銚子市

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ちょうしし ウィキデータを編集
銚子市
利根川河口と銚子市街地
銚子市旗
銚子市章
1934年1月15日告示
日本の旗 日本
地方 関東地方
都道府県 千葉県
市町村コード 12202-5
法人番号 6000020122025 ウィキデータを編集
面積 84.12km2
総人口 53,741[編集]
推計人口、2024年4月1日)
人口密度 639人/km2
隣接自治体 千葉県:旭市香取郡-東庄町
茨城県:神栖市
市の木 サザンカ
市の花 オオマツヨイグサ
市の魚 イワシ
銚子市役所
市長 越川信一
所在地 288-8601
千葉県銚子市若宮町1番地1
銚子市役所
銚子市役所
外部リンク 銚子市

銚子市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキプロジェクト

銚子市(ちょうしし)は、関東地方の東部、千葉県の北東部にある。全国屈指の漁港の町でもある。市の北部には利根川が流れており、銚子市で太平洋に注ぐ。

地理

東京から100km圏内、関東平野の最東端に位置し、北は利根川、東と南は太平洋に面する。江戸時代に利根川水運が開発され、醤油醸造業と漁業で発展。農業は露地野菜を中心に発展した観光都市。

地形

銚子市は、利根川沿いの低地と北総台地からなり、表層は関東ローム層に覆われている。愛宕山(標高73.6m)は北総台地最高峰。水田は台地山間の谷津田と利根川沿いに広がっており、畑地帯は台地の平坦部に位置し、比較的農業に適している。

市域
  • 広袤(こうぼう):東西16.2km、南北12.8km
自然
  • 利根川(利根川が太平洋に注ぐ河口である)

気候

周囲が海に囲まれているため海洋性気候となっている。すなわち、湿度は高めであり、気温は年間平均気温が約15℃で夏涼しく冬暖かいといわれる。 夏場は、関東平野部の都市では珍しく日中でも30℃を超えることは少なく、35℃を超えることはめったにない。熱帯夜になることもあまり無い。一方、冬場は南九州並みに温暖で気温が氷点下になることはほとんどなく、雪が降ることは非常に珍しい。 またトマトメロンスイカイチゴなど海洋性気候に適した野菜果物が栽培されている。

また、年間を通して比較的風が強く、風力発電所の風車が34基稼働している。

隣接する自治体

歴史

地名の由来

元は「銚子口」と呼ばれていた。「銚子」とは、小さなつぎ口を持つ酒器の一種である(徳利ではない)。入り口が狭く、中に入るとより広い空間が拡がる地形がよく似ているため、この地名がついたとされる。「銚子」が行政区画名として町名に使われたのは、1889年明治22年)4月1日市制町村制」が施行されてからである。

銚子漁港

現在、銚子漁港は日本随一の漁獲量を誇る漁港となっているが、嘗ては日本の三大海難所の一つに数えられた所であった。利根川の河口付近に千人塚(銚子市川口町2丁目)は、1616年(慶長19年)10月25日銚子沖に吹いた突風によって亡くなった千人以上の漁民を葬った場所と言われている。昔の利根川河口付近は川幅が狭く、川底には大きな岩があり水深が浅く、干潮時と満潮時の潮の流れは急で、一年中風が強く吹き波が荒い場所であった。1910年(明治43年)3月12日には、漁船80隻、漁民千人以上が遭難した。当時の船頭歌で「阿波鳴門か銚子の川口、伊良湖渡合が恐ろしや」などと諷されていた。

何度も遭難が繰り返される中、銚子の町人や漁民らの間から河口を広げ水深を深くし、安心安全な漁港を造って欲しいという要望が上がり、銚子醤油株式会社(現:ヒゲタ醤油)社長の濱口吉兵衛[1]を千葉県水産株式会社取締役社長に抜擢し、安全な港に修築できるように、県や国に訴えて貰うことにする。以後、県や国が調査し、川底の爆破をし水深を深くすることを試みるものの、かえって流れが急になり、やむなく中止。また、救助砲(救助ロープを打ち出す砲台)を設置したものの、いざ使用してみると、船まで届かず全く意味を成さなかった。

以後、吉兵衛は悩み、漁民を危険な状況から救うため、また、国へこの実情を訴えるために国会議員になる決意をする。その後、国会議員となった吉兵衛は、千葉県議会議員であった小野田周斎と共に銚子漁港改修に全力を注ぎ、銚子港修築案がついに国会を通過、国からの援助を得ることが決まった。1925年大正14年)12月修築工事が始められ、1932年昭和7年)11月竣工した。

