犬神家の一族 (1976年の映画)
犬神家の一族 | |
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The Inugamis | |
監督 | 市川崑 |
脚本 | |
原作 | 横溝正史『犬神家の一族』 |
製作 | 市川喜一 |
製作総指揮 | 角川春樹 |
出演者 | |
音楽 | 大野雄二 |
主題歌 | 愛のバラード |
撮影 | 長谷川清 |
編集 | 長田千鶴子 |
製作会社 | 角川春樹事務所 |
配給 | 東宝 |
公開 |
|
上映時間 | 146分 |
製作国 |
![]() |
言語 | 日本語 |
製作費 | 2億2000万円[1] |
配給収入 |
15億5900万円[2] (1976年邦画配給収入2位) |
次作 | 悪魔の手毬唄 |
『犬神家の一族』(いぬがみけのいちぞく)は、1976年(昭和51年)10月16日[注釈 1]に公開された日本映画。横溝正史作による同名の長編推理小説の映画化作品の一作。製作は角川春樹事務所、配給は東宝。併映は『岸壁の母』。
概要[編集]
1970年代中頃から1980年代中頃にかけて一種のブームとなった角川映画の初作品であり、市川崑監督・石坂浩二主演による金田一耕助シリーズの第1作でもある。金田一耕助を初めて原作通りの着物姿で登場させた映画としても知られる。横溝本人もゲスト出演(民宿・那須ホテルの主人役)している。
「波立つ水面から突き出た足」のシーンや、不気味な白マスク姿の佐清などの印象的な場面が多く、後に何度もパロディにされている。大野雄二による主題曲「愛のバラード」も有名である。
映画公開のタイミングに合わせて映画、書籍、音楽のメディアミックス戦略を積極的に多様したのは本作が走りである[3][4]。特にテレビのスポットCMを日本映画の宣伝に使ったのは本作が初であり、『金田一さん、事件ですよ』というキャッチコピーで流されるCMに、50万円の製作費と500万円の放映料が使われた。邦画各社が「映画館から客を奪うライバル」とテレビ局を敵視していた当時としては、画期的な取り組みであったという[5]。
映画は15億6000万円の配給収入を記録し、大ヒットした。批評家やファンからも高い評価と支持[注釈 2]を受け、第50回キネマ旬報ベスト・テンで第5位にランクインのほか、第1回報知映画賞作品賞などの各賞を受賞した。キネマ旬報によれば、本作のヒットにより製作と宣伝にコストをかけた邦画の一本立て大作路線が本格的にスタートした[7][注釈 3]。また、フジテレビや徳間書店といった他業種の映画参入を促し、映画興行も邦画が洋画を上回ったため、洋画の宣伝も高額な費用を投じた手法が展開されるようになっていく[9]。
2006年(平成18年)には市川・石坂のコンビでリメイク版が製作された。リメイク版も石坂が金田一を演じている。
製作[編集]
映画製作に強い意欲を持っていた製作者の角川春樹は、米国映画『ある愛の詩』を、原作出版元の角川書店とCIC、CBSソニーの3社によるメディアミックスでヒットさせて収益化システムを確立すると、横溝正史原作の『八つ墓村』を映画化するべく製作を開始するが、配給を想定していた松竹が自社製作を選び、角川は出資を断られてしまう。憤慨した角川は松竹と袂を分かち、新たな配給先に東宝を選ぶと、同じ横溝正史原作の『犬神家の一族』を映画化するべく奔走する[10]。角川によれば、『犬神家の一族』を選んだ理由は、当時、洋画『オリエント急行殺人事件』の公開や海外ドラマ『刑事コロンボ』などの放映で探偵推理モノが注目され、さらに山崎豊子原作の『華麗なる一族』がベストセラーになって、縦社会を生きる日本人に受ける、普遍的なテーマだと思ったからだという[11]。製作費は、角川が1億5000万円、東宝が7000万を出資[1]し、角川はさらにテレビの宣伝費と、同時期に自社の文庫本で展開していた『横溝正史フェア』を合わせて、総額3億円の宣伝費をかけたが、これは映画と同時に、出版社として文庫本も売るための戦略的出費であり、1000万冊以上の文庫本に、映画の宣伝と割引券として使用可能な栞が挟み込まれた[12]。結果として、横溝正史の角川文庫本は、累計販売数1800万部の売り上げを叩き出している[13]。
脚本は当初、長田紀生が執筆したが、オカルト的な展開に角川春樹が不満を抱き、東宝の子会社である芸苑社で映画を撮っていた市川崑に監督の打診を行い、快諾した市川の元、脚本の書き直しが行われることとなった。市川崑を監督に決めたのは、久里子亭[注釈 4]というペンネームで脚本を書くくらいミステリーが好きで、また「色彩の魔術師」と呼ばれて評価も高く、70年代頃から見直されつつあった日本の習俗を美しく撮ろうした[14]と、角川春樹は述べている[15]。脚本の書き直しにあたり、市川は原作者の横溝正史に承諾を求め、横溝は「あんたなら安心やから、任しときます」と一任したため、市川は長田の脚本を日高真也と共に、原作を再構成する形で書き直し、主人公である金田一耕助も、横溝の了解を得た上で、デザインは原作順守としつつ、設定を「アメリカ帰りの名探偵」から「神の使いのような無名の風来坊」に変更した。ラストで金田一が見送りを拒否して旅立つ場面は、「神様である彼の正体がバレないほうがいい」と考えた市川監督による演出である[16]。
