機体記号

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欧州諸国の国籍記号一覧地図
イギリス籍”G"を表す機体記号を付けたセスナ機
日本籍を表す"JA"で始まる機体記号を付けた旅客機の主翼(全日空ボーイング767-381ER)

機体記号(きたいきごう、英語:aircraft registration)とは、航空機などに付けられる個別の機体ごとの認識記号の通称で、俗に機体番号(略して機番)とも、英語のレジストレーションを略して単にレジと呼ぶ場合もある。航空法上の正式名称は国籍記号および登録記号である。

航空機認識の表示方法が数字のみの場合もあるが、こちらはアメリカ空軍テールコード)、ロイヤルエアフォース(イギリス)や航空自衛隊(日本)などの軍用機に対し用いられる。そのため民間機に「機体数字」といった呼び方はしない。

なお船舶にも個別認識番号があるが、本稿では民間航空機に対してつけられる機体記号について論述する。

機体記号

国際民間航空機関(ICAO)に加盟する世界各国の国家および地域の民間航空機を認識するためにつけられるのが機体記号である。そのため軍用機にみられる数字のみのシリアルナンバーと区別するために、アルファベットもしくはアルファベットと数字の組み合わせで国籍を表し、一般的にはダッシュでふられた(アメリカや日本など、ダッシュでふらない国もあり)その後ろに数字もしくはアルファベットによって個別の機体認識記号が付けられることになる。

例として日本の場合はJA1234やJA12ABなどとなる。"JA"は日本国籍をあらわし、その後ろの数字もしくはアルファベットが機体固有の登録記号となる。このことは航空法施行規則に定められており、133条は「航空機の国籍は、装飾体でないローマ字大文字JA(以下「国籍記号」という。)で表示しなければならない」、134条は「登録記号は、装飾体でない4個のアラビア数字又はローマ字の大文字で表示しなければならない」としている。

日本の機体記号

日本では国土交通省(航空機登録原簿)への登録をして交付された航空機登録証明書に記載された国籍記号と登録記号を表示しなければならないが(詳しくは航空機の登録を参照)、かつては"JA"の後ろは機種別の登記になっており、航空機の機種別に次のように分類した登録をすることとしており、民間の航空会社だけでなく警察消防海上保安庁などの官庁で運用される航空機にも適用される、ただし自衛隊の場合は航空法の適用除外である為、独自の機体記号が用いられる。

0001〜0999 第三種滑空機
1001〜1999 特殊航空機
2001〜2999 第一種、第二種滑空機、動力滑空機
3001〜4999 ピストン単発飛行機
5001〜5999 ピストン多発飛行機
6001〜6999 ターボシャフト・ヘリコプター
7001〜7999 ピストン・ヘリコプター
8001〜8999 ジェット機ターボプロップ機
9001〜9999 ターボシャフト・ヘリコプター

上記のうち、航空会社でおもに使用されるジェット機およびターボプロップ機の旅客機についてはさらに細かい分類が行われていた。最初は"JA8000"番台は4発ジェット旅客機(DC-8初号機がJA8001)、"JA8100"番台は大型4発ジェット旅客機(当時はボーイング747のみ)、"JA8300"番台は3発ジェット旅客機(ボーイング727など)、"JA8400"番台は双発ジェット旅客機(ボーイング737など)、"JA8500"番台は大型3発ジェット旅客機DC-10トライスターなど)、"JA8600"番台はターボプロップ旅客機(YS-11など)、というように分類されていたが、1990年代以降、航空機の登録数が大幅に増加し、この法則では賄いきれなくなり、空いている番号を埋めていった。そのため、当てはまらないケースも出てきたことから、現在では”JA+3桁の数字+アルファベット1つ”もしくは”JA+2桁の数字+アルファベット2つ”のパターンになっており、さらに「アルファベットのI(アイ)・O(オー)・S(エス)は使用不可」などの詳細な規則も規定されている(アラビア数字の1・0・5と誤認されるを防ぐため)。