1937年(昭和12年)吉兵衛の功績を讃え、新生河岸公園に銅像が建立されたが、1943年(昭和18年)、戦時供出された。その後、1955年(昭和30年)銅像は再建された。

沿革

海上郡銚子町 C 銚子市
海上郡本銚子町
海上郡伊豆原村 B 海上郡西銚子町
海上郡豊浦村
海上郡高神村 D
海上郡海上村
海上郡船木村 E
海上郡椎芝村 A 海上郡椎柴村
香取郡豊里村 F
海上郡豊岡村 G
B 1891年(明治24年)8月14日
D 1937年(昭和12年)2月11日
E 1954年(昭和29年)4月1日
F 1955年(昭和30年)2月11日
G 1956年(昭和31年)4月10日

市制施行以前

市制施行後

行政区域変遷

  • 変遷の年表
  • 変遷表

行政

  • 市長:野平 匡邦(のひら まさくに)(2009年5月17日就任、1期目は2002年8月20日-2006年8月19日、通算2期目)
  • 歴代市長
    • 初代:川村 芳次1933年5月14日 - 1937年5月13日
    • 2代:川村 芳次(1937年5月14日 - 1941年5月13日)
    • 3代:川村 芳次(1941年5月14日 - 1945年5月13日)
    • 4代:大里 庄治郎(1945年5月14日 - 1946年1月7日
    • 5代:加瀬 道之助(1946年2月12日 - 1947年4月4日
    • 公選初代:加瀬 道之助(1947年4月5日 - 1951年4月4日)
    • 公選2代:嶋田 隆(1951年4月23日 - 1954年8月19日
    • 公選3代:嶋田 隆(1954年8月20日 - 1958年8月19日)
    • 公選4代:嶋田 隆(1958年8月20日 - 1962年8月19日)
    • 公選5代:嶋田 隆(1962年8月20日 - 1966年8月19日)
    • 公選6代:嶋田 隆(1966年8月20日 - 1970年8月19日)
    • 公選7代:嶋田 隆(1970年8月20日 - 1974年8月19日)
    • 公選8代:嶋田 隆(1974年8月20日 - 1978年8月19日)
    • 公選9代:大内 恭平(1978年8月20日 - 1982年8月19日)
    • 公選10代:大内 恭平(1982年8月20日 - 1986年8月19日)
    • 公選11代:佐藤 幹彦(1986年8月20日 - 1990年8月19日)
    • 公選12代:佐藤 幹彦(1990年8月20日 - 1994年8月19日)
    • 公選13代:大川 政武(1994年8月20日 - 1998年8月19日)
    • 公選14代:大川 政武(1998年8月20日 - 2002年8月19日)
    • 公選15代:野平 匡邦(2002年8月20日 - 2006年8月19日)
    • 公選16代:岡野 俊昭(2006年8月20日 - 2009年3月29日

行政機関

警察

消防

  • 銚子市消防署(銚子市全域を管轄)
  • 消防団(全9分団)
    • 第一分団 旧高神村及び潮見町地区
    • 第二分団 旧本銚子町地区
    • 第三分団 旧銚子町、旧豊浦村及び大橋町地区
    • 第五分団 旧西銚子町地区
    • 第六分団 旧海上村地区
    • 第七分団 旧船木村地区
    • 第八分団 旧椎柴村地区
    • 第九分団 旧豊里村地区
    • 第十分団 旧豊岡村地区

国の機関

県の機関

  • 千葉県海匝地域整備センター銚子整備事務所
  • 千葉県海匝健康福祉センター(海匝保健所)
  • 千葉県銚子児童相談所
  • 千葉県銚子水産事務所
  • 千葉県教育庁北総教育事務所東総研修所
  • 旭県税事務所銚子支所

地域

人口

銚子市はかつて、千葉市に次いで県内2番目に市政施行するなど、港町として活況を誇っていたが、現在、人口減少率は県内3位となっており、近年の少子高齢化を反映している。かつては、東総地域の中心的都市としての役割を担っていたが、現在、近隣の旭市や茨城県神栖市などに雇用口や商圏などが移り、市内の活気は薄れ、観光や水産業などの面でも頭打ちの状態が続いている。銚子市の半島特有の交通の便の悪さなども起因しており、今後も人口減少が進むと見られている。県の試算では、2000年から2030年までの間の人口減少率は -29,490人の -37.5%となり、県内1位の減少率となることが推測されている[3]

