レクサス・GS

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GS(ジーエス、Lexus GS )は、トヨタ自動車の高級ブランド、「レクサス」から販売されているセダン型の乗用車である。

現在販売されているのは第3世代モデルであるが、初代・第2世代モデルについて、日本国内に限っては「トヨタ・アリスト」として販売されていた。

概要

4ドアセダンであり、レクサスのラインナップ上はESとともに、LSISの中間に位置する車種である。

市場調査会社J.D.パワー・アンド・アソシエイツが実施した、100台あたりの不具合件数を集計する米国自動車耐久品質調査SM(VDS)では、2005年に引き続き2006年もミッド・ラグジュアリー部門での不具合件数報告が最も少なかったという極めて優秀な耐久性を示している。一方、米国道路安全保険協会(IIHS)のおいて実施された2006年度調査において、後方からの追突時の安全性が「MARGINAL」(不十分)という評価がなされた。

また、LSなどと同様に、エンジンと電気モーターを併用したハイブリッド仕様車を、先進の高級車ブランドとしてはじめて本格的にラインナップに入れている。車体は4ドアセダンのみで、ステーションワゴンは設定されていない。基本的なコンポーネントを、トヨタブランドのクラウンクラウンマジェスタと共有している。

北米では2006年の販売台数ではライバルとしているBMW・5シリーズメルセデス・ベンツ Eクラスの半数程度にとどまっている。2005年の販売台数の差を考慮すれば、シェアを拡大している。

歴史

初代 S147L型(1993年 - 1997年)

レクサス・GS(初代)
JZS147L型
GS300(北米仕様)
概要
別名 日本:トヨタ・アリスト(初代)
販売期間 1993年1997年
デザイン イタルデザイン・ジウジアーロ
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 2JZ-GE型 3.0L 直6
変速機 4速AT
車両寸法
ホイールベース 2,780mm
全長 4,920mm
全幅 1,795mm
全高 1,420mm
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1991年から製造が始まった初代アリストのレクサスブランド版として、1993年2月22日からトヨタ自動車田原工場にて生産を開始した。アリストにはターボエンジンの設定があったが、北米向けの「GS300」のエンジンは3.0L直列6気筒自然吸気エンジンだった。

主なモデル

  • GS300:3.0L 直列6気筒DOHCエンジン 2JZ-GE(220ps/30.0kg・m)、4速AT、駆動方式はFR

2代目 S16#L型(1998年 - 2005年)

レクサス・GS(2代目)
JZS160L/UZS16#L型
GS300(欧州仕様)
概要
別名 日本:トヨタ・アリスト(2代目)
販売期間 1998年2005年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 3UZ-FE型 4.3L V8
1UZ-FE型 4.0L V8
2JZ-GE型 3.0L 直6
変速機 4速/5速AT
車両寸法
ホイールベース 2,800mm
全長 4,805mm
全幅 1,800mm
全高 1,435mm
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1997年アリストがモデルチェンジした翌年、GSもモデルチェンジした。エンジンは直列6気筒エンジン(2JZ-GE)とV8エンジン(1UZ-FE)の2本立て。アメリカ雑誌『モータトレンド』が選定する1998年インポートカー・オブ・ザ・イヤーに輝いている。また、同じくアメリカの雑誌『カーアンドドライバー』が選定するテン・ベストカーに、1998年から2000年の間選ばれ続けた。

2001年マイナーチェンジ。「GS400」に搭載されていた4.0L V8エンジン(1UZ-FE)の排気量が4.3Lに拡大され、3UZ-FEとなり、「GS430」がラインナップ。同時にGS400はラインナップから消滅した。

主なモデル

  • GS430:4.3L V型8気筒DOHCエンジン 3UZ-FE(300ps/45.0kg・m)、5速AT、駆動方式はFR
  • GS400:4.0L V型8気筒DOHCエンジン 1UZ-FE(300ps/42.8kg・m)、5速AT、駆動方式はFR。
  • GS300:3.0L 直列6気筒DOHCエンジン 2JZ-GE(220ps/30.0kg・m)、5速AT、駆動方式はFR。

3代目 S19#型(2005年 - )

レクサス・GS(3代目)
GRS19#/UZS190/URS190/GWS191型
GS450h 後期型(2010年 -)
フロント
リア 後期型
インテリア 前期型
概要
販売期間 2005年8月 –
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 FR / 4WD(AWD)
パワートレイン
エンジン 3UZ-FE型 4.3L V8(前期型)
1UR-FSE型 4.6L V8(後期型)
2GR-FSE型 3.5L V6
3GR-FSE型 3.0L V6
モーター 1KM交流同期電動機
変速機 6速AT / 電気式無段変速機
車両寸法
ホイールベース 2,850mm
全長 4,830mm
全幅 1,820mm
全高 1,425-1,435mm
車両重量 1,640 - 1,890kg
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発表・発売(2005年)

2005年1月、北米国際オートショーにて3代目GSがワールドプレミアとなり、同年8月30日に日本にてレクサスブランドが開業。2ドアプレミアムクーペのSCとともに「日本レクサス」の第1弾としてデビューした。目標月間販売台数は1100台と発表している。

当初はV型8気筒搭載モデルのフラッグシップモデルである「GS430」と、V型6気筒エンジン搭載の量販モデルである「GS350」の2車種をラインナップ。「GS430」は先代と同じパワートレーン(3UZ-FE型V8+6AT)を引き継ぐが、量販モデルの「GS350」が搭載する新開発のV型6気筒3.5Lエンジン(2GR-FSE)の出力は300psを大きく超えて315psとなり、歴代のトヨタ自動車製乗用車としては初めて280psを超えた。また地域によって商品展開に違いがあり、「GS350」は日本・北米・韓国で、同じV6エンジンでも3L版の3GR-FE型を搭載する「GS300」は中国などその他の地域で販売されている。

