に用いられる(そうでない場合は給気式呼吸用保護具を用いる)[38]。ろ過材(フィルター)により使い捨て式と取替式がある[37]
  • 防毒マスク - 防毒マスクは有毒なガスが発生している環境で、作業環境中の酸素濃度が常に18%以上あり、ガスの種類も明らかでガス濃度も低濃度の場合に用いられる(そうでない場合は給気式呼吸用保護具を用いる)[38]

給気式呼吸用保護具[編集]

作業環境中の空気とは別に独立した供給源から安全な空気を吸気として供給するタイプの呼吸用保護具[36]

  • 送気マスク - 送気マスクは酸素濃度18%未満の酸欠環境またはそのような酸欠状態のおそれがある環境で用いられるもので、空気を離れた供給源からホースを通して送るもの[38][36]。エアラインマスクとホースマスクがある[37]
  • 自給式呼吸器 - 空気ボンベなどを携行しその供給源から空気を送るもの[36]。空気呼吸器と酸素呼吸器がある[37]

なお、酸素供給を目的とする機器に接続したマスクは酸素マスクと称され、医療目的のみならず高山への登山の際などにも用いられる。事故などに備えて航空機旅客機)に備え付けられてもいる。また戦闘機など一部の航空機のパイロットは常に酸素マスクを着用している。酸素ではなく圧搾空気等を密閉したマスク内に送気する作業用マスク(防護マスク)もある。

顔面用保護具[編集]

顔面用保護具として、飛来物や飛沫から顔面全体を保護するための防災面や、熱作業現場で顔面を保護するための防熱面などがある[39]

その他各種マスク[編集]

以下は、上記以外のマスクについて述べる。

ダイビングハーフマスク(図説)
ハーフマスクとスノーケルの組み合わせ(図説)

ダイビングマスク[編集]

ダイビングマスク: diving mask, dive mask)とは、簡単な水遊びにも用いられる水中眼鏡/水中めがね水泳など水中活動対応型のゴーグル: underwater glasses)よりやや複雑な構造をしており、水中での眼の保護と視覚の補正という水中眼鏡の機能に加えて、鼻から呼吸器系への水の進入を防ぐ機能をもつものをいう。日本語では「水中マスク」あるいは外来語で「ダイビングマスク」という。

単に潜水するだけなら口で呼吸する必要は無く、息が続く限りで活動するのみであり、また、水中での視界を確保するだけなら水中眼鏡で事足りるため、古代より生業として続けられている素潜りなどは現代でも水中眼鏡を使うようであるが、スポーツ化した素潜りでは水中マスクが使われることが多い。潜水中でも水上の大気を取り込んで呼吸できるスノーケル(シュノーケル)を併用することで潜水時間を引き延ばせる。また、レギュレーターを通してスクーバタンクと口を繋げるスクーバ(スキューバ、水中肺、自給気式水中呼吸装置)を使えば、潜水者はスノーケリング(シュノーケリング)では実現できない高度な潜水活動が可能となるが、水中マスクがあることで初めて安定的に使用することができる。眼・鼻だけでなく口まで覆ってしまうフルフェイス型の水中マスク「ダイビングフルフェイスマスク: diving full face mask)」もあるが、このタイプは、マスクと一体化しているスノーケルか、スクーバが欠かせない。フルフェイス型でない、口を覆わない旧来型は「ダイビングハーフマスク: diving half mask)」と呼ばれる。

スポーツ用マスク等[編集]

スポーツマスク[編集]

ウィンタースポーツの競技者や愛好者にとって防寒は切実な問題である。また、無防備なままでは強風に顔を肌を曝すことになるオートバイ自転車の競技者や愛好者、そしてランニングでトレーニングを行う競技者やジョギング愛好者なども、防風・防寒の意味でも先述の防寒用フェイスマスクのような用品を期待するが、同時に屋外の花粉排気ガス細菌ウィルスなどを防ぐ衛生マスクの機能や、紫外線カット機能、転倒などによる物理的トラブルから顔を守る機能を期待したりもする。そして何よりも第一に、激しく運動するなかでもずれたりしない確かな装着感が重要視される。こういった運動従事者の需要の一部あるいは全てにフォーカスした商品として、「スポーツマスク」と総称されるマスクが[注 3]2010年代に普及してきた。マスクに付いている呼吸気調整バルブを操作して低酸素トレーニングができるフィットネス用や、鼻から下を硬質素材で防御したもの、首元から頭まですっぽり覆ってしまえる一体化は防寒タイプと紫外線遮断タイプがあるなど、様々なタイプが開発されている[注 3]

プロテクター[編集]