また、戦前までは"J-ABCD"といった、現在のイギリスに近い表記方法であった。1952年に民間航空が再開された時に国籍記号が"JA"となった。

日本では、自動車の登録番号と同様に一度使用された機体記号は原則として二度と使用しない。日本航空ボーイング747-246F(Ser.22477)のJA8151は1994年にアメリカのサザン・エア・トランスポートに売却されたのちに、1999年に日本航空に復帰したがJA8937として再登録された。(例外として一度輸出されたYS-11が帰国した時に同じ機体記号が使用されたことがある)が、一部の国では同じ記号を再使用する場合もある。例えばフランスのF-WW**はエアバスのテストレジ(ユーザへの引き渡し前に行う試験飛行の際、一時的に登録される機体記号)のため、何度も使い回されている。 ただし日本でも再割り当ての事例も確認されており、2006年12月に登録された全日空ボーイング777-381ER(Ser.32650)のJA777Aは、1997年に事故により大破し抹消登録されたロビンソンR44型回転翼機の登録記号と同じである。

日本国政府専用機は現在航空自衛隊に所属するため、専用のシリアルナンバーが付けられているが、アメリカから日本に飛行での空輸での到着時は民間機扱いの登録であった。現在はそれぞれ「1号 - JA8091→20-1101、2号機 - JA8092→20-1102」へ変更されている。また3号機の導入を見越してJA8093も割り振られていたが、導入が見送られたため未使用のまま現在も欠番である。

国籍記号一覧

この一覧を参照すればわかるように、国家名と国籍記号はほとんど一致していないことが見て取ることができ、国籍記号から国家名を連想しにくい。国家名と国籍記号を直感的に連想できるのは

  • 日本 = JA pan
  • カナダ = C anada
  • イタリア = I taly
  • フランス = F rance
  • ドイツ = D eutschland
  • ジンバブエ = Z imbabwe
  • エチオピア = EThiopia
  • イギリス = G reat Britain