市川は、自身が手掛ける映画の金田一耕助には、現代性な透明感があり、しかも二枚目でなく二枚目半な役者が良いと考え、TBSのタレント人気調査で3年連続トップになるなど、お茶の間では圧倒的人気を誇りながら、映画では目ぼしい実績を掴み損ねていた石坂浩二を抜擢した。製作者の角川春樹や市川喜一は二枚目過ぎると反対したが市川は押し通し、犯人である犬神松子も妖艶なキャラクターにしたいと考え、候補に挙がっていた森光子でなく、当時は歌手として活躍していた高峰三枝子を起用する。高峰は「こんな人を殺す恐ろしい役はやったことがない」と初めは断ったが、市川に説得されて出演することになった[17]。
犬神家の屋内場面は東宝撮影所の大ステージにセットが組まれたが、ロケーション撮影(後述詳細)は主に長野県で行われた。犬神家の外観は造り酒屋を借りて撮影されている[18]。
音楽には、それまで劇映画を全く手掛けてこなかったジャズピアニストの大野雄二が抜擢された。角川は、日本テレビで1969年から1973年まで放送された『火曜日の女』や、1973年から1974年に放送された『土曜日の女』といったサスペンスドラマから、NHKで1974年から1988年まで使用された『ニュースセンター9時』のテーマ曲など、大野が作曲した楽曲を日常的に視聴しており、おどろおどろしい本作の世界に清明な”水”のような音楽を流したいと考え、クールなジャズを使用したいと、大野の起用を閃いたという。角川は、当時の日本映画の相場だった音楽費100万円に対して、1000万円以上を投じて楽曲を制作させた[19]。
トリビア[編集]
- 犬神松子役の高峰三枝子は、製作当時は歌手として活躍しており、撮影中、歌手特有の動作や歩き方が修正できず、俳優としての調子が出なかった。ところが青沼静馬が惨死した場面を撮影中、胸にかかる予定の血糊が、担当者のミスで高峰の顔にかかるアクシデントが発生する。しかし高峰は芝居を続け、無事にカットを終えることができたが、その翌日から高峰の芝居が格段に向上したため、監督の市川崑は、それ以前に止むを得ずOKとしていた撮影場面のリテークを行うことになった[20]。
- 加藤武が演じる橘警察署長の決め台詞は、監督の市川崑が撮影現場で咄嗟に思いついたものである[21]。
- ラストで金田一が汽車に乗って旅立つ場面で、汽車が映っていないのは、撮影場所である篠ノ井駅に蒸気機関車がなかったためである[22]。
- 後に『新世紀エヴァンゲリオン』などでインスパイアされる、巨大な明朝体のクレジットタイトルは、タイトル制作を依頼されたデン・フィルム・エフェクトが、明朝体の写植発注に対して刷り付ける活字見本の大きさを間違えたのを、市川監督が気に入ってそのまま使用したものである[23]。
- 冒頭の佐兵衛の生涯を写真で振り返るシーンにおいて、「大正八年」の写真の中で佐兵衛(三國連太郎)の隣でグラスを高く上げている人物は、内トラ(身内エキストラ)として出演した監督の市川崑である。当初は、ビルマ戦線で顔を負傷した青沼静馬の仮面を製作する東京の仮面師役で出演する予定だったが、照明担当の岡本健一の方が相応しいとスタッフ内でダメだしを受け、写真のみの出演となった[22]。
- 劇中では作曲家小杉太一郎の唯一の邦楽作品、箏曲「双輪」が効果的に映画音楽として使われている。この曲は箏曲家山田節子の委嘱により作曲されたものである。市川はその後も「双輪」を大変気に入り、『古都』(1980年)や『竹取物語』(1987年)など、以後も箏曲が必要な時にはたびたび使用している[注釈 5]。
- 映画のサントラ盤LPが映画と同時に発売されたのは、本作が初である。角川春樹は、洋画『卒業』(マイク・ニコルズ監督・ダスティン・ホフマン主演)のサントラ盤が、劇場公開後も売れ行きが良いことに着目し、出版社の社長として、音楽が売れると原作本も売れ続けると考え、メディアミックスの一環として行った。サントラはヒットしたが、角川は、テーマ曲が歌であったなら、もっと売れたと考え、次に製作する『人間の証明』には、テーマ曲をジョー山中に歌わせている[24]。
- 逆さ死体を演じているのは、寺田稔(猿蔵役)のスタントを務めた青木湖・湖畔の旅館の主人である[25]。この場面での衝撃体験を語る人は多いが、中でも宮部みゆきは本作を観て以来、水辺や湖沼に行けば「佐清の足が出てきそうだ」と必ず口にするといい、これに対して編集担当者から「全国の湖沼に佐清の足のオブジェを置いて、毎日定時に上下させてはどうか」との冗談を返された旨を、著書で述べている[26]。