米国製スプラッター映画13日の金曜日』(1980年初公開)に登場する怪物ジェイソンが常に着用しているマスクは、それ自体が強烈にキャラクター化している「仮面」と呼ぶべき代物であるが、モチーフになっているのは、映画の製作当時にはアイスホッケーで広く使用されていたゴールテンダーマスク英語版である。画像の人物はコスプレイヤー
アイスホッケーのケージヘルメットコラボマスク

上述のスポーツマスクとは全く異なるものとして、危険を伴うスポーツ武道などを行う者が顔面を物理的に防御するための、ほぼそれのみに特化した用具(フェイスガード、顔面用のプロテクター)も、「マスク」と呼ばれる場合がある。いずれも、競技などに伴う顔や頭への道具やその他の予期しない飛来物や他者の直撃を防いだり、加わった衝撃を軽いものに留めることを目的として使用される。

野球ソフトボールにおける捕手のマスク(キャッチャーマスク: catcher's mask, catcher mask ■上に画像あり)とマスク一体型ヘルメット: catcher's mask and helmet, catcher mask and helmet ■上に画像あり)、同じく球審のマスク(アンパイアマスク: umpire mask ■上に画像あり)とマスク一体型ヘルメット、フェンシングの金網マスク(フェンシングフェイスマスクフェンシングギアマスク: fencing face mask, fencing mask, fencing gear mask ■上に画像あり)、1927年から1977年にかけてアイスホッケーで広く使用されていた白塗りの仮面ゴールテンダーマスク: goaltender mask. cf. en ■右側に画像も参照)」、オフロード系のオートバイ競技などの選手がヘルメットとセットで着用するゴーグル一体型のフェイスマスク(■上に画像あり)などを、代表的な例として挙げることができる。なお、アイスホッケーのゴールテンダーマスクが姿を消したのは、ケージ型のフェイスガードとヘルメットを組み合わせたケージヘルメットコラボマスク: cage helmet combo mask ■右側に画像あり)が1970年代に開発されて次第に普及していったことによる。いくつかの名称をもつ後者もこの例では一応「マスク」の名をもつ。ただ、ケージの部分は「フェイスマスク」とも呼ばれている。パラアイスホッケーでもアイスホッケーのと同様のヘルメット一体型が使用されている。

「マスク」とは呼ばないが、剣道なぎなたにおけるアメリカンフットボールのヘルメットなども目的は同じである。ボクシングや各種格闘技の練習時に用いるヘッドギアにも、顔面を保護するフルフェイスタイプがあり、これもマスクといえなくはない。

21世紀初頭の野球用マスクは一般にクロムモリブデン鋼など金属製のガードが用いられるが、軟式野球においてはポリカーボネートなどの硬質プラスチック製も公認されている。また、内野手の守備練習用としてセーフティーマスク(ディフェンスマスク)もある。球審用のマスクにいたってはチタンフレームのマスク(主に硬式用マスク)もある。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ なお、ここで示した出典はいずれも係る変化が日本全体で起こったことのようにとれる論調になっているが、提示された統計学的論拠も「映像で確認した」という話も全て東京都心部の特定の場所のデータであることを見落とすべきでない。東京で起きたことを主語を欠いた形で報道するとき「日本で起きたこと」に置き換わりがちなのはむしろ通例であるから、本項ではそのような誤解が生じないよう「東京都心部」という語彙をあえて多用した。
  2. ^ 歳時記によって用語はまちまちであるが、要するに「人が生活するなかで行う事柄」を指す。
  3. ^ a b キーワード検索[ スポーツマスク ]

出典[編集]

  1. ^ 小学館『デジタル大辞泉』. “マスク”. コトバンク. 2020年4月5日閲覧。
  2. ^ 三省堂大辞林』第3版. “マスク”. コトバンク. 2020年4月5日閲覧。
  3. ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “マスク”. コトバンク. 2020年4月5日閲覧。
  4. ^ 山根信子、小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “マスク”. コトバンク. 2020年4月5日閲覧。
  5. ^ 日立デジタル平凡社世界大百科事典』第2版. “マスク”. コトバンク. 2020年4月5日閲覧。
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  10. ^ 医療用マスク不足 「滅菌し再利用を」医療機関に周知 厚労省 - NHK
  11. ^ 布マスクは有効? WHOは「どんな状況でも勧めない」 [新型肺炎・コロナウイルス] - 朝日新聞
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  13. ^ a b Advice on the use of masks1 in the community setting in Influenza A (H1N1) outbreaks (Report). WHO. (2009-05). http://www.who.int/csr/resources/publications/Adviceusemaskscommunityrevised.pdf. 
  14. ^ [1][リンク切れ]
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]