くらいしかない(国家名の頭文字から)。ほかには、

が推測できるのみである。

国家名もしくは地域名 国籍記号 登記記号規則
アフガニスタンの旗 アフガニスタン YA abc
アルバニアの旗 アルバニア ZA abc
アルジェリアの旗 アルジェリア 7T abc
アンドラの旗 アンドラ C3 abc
アンゴラの旗 アンゴラ D2 abc
アンティグア・バーブーダの旗 アンティグア・バーブーダ V2 abc
アルゼンチンの旗 アルゼンチン LQ abc
アルゼンチンの旗 アルゼンチン LV abc
アルメニアの旗 アルメニア EK 12345
アルバの旗 アルバ P4 abc
オーストラリアの旗 オーストラリア VH abc
 オーストリア OE abc
アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン 4K ab1 or ab12 or 12345
バハマの旗 バハマ C6 abc
バーレーンの旗 バーレーン A9C ab
バングラデシュの旗 バングラデシュ S2 abc
バルバドスの旗 バルバドス 8P abc
 ベラルーシ EW 123ab or 12345
ベルギーの旗 ベルギー OO abc
ベリーズの旗 ベリーズ V3 abc
ベナンの旗 ベナン TY abc
バミューダ諸島の旗 バミューダ諸島 VP-B ab
バミューダ諸島の旗 バミューダ諸島 VQ-B ab
ブータンの旗 ブータン A5 abc
ボリビアの旗 ボリビア CP 1234
ボスニア・ヘルツェゴビナの旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ T9 abc
ボツワナの旗 ボツワナ A2 abc
ブラジルの旗 ブラジル PP abc
ブラジルの旗ブラジル PR abc
ブラジルの旗ブラジル PT abc
イギリス領ヴァージン諸島の旗 イギリス領ヴァージン諸島 VP-L ab
ブルネイの旗 ブルネイ V8 abc or ab1 or 123
 ブルガリア LZ abc
ブルキナファソの旗 ブルキナファソ XT abc
ブルンジの旗 ブルンジ 9U abc
カンボジアの旗 カンボジア XU 123
カメルーンの旗 カメルーン TJ abc
カナダの旗 カナダ C-F abc
カナダの旗 カナダ C-G abc
カナダの旗 カナダ C-I abc
カーボベルデの旗 カーボベルデ D4 abc
ケイマン諸島の旗 ケイマン諸島 VP-C ab
中央アフリカ共和国の旗 中央アフリカ TL abc
チャドの旗 チャド TT abc
 チリ CC abc
中華民国の旗 台湾 B 12345
中華人民共和国の旗 中国 B 1234
 コロンビア HK 1234a
コモロの旗 コモロ連合 D6 abc
 コンゴ民主共和国 9Q abc
コンゴ共和国の旗 コンゴ共和国 TN abc
コスタリカの旗 コスタリカ TI abc
クロアチアの旗 クロアチア 9A abc
 キューバ CU-T 1234
キプロスの旗 キプロス 5B abc
北キプロス・トルコ共和国
(国際的未承認)
トルコのTCを使用 abc
 チェコ OK abc or abc12 or 1234 or A123 [1]
 デンマーク OY abc
ジブチの旗 ジブチ J2 abc
ドミニカ国の旗 ドミニカ国 J7 abc
ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国 HI 123ab
エクアドルの旗 エクアドル HC abc
 エジプト SU abc
エルサルバドルの旗 エルサルバドル YS abc
赤道ギニアの旗 赤道ギニア 3C abc
エリトリアの旗 エリトリア E3 abc
 エストニア ES abc
エチオピアの旗 エチオピア ET abc
フォークランド諸島の旗フォークランド諸島 VPF ab
フィジーの旗 フィジー DQ abc
 フィンランド OH abc
フランスの旗 フランス F abcd
フランス領アンティル F-OG ab
フランス領ギアナの旗 フランス領ギアナ F-O abc
ガボンの旗 ガボン TR abc
ガンビアの旗 ガンビア C5 abc
ジョージア (国)の旗 ジョージア 4L 12345 or abc
ドイツの旗 ドイツ D abcd
ガーナの旗 ガーナ 9G abc
ジブラルタルの旗ジブラルタル VPG ab
ギリシャの旗 ギリシャ SX abc
グレナダの旗 グレナダ J3 abc
グアテマラの旗 グアテマラ TG abc
ギニアの旗 ギニア 3X abc
ギニアビサウの旗 ギニアビサウ J5 abc
ガイアナの旗 ガイアナ 8R abc
ハイチの旗 ハイチ HH abc
ホンジュラスの旗 ホンジュラス HR abc
香港の旗 香港 B-H; B-K; B-L
(Bは中国の国籍記号)
ab
 ハンガリー HA abc
アイスランドの旗 アイスランド TF abc
インドの旗 インド VT abc
インドネシアの旗 インドネシア PK abc
イランの旗 イラン EP abc
イラクの旗 イラク YI abc
アイルランドの旗 アイルランド EI abc
イスラエルの旗 イスラエル 4X abc
イタリアの旗 イタリア I abcd
コートジボワールの旗 コートジボワール TU abc
ジャマイカの旗 ジャマイカ 6Y abc
日本の旗 日本 JA 1234 or 123a or 12ab or a123
ヨルダンの旗 ヨルダン JY abc
カザフスタンの旗 カザフスタン UN 12345
 ケニア 5Y abc
キリバスの旗 キリバス T3 abc
朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮 P 123
大韓民国の旗 韓国 HL 1234
クウェートの旗 クウェート 9K abc
キルギスの旗 キルギス EX 12345 or 123
ラオスの旗 ラオス RDPL 12345
 ラトビア YL abc
レバノンの旗 レバノン OD abc
レソトの旗 レソト 7P abc
リベリアの旗 リベリア A8 abc
リビアの旗 リビア 5A abc
 リトアニア LY abc
ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク LX abc
マカオの旗 マカオ B-M ab