「GS450h」の追加

翌2006年3月、日本のレクサスブランド車としては初となるハイブリッド仕様(ちなみに日本国外市場ではSUVの「RX400h」がレクサス初のハイブリッドカーである)「GS450h」を追加。世界初となるFR駆動方式のハイブリッドカーとなったGS450hは、GS350にも搭載される3.5Lの2GR-FSE型のV6エンジンにFR駆動車専用に開発されたモーターをトランスミッションケース内に組み込み、システム合計出力で345psを発生する(このハイブリッドシステムの基礎は後にフラッグシップサルーンの「LS600h」や、トヨタブランドの「クラウン・ハイブリッド」にも技術転用されている)。 トヨタブランドのハイブリッド専用車である「プリウス」などの燃費重視型ハイブリッドとは違い、モーターを過給器のように使うパワー志向のハイブリッドとして燃費以上に走りを重視しているのがGS450hの特徴である。なおエンジンの排気量こそ3.5Lであるが、「4.5Lエンジン並みのパワーと、2Lエンジン並みの低燃費を実現した」という意味で「450h」と名づけられている。

年次改良(2006年)

10月、イヤーモデル制度を敷くレクサスブランドの方針に従い年次改良を実施し2007年モデルへと進化。主な変更点として、GS350にもGS430と同じ18インチアルミホイール+245/40/R18タイヤが選択できるようになり、GS450h専用ボディカラーだったプレミアムライトブルーがGS350とGS430でも選択できるようになる。また翌2007年3月、日本車として初めてドイツ・iFデザイン賞金賞を受賞(ISと同時受賞)。

マイナーチェンジ(2007年)

10月、マイナーチェンジが施されたのが2008年モデルの特徴で、「GS430(3UZ-FEエンジン搭載車)」のエンジンを、LS460に先行搭載された新開発の4.6L・V型8気筒エンジン(1UR-FSEエンジン)と8速ATへ換装した。その結果、最高出力は280PSから347PSへと大幅に向上。このエンジン換装に伴って排気量もアップしたためグレード名称も「GS460」と改称された。

また登場から2年が経過していたこともあり、エクステリアの意匠変更を行いリフレッシュ。レクサスブランド車としては初めてウインカー内蔵ドアミラーが採用された。さらにインテリアにもシートやステアリングホイールの意匠や材質を変更するなどさらに質感を向上させ商品性の向上を図る。

年次改良(2008年)

10月、年次改良実施(2009年モデルへ)。 主な改良点として、レクサス車初となるソフトプライバシーガラスをリアウインドウとリアドアに採用し全車に標準で装備された。

年次改良(2009年)

8月、年次改良実施(2010年モデルへ)。 HDDナビの機能を向上し、新たに「マップオンデマンド(通信により地図を更新する機能)」や地上デジタルチューナーを追加。さらにポータブルオーディオプレイヤーと接続して使うためのUSB端子をコンソールボックス内に配備し、MDプレーヤーを廃止した。また、運転席と助手席に鞭打ち傷害の軽減に寄与する「アクティブヘッドレスト」を標準装備した。 ボディカラーも差し替えが行なわれ、新たにスリークエクリュメタリック・ディープペリドットマイカ・ラピスラズリマイカが追加され、内装色もセミアニリン本革シートが「エボニー」から「ブラック」へ変更され、アイボリーもより明るい色調へと変更された。

そしてGS450hではこれらの変更点に加え、専用の意匠としたフロントグリルとリアコンビネーションランプと18インチアルミホイールが与えられた。また内装にもブラック&ウォーターホワイトのGS450h専用色を設定し、HS250hと同じく「LEXUSハイブリッドブルー」のパワースイッチを新採用するなどガソリンエンジン車との差別化を図った。

2010年8月にはレクサスブランド開業5周年を記念し、GS350・GS450hをベースに、穏やかなブラウンの本革シートの外側に深みのあるオレンジを配色して夕陽が後ろから優しく差し込み包み込むような空間を演出した特別仕様車「Art Works」を発売。

4代目

レクサスは日本時間の8月19日に、アメリカ合衆国カリフォルニア州で開催された「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」会場で、2012年モデルの新型「LEXUS GS350」をワールドプレミアとして発表した。この2012年モデルより、4代目となる。[1]

また、9月13日にはフランクフルトモーターショーではGS450hを[2]11月1日にラスベガスのSEMAショーではGS350"F SPORT"を[3]、そして広州国際モーターショーではGS250[4]を発表した。日本ではGS350、GS350"F SPORT"、GS250は2012年初頭、GS450hは2012年春の発売が予定されている。

さらに、2011年11月から開催された第42回東京モーターショーにおいても市販仕様が出展された。

シャーシーはGS史上初めてクラウンとは決別し、専用設計とのこと。[1][2]

GS450h 第42回東京モーターショー出展車両(フロント/リア) GS450h 第42回東京モーターショー出展車両(フロント/リア)
GS450h 第42回東京モーターショー出展車両(フロント/リア)

車名の由来

  • 「GS」の車名は「Grand Sedan」[5]の頭文字をとった略である

カスタマイズカー

GS(3代目)と同時期に開発された他のレクサス車(ISなど)やトヨタ車(クラウン、マークXなど)と同じように、細やかな電子制御や特殊なパーツ等によりカスタマイズは難しいとされてきたが、現在ではトヨタのセミワークス的存在とも言えるトムス(TOM'S)をはじめ、数多くのチューニングパーツメーカーなどがカスタマイズに成功している。

脚注

外部リンク