- 佐清のマスクなどの造形は、東宝特殊美術の安丸信行が担当した[27]。佐清のマスクの着色は、白と肌色を調合したもので、監督の市川崑の気に入った配色が出なかったため、何度も作り直させられて苦しかったと安丸は述懐している。また、ポスターなどに使用された湖から突き出した佐清の足は、美術助手であった好村直行の足を型取りして造形された。好村は後年、『犬神家の一族 (2006年の映画)』の美術を担当した櫻木晶に、本作の足が好村のものであることを驚かれて誇らしい気分になったと述べている[28]。
- 2021年にデジタル修復された4K Ultra HD Blu-rayが発売された[29][30]。
ストーリー(原作との差異)[編集]
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おおむね原作どおりであるが、現代の人間に分かりやすい設定、かつ時間制限のある劇場映画であるゆえに説明過多になることを避け、また映像での衝撃度を優先した展開に変えられている部分がある。
- 犬神家は製糸業ではなく、製糸業と密接な関係にある製薬業を営んでいる。
- 事後共犯者が佐智の死体を豊畑村の犬神家旧宅(廃屋)に戻すというのちの説明を要する設定はなくなっており、佐智の死体はただ本宅の屋根の上に置かれた。
- 珠世が佐兵衛の実の孫だったことは原作では大山神主が関係者のそろった前で大々的に暴露してしまうが、本作では金田一らの内密の話にとどまっている。したがって、静馬が珠世と叔父姪の関係と知って結婚に窮する設定は無く、珠世が佐清との結婚を迫る松子にこの佐清は偽者だと断言して拒絶する展開となっている。
- 屋敷中の斧(よき)が処分されていたという原作の設定は無く、静馬は斧で殺害されている。そのため「ヨキケス」の見立ては不要になっているが、湖の死体倒立という状況は説明なく原作のまま使われている。
- 佐清の派手な雪中逃走劇もなく、佐清は珠世に遺書を手渡すために現れ、それにより猿蔵に尾行されて豊畑村の旧宅で警察に逮捕された。
- 宮川香琴は本作では青沼菊乃ではない。ただ香琴が佐智殺害時における松子のアリバイ崩しの証言をするところは原作通りである。なお本作では、古館弁護士の調査では菊乃は空襲で死亡したということであったが、静馬は松子に殺害される直前に自分が9歳のときに死んだと語っており、矛盾している。
また、以下のような原作に無い要素が追加されている。
- 那須ホテルの女中・はる。金田一の助手的な動きをする。
- 原作では故人となっている松子の母親が登場する。
出演者[編集]
- 金田一耕助:石坂浩二
- 犬神佐清/青沼静馬:あおい輝彦
- 犬神松子:高峰三枝子
- 犬神竹子:三条美紀
- 犬神寅之助:金田龍之介
- 犬神佐武:地井武男
- 犬神小夜子:川口晶
- 犬神梅子:草笛光子
- 犬神幸吉:小林昭二
- 犬神佐智:川口恒
- 犬神佐兵衛:三國連太郎[注釈 6]
- 野々宮珠世:島田陽子
- 野々宮晴世:仁科鳩美
- 青沼菊乃:大関優子
- お園(松子の実母):原泉
- 猿蔵:寺田稔
- 古館恭三弁護士:小沢栄太郎
- 古館事務所助手・若林:西尾啓
- 橘警察署長:加藤武
- 井上刑事:辻萬長
- 藤崎鑑識課員:三谷昇
- 警察医:細井利雄
- 大山神官:大滝秀治
- 琴の師匠:岸田今日子
- 那須ホテルの女中・はる:坂口良子
- 犬神家主治医:守田比呂也
- 柏屋の亭主・久平:三木のり平
- 那須ホテルの主人:横溝正史(特別出演)
- 以下はノンクレジット[要出典]
- 柏屋の女房:沼田カズ子[31]
- 渡辺刑事:角川春樹[31]
- 東京の仮面師:岡本健一[31]
- 犬神奉公会の人:北島和男[31]
- 警察官:宮本茂[31]
- 野々宮大弐:那須清[31]
- 犬神佐兵衛の若い頃:阿部義男[31]
- 犬神佐兵衛の少年時代(写真):三ツ矢雄二
- 犬神松子の少女時代:勝山美香子[31]
スタッフ[編集]
- 原作:横溝正史「犬神家の一族」
- 監督:市川崑
- 脚本:長田紀生、日高真也、市川崑
- 製作:角川春樹、市川喜一
- 音楽:大野雄二
- 撮影:長谷川清
- 美術:阿久根巌
- 録音:大橋鉄矢
- 照明:岡本健一
- 編集:長田千鶴子
- 助監督:加藤哲郎
- 製作担当者:中村賢一
- 琴指導:山田節子
- 衣装協力:浅草仲満
- 合成:三瓶一信
- 記録:土屋テル子
- 製作補:藤田光男
- 製作担当:中村賢一
- スチール:橋山直己
- 監督助手:白山一城、浅田英一、岩下輝幸
- 撮影助手:柿沼勝、近藤明、江口憲一、伊藤野鳴
- ネガ編集:南とめ
- 効果:東洋音響
- 造形:安丸信行 [注釈 7]
- 選曲:鈴木清司 [注釈 7]
- 録音スタジオ:アオイスタジオ