北マケドニア共和国の旗 北マケドニア Z3 abc
マダガスカルの旗 マダガスカル 5R abc
マラウイの旗 マラウイ 7Q abc
マレーシアの旗 マレーシア 9M abc
モルディブの旗 モルディブ 8Q abc
マリ共和国の旗 マリ TZ abc
マルタの旗 マルタ 9H abc
マーシャル諸島の旗 マーシャル諸島 V7 1234
モーリタニアの旗 モーリタニア 5T abc
モーリシャスの旗 モーリシャス 3B abc
メキシコの旗 メキシコ XA abc
メキシコの旗メキシコ XB abc
メキシコの旗メキシコ XC abc
ミクロネシア連邦の旗 ミクロネシア V6 abc
モルドバの旗 モルドバ ER abc or 12345
モンテネグロの旗 モンテネグロ 4O abc
モナコの旗 モナコ 3A abc
モンゴルの旗 モンゴル JU 1234
モントセラトの旗 モントセラト VPL ab
モロッコの旗 モロッコ CN abc
モザンビークの旗 モザンビーク C9 abc
ミャンマーの旗 ミャンマー XY abc
ミャンマーの旗ミャンマー XZ abc
ナミビアの旗 ナミビア V5 abc
ナウルの旗 ナウル C2 abc
ネパールの旗 ネパール 9N abc
オランダの旗 オランダ PH abc
オランダ領アンティルの旗 アンティル PJ abc
ニュージーランドの旗 ニュージーランド ZK abc
ニュージーランドの旗ニュージーランド ZL abc
ニカラグアの旗 ニカラグア YN abc
ニジェールの旗 ニジェール 5U abc
ナイジェリアの旗 ナイジェリア 5N abc
 ノルウェー LN abc
オマーンの旗 オマーン A4O ab
パキスタンの旗 パキスタン AP abc
パレスチナ国の旗 パレスチナ SU-Y ab
パナマの旗 パナマ HP 1234abc
パプアニューギニアの旗 パプアニューギニア P2 abc
パラグアイの旗 パラグアイ ZP abc
ペルーの旗 ペルー OB 1234
フィリピンの旗 フィリピン RP-C 1234
ポーランドの旗 ポーランド SP abc
ポルトガルの旗 ポルトガル CS abc
カタールの旗 カタール A7 abc
レユニオン F-OD ab
 ルーマニア YR abc
ロシアの旗 ロシア RA [1] 12345 or 1234K
ルワンダの旗 ルワンダ 9XR ab
セントヘレナの旗セントヘレナ VQ-H ab
セントクリストファー・ネイビスの旗 セントクリストファー・ネイビス V4 abc
セントルシアの旗 セントルシア J6 abc
セントビンセント・グレナディーンの旗 セントビンセント・グレナディーン J8 abc
サモアの旗 サモア 5W abc
サンマリノの旗 サンマリノ T7 abc
サントメ・プリンシペの旗 サントメ・プリンシペ S9 abc
サウジアラビアの旗 サウジアラビア HZ abc or ab1 or ab12 or abc1
セネガルの旗 セネガル 6V abc
セネガルの旗セネガル 6W abc
セーシェルの旗 セーシェル S7 abc
シエラレオネの旗 シエラレオネ 9L abc
シンガポールの旗 シンガポール 9V abc
スロバキアの旗 スロバキア OM abc
スロベニアの旗 スロベニア S5 abc
ソロモン諸島の旗 ソロモン諸島 H4 abc
ソマリアの旗 ソマリア 6O abc
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 ZS abc
南アフリカ共和国の旗南アフリカ共和国 ZT abc
南アフリカ共和国の旗南アフリカ共和国 ZU abc
セルビアの旗 セルビア YU abc
スペインの旗 スペイン EC abc
スリランカの旗 スリランカ 4R abc
スーダンの旗 スーダン ST abc
スリナムの旗 スリナム PZ abc
エスワティニの旗 エスワティニ 3D abc
 スウェーデン SE abc
スイスの旗 スイス HB abc
シリアの旗 シリア YK abc
フランス領ポリネシアの旗 タヒチ F-OH ab
タジキスタンの旗 タジキスタン EY 12345
タンザニアの旗 タンザニア 5H abc
タイ王国の旗 タイ HS abc
トーゴの旗 トーゴ 5V abc
トンガの旗 トンガ A3 abc
トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ 9Y abc
チュニジアの旗 チュニジア TS abc
トルコの旗 トルコ TC abc
トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン EZ a123
タークス・カイコス諸島の旗 タークス・カイコス諸島 VQ-T ab
ツバルの旗 ツバル T2 abc
ウガンダの旗 ウガンダ 5X abc
 ウクライナ UR 12345 or abc
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 A6 abc
イギリスの旗 イギリス G abcd
国際連合の旗 国際連合 4U abc
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国1 N 12345
1234a
123ab
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 NC 使用されない
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 NL 使用されない
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 NR 使用されない
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 NX 使用されない
ウルグアイの旗 ウルグアイ CX abc
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン UK 12345
バヌアツの旗 バヌアツ YJ ab1 or ab12
ベネズエラの旗 ベネズエラ YV 123
 ベトナム VN 1234 or a123
イエメンの旗 イエメン 7O abc
ザンビアの旗 ザンビア 9J abc
ジンバブエの旗 ジンバブエ Z abc

