海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船
海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船 | |
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監督 | 渡辺勝也 |
脚本 | 荒川稔久 |
製作 | 鈴木武幸、平城隆司、高橋浩 |
出演者 |
小澤亮太 山田裕貴 市道真央 清水一希 小池唯 池田純矢 他 |
音楽 | 山下康介 |
撮影 | 大沢信吾 |
編集 | 佐藤連 |
配給 | 東映 |
公開 | 2011年8月6日 |
上映時間 | 31分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 17.6億円[1] |
前作 | ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦 |
次作 | 海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE |
『海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船』(かいぞくせんたい ゴーカイジャー ザ ムービー そらとぶゆうれいせん)は、2011年8月6日より東映系でデジタル3D/2Dで同時上映された日本の映画作品。特撮ヒーロー番組「スーパー戦隊シリーズ」『海賊戦隊ゴーカイジャー』の映画化作品である。『劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』と同時上映。キャッチコピーは「かつてない熱い夏がやってくる!!」[2]。
概要
「ゴーカイジャー」をタイトルに含む映画作品としては、前作『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』に続いて2作目。
2010年夏に公開の『天装戦隊ゴセイジャー エピックON THEムービー』に続いて監督は渡辺勝也、アクション監督は竹田道弘が担当。また、渡辺監督のラブコールで『炎神戦隊ゴーオンジャー』から生まれたアイドルユニット・G3プリンセスがゲスト出演した。『スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』同様、過去のスーパー戦隊と対決した敵が数人再登場するほか、歴代の敵組織の戦闘員が総登場し、全ての戦闘員が融合した合体戦闘員が登場した[3]。本作を始めとする毎年夏に公開されるスーパー戦隊シリーズの劇場版では最初の作品である2001年の『劇場版 百獣戦隊ガオレンジャー 火の山、吼える』から10年間に渡って、劇場版限定(もしくは本編より先行)のメカが登場し、その玩具も発売されることが恒例となっていたが、本作では後述のにせゴーカイオーという「劇場版限定メカ」自体は登場しているものの、玩具発売は実現しなかった。
本作はスーパー戦隊の劇場版としては初めてオープニングとエンディングが存在しない作品であり、冒頭のアバンタイトルを除くほぼ全編が本編という構成になっている。
なお、脚本執筆の際には石ノ森章太郎[4]原作の東映アニメ映画『空飛ぶゆうれい船』(1969年)をオマージュする案もあったが、最終的には題名を参考にした以外は、無関係な内容となった[5]。
全国487スクリーンで公開され、2011年8月6、7日の初日2日間で興収3億4,956万5,200円、動員29万3,147人(3D版:興収6,146万6,700円/動員4万626人、2D版:興収2億8,809万8,500円/動員25万2,521人)になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった[6]。他の3D映画作品とも重なった事もあり3Dと2Dのスクリーン数の内訳は189対298となり2D版に支持が集まっている。