- 現像:東洋現像所
受賞[編集]
- 第1回報知映画賞 作品賞、録音部門(大橋鉄也)
- 第50回キネマ旬報ベスト・テン第5位、読者選出第1位、読者選出日本映画監督賞
- 第31回毎日映画コンクール
- 日本映画ファン賞
- 撮影賞(長谷川清)
- 音楽賞(大野雄二)
- 録音賞(大橋鉄矢)
- 第19回ブルーリボン賞 助演女優賞(高峰三枝子)、特別賞(角川春樹とスタッフ)、ベストテン入選
- 文化庁優秀映画選出
- 年間代表シナリオ選出
- 映画の日特別功労賞(角川春樹)
- 昭和51年度芸術祭参加作品
ロケ地[編集]
- 那須の街並みは長野県上田市で撮影された。
- 湖の風景は長野県の青木湖、木崎湖で撮影された。
- 金田一耕助が投宿する「那須ホテル」は長野県佐久市にある「井出野屋旅館」で撮影された[32][33]。
- 信州那須神社は、長野県大町市にある国宝・仁科神明宮で撮影された。
- 那須警察署は、長野県上田市にある登録有形文化財(建造物)・上田蚕種協同組合で撮影された。
- 金田一耕助が汽車に乗る場面は、長野県長野市篠ノ井布施高田にある篠ノ井駅で撮影された。
その他[編集]
- 角川映画の海外セールスは、配給が東宝でも松竹でも関係なく、本作も含め以降、ほぼ全て東映国際部が担当している[34]。成果については不明。
- 1978年(昭和53年)1月16日にTBS系列「月曜ロードショー」にてテレビ初放送、視聴率40.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。これは2021年現在、歴代邦画視聴率の第4位となっている[35]。
- 角川春樹は、監督の市川崑と主演の石坂浩二に対して、興行で利益が出た場合は、それを更に配分する契約を交わし、市川にはギャラ500万円に加えて700万円、石坂にもギャラに利益分を加えて、それぞれ支払っている[36]。
- 本作の公開中、使途不明金や伝票操作による着服金が110万円あるとして、角川春樹は、プロデューサーの市川喜一を横領罪で告訴した。これに対して市川は、朝日新聞を通じて「忙しい映画制作の現場では、領収書をもらえない時もある。裏金を渡すケースも出てくる」と反論記事を展開し、逆に角川を、誣告罪及び債務不履行で告訴する事態となった。「金を出す側の気持ちも考えてみろ」と憤慨した角川だったが、東宝側と話し合った結果、最終的にお互いの告訴を取り下げることになった。しかし今後の映画界のためとして、角川は今回の一件を表沙汰にした上で、以後の映画製作で発生した経費を、全て自分でチェックするようになったという[6]。
- 「井出野屋旅館」では撮影に使われた部屋をそのままにし宿泊も可能であったが、2023年には営業を終了し売却される予定である[33][37]。
関連書籍[編集]
- 18人の金田一耕助(1998年3月1日、光栄、山田誠二著)
- 金田一です。(2006年12月1日、角川メディアハウス、石坂浩二著)
- KADOKAWA世界名作シネマ全集 23 「犬神家の一族」「人間の証明」(2007年6月1発行、角川書店)- DVD付大型本
- シネアスト 市川崑(2008年6月4発行、キネ旬ムック シネアスト)
- 市川崑のタイポグラフィ : 「犬神家の一族」の明朝体研究(2010年7月12日発行、水曜社、小谷充著)
- 映画秘宝EX 金田一耕助映像読本(2013年12月16日発行、洋泉社MOOK 映画秘宝 EX)
- 角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年(2014年2月21日発行、KADOKAWA/角川マガジンズ、中川右介著)
- すべては、角川映画からはじまった。(2014年10月27日、KADOKAWA、中川右介著)
- 完本 市川崑の映画たち(2015年11月12発行、洋泉社、市川崑・森遊机共著)
- 市川崑と『犬神家の一族』(2015年11月13日発行、新潮社、春日太一著)
- 角川映画 1976-1986(増補版)(2016年2月25日発行、角川文庫、中川右介著)
- 昭和40年男 2016年8月号(2016年7月11日、クレタパブリッシング)
- 最後の角川春樹 (2021年11月25日発行、毎日新聞出版、伊藤彰彦著)
映像ソフト[編集]
発売日 | レーベル | 規格 | 規格品番 | タイトル | サイズ | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1983年 | ポニー | VHS | VAF-1109 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | |
ベータ | VFF-1109 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | |||