総世帯数は27,220世帯(2006年3月1日)、なお市外局番は市内全域「0479」。

人口構成


銚子市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


健康と福祉

市の中核病院であった銚子市立総合病院が、市の財政難を主な理由に2008年(平成20年)9月30日をもって休止した。[4]

産業

漁業

  • 銚子漁港
    年間水揚数量全国第1位(2009年、22万3739トン)
    年間水揚金額全国第6位(2009年、233億7089万円)
  • 外川漁港

工業

醤油の生産地として名高い。このほか、銚子漁港や犬吠埼などの観光も重要な産業である。また、醤油の原材料の大豆の輸入関係は鹿島港で行われ、生産過程で出てくる大豆絞りかすは鹿島臨海工業の波崎地区の飼料工場の原材料になっている。琥珀の産地である。

日本風力開発の関連会社により、市内には多数の風力発電が稼働している。その大半は、屏風ヶ浦を中心とした高台に位置する。

その他の風力発電所は以下の通り。

姉妹・提携都市

海外

  • アメリカ合衆国の旗 クースベイ市Coos Bay, Oregon, アメリカ合衆国オレゴン州
    1983年(昭和58年)2月10日 銚子市制施行50周年記念式典の席上、クース・ベイ市代表者の出席を得て、姉妹都市協定締結の調印式を行った。1983年10月、銚子市長が港湾施設等視察のため渡米した際、クース・ベイ市への訪問が契機となり、国際親善の気運が高まったのがきっかけとなった。
  • フィリピンの旗 レガスピー市Legazpi City, フィリピン共和国アルバイ州
    1985年(昭和60年)6月27日 レガスピー市議会が銚子市との姉妹都市提携を決議し、レガスピー市長から姉妹都市協定締結の申し入れがあったため、銚子市議会に提案。同市議会の議決を得て提携が成立した。両市の人口規模、産業形態が類似していることや、世界の平和を祈念するため1958年に銚子市に建立された。「日比友愛の碑」の斜塔がレガスピー市のマヨン山を指していることなど銚子市とフィリピンとの関係も深い。

教育

学校

幼稚園

  • 銚子市立海上幼稚園
  • 銚子市立春日幼稚園
  • 銚子市立椎柴幼稚園
  • 銚子市立清水幼稚園
  • 銚子市立豊里幼稚園
  • 銚子市立本城幼稚園
  • 銚子市立船木幼稚園
  • 私立飯沼幼稚園
  • 私立銚子幼稚園

小学校

中学校

高等学校

特別支援学校

大学

交通

鉄道

路線バス

道路

港湾

銚子は北上する「黒潮」と南下する「親潮」が沖合で交じりあい、全国有数の水揚量を誇る。また、日本有数のイワシの漁獲量を誇る銚子港だが、1988年(昭和63年)をピークに年々減り続け、現在では最盛期の100分の1程度となっている。

出身有名人

銚子市を舞台にした作品

映画
テレビドラマ
テレビアニメ
  • アマガミSS』(2010年、TBS系列)、『アマガミSS+ plus』(2012年、TBS系列) - 作品舞台は架空の街「輝日東(きびと)」[5]であり、公式には案内されていないが、銚子市内の風景や実在施設をモデルとした背景画がたびたび登場する。一例として、主人公達が通う「輝日東高校」校舎は、銚子市立銚子高等学校を作画モデルとしている。
小説
戯曲
ポップス
君ヶ浜の風景を詠んだ歌人は多いが、ポップスの歌詞のモチーフにもされている。
ミュージック・ビデオ
屏風ヶ浦では、多数のプロモーション用のミュージックビデオが撮影されている。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

特産・地酒

イベント

大潮まつり(旧暦6月15日)、きんめだいまつり(7月)、みなとまつり(8月)、産業まつり(10月)

脚注

  1. ^ 濱口吉兵衛の銅像”. 銚子市観光協会. 2012年1月8日閲覧。
  2. ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 12 千葉県』、角川書店、1984年 ISBN 4040011201 より
  3. ^ 千葉県総務部市町村課「合併推進構想策定に当たっての県の考え方 人口・高齢化等の現況と2030年までの見通し - 少子・高齢化の進展-」より。
  4. ^ 銚子市行政改革推進「市民の皆さまへ 銚子市立総合病院を休止します」
  5. ^ 近郊施設として、東京都内に位置する大江戸温泉物語椿山荘をモデルとした場所も登場しており、現実の地理を反映した作品ではない。

関連項目

外部リンク

行政
観光