あらすじ
ある日突然地球上空に現れた巨大な幽霊船、その中にはどんな願いも一つだけかなえる秘宝「ゴッドアイ」が隠されているという。マーベラスたちゴーカイジャーはゴッドアイを求めて幽霊船に乗り込むが、それは生体エネルギー奪取を目的とした幽霊船船長・ロスダークの罠だった。幽霊船内の不思議な異空間に引きずり込まれたゴーカイジャーに、かつてスーパー戦隊に敗れた戦闘員や怪人の亡霊たちが襲いかかる。
登場人物
海賊戦隊ゴーカイジャー
海賊戦隊ゴーカイジャー本編からの登場人物については、
- キャプテン・マーベラス / ゴーカイレッド
- 元赤き海賊団の一員であり、ゴーカイガレオンの船長。
- 秘宝「ゴッドアイ」を手に入れる為、鎧以外のメンバーと共に幽霊船に乗り込む。レッドホークに豪快チェンジして異空間から脱出し、ロスダークと一騎打ちをする。
- ジョー・ギブケン / ゴーカイブルー
- 冷静沈着な剣士であり、元ザンギャックの特殊部隊の一員。マーベラスを脱出させ、仲間と共にデカレンジャーに豪快チェンジしてエージェント・アブレラ達と戦う。
- ルカ・ミルフィ / ゴーカイイエロー
- 女盗賊。野球仮面戦ではキャッチャーを務めた。仲間と共にデカレンジャーに豪快チェンジしてエージェント・アブレラ達と戦う。
- ドン・ドッゴイヤー(ハカセ) / ゴーカイグリーン
- ゴーカイジャーのメカニック担当。
- 幽霊船内で怯え、ルカやアイムを呆れさせた。仲間と共にデカレンジャーに豪快チェンジしてエージェント・アブレラ達と戦う。
- アイム・ド・ファミーユ / ゴーカイピンク
- ファミーユ星の元王女。仲間と共にデカレンジャーに豪快チェンジしてエージェント・アブレラ達と戦う。
- 伊狩 鎧(いかり がい) / ゴーカイシルバー
- スーパー戦隊を愛する地球人。本編では初盤と終盤のみの登場。
- ジョギングの途中、にせゴーカイオーと幽霊船と遭遇し、豪獣神で立ち向かうが敗北する。
- ナビィ
- オウム型のロボット。鎧と同様、本編では初盤と終盤のみの登場。
宇宙帝国ザンギャック
- 司令官ワルズ・ギル、参謀長ダマラス
- ザンギャック第二次地球侵略部隊の総司令官とその補佐。
- ワルズはゴッドアイを狙おうとするが、部下の失敗でゴーミン達に激しく八つ当たりする。
- 開発技官インサーン、特務士官バリゾーグ
- ザンギャック第二次地球侵略部隊の女幹部とワルズの護衛。
- ワルズの命令で幽霊船に侵入しようとするが、幽霊船の急な方向転換により、空から落っこちる。
- 兵隊ゴーミン
- ザンギャックの戦闘員。バリゾーグ達と共に幽霊船に侵入しようとするが、空から落ちる。
過去の戦隊作品からの客演
- エージェント・アブレラ
- かつて特捜戦隊デカレンジャーに倒された、宇宙の武器商人。アーナロイド、バーツロイド、イーガロイドの3種のドロイド軍団を率いてゴーカイジャーに襲い掛かる。口調は以前よりも丁寧になっている。
- 歴代の戦闘員
- 歴代スーパー戦隊に倒され、無念の思いを抱えたまま魂となってさ迷っていた自称「悪の精鋭」の34の戦闘員。
- リーダー格は侍戦隊シンケンジャーが戦った外道衆のナナシ連中。
- 野球仮面(やきゅうかめん)
- かつて秘密戦隊ゴレンジャーに倒された、黒十字軍の仮面怪人。ゴレンジャーと野球対決をしたときは左打席だったが、前回はそれで負けたので右打席にスイッチしている(打法変更についてのシーンも撮影はされたのだが、尺の都合で作品には入らなかった[5])。生まれ変わって復活を果たしたと語っている。言動はコミカルで正々堂々と戦いを心情とする潔い人物。
- G3プリンセス
- 野球仮面との野球対決において、ゴレンジャーハリケーンのボールから現れた3人のチアガール。野球仮面を翻弄する。
本作オリジナルキャラクター
- 幽霊船長ロスダーク