以上の国のうち、サンマリノには空港やヘリポートがないため登録されている航空機は存在しない。

モナコには空港はないが、ニースのコート・ダジュール空港からモナコまで、ヘリ・エア・モナコによるヘリコプター定期便が運航されているほか、遊覧飛行用や自家用も登録されている。

敗戦国と機体記号

  • 前述の通り、日本の機体記号は、戦前までは「J-ABCD」といった表記方法であった。例えば神風号はJ-BAAI、ニッポン号はJ-BACIという具合であった。戦後民間航空が再開された時に現在のスタイルになった。
  • ドイツの機体記号は、戦前までは「D-1929」といった、現在の韓国などに近い表記方法であった。戦後民間航空が再開された時に現在のスタイルになった。なお、旧東ドイツ1973年まで「DM-ABC」、それ以後は「DDR-ABA」という形であった。DDRはドイツ語の国名"Deutsche Demokratische Republik"の略称である。(例示した「DDR-ABA」はインターフルクエアバスA310で、ドイツ統一時に「D-AOAA」となったが会社自体がなくなったため短命に終わった)

独立国や海外領土などの国籍記号

  • クロアチアの国籍記号は現在「9A」であるが、ユーゴスラビアから独立した一時期「CR」という機体記号を国際的承認なしに暫定的に使用していた。
  • 中華人民共和国、中華民国(台湾)、香港、澳門(マカオ)の4つの国及び地域は、全て中国の国籍記号である「B」を国表記記号として使用している。なお、中国本土と台湾は双方ともBプラス数字といった機体記号を使用している。そのため、過去に同じ機体記号が存在していた可能性もあるが、現在では中国は4桁、台湾は5桁となっているため重複は無い。香港と澳門は機体記号が全てローマ字であるので、区別がしやすい。
  • 香港がイギリスから中国に返還される前まではVR-H**という機体記号が割り当てられていた。また澳門も1999年まで中国とは別の機体記号(旧宗主国のポルトガルと同じ記号)が割り当てられていた。返還に際して、中国に対してVR-Hが香港時代からそのまま割り当てられているが、現在は使用されていない。また、この時点まで同じVR-を使用していたイギリス領の各地では、VR-がイギリスと中国の両方に割り当てられてしまうと不具合が生じる事から、香港返還と同時にVP-に変更された。

その他

  • かつてのソビエト連邦の機体記号は「SSSR-12345」といったスタイルであった。しかしながら実際にはキリル文字表記であったため「CCCP-12345」と表示されていた。
  • イギリスのような形態の場合は、無線連絡などの際にフォネティックコードで呼ばれることがある。例えば、英国海外航空781便墜落事故の事故機であるデ・ハビランド DH.106 コメット"G-ALYP"は"Yankee Papa"(ヤンキー・パパ[2])と呼ばれていた。
  • アメリカの民間航空会社の機材では、機体番号の最後の二文字が航空会社IATA航空会社コードになっていることが多い。例えば、アメリカン航空なら"AA"、旧パンアメリカン航空なら"PA"といった具合である。余談だが、日本貨物航空もこの法則に当てはまる(JA02KZなど)。また、最近の「JA+3桁数字+1つのアルファベット」のスタイルになってからは、日本航空が末尾にJ、全日空が末尾にAを用いているほか、全日空の一部機体では社名の略称「ANA」にちなんで、JA01ANというスタイルの機体記号も用いている。

脚注

  1. ^ ロシア製航空機以外はRAで始まる機体記号を付けられない決まりになっている。
  2. ^ 書籍によっては「ヨーク・ピーター」になっている場合もある。

外部リンク