エアバス A310 MRTT

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

A310 MRTT

2007年、パリ航空ショーに出展されたドイツ空軍のA310 MRTT

2007年、パリ航空ショーに出展されたドイツ空軍のA310 MRTT

エアバス A310 MRTT(Airbus A310 MRTT)とは、エアバス A310-300を改造して製造された空中給油機である[1]。MRTTとは、多任務給油・輸送機 (Multi Role Tanker Transport) の頭字語である。

概要[編集]

EADS、エアバス、ルフトハンザ・テクニックによりA310-300から改造された空中給油機であり、空中給油以外に、貨物機、VIPにも対応可能な旅客機、医療搬送仕様機、貨客混載でのコンビネーション運用に対応している。

ドイツ空軍は2004年9月29日に受領し[2]、それに先立つ2004年7月28日には、空中給油に初成功している[3]。2007年7月にはアビオニクスの更新が行われている。また、 カナダ空軍は2004年10月に受領している。[1]

任務における空中給油の初成功は、2009年2月4日ロストック=ラーゲ空港からバンガロールへ向けて飛行中のユーロファイターに対して行われたものである[4]

運用[編集]

空中給油はプローブアンドドローグ方式であり、両翼に1基ずつ搭載されたポッドを介して行う。ドイツ空軍では、速度520kmで2機に対して毎分1500リットルの燃料を給油可能としている[5]。給油可能な燃料は進出距離3000nmで33t、1000nmで40tとされている[1]。また、フライングブーム式への改造も視野に入れており、この場合の給油速度は毎分1,200USガロンで、機体側面下部にプローブアンドドローグ式に対応するホースを2つ設けて、各800USガロンの給油も可能とされている[1]が、実機には採用されていない。給油機としての運用時は、貨物としての燃料タンクかACTと呼ばれる増槽を5基まで搭載して行われる[1]

貨物機としては、機体を4つに分けて運用される。機体上部の主となる積載スペースは機体左側面の大型扉から積み下ろしを行い、機体下部のスペースは3つに分けて用いられる。高さ96インチまでのコンテナ・パレットに対応しており、移動は電動であるが、固定は手動式である[1]。 積載重量は42トンまで対応しているが[5]、カナダ空軍は積載重量32tで運用している[6]

旅客機としては、ドイツ空軍は214名、カナダ空軍は194名のコンフィギュレーションで運用している[5][6]

医療搬送に充てられる場合、重傷者対応のユニット6基、担架56基を搭載可能である[1]。ドイツ空軍の運用では、担架38基となっている[5]

貨客混載も可能であり、ドイツ空軍の場合パレット12台と乗客57名の仕様としている[5]

運用者[編集]

スペック[編集]

出典: A310 MRTT”. ドイツ空軍. 2012年7月24日閲覧。

諸元

性能

  • 最大速度: 885km
  • 巡航速度: 860km
  • フェリー飛行時航続距離: 11,000km
  • 航続距離: 9,600km[6]
  • 実用上昇限度: 12,500m
  • 離陸滑走距離: 2180 - 2500m[7]
  • 着陸滑走距離: 1550m[7]


お知らせ。 使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i Airbus A310 MRTT Multi-Role Tanker Transport”. airforce-technology.com. 2012年7月24日閲覧。
  2. ^ A310 MRTT”. deagel.com. 2012年7月24日閲覧。
  3. ^ Airbus A310 MRTT Performs First Air Refueling”. deagel.com. 2012年7月24日閲覧。
  4. ^ Eurofighter der Luftwaffe treffen zur Aero India in Bangalore ein” (ドイツ語). FLUG REVUE. 2012年7月24日閲覧。
  5. ^ a b c d e A310 MRTT”. ドイツ空軍. 2012年7月24日閲覧。
  6. ^ a b c d e CC-150 Polaris”. カナダ空軍. 2012年7月24日閲覧。
  7. ^ a b Airbus A310MRTT”. FLUG REVUE. 2012年7月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]