1983年 | ポニー | VHS | V200F71378 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | レンタルオンリーで、映画「金田一耕助の冒険」との2本立て |
1983年 | パック・イン・ビデオ | VHD | VHPP-44013 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | |
1984年3月21日 | パイオニア | LD | FH090-34KD | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | |
1989年12月27日 | 東宝ビデオ | VHS | TG-4011 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | |
1991年10月25日 | パイオニアLDC | LD | PILD-1061 | 犬神家の一族 | 劇場公開版(1.5:1) | ネガテレシネによる高画質デジタル(D2)ニューマスター仕様により再発 |
2000年8月25日 | 角川映画 | DVD | KABD-78 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | |
2003年3月21日 | 角川映画 | DVD | KABD-550 | 角川映画クラシックスBOX〈70年代ミステリー編〉 | スタンダード(1.33:1) | 「人間の証明」「金田一耕助の冒険」との3枚セット |
2006年12月8日 | 角川エンタテインメント | DVD | DABA-0312 | 犬神家の一族 コレクターズ・エディション(初回限定生産) | 劇場公開版(1.5:1) | HDテレシネによるニューマスターをさらにレストアした究極のデジタルリマスター版で、特典ディスク付きの2枚組 |
2007年7月6日 | 角川エンタテインメント | DVD | DABA-90361 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | 廉価版 |
2007年7月6日 | 角川エンタテインメント | DVD | DABA-0358 | 犬神家の一族 完全版 1976&2006(初回限定版) | スタンダード(1.33:1) | 1976年版と2006年版のセット |
2011年1月28日 | 角川映画 | DVD | DABA-0765 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | デジタル・リマスター版 |
2012年9月28日 | 角川書店 | Blu-ray | DAXA-4250 | 犬神家の一族 | ハイビジョン(1.78:1) | 角川ブルーレイ・コレクション、デジタル・リマスター版 |
2016年1月29日 | KADOKAWA / 角川書店 | DVD | DABA-91102 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | 角川映画 THE BEST |
2019年2月8日 | KADOKAWA / 角川書店 | Blu-ray | DAXA-91502 | 犬神家の一族 | スタンダード(1.33:1) | 角川映画 THE BEST、廉価版 |
2021年12月24日 | KADOKAWA / 角川書店 | 4K Ultra HD +Blu-ray
+特典Blu-ray |
DAXA-5817 | 犬神家の一族 | 劇場公開版(1.5:1) | 4Kデジタル修復 Ultra HD Blu-ray【HDR版】
『犬神家の一族』完全資料集成付き |
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ a b 日比谷映画劇場で先行上映。
- ^ 朝日新聞が、1976年10月22日夕刊での本作の映画評として「角川書店の若社長が初めてプロデュースした作品だ」と書き出し、同年11月27日には、角川と同世代の映画プロデューサーの意見を匿名で「春樹氏の合理主義は、結局はもうけのためだ」と紹介するなど、当時のマスコミには『本屋の2代目の坊々が道楽で映画を作った』『文庫の宣伝のために映画を作るな』という揶揄や反感を露にする空気も存在している[6]。
- ^ ただし、1980年には1本立てイコール大作のイメージは無くなり、観客側も1本立ての物珍しさに慣れてしまい、製作側も勝負作でない、大作でない1本立てを作成するようになった[8]。
- ^ クリスティのもじり。
- ^ ちなみにこれらで使われている演奏はすべて山田節子によるものである。
- ^ クレジットでは三国連太郎。