- 全宇宙を手中に収める野望を持つ幽霊船の船長。生きた者だけの願いを叶える秘宝「ゴッドアイ」を手に入れたものの、その時には既に幽霊となっていた為、幽霊船に乗り込んだ者たちから生体エネルギーを奪って復活しようとしている。武器は大剣とリボルバー式のガンブレードの様な大型の銃。
- 合体戦闘員
- ナナシ連中を中心に歴代スーパー戦隊に倒された歴代の組織の戦闘員34体が合体した姿。全身に34に及ぶ顔が確認できる。34体が合体している為、戦闘員同士で争う事がある。
- 幽霊船の番人達
- 幽霊船に侵入したゴーカイジャーたちの前に現れた歌とイタズラが大好きな陽気な幽霊たち。自称「お宝の番人」だが、自分たちが宝の在り処を教えているのに全く気づいていない。口癖は三人とも「ユ〜レイヒ〜」。幽霊である為、ダメージを受けない。
- 演じる声優3名は『秘密戦隊ゴレンジャー』と『海賊戦隊ゴーカイジャー』の主題歌の歌手による夢の共演として抜擢された[7]。
- ガツン
- 角付きの兜をかぶった幽霊。ハカセを脅かし、頬にキスをする。
- ベロン
- 一つ目の幽霊。ルカとハカセを脅かし、怖がらせる。
- パチン
- 炎の形をした髪が特徴の幽霊。アイムのスカートを捲り、中を覗こうとするが、マーベラスに踏みつぶされる。
装備・戦力
- 豪獣レックス / 豪獣神
- ゴーカイシルバーが操る巨大ロボ。幽霊船探査のために呼び出すが、にせゴーカイオーに敗れる。
- ゴーカイガレオン / ゴーカイオー
- ゴーカイジャーの海賊船兼巨大ロボ。バリブルーン・マジドラゴン・ゲキタイガー・パトストライカー・ドラゴンヘッダーという大いなる力を同時に召喚した[8]。
- ゴッドアイ
- 今作のキーアイテム。生きる者の願いをどんなものでも一つだけ叶える事ができる伝説の秘宝。
- 幽霊船
- 今作の物語の舞台となる船。宝玉「ゴッドアイ」を積み、宇宙をさ迷い、死者の魂を呼び寄せると言われている伝説の船。帆船の形をしているがその大きさはゴーカイガレオンよりもはるかに大きく、ジョーの目測によればガレオンの20倍、甲板にいるゴーカイオーが通常の人間サイズに見えるほどである。
- にせゴーカイオー
- ロスダークが操る巨大ロボ。ゴーカイオーに酷似しているが、隻眼・マント・左腕の鉤爪・胸部や肩のマークなどの細かい部分に差異が見られる。序盤で豪獣神と、終盤でゴーカイオーと戦う。
- 本編では「海賊の海賊版なんて著作権の侵害です!」とアイムに指摘された。
キャスト
過去のスーパー戦隊シリーズで、同名・同団体名のキャラクターを演じた俳優には原典作品名を付記する。
- キャプテン・マーベラス / ゴーカイレッド(声):小澤亮太
- ジョー・ギブケン / ゴーカイブルー(声):山田裕貴
- ルカ・ミルフィ / ゴーカイイエロー(声):市道真央
- ドン・ドッゴイヤー(ハカセ) / ゴーカイグリーン(声):清水一希
- アイム・ド・ファミーユ / ゴーカイピンク(声):小池唯
- 伊狩鎧 / ゴーカイシルバー(声):池田純矢
SPECIAL THANKS
- G3プリンセス 『炎神戦隊ゴーオンジャー』
声の出演
- ナビィ:田村ゆかり
- 司令官ワルズ・ギル:野島裕史
- 参謀長ダマラス:石井康嗣
- 開発技官インサーン:井上喜久子
- 特務士官バリゾーグ:進藤学
- ロスダーク:内海賢二
- 野球仮面:永井一郎 『秘密戦隊ゴレンジャー』
- エージェント・アブレラ:中尾隆聖 『特捜戦隊デカレンジャー』
- 歴代の戦闘員:勇吹輝[9][10]
- ナレーション、ゴーカイジャー各種アイテム音声:関智一
SPECIAL THANKS
スーツアクター
- ゴーカイレッド[11]:福沢博文
- ゴーカイブルー[11]:押川善文
- ゴーカイイエロー[11]:蜂須賀祐一
- ゴーカイグリーン[11]:竹内康博
- ゴーカイピンク[11]:野川瑞穂
- ゴーカイシルバー[11]:佐藤太輔
スタッフ
- 原作 - 八手三郎、石ノ森章太郎
- 製作 - 鈴木武幸、平城隆司、高橋浩
- 企画 - 遠藤茂行、桑田潔、日達長夫、篠田芳彦、松田英史、垰義孝
