機長

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機長(きちょう)とは、航空機乗員のうちの最高責任者・管理者。

解説[編集]

一般的に機長というと、航空機の機長を指す。操縦をし、他の乗員に対して指示を出し命令し、指揮を執るのが役目である。旅客機または貨物機では、船舶と同じくキャプテンと呼ばれる。小型機や自家用機、ビジネスジェットの機長は、PIC(ピーアイシー。PILOT IN COMMANDの略で指揮操縦士)と呼ばれる。

日本の場合、旅客機貨物機の機長のほとんどは定期運送用操縦士の資格を要し、操縦できる機種や路線など細かく資格が分かれている。

なお、その他のフライトでは、事業用操縦士自家用操縦士の資格のみでも機長業務を行うことができる。

勤務中に携帯しているトランク(副操縦士も同じ物を持つ)は「フライトケース」または「フライトバッグ」といい、中にはライセンス(航空従事者技能証明書、航空身体検査証明書、航空無線通信士無線従事者免許証の3つ。さらに国際線では2008年(平成20年)3月5日から航空英語能力証明書も必要になった)、航空図、運用する機体に関するマニュアル、社内規定集、通信用のヘッドセット(個人用が貸与されている場合)、手袋サングラスなどが収められている。さらに、フライトコンピュータ(航法計算盤。計算尺の一種)を持つ場合もある。フライトケース自体も、一般的なトランクとは構造が違い、操縦席でいつでも参照など出来るよう、鞄同様に立てた状態で開けられるようになっている。目的地で一泊する勤務の場合には、これにオーバーナイトバッグ、ステイバッグなどと呼ばれる着替えや私物を入れた鞄が荷物に加わる。乗務員だからといって出入国審査や保安検査がフリーパスということはなく、専用の通路で検査を受ける。

国際的団体として「国際定期航空操縦士協会連合会」、日本国内の団体として「日本定期航空操縦士会」がある。

航空法上の機長[編集]

航空法では機長(英訳はPILOT IN COMMAND)と呼び、小型機・大型機等で名称上の違いはない。自家用飛行でも自家用操縦士が、使用事業でも事業用操縦士が機長となる。航空運送事業において、操縦に2人を要する航空機の機長は定期運送用操縦士の資格が必要であるが、1人で操縦できる航空機は事業用操縦士であっても機長となれる。

ただし、航空運送事業の機長は単に定期運送用操縦士等の技能証明を受けているだけでは足らず、軽量機を除きさらに別途機長認定が必要である。

機長認定[編集]

日本の場合、航空運送事業の一定以上の大きさの航空機に乗り組む機長は、必要な知識及び能力を有することについて国土交通大臣の認定を受けなければならない。[1]

機長認定は事業者や型式ごとになされ、初期認定審査と、所定の定期審査及び訓練がある。機長資格を維持するためには審査・訓練を受け続けなければならい。[2]

具体的には次の事項に関して審査が行われる。

1. 航空機の運航に関する次の事項に係る知識及び能力
イ 出発前の確認
ロ 航空機の出発及び飛行計画の変更に係る運航管理者の承認
ハ 航空機乗組員及び客室乗務員に対する指揮監督
ニ 安全阻害行為等の抑止の措置、危難の場合の措置その他の航空機の運航における安全管理
2. 通常状態及び異常状態における航空機の操作及び措置

上記の1.に関する審査は路線審査、2.に関する審査は技能審査と呼ばれ、それぞれ個別に行われる。

米国では基本的に航空会社の社内審査により機長資格を認定しているが、初期審査時には国の運航審査官が同乗する。

他の諸国でも概ね、日本または米国と同様の制度が取られている。

他の輸送機関の長との違い[編集]

航空機では、最高指揮者である機長が自ら操縦も行うのが普通であるが、航空機以外の輸送モードでは必ずしもそうではない。ただ、旧日本軍の大型機では、「機長」は爆撃手やナビゲーターであった。これはキャリアパスの違いによるものであり操縦士→爆撃手→ナビゲーターという、特に機械航法の発展していなかった時代及び各国の運用思想によるものであった。

  • 船舶
    • 小規模な船舶では船長艇長)が操縦者であることも多いが、大型船の場合、船長は他の乗組員に指示を行なう事を主に行い、操縦は操舵士航海士などが行っている。
  • 列車
    • 通常、列車の長は車掌である。ただし、これは業務上の指示命令系統上の取扱いであって、職制上は運転士が上の場合もある。運転指令所からの指示は車掌が受け、それを車内電話で運転士に伝える。ワンマン運転の場合は運転士が長となる。
  • 宇宙船
    • 宇宙船の場合も最高責任者は船長と呼称する。

脚注[編集]

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  1. ^ 国土交通省・航空:機長の認定制度(航空法第72条)
  2. ^ ボーイング787のバッテリー問題による運航停止中は、この定期審査を受けられないために機長資格が失効したパイロットが問題となり、機長認定の柔軟な運用を行うなどの特例措置がとられた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]