エアバスA310

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エアバスA310

ブリティッシュ・カレドニアン航空のエアバスA310-200

ブリティッシュ・カレドニアン航空のエアバスA310-200

エアバスA310Airbus A310)はヨーロッパの国際共同会社のエアバス・インダストリー社(現:エアバス)が製造していた双発の中型ジェット機である。

歴史[編集]

エアバス・インダストリー社は、同社初の機種であるA300の次に開発する旅客機として、A300の2人乗務の短胴型を構想し、それに基づいて開発されたのが本機である。そのため当初の仮称はA300B10だった。

主翼内の燃料タンク容量の差異により、短距離型A310-100(航続距離1,800海里)と中距離型A310-200(航続距離2,600海里)の2機種の開発を行う構想であったが、-100型の受注はなく開発も行われなかった。

中距離型A310-200は、ルフトハンザドイツ航空スイス航空ローンチカスタマーとなり、1978年7月から開発が開始された。初飛行は1982年4月3日、1983年より商業運航を開始した。

-300型は-200型を元に航続距離を延長した型で、大西洋横断飛行や、アジアからヨーロッパの大陸間の横断無着陸飛行が可能となった。水平尾翼内および床下貨物室内に燃料タンクを増備し、空力性能向上を目的として主翼端にウイングチップフェンスを追加している。1985年7月8日に初飛行した。

250席クラスのワイドボディを持った中長距離機として、ライバルのボーイング767とともに欧米やアジアの航空会社のみならず、中南米アフリカ中東の航空会社からも多数のオーダーを受け受注を伸ばした。生産は1998年6月に終了し、事実上の後継機材はエアバスA330となっている。2010年8月の時点で255機のA310が納入され208機が運行中である。

特徴[編集]

A300の胴体をキャビン部分でフレーム11個分、垂直尾翼下方(胴体後部)で2フレーム分、合計6.96m短縮したものであり、双発のワイドボディ機である。垂直尾翼はA300と同じであるが、主翼・水平尾翼は新規に設計されている。エンジンはターボファンエンジンプラット・アンド・ホイットニーJT9Dを採用。

コクピットにはA300で成功したFFCCツーマンクルー・コクピットにCRTディスプレー を採用、飛行管理装置 (FMS) の導入をおこない、電子技術・自動化の分野で第4世代のジェット旅客機となった。兄弟型のA300の-600シリーズにはA310のコクピットを流用して2人乗務にしている。

派生型[編集]

ビーマン・バングラデシュ航空 エアバスA310-300型機
  • A310-100:短距離型。計画のみ。
  • A310-200:初期量産型。最大航続距離6,800km(3,670海里)
  • A310-200C/-300C:貨客混載/転換型
  • A310-200F/-300F:純貨物型(旅客型からの改造のみで新造はなし)
  • A310-300:長距離型。最大航続距離9,600km(5,200海里)
  • A310MRTT:軍用多目的空中給油機EADSより提案され、カナダ空軍ドイツ空軍が採用。

-200型と-300型は翼端に装備されたウイングチップフェンスの有無(-300に装備)が相違点であったが、-200型にも後に装備する改修が行われたものが有るため外観による区別は難しくなっている。

仕様(A310-300型機)[編集]

  • 全幅:43.90m
  • 全長:46.66m
  • 全高:15.80m
  • 乗員・乗客:210~280名

運航者(一部)[編集]

航空会社[編集]

フェデラル・エクスプレスのエアバスA310-200型機
ドイツ空軍のエアバスA310-300型機(元インターフルーク所有機)

政府、軍[編集]

生産[編集]

A310は全部で255機が生産され納入された。

合計 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 1989 1988 1987 1986 1985 1984 1983
納入 255 1 2 2 2 2 22 24 19 18 23 28 21 19 26 29 17


事故概略[編集]

シベリア航空(現S7航空)のエアバスA310-300型機
  • 機体損失事故:6回、総計518人死亡。
  • ハイジャック:10回、総計5人死亡。

主な事故[編集]

要目[編集]

 [3] A310-200 A310-200F A310-300 A310-300F
操縦士 2名
全長 46.66メートル (153 ft 1 in)
全高 15.8メートル (51 ft 10 in)
翼幅 43.9メートル (144 ft)
翼面積 219平方メートル (2,360 ft²)
後退角 28 °
断面積 5.64メートル (18 ft 6 in)
旅客 (2-クラス) 240名 33t 貨物 240名 33t 貨物
最大離陸重量 141,974 kg (312,342 lb) 164,000 kg (361,600 lb)*
非積載時重量 80,142 kg
(176,312 lb)
72,400キログラム (160,000 lb) 83,100 kg
(183,300 lb)
73,900 kg
最大燃料積載量 55,200 l (14,603 US g) 75,470 l (19,940 US g)
巡航速度 (M) 0.80 (850 km/h.)
最大速度 (M) 0.84 (901 km/h.)
巡航高度 12,500 m (41,000 ft)
推力 (×2) 50,000重量ポンド (220 kN)から53,200重量ポンド (237 kN) 56,000重量ポンド (250 kN)から59,000重量ポンド (260 kN)
エンジン PWJT9D-7R4またはCF6-80C2A2    PW4156AまたはCF6-80C2A8   
航続距離 6,800 km
(3,670 nm)
大陸横断
5,550キロメートル (3,000 nmi) 9,600 km
(5,200 nm)
大西洋横断
7,330キロメートル (3,960 nmi)

* 推力157,000 kgの仕様は−300の標準で、推力164,000 kgの仕様はオプションである。

航空機モデルの指定[編集]

出典: フランス DGAC 滞空証明データーシート No. 145

機種 滞空証明取得 エンジン
A310-203 1983年3月11日 ゼネラル・エレクトリック CF6-80A3
A310-203C 1984年11月27日 ゼネラル・エレクトリック CF6-80A3
A310-204 1986年4月23日 ゼネラル・エレクトリック CF6-80C2A2
A310-221 1983年3月11日 プラット & ホイットニー JT9D-7R4D1
A310-222 1983年9月22日 プラット & ホイットニー JT9D-7R4E1
A310-304 1986年3月11日 ゼネラル・エレクトリック CF6-80C2A2
A310-308 1991年6月5日 ゼネラル・エレクトリック CF6-80C2A8 または CF6-80C2A2
A310-322 1985年12月5日 プラット & ホイットニー JT9D-7R4E1
A310-324 1987年5月27日 プラット & ホイットニー PW4152
A310-325 1992年3月6日 プラット & ホイットニー PW4156A

関連項目[編集]

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脚注[編集]

脚注
出典
文献

外部リンク[編集]