- プロデューサー - 宇都宮孝明・大森敬仁(東映)、佐々木基(テレビ朝日)、矢田晃一・深田明宏(東映エージェンシー)
- エグゼクティブ・プロデューサー - 杉山登(テレビ朝日)、加藤和夫(東映ビデオ)
- 監督 - 渡辺勝也
- 脚本 - 荒川稔久
- 音楽 - 山下康介
- アクション監督 - 竹田道弘
- 特撮監督 - 佛田洋
- 撮影 - 大沢信吾
- 照明 - 柴田守
- 美術 - 大谷和正
- 録音 - 伝田直樹
- 編集 - 佐藤連
- スクリプター - 渋谷康子
- 整音 - 小林喬
- 助監督 - 荒川史絵
- 製作担当 - 小林智裕
- 視覚効果 - 沖満
- キャラクターデザイン - 韮沢靖、篠原保、K-SuKe
- プロデューサー補 - 望月卓
- 製作プロダクション - 東映テレビ・プロダクション
- 制作 - 劇場版「オーズ・ゴーカイジャー」製作委員会
- 配給 - 東映
挿入歌
上記の通り、劇場版としては初めて主題歌が存在せず[12]、スタッフクレジットは本編の冒頭に表示される。
- 「海賊戦隊ゴーカイジャー」
- 「ないしょのユーレイヒー」
- ゲスト出演した3人が歌う本作オリジナルの歌。
映像ソフト
- 海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船 メイキング 6人の絆(2011年7月21日発売)
- 映画本編のメイキングを収録。DVDのみリリース。
- 劇場版 仮面ライダーオーズ/OOO・海賊戦隊ゴーカイジャー 3D(2012年2月10日発売)
- 劇場版オーズの3D版も同時収録。BDのみリリース。
- 海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船(2012年2月21日発売)
- 劇場版本編のソフト化。BDとDVDでリリース。本編のみの通常版に加えて、ボーナスディスク(DVD)2枚組付きのコレクターズパック版も同時発売。
脚注
- ^ 2011年度(平成23年)興収10億円以上番組(平成24年1月発表)一般社団法人 日本映画製作者連盟 2012年1月26日発表
- ^ 『劇場版仮面ライダーオーズ』、『海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE』ヒーローが日本を元気にする!OCNアニメニュース 2011年6月16日
- ^ ただしハイゾビル、ジャリュウ、ノサカマタは未登場。パーツロイドとイーガロイドは合体戦闘員の一部にはならなかった。
- ^ 『秘密戦隊ゴレンジャー』『ジャッカー電撃隊』の原作者。
- ^ a b 劇場版パンフレット「スタッフインタビュー・荒川稔久」より。
- ^ 『仮面ライダー』が『ハリポタ』を破り1位!香取『こち亀』は7位発進!シネマトゥデイ 2011年8月10日
- ^ 劇場版パンフレットより。
- ^ 大いなる力の同時召喚は、他の劇場版やテレビ本編でも使用されていない。
- ^ “Twitter / @IBUKI_VOICE: 只今絶賛公開中。ゴウカイジャー劇場版は戦闘員の精鋭達 ...”. 2011年8月18日閲覧。
- ^ 演じた勇吹輝は、歴代の戦闘員のうちオルゲット(『百獣戦隊ガオレンジャー』に登場するオルグの戦闘員)を演じた経験がある。
- ^ a b c d e f 『東映ヒーローMAX』 vol.38、辰巳出版、2011年。
- ^ 過去の作品ではVシネマ『魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー』も主題歌がない。こちらは終盤でスタッフクレジットを流している。
参考文献
- 用田邦憲・竹中清(編集・取材・文)『「海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船」「劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル」パンフレット』、2011年。