蝙蝠と蛞蝓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
金田一耕助 > 蝙蝠と蛞蝓

蝙蝠と蛞蝓』(こうもりとなめくじ)は、横溝正史の短編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。探偵小説誌『ロック(The Lock)』(筑波書林)昭和22年9月号に掲載された。

角川文庫人面瘡』(ISBN 4-04-130497-0)1997年発行に収録されている5話の短編推理小説の1編である。

金田一耕助が登場する作品の一つで、角川文庫版で28ページの短編である。舞台は戦後間もない日本の平凡なアパート[1]で、蝙蝠とは主人公が金田一耕助につけたあだ名、蛞蝓は主人公が被害者につけていたあだ名である。[2]

あらすじ[編集]

アパートに住む主人公は隣に引っ越してきた金田一耕助のことがなんとなく気に入らない。主人公は裏に住む女を殺してその罪を金田一にかぶせてしまう事を想像して小説の下書きにしたためる。しかしこれは単なる想像で本気で殺人を犯す気は無くやがてその事も忘れていた。ある日主人公が帰宅すると裏に住む女が殺されていて主人公は殺人の嫌疑をかけられる。なぜか殺人の物証もあり、小説の下書きの事も主人公には不利な材料になる。主人公は連日警察の取り調べを受けていたが、ある日、取調室に金田一耕助が現れる・・・[2]

主な登場人物[編集]

金田一耕助
私立探偵。湯浅の隣人。
湯浅 順平
アパートの住人。作中の「俺」。
お加代
アパート経営者・剣突剣十郎の姪。
山名 紅吉
アパートの住人。
お繁
アパートの裏に住む女。湯浅曰く「蛞蝓女史」。
剣突 剣十郎
アパートの経営者。お加代の叔父。

漫画[編集]

JETの作画で『ミステリーDX』(角川書店)1999年8月号に掲載された。JETが漫画化した他の金田一シリーズと共に以下のコミックスに収録されている。

脚注[編集]

  1. ^ この事件より時系列的に後と考えられる『暗闇の中の猫』が、「筆者」が「東京に腰を落ち着けてから最初に取り扱った事件」を尋ねたのに答える形で語られているため、このアパートは東京以外の都市にあるとする説がある(たとえば宝島社『別冊宝島 僕たちの好きな金田一耕助』 ISBN 978-4-7966-5572-9 金田一耕助登場全77作品 完全解説「6.蝙蝠と蛞蝓」)。しかし、同じく『暗闇の中の猫』より先行すると考えられる『黒蘭姫』は明らかに東京での事件なので、むしろ「最初」という位置づけが金田一または「筆者」の錯誤と考える方が合理的である。この場合、この事件のアパートが東京以外にあるとする理由は無い。
  2. ^ a b 横溝正史「蝙蝠と蛞蝓」角川文庫『人面瘡』金田一耕助ファイル6、角川書店、1996年、pp.237-264