- ^ a b c ノンクレジット。
出典[編集]
- ^ a b 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P103
- ^ 中川右介『角川映画 1976-1986 日本を変えた10年』KADOKAWA、2014年、280頁。ISBN 978-4-04-731905-9。
- ^ 【名作映画を見てみよう!】社会現象、メディアミックス…角川映画の第1作「犬神家の一族」 死にざまも邦画史の金字塔(1/2ページ) - 産経ニュース
- ^ 日本映画に革命を起こした『犬神家の一族』はここがスゴかった(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P112
- ^ a b 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P118~119
- ^ 「1979年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報』1980年(昭和55年)2月下旬号、キネマ旬報社、1980年、119頁。
- ^ 「1980年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報』1981年(昭和56年)2月下旬号、キネマ旬報社、1981年、113頁。
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P119
- ^ 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P290~291
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P105
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P112~113
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P118
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P105~106
- ^ 『現代ビジネス』 (2016年9月18日). “日本映画に革命を起こした『犬神家の一族』はここがスゴかった”. 現代ビジネスプレミアム 本/教養. 講談社. 2019年10月26日閲覧。
- ^ 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P291~292、298
- ^ 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P292~293
- ^ 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P296、298
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P116~117
- ^ 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P293~294
- ^ 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P294
- ^ a b 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P298
- ^ 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P297
- ^ 『最後の角川春樹』、2021年11月発行、伊藤彰彦、毎日新聞出版、P116~118
- ^ 北山美紀・水原文人「メイキング・オブ・犬神家の一族」『プレミア日本版』2002年11月号、アシェット婦人画報社、93-103頁。
- ^ 宮部みゆき 『平成お徒歩日記』新潮社、1998年、93-94p頁。ISBN 4103750030。
- ^ 「特撮映画以外の造形」 『オール東宝怪獣大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK 別冊映画秘宝〉、2014年4月27日、280頁。ISBN 978-4-8003-0362-2。
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- ^ 『犬神家の一族』4K修復版がすごい…若々しい石坂浩二や坂口良子の魅力を再発見!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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