睡れる花嫁

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金田一耕助 > 睡れる花嫁

睡れる花嫁』(ねむれるはなよめ)は、横溝正史の短編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。『読切小説集』昭和29年11月号(テラス社)に「妖獣」の題で掲載された。

角川文庫人面瘡』(ISBN 4-04-130497-0)に収録されている。以前は角川文庫『悪魔の寵児』(ISBN 4-04-130412-1)に収録されていた。

あらすじ[編集]

昭和27年11月5日夜、派出所詰めの若い巡査・山内は、巡回中に長く空き家になっているアトリエにさしかかる。そのアトリエは数年前に凄惨な事件が起こって以来、誰も住む者がいないはずだったが、窓から不審な明かりが漏れるのを目撃し、周囲を調べる。すると、塀の隙間から何者かが現われ、アトリエの持ち主の名を名乗った直後、山内を刺した。山内は今際の際に同僚に上記のいきさつを語って息絶え、等々力は山内の妹に、アトリエで起きた事件を語った。

画家であった樋口邦彦は年を経てから若い元ダンサーの瞳と結婚し、近所でも評判になるほどの熱愛ぶりを見せた。しかし、瞳は結核を患ってしまう。瞳が姿を見せなくなってしばらくし、近所の酒屋の小僧・清水浩吉がアトリエに忍び込み、腐乱死体となった瞳を見つける。瞳は病死であったが、樋口は死亡届を出さずに瞳の死体を愛し続けたのであった。また、それは瞳の生前の願いでもあった。樋口は殺人にこそならなかったものの死体遺棄等の罪により有罪判決を受けた。これが数年前の事件であった。そして樋口は先ごろ刑期を終え、出所していた。

山内巡査の死亡を受けてアトリエを調べてみると、そこには先日、病院から盗まれた河野朝子の死体があった。警察は樋口を第一容疑者として捜査を開始する。金田一は若い女性の死体が手に入らないなら、自分の手で死体を作ろうとするのではないかと危惧する。

樋口の足取りを調べる内に、金田一らはバー「ブルー・テープ」にたどり着く。樋口の亡き妻の同僚だった水木加奈子がマダムを勤める店で、河野朝子が亡くなったその日に樋口はブルー・テープを訪れていたのだった。

主な登場人物[編集]

  • 金田一耕助(私立探偵)
  • 等々力(警視庁の警部)
  • 山内(巡査)
  • 石川(巡査。山内と同じ派出所に勤める)
  • 樋口邦彦(画家。アトリエの所有者)
  • 瞳(邦彦の妻。故人)
  • 清水浩吉(酒屋の小僧)
  • 河野朝子(バー「ブルー・テープ」の女給)
  • 水木加奈子(バー「ブルー・テープ」のマダム。瞳の元同僚)
  • しげる(水木加奈子の養女)
  • 原田由美子(河野朝子の同僚)